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第四章:帝都燃ゆ、銀の月
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1
その夜、帝都・華平安の空から「月」が消えた。
皆既月食ではない。どす黒い、粘り気のある雲が天を覆い尽くし、星々の光さえも飲み込んでしまったのだ。
不気味な静寂が街を包んだ直後、大地が激しく身震いした。
朱雀門、羅生門、そして四方の要に配置されていた守護の結界が、内側から爆ぜるように崩壊した。
「……始まったか」
ボロ長屋の縁側に立つ白夜が、低く唸るような声を漏らした。
彼の銀髪が、逆立つような霊気に触れて微かに発光している。隣に立つ晴臣は、古寺から持ち帰った『浄界の鏡』を抱え、震える指先を強く握りしめた。
「白夜、これ……街の霊脈が、全部一箇所に吸い寄せられてる。このままじゃ、帝都に住む人たちの気力が枯れちゃうよ」
「ああ、あの忌々しい柳生斎の老いぼれめ。街全体を巨大な『法陣』に変えおった。……見ろ、晴臣。あれが奴の造り上げた『神』の姿だ」
白夜が指し示した先——帝都の中枢、陰陽寮の巨大な塔の上に、それは現れた。
数千の妖の叫び、数万の人間の怨念を物理的に縫い合わせ、強引に神格化させた異形の巨人。漆黒の肉体からは無数の触手が伸び、帝都の空をのたうち回っている。
それが吠えるたび、空から「黒い雨」が降り注いだ。
雨に触れた者は、瞬時に理性を失い、隣人を襲う鬼へと成り果てる。帝都は一瞬にして、この世の地獄へと塗り替えられた。
「……行かなきゃ」
晴臣は、青ざめながらも力強く地面を蹴った。
「あんなの、神様なんかじゃない。ただの、巨大な悲鳴の塊だ」
2
炎上する大路を駆け抜ける二人を、さらなる絶望が襲う。
陰陽寮の私兵と化した「黒衣衆」たちが、理性を失った市民を次々と斬り捨てていた。
「そこまでだ、控えろ!」
鋭い声と共に、鋼の鎖が乱舞し、市民を襲おうとしていた黒衣衆たちを叩き伏せた。
九条厳刻だ。彼の官衣は返り血で汚れ、誇り高い双眸には深い怒りが宿っていた。
「九条くん!」
「安倍晴臣か。……見ての通りだ。寮は柳生斎の手によって完全に制圧された。上層部の半分以上が人造神の核として取り込まれ、残りは狂気に飲まれている」
厳刻は、崩れ落ちる建物を背に、晴臣の手にある鏡を見つめた。
「……その鏡を使え。貴様なら、あの人造神の霊的結合を解除できるはずだ。……私が道を切り拓く。白夜、貴様もだ」
「貴様に命令される筋合いはないが……あの不細工な巨人を眺めているのも飽きたところだ。晴臣、乗れ」
白夜が本来の妖狐の姿を現す。
巨大な銀色の獣。その背に晴臣と厳刻を乗せ、白夜は空を駆けた。
地上では、厳刻の配下で唯一理性を保っていた若手陰陽師たちが、必死に結界を張り、市民を守るための防衛線を築いている。
「晴臣、来るぞ! 神の『吐息』だ!」
人造神が口を開き、凝縮された怨念の奔流——『黒き極光』を放った。
触れれば魂が腐り果てる死の光。
「白夜、左へ! 九条くん、鎖で弾いて!」
晴臣の的確な指示を受け、白夜が空を舞う。厳刻が鎖を螺旋状に展開し、霊力の障壁を作り出した。
衝撃が三人を見舞う。だが、彼らは止まらない。
3
陰陽寮の塔、その頂上。
そこには、人造神と一体化した老人が、恍惚の表情で空を仰いでいた。
柳生斎。かつて帝都随一の智者と呼ばれた男は、今や醜悪な肉塊の一部となっていた。
「……ああ、美しい。ついに、我らは妖を超え、神をも超える『完全な法』を手に入れたのだ。安倍、九条……貴様らも、この調和の一部となるがいい!」
「……調和だって? 冗談じゃない!」
晴臣が、白夜の背から飛び降りた。
鏡を胸に抱き、空中を落下しながら、彼は全霊力を鏡へと注ぎ込む。
「鏡よ、映し出せ! この悲鳴の下に隠された、本当の心を!」
鏡から放たれた虹色の光が、人造神の漆黒の皮膚を貫いた。
瞬間、晴臣の意識は、巨人の内部——数万の意識が混濁する「地獄の海」へと引きずり込まれた。
(助けて。苦しい。お母さんに会いたい。寒い。殺してくれ——)
無数の手が、晴臣の魂を掴み、底なしの沼へと引きずり込もうとする。
一人一人の絶望が、晴臣の精神をすり潰していく。
「……っ……あああああ!」
あまりの情報の暴力に、晴臣の心が折れかけた、その時。
「——一人で背負うな、馬鹿者が」
背後に、力強い温もりを感じた。
白夜だ。白夜は思念の姿で晴臣を抱きしめ、自らの膨大な妖気を晴臣の盾として展開した。
「貴様の心は、我の所有物だ。有象無象の絶望ごときに、一欠片も渡すつもりはない」
さらに、反対側から「冷徹な光」が差し込む。
厳刻の霊力だ。彼は現実世界で晴臣の肉体を支えながら、その霊脈を通じて自身の「規律」を晴臣へと流し込んでいた。
「安倍……お前の『共感』に、私の『理』を貸してやる。絶望に飲み込まれるな。お前がすべきことは、この混沌を『整理』することだ」
相棒の誇りと、宿敵の信頼。
二つの力が混ざり合い、晴臣の中で新たな術式が組み上がった。
4
「……ありがとう。……二人とも」
晴臣は、目を見開いた。
彼の瞳は、もはや人間のものではない。淡い色彩が複雑に混ざり合う、神域の光を宿していた。
「これが、僕のやり方だ。——『白夜行・千守:帰真の招霊』!」
白夜の銀火が、晴臣の浄化の光と合体し、巨大な「銀の花」となって帝都の空に開花した。
それは破壊の炎ではなく、対象を本来の姿へと強制的に還す、慈悲の嵐。
人造神の肉体が、端からボロボロと崩れていく。
縫い合わされていた妖たちは、本来の山へ、森へ、川へと還る光の粒となり。
取り込まれていた人間たちは、魂の安らぎを取り戻し、浄土へと導かれていく。
「バカな……我が神が……我が、法がぁぁぁ!」
柳生斎の悲鳴と共に、塔の上が爆発した。
人造神は、最後の一片までが光へと還り、帝都を覆っていた黒い雲が、嘘のように晴れていった。
空には、澄み渡った満月が再びその姿を現した。
5
静寂が、帝都に戻った。
崩壊した塔の瓦礫の上で、晴臣は仰向けに倒れていた。
呼吸は浅く、体中の霊脈はボロボロだ。だが、その顔には穏やかな微笑みが浮かんでいた。
「……やった、ね……」
横には、本来の姿に戻った白夜が、ぐったりと座り込んでいた。
銀の髪は煤で汚れ、誇り高い耳も垂れ下がっている。
「……貴様……本当に、死ぬ気か……。我が……あれほど……」
「……あはは、ごめん……。でも、白夜がいてくれたから……」
厳刻は、少し離れた場所で、折れた自分の鎖を見つめていた。
彼は無言で空を見上げ、それから晴臣の方へと歩み寄った。
「……安倍晴臣。……今日のことは、一生忘れない。……だが」
厳刻は、晴臣の枕元に、一枚の呪符を置いた。
「……これは、陰陽寮の『再建』の証だ。……お前は、もはや落ちこぼれではない。……だが、お前のような男を寮に入れるわけにはいかない。お前は、お前のままで、その汚い長屋で……帝都の『外側』を守り続けろ」
それは、厳刻なりの「感謝」と、晴臣の生き方を認める言葉だった。
6
夜が明け、朝焼けが街を赤く染め始める。
帝都の人々は、悪夢から覚めたように、瓦礫の中から立ち上がり始めた。
多くのものを失ったが、彼らの目には「生」への希望が宿っていた。
「白夜……帰ろ。……お腹、空いちゃった」
「……フン。焼き芋一つきりでは、一歩も歩かんぞ。……背中に乗れ。……落とさないようにしてやる」
ボロボロになった二人の影が、朝日に向かってゆっくりと歩き出す。
その後ろ姿を、厳刻はじっと見送っていた。
帝都の夜は終わった。
だが、これは終わりの始まりに過ぎない。
晴臣と白夜、そして厳刻。彼らの「縁」が生み出したこの奇跡は、次の物語への、確かな種火となったのだ。
その夜、帝都・華平安の空から「月」が消えた。
皆既月食ではない。どす黒い、粘り気のある雲が天を覆い尽くし、星々の光さえも飲み込んでしまったのだ。
不気味な静寂が街を包んだ直後、大地が激しく身震いした。
朱雀門、羅生門、そして四方の要に配置されていた守護の結界が、内側から爆ぜるように崩壊した。
「……始まったか」
ボロ長屋の縁側に立つ白夜が、低く唸るような声を漏らした。
彼の銀髪が、逆立つような霊気に触れて微かに発光している。隣に立つ晴臣は、古寺から持ち帰った『浄界の鏡』を抱え、震える指先を強く握りしめた。
「白夜、これ……街の霊脈が、全部一箇所に吸い寄せられてる。このままじゃ、帝都に住む人たちの気力が枯れちゃうよ」
「ああ、あの忌々しい柳生斎の老いぼれめ。街全体を巨大な『法陣』に変えおった。……見ろ、晴臣。あれが奴の造り上げた『神』の姿だ」
白夜が指し示した先——帝都の中枢、陰陽寮の巨大な塔の上に、それは現れた。
数千の妖の叫び、数万の人間の怨念を物理的に縫い合わせ、強引に神格化させた異形の巨人。漆黒の肉体からは無数の触手が伸び、帝都の空をのたうち回っている。
それが吠えるたび、空から「黒い雨」が降り注いだ。
雨に触れた者は、瞬時に理性を失い、隣人を襲う鬼へと成り果てる。帝都は一瞬にして、この世の地獄へと塗り替えられた。
「……行かなきゃ」
晴臣は、青ざめながらも力強く地面を蹴った。
「あんなの、神様なんかじゃない。ただの、巨大な悲鳴の塊だ」
2
炎上する大路を駆け抜ける二人を、さらなる絶望が襲う。
陰陽寮の私兵と化した「黒衣衆」たちが、理性を失った市民を次々と斬り捨てていた。
「そこまでだ、控えろ!」
鋭い声と共に、鋼の鎖が乱舞し、市民を襲おうとしていた黒衣衆たちを叩き伏せた。
九条厳刻だ。彼の官衣は返り血で汚れ、誇り高い双眸には深い怒りが宿っていた。
「九条くん!」
「安倍晴臣か。……見ての通りだ。寮は柳生斎の手によって完全に制圧された。上層部の半分以上が人造神の核として取り込まれ、残りは狂気に飲まれている」
厳刻は、崩れ落ちる建物を背に、晴臣の手にある鏡を見つめた。
「……その鏡を使え。貴様なら、あの人造神の霊的結合を解除できるはずだ。……私が道を切り拓く。白夜、貴様もだ」
「貴様に命令される筋合いはないが……あの不細工な巨人を眺めているのも飽きたところだ。晴臣、乗れ」
白夜が本来の妖狐の姿を現す。
巨大な銀色の獣。その背に晴臣と厳刻を乗せ、白夜は空を駆けた。
地上では、厳刻の配下で唯一理性を保っていた若手陰陽師たちが、必死に結界を張り、市民を守るための防衛線を築いている。
「晴臣、来るぞ! 神の『吐息』だ!」
人造神が口を開き、凝縮された怨念の奔流——『黒き極光』を放った。
触れれば魂が腐り果てる死の光。
「白夜、左へ! 九条くん、鎖で弾いて!」
晴臣の的確な指示を受け、白夜が空を舞う。厳刻が鎖を螺旋状に展開し、霊力の障壁を作り出した。
衝撃が三人を見舞う。だが、彼らは止まらない。
3
陰陽寮の塔、その頂上。
そこには、人造神と一体化した老人が、恍惚の表情で空を仰いでいた。
柳生斎。かつて帝都随一の智者と呼ばれた男は、今や醜悪な肉塊の一部となっていた。
「……ああ、美しい。ついに、我らは妖を超え、神をも超える『完全な法』を手に入れたのだ。安倍、九条……貴様らも、この調和の一部となるがいい!」
「……調和だって? 冗談じゃない!」
晴臣が、白夜の背から飛び降りた。
鏡を胸に抱き、空中を落下しながら、彼は全霊力を鏡へと注ぎ込む。
「鏡よ、映し出せ! この悲鳴の下に隠された、本当の心を!」
鏡から放たれた虹色の光が、人造神の漆黒の皮膚を貫いた。
瞬間、晴臣の意識は、巨人の内部——数万の意識が混濁する「地獄の海」へと引きずり込まれた。
(助けて。苦しい。お母さんに会いたい。寒い。殺してくれ——)
無数の手が、晴臣の魂を掴み、底なしの沼へと引きずり込もうとする。
一人一人の絶望が、晴臣の精神をすり潰していく。
「……っ……あああああ!」
あまりの情報の暴力に、晴臣の心が折れかけた、その時。
「——一人で背負うな、馬鹿者が」
背後に、力強い温もりを感じた。
白夜だ。白夜は思念の姿で晴臣を抱きしめ、自らの膨大な妖気を晴臣の盾として展開した。
「貴様の心は、我の所有物だ。有象無象の絶望ごときに、一欠片も渡すつもりはない」
さらに、反対側から「冷徹な光」が差し込む。
厳刻の霊力だ。彼は現実世界で晴臣の肉体を支えながら、その霊脈を通じて自身の「規律」を晴臣へと流し込んでいた。
「安倍……お前の『共感』に、私の『理』を貸してやる。絶望に飲み込まれるな。お前がすべきことは、この混沌を『整理』することだ」
相棒の誇りと、宿敵の信頼。
二つの力が混ざり合い、晴臣の中で新たな術式が組み上がった。
4
「……ありがとう。……二人とも」
晴臣は、目を見開いた。
彼の瞳は、もはや人間のものではない。淡い色彩が複雑に混ざり合う、神域の光を宿していた。
「これが、僕のやり方だ。——『白夜行・千守:帰真の招霊』!」
白夜の銀火が、晴臣の浄化の光と合体し、巨大な「銀の花」となって帝都の空に開花した。
それは破壊の炎ではなく、対象を本来の姿へと強制的に還す、慈悲の嵐。
人造神の肉体が、端からボロボロと崩れていく。
縫い合わされていた妖たちは、本来の山へ、森へ、川へと還る光の粒となり。
取り込まれていた人間たちは、魂の安らぎを取り戻し、浄土へと導かれていく。
「バカな……我が神が……我が、法がぁぁぁ!」
柳生斎の悲鳴と共に、塔の上が爆発した。
人造神は、最後の一片までが光へと還り、帝都を覆っていた黒い雲が、嘘のように晴れていった。
空には、澄み渡った満月が再びその姿を現した。
5
静寂が、帝都に戻った。
崩壊した塔の瓦礫の上で、晴臣は仰向けに倒れていた。
呼吸は浅く、体中の霊脈はボロボロだ。だが、その顔には穏やかな微笑みが浮かんでいた。
「……やった、ね……」
横には、本来の姿に戻った白夜が、ぐったりと座り込んでいた。
銀の髪は煤で汚れ、誇り高い耳も垂れ下がっている。
「……貴様……本当に、死ぬ気か……。我が……あれほど……」
「……あはは、ごめん……。でも、白夜がいてくれたから……」
厳刻は、少し離れた場所で、折れた自分の鎖を見つめていた。
彼は無言で空を見上げ、それから晴臣の方へと歩み寄った。
「……安倍晴臣。……今日のことは、一生忘れない。……だが」
厳刻は、晴臣の枕元に、一枚の呪符を置いた。
「……これは、陰陽寮の『再建』の証だ。……お前は、もはや落ちこぼれではない。……だが、お前のような男を寮に入れるわけにはいかない。お前は、お前のままで、その汚い長屋で……帝都の『外側』を守り続けろ」
それは、厳刻なりの「感謝」と、晴臣の生き方を認める言葉だった。
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夜が明け、朝焼けが街を赤く染め始める。
帝都の人々は、悪夢から覚めたように、瓦礫の中から立ち上がり始めた。
多くのものを失ったが、彼らの目には「生」への希望が宿っていた。
「白夜……帰ろ。……お腹、空いちゃった」
「……フン。焼き芋一つきりでは、一歩も歩かんぞ。……背中に乗れ。……落とさないようにしてやる」
ボロボロになった二人の影が、朝日に向かってゆっくりと歩き出す。
その後ろ姿を、厳刻はじっと見送っていた。
帝都の夜は終わった。
だが、これは終わりの始まりに過ぎない。
晴臣と白夜、そして厳刻。彼らの「縁」が生み出したこの奇跡は、次の物語への、確かな種火となったのだ。
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