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探し続ける
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私は、宅建の資格を取る為に落ち着いて勉強ができる場所を探していた。
実家に住んでいますが、姉が離婚し帰ってきました。
姉が親権を持っているので子供たちも一緒です。
姉の子どもは、懐いていてとてもかわいいし大好きです。
就職を考え、資格を取る為に集中して勉強がしたいと思っていました。
3DKの我が家には私が落ち着ける場所がなく、図書館などで勉強をしていました。
しかし、夜には閉館するので夜は実家で勉強をするしかありません。
この日も図書館へ行っていました。
家に帰ると、3軒先の家の田中さんがいました。
居間を通らなければ自室に向かえないので、私は田中さんに挨拶をしました。
「田中さん、こんばんは」
「あら、結城君。こんばんは」
軽く会釈し、自室へ向かおうとしたときに田中さんが私を呼び止めました。
「結城君、今時間あるかしら?」
「え、あ。はい」
テーブルをはさんで田中さんの斜め前に座りました。
「あのね、今使っていない家があるんだけど、結城君に貸したいなって」
「え?」
突然のことに、私はとても驚きました。
「あのね、結城君の家の裏手に小さい平屋があるでしょう?」
私は、草むらに囲まれた平屋があること思い出した。
ずっと誰も住んでおらずさほど古い家ではないのだが、庭は荒れ放題だった。
田中さんは、話を続けます。
「あの家の草むしりお願いしたいのよ。お礼にしばらく使ってほしいの。もちろんお金はいらないわ」
突然の魅力ある話に私は食いついた。
「いいんですか!?」
「ええ、家って人が住まないと荒れちゃうし。お願いできるかしら」
「ありがとうございます!明日、庭の手入れしますね」
私がそういうと、田中さんはその家の鍵を渡してくれました。
しばらくして、田中さんは帰りました。
次の日・・・。
私は熱くなる前に庭の手入れをしました。
平屋の周りは草がいっぱいで、夕方までかかってしまいました。
新しい勉強場ができたこと私はとてもうれしいと思っていました。
草が生い茂っていただけでとてもきれいな平屋だと私は思いました。
(なんで貸し出してないのかな・・・)
そう思いもしたのですが、何か事情があるのだろうという考えに至りました。
夜になり、平屋に行きました。
事前に電気と水道が通っていないことを知っていたので、懐中電灯やランプ、水を持っていきました。
今は秋なで、少し肌寒いくらいで対して気にならなかったのです。
平屋は4DKの間取りで実家より広い作りです。
壁紙も畳もきれいに思いました。
ただ一つ気になっていることは・・・視線です。
誰もいない家なのにずっと視線を感じていたのです。
霊の存在を信じていなかったので気のせいだと思っていました。
深夜になり、眠たくなった私は畳の上に横になりました。
持っていた鞄をまくら代わりに使い、あおむけの状態で寝ころびました。
背中が伸び心地よい感覚を感じ、眠気に襲われました。
瞳を閉じ、しばらく経ったときのことです。
顔に何か触れた気がしたのです。
薄っすら瞳を開けると・・・。
そこには顔がない髪の長い女性が私を見下ろしていました。
ただ見下ろすだけではなく、何かを確認しているようでした。
暫くそのままで、女性は私の顔を覗き込みながら言いました。
「・・・ちがう」
瞳は開けられたのに、体が重く力が入りません。
(怖い!どうしよう)
そう考えていると突然、体が軽くなり動けるようになりました。
女性も消えていました。
冷たい汗が背中を流れ落ちていきました。
家の空気はひんやりとしていました。
わたしは今まで感じたことの無い恐怖を感じ、一目散に実家に戻りました。
荷物はうっかり平屋においてきてしまいました。
「明るくなったら取りに行こう」
そう思いながら足を速めました。
翌日、田中さんに鍵を返そうと彼女の家に行きました。
「田中さん、せっかく貸してくださったのにすみません」
「あら・・・何かあったの?」
田中さんは心配そうに声をかけてくれました。
私は、昨夜あったことを話しました。
すると、田中さんはため息をつきました。
そして、確かに言ったのです。
「まだ、探しているのね。だから成仏できないのかしら」
「え?どういうことですか・・・?」
私にはその言葉を理解することができませんでした。
田中さんが言うにはー・・・
「昔ね、あそこには若い夫婦が住んでいたんだけど・・・。奥さんが若い時に亡くなってしまって」
「はい・・・」
「そのあとは、ずっと旦那さんが一人で家を借りていたのよ。でも去年の夏に亡くなってしまったの」
その言葉を聞き、私は納得した。
(あの女性は旦那さんをさがしていたのか)
死んだ後も思いが残りあのような形になってしまったのだろうかと思うと少し悲しいものがある。
(女性の霊から特に何かされなかったからよかった)
だが、私はその体験から今でも暗闇を怖がっている。
情けない話だが、電気をつけて寝ることもある。
あの女性は旦那さんとあえたのだろうかとずっと考えている。
そのせいかはわからないのだが・・・最近また視線を強く感じることがたびたびある。
ー・・・気のせいと思いたいです・・・
実家に住んでいますが、姉が離婚し帰ってきました。
姉が親権を持っているので子供たちも一緒です。
姉の子どもは、懐いていてとてもかわいいし大好きです。
就職を考え、資格を取る為に集中して勉強がしたいと思っていました。
3DKの我が家には私が落ち着ける場所がなく、図書館などで勉強をしていました。
しかし、夜には閉館するので夜は実家で勉強をするしかありません。
この日も図書館へ行っていました。
家に帰ると、3軒先の家の田中さんがいました。
居間を通らなければ自室に向かえないので、私は田中さんに挨拶をしました。
「田中さん、こんばんは」
「あら、結城君。こんばんは」
軽く会釈し、自室へ向かおうとしたときに田中さんが私を呼び止めました。
「結城君、今時間あるかしら?」
「え、あ。はい」
テーブルをはさんで田中さんの斜め前に座りました。
「あのね、今使っていない家があるんだけど、結城君に貸したいなって」
「え?」
突然のことに、私はとても驚きました。
「あのね、結城君の家の裏手に小さい平屋があるでしょう?」
私は、草むらに囲まれた平屋があること思い出した。
ずっと誰も住んでおらずさほど古い家ではないのだが、庭は荒れ放題だった。
田中さんは、話を続けます。
「あの家の草むしりお願いしたいのよ。お礼にしばらく使ってほしいの。もちろんお金はいらないわ」
突然の魅力ある話に私は食いついた。
「いいんですか!?」
「ええ、家って人が住まないと荒れちゃうし。お願いできるかしら」
「ありがとうございます!明日、庭の手入れしますね」
私がそういうと、田中さんはその家の鍵を渡してくれました。
しばらくして、田中さんは帰りました。
次の日・・・。
私は熱くなる前に庭の手入れをしました。
平屋の周りは草がいっぱいで、夕方までかかってしまいました。
新しい勉強場ができたこと私はとてもうれしいと思っていました。
草が生い茂っていただけでとてもきれいな平屋だと私は思いました。
(なんで貸し出してないのかな・・・)
そう思いもしたのですが、何か事情があるのだろうという考えに至りました。
夜になり、平屋に行きました。
事前に電気と水道が通っていないことを知っていたので、懐中電灯やランプ、水を持っていきました。
今は秋なで、少し肌寒いくらいで対して気にならなかったのです。
平屋は4DKの間取りで実家より広い作りです。
壁紙も畳もきれいに思いました。
ただ一つ気になっていることは・・・視線です。
誰もいない家なのにずっと視線を感じていたのです。
霊の存在を信じていなかったので気のせいだと思っていました。
深夜になり、眠たくなった私は畳の上に横になりました。
持っていた鞄をまくら代わりに使い、あおむけの状態で寝ころびました。
背中が伸び心地よい感覚を感じ、眠気に襲われました。
瞳を閉じ、しばらく経ったときのことです。
顔に何か触れた気がしたのです。
薄っすら瞳を開けると・・・。
そこには顔がない髪の長い女性が私を見下ろしていました。
ただ見下ろすだけではなく、何かを確認しているようでした。
暫くそのままで、女性は私の顔を覗き込みながら言いました。
「・・・ちがう」
瞳は開けられたのに、体が重く力が入りません。
(怖い!どうしよう)
そう考えていると突然、体が軽くなり動けるようになりました。
女性も消えていました。
冷たい汗が背中を流れ落ちていきました。
家の空気はひんやりとしていました。
わたしは今まで感じたことの無い恐怖を感じ、一目散に実家に戻りました。
荷物はうっかり平屋においてきてしまいました。
「明るくなったら取りに行こう」
そう思いながら足を速めました。
翌日、田中さんに鍵を返そうと彼女の家に行きました。
「田中さん、せっかく貸してくださったのにすみません」
「あら・・・何かあったの?」
田中さんは心配そうに声をかけてくれました。
私は、昨夜あったことを話しました。
すると、田中さんはため息をつきました。
そして、確かに言ったのです。
「まだ、探しているのね。だから成仏できないのかしら」
「え?どういうことですか・・・?」
私にはその言葉を理解することができませんでした。
田中さんが言うにはー・・・
「昔ね、あそこには若い夫婦が住んでいたんだけど・・・。奥さんが若い時に亡くなってしまって」
「はい・・・」
「そのあとは、ずっと旦那さんが一人で家を借りていたのよ。でも去年の夏に亡くなってしまったの」
その言葉を聞き、私は納得した。
(あの女性は旦那さんをさがしていたのか)
死んだ後も思いが残りあのような形になってしまったのだろうかと思うと少し悲しいものがある。
(女性の霊から特に何かされなかったからよかった)
だが、私はその体験から今でも暗闇を怖がっている。
情けない話だが、電気をつけて寝ることもある。
あの女性は旦那さんとあえたのだろうかとずっと考えている。
そのせいかはわからないのだが・・・最近また視線を強く感じることがたびたびある。
ー・・・気のせいと思いたいです・・・
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