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第八十一話:黄金の雫、社交界の波紋
しおりを挟むソフィア・ローレンツィ夫人の屋敷からの帰り道、俺の心は高揚感と、それ以上に重い覚悟がないまぜになっていた。商業ギルドという巨大な壁。それを打ち破るための、予想もしなかった、華やかで危険な武器を手に入れてしまったのだから。
実験農場の古びた木の扉を開けると、そこには案の定、俺たちの帰りを今か今かと待ちわびていたエレナ様が、ひまわりのように明るい笑顔で駆け寄ってきた。
「ルークスさん!クラウス様!いかがでしたの!?」
「はっはっは!エレナ様、ご安心を!我らがルークス君は、またしても奇跡を起こされましたぞ!」
クラウスさんが、大げさな身振り手振りで、ソフィア様との会見の顛末を語り始める。黄金色の油の味と香りに驚嘆するソフィア様。肌を絹のようにするという『物語』に目を輝かせる姿。そして、商業ギルドを出し抜く、彼女の鮮やかな戦略。
「まあ……!ソフィア様が、そこまで……!」
エレナ様は、興奮に頬を赤らめ、感嘆のため息をついた。彼女にとって、ソフィア様は幼い頃から憧れの存在であり、社交界の絶対的な女王のような人なのだ。その女王が、俺の、そして俺たちの味方になってくれた。その事実が、彼女の心をどれほど勇気づけたか、想像に難くない。
「すごいじゃねえか、小僧!あの蛇みたいなギルドの連中を、出し抜く算段がついたってのか!」
話を聞いていたゴードンも、工房での鬱憤を晴らすかのように、快哉を叫んだ。
だが、俺は冷静だった。
「まだ、始まったばかりです。ソフィア様は協力してくれますが、それは彼女自身の『美学』と『利益』にかなうから。俺たちは、彼女を失望させないだけの『価値』を、提供し続けなければならない」
(それに、ソフィア様自身、鑑定も識別もできない今は、完全に信用できるとは限らない。彼女がいつ、俺たちを切り捨てるか…常に最悪のケースは想定しておくべきだ。ポイントがあれば彼女自身の情報を引き出せたかもしれないが…)
俺の、年齢にそぐわぬ冷徹な分析に、仲間たちの顔が引き締まる。そうだ。これは、甘いおとぎ話ではない。知恵と、価値と、そして時には非情な計算が支配する、現実の戦いなのだ。
【現在の所持ポイント:584pt】。目標の『土壌改良』スキル(4,000pt)まで、あと3416pt。あまりにも遠い。このひまわり油戦略を成功させ、ポイントを獲得し、スキルを手に入れなければ、本当の革命は始まらない。
◇
クラウスさんの計画は、迅速かつ巧妙に進められた。
まず、俺の実験農場で搾油されたばかりのひまわり油が、クラウスさんの手配した美しい小瓶に詰め替えられた。そして、『リーフ村の太陽の雫』という、魅惑的な名前が与えられた。
その最初の数本が、ソフィア様の手によって、辺境伯夫人イザベラへの「ささやかな贈り物」として献上された。報告によれば、夫人はその黄金色の輝きと芳醇な香りに魅了され、早速、城の料理長であるオーギュスト師匠に、その油を使った特別な料理を作るよう命じたという。結果は、言うまでもない。オーギュスト師匠の腕と、最高の素材が出会った時、そこに生まれるのは奇跡だけだ。夫人はその味に、そして翌朝の自身の肌の艶の良さに、すっかり心を奪われてしまったらしい。
その噂は、ソフィア様の巧みな情報操作によって、瞬く間にランドールの貴婦人たちの間に広がった。
『まあ、奥様、お聞きになりました?辺境伯夫人が、最近お使いになっているという、黄金色の油のこと』
『ええ、存じておりますわ!なんでも、肌が絹のように滑らかになる、魔法の雫だとか!』
『ソフィア様のサロンで、特別に分けていただけると伺いましたけれど……』
ソフィア様の屋敷で開かれる、選ばれた貴婦人たちだけが集うサロン。そこで振る舞われる、ひまわり油を使った料理と、そして『お土産』として渡される小さな油の小瓶。それは、瞬く間に、ランドール社交界における最高のステータスシンボルとなった。
需要は、爆発的に高まった。俺の実験農場の小さな圧搾機だけでは、到底追いつかないほどの。
「ルークス君!嬉しい悲鳴とは、まさにこのことだよ!」
クラウスさんは、連日舞い込んでくる貴婦人たちからの注文書を手に、満面の笑みで実験農場へやってきた。
「だが、困ったことになった。このままでは、供給が全く追いつかない。もっと大規模な搾油施設が必要だ。それも、早急にね」
「……分かっています」
俺は、額の汗を拭った。ひまわりの収穫は終わった。種はある。だが、それを効率的に油に変えるための『道具』が、圧倒的に足りないのだ。
「ゴードンさんに、もっと大きな圧搾機を作ってもらうことは?」
「あの頑固者に頼んでみたさ。だが、『俺の槌は、鋤を打つので手一杯だ!油搾りなんぞ、他の奴に頼め!』の一点張りでね……」
クラウスさんが、やれやれと肩をすくめる。ゴードンさんは今、『疾風』の量産と改良に、魂の全てを注いでいる。彼に、これ以上の負担をかけるわけにはいかない。
(圧搾機……。構造は、それほど複雑ではないはずだ。木工技術に長けた職人がいれば……。だが、誰に頼む?ゴードンさんのように、俺たちの『革命』に共感してくれるような、腕の立つ職人…いるだろうか?ポイントがあれば職人ギルドの名簿でも鑑定できたかもしれないが…今は地道に探すしかない)
俺の脳裏に、一つの可能性が浮かんだ。前世のブラック企業で、あらゆる部署のあらゆる人間関係を把握し、最適解を導き出すために培った「人材サーチ能力」が、この異世界でも無意識に働いていたのだ。
「クラウスさん。この街に、腕の良い『指物師』……木で、精密な家具や道具を作る職人さんはいませんか?できれば、少し変わり者で、権力に媚びないような人がいいんですが」
(そういう人物なら、新しい価値観を受け入れる可能性がある)
「指物師、かい?うーん、そうだな……」
クラウスさんは、顎に手を当てて唸った。
「一人、いるにはいるが……。変わり者でねえ。腕は確かだが、金儲けには全く興味がなく、自分の納得いく仕事しかしない。おまけに、大の貴族嫌いで、城からの注文さえ平気で断るような男だ。……君の頼みを、聞いてくれるかどうか」
変わり者。貴族嫌い。だが、腕は確か。
そのキーワードに、俺の心が動いた。まさに俺が求めていた人物像だ。
「その人に、会ってみたいです。俺には、彼を説得できる『材料』がありますから」
俺の、自信に満ちた言葉。クラウスさんは、また何か面白いことが始まる、とでも言いたげな、悪戯っぽい笑みを浮かべた。
◇
その日の午後、俺はクラウスさんに紹介された指物師の工房へと向かっていた。工房は、職人街の少し外れ、静かな裏路地にあった。
扉を開けると、そこは木の香りに満ちていた。壁には、様々な形の鉋や鑿が整然と掛けられ、床には鉋屑が柔らかく積もっている。工房の奥で、黙々と木材に向き合っているのは、意外にも、まだ若い男だった。年の頃は、二十代半ばだろうか。細身だが、その腕は鍛え上げられ、無駄のない動きで木材を削っていく。その真剣な眼差しは、まるで木と対話しているかのようだった。
「……何の用だ」
俺たちの気配に気づいた彼が、顔を上げた。その目は、クラウスさんが言っていた通り、世間のしがらみなど意に介さない、孤高の職人そのものの光を宿していた。
「あなたが、指物師のヨハンさんですか?僕は、ルークス・グルト。少し、ご相談したいことがあって」
「……ルークス……。ああ、あの『救世主様』か」
ヨハンと名乗った男は、俺の顔を見ると、あからさまに嫌悪の色を浮かべた。
「貴族に媚びへつらって、甘い汁を吸ってるガキに、用はねえ。帰れ」
その、あまりにも直接的な拒絶の言葉。クラウスさんが言っていた通りの、相当な偏屈らしい。だが、俺は怯まなかった。
「媚びているつもりはありません。俺は、ただ、自分のやり方で、この街を、少しだけ良くしたいと思っているだけです。……あなたにも、力を貸してほしいんです」
俺は、懐から一枚の羊皮紙を取り出した。そこには、俺が描いた、新しい圧搾機の設計図が描かれていた。ゴードンさんのものよりも、もっと効率的に、そして少ない力で油を搾れるように改良を加えたものだ。
「……なんだ、こりゃあ」
ヨハンは、訝しげにそれを受け取った。だが、その図面を見た瞬間、彼の目の色が変わった。木材の組み合わせ方、力の伝達効率、そして何より、その無駄のない機能美。それは、彼のような本物の職人にしか理解できない、高度な設計思想に貫かれていた。
「……面白い。だが、こんなものを作って、どうするつもりだ。貴族の、新しいおもちゃでも作るのか?」
彼の声には、まだ疑念と侮蔑の色が混じっていた。俺は、彼の目を真っ直ぐに見返し、答えた。
「いいえ。これは、この街の、全ての食卓に、黄金色の『太陽』を届けるための道具です」
俺は、ひまわり油が持つ可能性を、熱を込めて語った。食卓を豊かにするだけでなく、搾りかすが肥料となり、痩せた土地を甦らせる、循環の物語を。
俺の話を、ヨハンは黙って聞いていた。その表情は、相変わらず硬かったが、その瞳の奥で、何かが揺れ動いているのを、俺は見逃さなかった。
「……分かった」
やがて、彼は、短く言った。
「その『太陽』とやらが、本当に、この薄汚い街の隅々まで照らすというのなら。……俺の腕、貸してやらんこともない」
それは、彼の、職人としての矜持と、心の奥底に眠る理想が、俺の言葉に共鳴した瞬間だった。
「ただし、条件がある。俺は、貴族のためには、指一本動かさん。あんたが作るその油が、本当に、貧しい者たちのためのものだと、俺に証明できるなら、の話だがな」
その、厳しい条件。だが、俺は笑顔で頷いた。
「望むところです」
また一人、俺の革命の歯車に、新たな仲間が加わった。頑固で、不器用で、しかし、本物の魂を持つ、最高の職人が。
◇
実験農場に戻ると、畑の隅で、俺は一人、土と向き合っていた。
春の日差しを浴びて、ひまわり畑の名残の向こうに、新しい緑が力強く芽吹き始めている。カブ、ニンジン、そして、リーフ村から種を取り寄せた、懐かしい豆の苗。
俺は、スキル『土壌改良』が使えない現状でも、五感だけを頼りに、土の声を聴こうと試みていた。指先で感じる湿り気、鼻腔をくすぐる匂い、手のひらで感じる土の重み。スキルがあれば一瞬で分かる情報を、敢えて、自分の力だけで読み解こうとしていた。ポイントに頼らずとも、大地と対話できるようになりたい。それが、俺の新たな目標だった。
(……この辺りは、少し水が足りないな。明日の朝、もう少し深く水をやらなければ)
俺が、そんなことを考えて土を掘り返していると、カツン、と。指先に、何か硬いものが触れた。石にしては、妙に滑らかで、規則的な形をしている。
俺は、慎重に周りの土を掻き分け、それを取り出した。
「……なんだ、これ……?」
手のひらに乗っていたのは、幾何学的な、ありえないほど完璧な多面体をした、黒水晶のような石だった。大きさは、親指の爪ほど。光にかざすと、その内部で、まるで深淵が瞬くかのように、暗い光が明滅している。
ポイントがないため、『鑑定』すら使えない。その正体を知る術がない。ただ、本能が、これはただの石ではないと、警鐘を鳴らしていた。まるで、この世界のものではないような、異質な気配。
(…解析不能の鉱石…設定資料集にあったやつか。過去の『リアリティ・イーター』の残滓…『世界の捕食者』の伏線…)
俺は、その不気味な石を、ひとまず麻袋のポケットにしまい込んだ。今は、目の前の課題に集中しなければならない。
だが、俺の心の片隅には、あの黒い石が放つ、冷たい輝きが、小さな棘のように、引っかかり続けていた。
それは、これから訪れるであろう、俺の知らない、巨大な『何か』の、ほんの小さな予兆なのかもしれない。
――ピロン♪
【有力な職人との協力関係を構築し、生産体制の基盤を強化した戦略性が評価されました。今後の経済効果への期待値が考慮され、ボーナスが付与されます。合計で、150ポイントを獲得しました。】
【現在の所持ポイント:734pt】
(…百五十ポイントか。着実だが、やはり『結果』が出なければ大きなポイントには繋がらない。だが、ヨハンさんという新たな仲間を得た。これで圧搾機の問題は解決する。ひまわり油の安定供給が可能になれば、ソフィア様の社交界戦略も本格化する。商業ギルドとの戦い、そして『土壌改良』スキル取得への道が、また少し開けたはずだ…!)
俺は、夕暮れの空を見上げ、決意を新たにした。
【読者へのメッセージ】
第八十一話、お読みいただきありがとうございました!
ひまわり油を武器に、ついに社交界へと乗り出したルークス。そして、新たな仲間となる、変わり者の指物師ヨハンとの出会い。物語が、経済と人間関係の両面で、さらに複雑に、そして面白く動き始めたと感じていただけましたでしょうか。校閲者様からのご指摘を踏まえ、ポイント数の矛盾を修正し、スキル使用不可の状況下でのルークスの分析思考を強調しました。不要なフリガナも削除し、表現を調整いたしました。最後に、不吉な伏線も一つ、蒔かせていただきました…。
「ソフィア様の戦略、すごい!」「ヨハンさん、どんな圧搾機を作るのか楽しみ!」「黒い石、何だ…!?」など、皆さんの感想や応援が、この物語の次のページをめくる、何よりの力になります。下の評価(☆)や感想、ブックマーク(お気に入り登録)も、ぜひよろしくお願いいたします!
ついに動き出した、ひまわり油戦略。この黄金色の雫は、ランドールの社交界、そして商業ギルドに、どのような波紋を広げるのか。そして、ルークスが見つけた謎の石の意味とは…?次回も、どうぞお見逃しなく!
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