滑稽な日々

水途史岐

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不倶戴天の敵

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猛者は、唯底に居るだけで凡人とは一線を画す者だ。
肩で風を切る様に歩き、歩くだけで人混みを掻き分けるその男の佇まいは、人というよりも"肉食獣"を彷彿とさせた。
男の名は下しも 良りょう
名前から分かる通り、生粋の不良である。
喧嘩を売られれば、いつ何時でもどんな状況でも必ず買い、必ず叩きのめす(サツには敵わないが)喧嘩を売った相手は哀れにも、顔面をピカソの絵の様に滅茶苦茶に破壊される為、不良界隈では
暴力芸術家・秘壊楚バイオレンスアーティスト・秘壊楚
とか呼ばれている。
……ぶっちゃけダサいとか思ってはいけない。不良界隈で彼の名を知らない者はおらず、大抵の不良は喧嘩以前に彼の眼光に萎縮し、逃げ出すか気絶するか死んだふりするかの3パターンである。
 しかし、そんな彼に対して、何と自ら威嚇する恐れ知らずが現れた……
「テメェ、この俺のに向かってその目つきたぁ……いい度胸だなァおい」
 "奴"は動かない。ただ凍てつく様な鋭い目つきで良を睨んでいる。良もまた動かない。奴に対して先に此方から手を出すのは、相手の圧に屈した様に感じてプライドが許さないのだ。「おいおい……何してんだよアイツ」「普通"アレ"をあんな目付きで見るか?」「死ぬわアイツ」「ママーあの人何してるのー?」「見ちゃいけません!」
「やかましい!見せモンじゃねぇぞテメェら!」
周囲の者は良の気迫から離れて行き、見物人はいなくなった。
そうして互いに睨み合うこと2時間。その睨み合いは突如として、終わりを迎える。
「チッ……来やがったか」辺りに鳴り響くその"音"には、流石の良でも退かざるおえない。「今回は決着はつかなかったがよ…次はこうはいかねぇ。精々首洗って待ってやがれッ!」良相手に一歩も怯むことのなかった、まさに不倶戴天の敵
その"敵"の正体は……
「全く、あの変な奴のせいでろくに見られなかったよ」
「そうそう、何が楽しいんだろうな、あんなこと続けて_____閉園になるまで"ハシビロコウ"と睨み合い続けるなんてさ」
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