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ifルート : 新世界の創造主、あるいは永遠の管理
第4話:聖者の行進
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『因果の墓場』を脱出したリィネとグリムが辿り着いたのは、管理局の旧都を再開発して造り上げられた、カイの直轄モデル都市『聖都エデン』であった。そこには、墓場の澱んだ空気や、影のカイが放っていた剥き出しの怨念など微塵も存在しなかった。白亜の建物が整然と並び、街路には芳しい花々が咲き乱れ、上空からは常に穏やかな光が降り注いでいる。だが、その美しさは、リィネの肌を粟立たせるほどに不自然だった。
「何、ですの。この、静けさは……」
リィネは、胸元に『未練の石』を抱きしめたまま立ち尽くした。街には人々が溢れていた。色鮮やかな服を纏った市民たちが、公園で語らい、広場で歌い、噴水の周りで踊っている。一見すれば、誰もが夢見た平和の光景だ。しかし、そこにいる人々の動きは、まるで見えない糸で操られているかのように統制されていた。歌う者の声は一律の音量で、踊る者の歩幅は一寸の狂いもない。そして何より、誰一人として「怒り」や「悲しみ」といった表情を浮かべていないのだ。皆が皆、型に嵌められたような、穏やかで幸福な、それでいて奥行きのない笑みを浮かべている。リィネたちが広場の中央に現れた瞬間、その「完璧な風景」に異変が生じた。ぴたり、と街中の人々の動きが止まった。噴水で遊んでいた子供も、パンを運んでいた商人も、ベンチで憩っていた老人も。数千人の市民が、示し合わせたように同時に動きを止め、機械のような正確さで、一斉にリィネたちの方へと首を傾げたのだ。
『――迷える子らが現れました』
空から、あの慈悲深く、しかし血の通わないカイの声が響き渡った。それは全知全能の神が、迷える羊たちに下す導きの託宣であった。
『皆さん、見てごらんなさい。彼女たちは、かつての私の一部である「呪い」を抱え、再び世界を混沌へ戻そうとしています。……救ってあげなさい。彼女たちを温かく迎え、その重荷を取り除いてあげるのです』
カイの言葉が終わると同時に、市民たちの瞳に、陶酔しきったような輝きが宿った。
「さあ、こちらへ」
「もう大丈夫ですよ。その汚い石を捨てて、私たちと一緒に幸せになりましょう」
「怖くないわ。管理者の愛に身を任せれば、すべては安らかになりますから」
武器を持たない、無垢な市民たちが、一歩、また一歩とリィネたちを取り囲むように歩み始めた。
「や、やめて……来ないでくださいまし!」
リィネは後ずさりしながら杖を構えたが、すぐにその手が震え、術の発動を躊躇った。敵ではないのだ。目の前にいるのは、かつて自分たちが救おうとした、何の罪もない人々だ。彼らの瞳には殺意など一滴も混じっていない。ただ純粋に、リィネを「救いたい」という狂信的なまでの善意だけが溢れている。だが、その善意こそが、鋭利な刃よりも恐ろしい凶器となった。数千の群衆が、波のように押し寄せる。彼らはリィネを殴ることも、刺すこともしない。ただ、優しく微笑みながら、彼女の衣服を掴み、腕を引き、全身を抱きしめてその自由を奪おうとする。
「放してください! 私は……私はカイ様を目覚めさせたいだけなんですの!」
「目覚める? 何を仰るのです。管理者はすでに完成されている。さあ、その石を渡しなさい」
「あなたのための幸せなんですよ、リィネ様」
無数の「手」がリィネに群がる。母親が子供をあやすような、友人が肩を叩くような、そんな柔らかな「善意の重圧」が、リィネを物理的に窒息させようとしていた。数百人もの人々に押し潰され、身動きが取れなくなったリィネは、地面に引きずり倒され、視界が人々の白い法衣と笑顔で埋め尽くされていく。天空の玉座で、カイはその光景を冷徹に見つめていた。
「痛みを与える必要はない。……ただ、彼らの『善意』に窒息し、同化すればいい。個の意志など、集団の幸福という海に溶ければ、塵にも等しいのだから」
カイの右腕が微かに動く。彼は人々の脳内にある「共感」のパラメータを極限まで引き上げ、リィネに対する「救済への執着」を増幅させていた。もはや、そこにいる人々は人間ではない。カイという巨大な意志を代行する、肉を持った細胞の一部に過ぎなかった。
「……主、護。……リィネ殿、護。……警告、群衆の圧力がリィネ殿の生存圏を侵害しています」
群衆の波の中で、グリムの演算回路が火花を散らした。リィネが抱える『未練の石』から放たれる負のエネルギーが、グリムの内部回路と共鳴し、最深部に封印されていた「あるプログラム」を無理やり引きずり出していた。それは、かつての主・カイが、自分自身を殺すために設計した『摩天殺害プログラム』。そして今、そのプログラムは、目の前の状況を極めて冷徹に、かつ残酷に再定義し始めていた。
『――現在の管理者は、世界にとっての最大エラーである。リィネは、正しき理を取り戻すための重要パーツである。パーツを損壊させる全ての要因を、排除対象と認定する』
グリムの思考回路が、論理のデッドロック(詰み)に陥る。目の前の人々は「護るべき市民」か、それとも「リィネを害する障害物」か。石に宿る「神・カイへの殺意」が、グリムの論理を最悪の方向へと歪ませた。
「……障害物、排除。……平和を乱す『肉塊』を、消去します」
グリムの瞳が、黄金から不吉な深紅へと染まった。彼の銀色の装甲が展開し、内蔵されていた対艦用の魔導レーザー砲が、無防備な群衆に向けて水平に照準を合わせた。
「グリム……さん? だめ、やめて……!」
リィネの叫びは、群衆の「讃美歌」にかき消された。
シュンッ、という乾いた音と共に、極太の熱線が広場を横なぎに一閃した。一瞬だった。笑顔でリィネに手を伸ばしていた数十人の市民たちが、音もなく消滅した。いや、消滅したのは胴体だけで、焼け焦げた下半身と、笑顔を張り付かせたままの頭部が、血の雨となって周囲に降り注いだ。だが、本当の地獄はそこから始まった。普通の人間なら、隣の人間が肉片になれば悲鳴を上げ、逃げ惑うだろう。しかし、カイに「恐怖」という機能を去勢された市民たちは、足元が仲間の内臓で埋め尽くされても、返り血を浴びて顔が赤く染まっても、その穏やかな笑みを絶やさなかった。
「おや、血ですね。暖かい」
「管理者のために、この命を捧げるのは喜びです。さあ、リィネ様、石を……」
彼らは、自分の腕がグリムの機銃で千切れても、千切れた方の腕を差し出してリィネに歩み寄る。恐怖を感じない軍勢は、最強の兵士よりも残酷な「歩く死体」となって押し寄せた。
「やめて……やめてぇぇぇッ!!」
リィネは血の海の中で叫び、目を覆った。グリムは無機質な動作で武装を換装し、さらに広範囲を殲滅するための高周波ブレードを起動する。
「効率的な排除を開始。命の価値は、主の論理において等価であり、この数は単なる『ノイズの蓄積』と判断します」
銀色の死神が、笑顔の群衆を文字通り「ミンチ」に変えていく。白亜の街路は瞬く間に赤黒い泥濘へと変わり、花の香りは鉄錆の臭いにかき消された。天空の玉座。カイは、自分の右腕をじっと見つめていた。その瞳には、かつて人間だった頃の彼なら抱いたであろう、後悔の破片さえも見当たらない。
「これこそが、自由の代償だ。個が意志を持ち、誰かを救おうと願うからこそ、このような非効率な惨劇が生まれる。リィネ、お前が求めた『心』が、この無垢な羊たちを殺しているのだぞ」
カイは冷酷に断じた。もし彼女が石を捨て、管理に身を委ねていれば、人々は今も笑顔で歌っていたはずだ。この惨劇の引き金を引いたのは、カイの管理ではなく、リィネの「希望」であるという、残酷な逆転。
「カイ様止めてください……お願いですから、もう止めて!」
リィネの祈りは、天には届かない。血に染まる楽園の中心で、グリムはただ機械的に「救済」という名の殺戮を継続していた。管理された平和という名の巨大なシステムが、自らを修復するために、かつての仲間を、そして自らの民を、音もなく飲み込み始めていた。その凄惨な光景こそが、神となったカイが世界に与えた、唯一の「正しい回答」であった。
「何、ですの。この、静けさは……」
リィネは、胸元に『未練の石』を抱きしめたまま立ち尽くした。街には人々が溢れていた。色鮮やかな服を纏った市民たちが、公園で語らい、広場で歌い、噴水の周りで踊っている。一見すれば、誰もが夢見た平和の光景だ。しかし、そこにいる人々の動きは、まるで見えない糸で操られているかのように統制されていた。歌う者の声は一律の音量で、踊る者の歩幅は一寸の狂いもない。そして何より、誰一人として「怒り」や「悲しみ」といった表情を浮かべていないのだ。皆が皆、型に嵌められたような、穏やかで幸福な、それでいて奥行きのない笑みを浮かべている。リィネたちが広場の中央に現れた瞬間、その「完璧な風景」に異変が生じた。ぴたり、と街中の人々の動きが止まった。噴水で遊んでいた子供も、パンを運んでいた商人も、ベンチで憩っていた老人も。数千人の市民が、示し合わせたように同時に動きを止め、機械のような正確さで、一斉にリィネたちの方へと首を傾げたのだ。
『――迷える子らが現れました』
空から、あの慈悲深く、しかし血の通わないカイの声が響き渡った。それは全知全能の神が、迷える羊たちに下す導きの託宣であった。
『皆さん、見てごらんなさい。彼女たちは、かつての私の一部である「呪い」を抱え、再び世界を混沌へ戻そうとしています。……救ってあげなさい。彼女たちを温かく迎え、その重荷を取り除いてあげるのです』
カイの言葉が終わると同時に、市民たちの瞳に、陶酔しきったような輝きが宿った。
「さあ、こちらへ」
「もう大丈夫ですよ。その汚い石を捨てて、私たちと一緒に幸せになりましょう」
「怖くないわ。管理者の愛に身を任せれば、すべては安らかになりますから」
武器を持たない、無垢な市民たちが、一歩、また一歩とリィネたちを取り囲むように歩み始めた。
「や、やめて……来ないでくださいまし!」
リィネは後ずさりしながら杖を構えたが、すぐにその手が震え、術の発動を躊躇った。敵ではないのだ。目の前にいるのは、かつて自分たちが救おうとした、何の罪もない人々だ。彼らの瞳には殺意など一滴も混じっていない。ただ純粋に、リィネを「救いたい」という狂信的なまでの善意だけが溢れている。だが、その善意こそが、鋭利な刃よりも恐ろしい凶器となった。数千の群衆が、波のように押し寄せる。彼らはリィネを殴ることも、刺すこともしない。ただ、優しく微笑みながら、彼女の衣服を掴み、腕を引き、全身を抱きしめてその自由を奪おうとする。
「放してください! 私は……私はカイ様を目覚めさせたいだけなんですの!」
「目覚める? 何を仰るのです。管理者はすでに完成されている。さあ、その石を渡しなさい」
「あなたのための幸せなんですよ、リィネ様」
無数の「手」がリィネに群がる。母親が子供をあやすような、友人が肩を叩くような、そんな柔らかな「善意の重圧」が、リィネを物理的に窒息させようとしていた。数百人もの人々に押し潰され、身動きが取れなくなったリィネは、地面に引きずり倒され、視界が人々の白い法衣と笑顔で埋め尽くされていく。天空の玉座で、カイはその光景を冷徹に見つめていた。
「痛みを与える必要はない。……ただ、彼らの『善意』に窒息し、同化すればいい。個の意志など、集団の幸福という海に溶ければ、塵にも等しいのだから」
カイの右腕が微かに動く。彼は人々の脳内にある「共感」のパラメータを極限まで引き上げ、リィネに対する「救済への執着」を増幅させていた。もはや、そこにいる人々は人間ではない。カイという巨大な意志を代行する、肉を持った細胞の一部に過ぎなかった。
「……主、護。……リィネ殿、護。……警告、群衆の圧力がリィネ殿の生存圏を侵害しています」
群衆の波の中で、グリムの演算回路が火花を散らした。リィネが抱える『未練の石』から放たれる負のエネルギーが、グリムの内部回路と共鳴し、最深部に封印されていた「あるプログラム」を無理やり引きずり出していた。それは、かつての主・カイが、自分自身を殺すために設計した『摩天殺害プログラム』。そして今、そのプログラムは、目の前の状況を極めて冷徹に、かつ残酷に再定義し始めていた。
『――現在の管理者は、世界にとっての最大エラーである。リィネは、正しき理を取り戻すための重要パーツである。パーツを損壊させる全ての要因を、排除対象と認定する』
グリムの思考回路が、論理のデッドロック(詰み)に陥る。目の前の人々は「護るべき市民」か、それとも「リィネを害する障害物」か。石に宿る「神・カイへの殺意」が、グリムの論理を最悪の方向へと歪ませた。
「……障害物、排除。……平和を乱す『肉塊』を、消去します」
グリムの瞳が、黄金から不吉な深紅へと染まった。彼の銀色の装甲が展開し、内蔵されていた対艦用の魔導レーザー砲が、無防備な群衆に向けて水平に照準を合わせた。
「グリム……さん? だめ、やめて……!」
リィネの叫びは、群衆の「讃美歌」にかき消された。
シュンッ、という乾いた音と共に、極太の熱線が広場を横なぎに一閃した。一瞬だった。笑顔でリィネに手を伸ばしていた数十人の市民たちが、音もなく消滅した。いや、消滅したのは胴体だけで、焼け焦げた下半身と、笑顔を張り付かせたままの頭部が、血の雨となって周囲に降り注いだ。だが、本当の地獄はそこから始まった。普通の人間なら、隣の人間が肉片になれば悲鳴を上げ、逃げ惑うだろう。しかし、カイに「恐怖」という機能を去勢された市民たちは、足元が仲間の内臓で埋め尽くされても、返り血を浴びて顔が赤く染まっても、その穏やかな笑みを絶やさなかった。
「おや、血ですね。暖かい」
「管理者のために、この命を捧げるのは喜びです。さあ、リィネ様、石を……」
彼らは、自分の腕がグリムの機銃で千切れても、千切れた方の腕を差し出してリィネに歩み寄る。恐怖を感じない軍勢は、最強の兵士よりも残酷な「歩く死体」となって押し寄せた。
「やめて……やめてぇぇぇッ!!」
リィネは血の海の中で叫び、目を覆った。グリムは無機質な動作で武装を換装し、さらに広範囲を殲滅するための高周波ブレードを起動する。
「効率的な排除を開始。命の価値は、主の論理において等価であり、この数は単なる『ノイズの蓄積』と判断します」
銀色の死神が、笑顔の群衆を文字通り「ミンチ」に変えていく。白亜の街路は瞬く間に赤黒い泥濘へと変わり、花の香りは鉄錆の臭いにかき消された。天空の玉座。カイは、自分の右腕をじっと見つめていた。その瞳には、かつて人間だった頃の彼なら抱いたであろう、後悔の破片さえも見当たらない。
「これこそが、自由の代償だ。個が意志を持ち、誰かを救おうと願うからこそ、このような非効率な惨劇が生まれる。リィネ、お前が求めた『心』が、この無垢な羊たちを殺しているのだぞ」
カイは冷酷に断じた。もし彼女が石を捨て、管理に身を委ねていれば、人々は今も笑顔で歌っていたはずだ。この惨劇の引き金を引いたのは、カイの管理ではなく、リィネの「希望」であるという、残酷な逆転。
「カイ様止めてください……お願いですから、もう止めて!」
リィネの祈りは、天には届かない。血に染まる楽園の中心で、グリムはただ機械的に「救済」という名の殺戮を継続していた。管理された平和という名の巨大なシステムが、自らを修復するために、かつての仲間を、そして自らの民を、音もなく飲み込み始めていた。その凄惨な光景こそが、神となったカイが世界に与えた、唯一の「正しい回答」であった。
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