ミライスムージー

第3話『2人の新成人』

それから15分後、誰かが寮に帰ってきた。クール系の輝あきら、おっとり系の智さとるに対してこちらは爽やか系という感じの男性。背が輝と近いくらい高く、手足が長くスレンダーなスタイル

『ただいま～。誰かいるの？』

声色が高めだった。彼は緑色のリュックを背負っていた

『あ、おかえり。修しゅうちゃん』
『修ちゃん？』

智が彼にそう声かけるが、このみは全くの初対面故に『？』状態だった

『あ、もしかしてあなたが新しい寮母さん？初めまして、西崎修太にしざき しゅうたです。専門学校の2年生です』

彼はご丁寧に自己紹介。修太は真面目な性格で智と同じくしっかりしているタイプだ

『初めまして、霜月しもづきこのみよ。よろしくね。2年生って事は今20歳？』
『はい、6月に20歳になったばかりです』
『そっかー、新成人か』

このみは早くも修太と打ち解けた様。今のところ寮母赴任初日で打ち解けているのは彼と智の2人だけの様にみえた

『修ちゃんは服飾専門学校通っているけど、本当はファッションモデルを目指しているんだよ』
『へぇ！すごいね！だからそんなにスタイル良いんだ』
『いえいえそんな、俺はまだまだ未熟です。憧れの人にはまだ遠いです』

智の解説に感心するこのみ。それに謙遜する修太だが、確かに彼のスタイル見るとモデル志望であるのは至極納得だった。スラリと長い手足だが、腹筋などの体つきはいかにも鍛えているのが分かりやすいくらいだったから

『ただいまー。腹減ったー』

また誰か帰ってきた。お腹を空かせて帰ってきた彼は髪が黒髪でまさにスポーツ刈りというくらいの短髪だった
更にいかにもアスリートと分かるくらい鍛え上げられた身体で彼が着ていたオレンジの練習用Tシャツが少し窮屈そうだった

『おかえり、律りつ君。寮母さん来てるよ』

修太が彼にそう声掛けた

『どうも、鷲尾律わしお りつです。大学2年生です、よろしくお願いします』
『霜月このみよ、よろしくね。2年生って事は修太君と同い年かな？』
『今年20歳です。まだ誕生日前なので19ですけど』

律は礼儀正しい性格の様だ。流石のスポーツマンシップというもの

『りっちゃんは大学の陸上部所属しているんだよ。短距離走選手でエースなんだ』

智が律をそう紹介する。彼は中学から陸上競技をしており、何と高校2年の時に100m、200m共に大会新記録を更新してそれが3年経った今でも破られていないとの事。つまり彼は学生アスリートの中でも有力選手なのだ

『えー！？律君、短距離の記録保持者なの！？すごすぎる！』
『律君は基本的にスポーツ何でもできるよ。でも中でも陸上なんだよね』
『おいおい修太、そんなに俺を持ち上げんでも...まぁでもそんな所だ』

感心するこのみに更に修太が律をそう説明する。律は照れているが、褒められて悪い気はしていない様だ。新成人である2人はかなり仲が良い様だ