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【42】 ─庭園 15時─
庭園へ出てみると、庭師がすでに花に水を上げた後の様で、若干花や葉が水滴を滴らせている。土も若干湿っているわね。風で運ばれてくる土の香り、わたくし結構好きなのよね。
花達も瑞々しく咲き誇ってて、見てるだけでも気分が上がってきそうだわ。
バラの花が好きなので、たくさんのバラを見ながら歩く。
何本か部屋に飾る様に後で持ってきてもらおうかしらとか、徒然なるままにのんびりと時間を過ごした。
このまま散策を続けるのも悪くないけれど、そろそろ夕食の時間だし、明日は、朝からパーティの支度で大わらわだものね。
部屋に戻るとしましょう。
「うん、久し振りにのんびりとした一日だったわ」
わたくしはグーッと伸びをすると、そのまま庭園を後にした。
⇒【63】へ進む
ꕤ.。✼••⋅⋅⊱∘┈┈┈┈•>✾<•┈┈┈┈∘⊰⋅⋅••✼。.ꕤ
【43】
「え……? え、な…にが、ある……かしら……」
本当に分からなくて、マティの笑みに圧を感じて。
わたくしは、軽く冷や汗を流しつつ尋ね返した。
「ふふ、そんな身構えなくてもだいしだよ。だって、ただ僕のお嫁さんになるってだけなんだから」
「っ」
……。
…………。
およめさん?
およめさん、って……なんだったかしら……?
およめさん……お嫁さん?
ああ、お嫁さんか!
なるほど、わたくしがマティの……、……。
「お嫁さん!?」
「うん」
「わたくしが!?」
「そう」
「マティの!?」
「そうだよ」
「だって、わたくしとマティは姉弟で家族じゃないの。家族は結婚出来ないじゃない」
「ははは、義姉さま。家族なのは確かだけど、僕は養子なんだよ」
「あ」
そうだったわ。
マティは侯爵家を継ぐ者として、遠縁の男の子をマティを養子として育てるために我が家に来てもらったんだわ。
頭では分かっていたけれど、姉弟として接してきていたから、もう家族の一員の意識が強かったし。
「義父さまにはね、先に伝えてたんだ。あの殿下と義姉さまがの婚約が解消する様な事があれば、僕が婚姻を結びたいって」
あなた、そんな話いつの間にお父様と進めていたの……。
「義姉さま、僕と結婚するのは嫌?」
「い、嫌ではないわよ? マティなら安心出来るし、人柄だって信頼出来るし」
そこは間違いなく言い切れる。
一緒に長い間過ごしてきたんだもの。
マティの人の良さはよく分かってるわ。
領民にも好かれているし、学友とも仲良くしているしね。人柄の良さは折り紙付きと言ってもいいと思う。
「良かった! それなら僕も遠慮せずに、ガンガンアプローチしていくからね! 義姉さまと結婚したいもん」
もん! って。
やだわ、わたくしの義弟が可愛い。お義姉ちゃん絆されちゃいそう。
マティとなら、お互い気心知れてるし、穏やかにやっていける自信はあるわ。
……そんな事か脳裏に浮かんだ時点で、きっと、わたくしはマティの手を取る事になるんだろうなと。
そう予感した。
そうして一年が経つ頃、マティから、卒業パーティで送られたのと同じ石で作られた指輪をプロポーズと共に差し出されて。
改めてプロポーズされたわたくしは、もうその頃にはマティを強く意識していたので、頷いて受ける事になるのだけれど。
今はマティとお茶をしたり、一緒に視察に出たりする、そんな穏やかな日々を送るのであった──。
ルート③クリア
ꕤ.。✼••⋅⋅⊱∘┈┈┈┈•>✾<•┈┈┈┈∘⊰⋅⋅••✼。.ꕤ
【44】
わたくしの胸と言うより、バラを見ている……のかしら?
そうしてバラを見た殿下は、ニンマリした笑みから一転、物凄い形相でわたくしを睨んできた。
ただそれは一瞬の事で、すぐに男爵令嬢の腰に手を回しながら、他の参加者達の所へ挨拶に行ってしまった。
「受付で貰ったバラが何だって言うのかしら」
まあ、ただ単にわたくしを見て気分が悪くなっただけとも考えられるけれど。
いつもいつも、会えば不機嫌そうに眉を顰めてガアガア騒いでいたものね。
……まあ、うるさいから、前世を思い出す前から、騒がれる時はサイレントの魔法使っていたんだけれど。
そうこうしてる内に、卒業パーティが開始され、皆それぞれ生徒同士で思い出を語り合ったり、先生方へ挨拶をしたりと、卒業をこれから先のそれぞれの進路について喜んだりしていた。
そうして、会場が盛り上がりを大きく迎えている時。
"それ"は始まった。
「皆の者!! この卒業パーティの場を借りて、私は皆に伝えたい事がある!」
広間の階段上から、殿下の声が大きく響き渡った。
ザワザワしていた空気が一瞬にして静かになる。談笑していた声も。楽団の演奏も。それまでの和やかだった会場が、一瞬にして硬い空気になり、皆の視線は殿下へと集中した。
会場内の視線が殿下に向かわれたのを確認すると、満足気に一つ頷いて。
「トルデリーゼ・ルントシュテット!! ここに来られよ!」
殿下はまたもや大きな声で、今度はわたくしを指名してきた。
周りの人達は何事だとザワザワとざわめき出す。それはそうだろう。急にパーティを遮断されたかの様になるかと思えば、殿下が婚約者をエスコートもせずに、目の前に来いなとど言えば、訝しむのは普通の反応だと思う。
相手が殿下なのもあり、卒業パーティと言う祝いの途中で、何事だなとど、突っ込む事も出来ないしね。
「トルデリーゼ・ルントシュテット! 私が呼んでいるのだ!! 早くここへ来ぬか!!」
しびれを切らし切らしたのか、殿下が再度わたくしの名前を呼ぶ。
先程名前を呼んでから、まだそんなに経ってないのに、相変わらず堪え性がない方です事。
近くにいる人達は、わたくしを伺い見てくる。
わたくしとしても、他の参加者の皆様方を困らせるつもりは無いし、ここが決戦の場と言うのも判っているため、一つ大きく(バレないように)深呼吸をすると、毅然とした態度のまま、殿下のいる方へを進み出た。(わたくしに気が付いた人達が、スッと道を空けてくれるから、なんだか花道のようだったわ……)
「トルデリーゼ・ルントシュテットでございます」
階段下の前まで来るとカーテシーをするが、その仕草を遮るかの様に、三度殿下がわたくしの名前を叫んだ。
⇒【41】へ進む
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庭園へ出てみると、庭師がすでに花に水を上げた後の様で、若干花や葉が水滴を滴らせている。土も若干湿っているわね。風で運ばれてくる土の香り、わたくし結構好きなのよね。
花達も瑞々しく咲き誇ってて、見てるだけでも気分が上がってきそうだわ。
バラの花が好きなので、たくさんのバラを見ながら歩く。
何本か部屋に飾る様に後で持ってきてもらおうかしらとか、徒然なるままにのんびりと時間を過ごした。
このまま散策を続けるのも悪くないけれど、そろそろ夕食の時間だし、明日は、朝からパーティの支度で大わらわだものね。
部屋に戻るとしましょう。
「うん、久し振りにのんびりとした一日だったわ」
わたくしはグーッと伸びをすると、そのまま庭園を後にした。
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「え……? え、な…にが、ある……かしら……」
本当に分からなくて、マティの笑みに圧を感じて。
わたくしは、軽く冷や汗を流しつつ尋ね返した。
「ふふ、そんな身構えなくてもだいしだよ。だって、ただ僕のお嫁さんになるってだけなんだから」
「っ」
……。
…………。
およめさん?
およめさん、って……なんだったかしら……?
およめさん……お嫁さん?
ああ、お嫁さんか!
なるほど、わたくしがマティの……、……。
「お嫁さん!?」
「うん」
「わたくしが!?」
「そう」
「マティの!?」
「そうだよ」
「だって、わたくしとマティは姉弟で家族じゃないの。家族は結婚出来ないじゃない」
「ははは、義姉さま。家族なのは確かだけど、僕は養子なんだよ」
「あ」
そうだったわ。
マティは侯爵家を継ぐ者として、遠縁の男の子をマティを養子として育てるために我が家に来てもらったんだわ。
頭では分かっていたけれど、姉弟として接してきていたから、もう家族の一員の意識が強かったし。
「義父さまにはね、先に伝えてたんだ。あの殿下と義姉さまがの婚約が解消する様な事があれば、僕が婚姻を結びたいって」
あなた、そんな話いつの間にお父様と進めていたの……。
「義姉さま、僕と結婚するのは嫌?」
「い、嫌ではないわよ? マティなら安心出来るし、人柄だって信頼出来るし」
そこは間違いなく言い切れる。
一緒に長い間過ごしてきたんだもの。
マティの人の良さはよく分かってるわ。
領民にも好かれているし、学友とも仲良くしているしね。人柄の良さは折り紙付きと言ってもいいと思う。
「良かった! それなら僕も遠慮せずに、ガンガンアプローチしていくからね! 義姉さまと結婚したいもん」
もん! って。
やだわ、わたくしの義弟が可愛い。お義姉ちゃん絆されちゃいそう。
マティとなら、お互い気心知れてるし、穏やかにやっていける自信はあるわ。
……そんな事か脳裏に浮かんだ時点で、きっと、わたくしはマティの手を取る事になるんだろうなと。
そう予感した。
そうして一年が経つ頃、マティから、卒業パーティで送られたのと同じ石で作られた指輪をプロポーズと共に差し出されて。
改めてプロポーズされたわたくしは、もうその頃にはマティを強く意識していたので、頷いて受ける事になるのだけれど。
今はマティとお茶をしたり、一緒に視察に出たりする、そんな穏やかな日々を送るのであった──。
ルート③クリア
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わたくしの胸と言うより、バラを見ている……のかしら?
そうしてバラを見た殿下は、ニンマリした笑みから一転、物凄い形相でわたくしを睨んできた。
ただそれは一瞬の事で、すぐに男爵令嬢の腰に手を回しながら、他の参加者達の所へ挨拶に行ってしまった。
「受付で貰ったバラが何だって言うのかしら」
まあ、ただ単にわたくしを見て気分が悪くなっただけとも考えられるけれど。
いつもいつも、会えば不機嫌そうに眉を顰めてガアガア騒いでいたものね。
……まあ、うるさいから、前世を思い出す前から、騒がれる時はサイレントの魔法使っていたんだけれど。
そうこうしてる内に、卒業パーティが開始され、皆それぞれ生徒同士で思い出を語り合ったり、先生方へ挨拶をしたりと、卒業をこれから先のそれぞれの進路について喜んだりしていた。
そうして、会場が盛り上がりを大きく迎えている時。
"それ"は始まった。
「皆の者!! この卒業パーティの場を借りて、私は皆に伝えたい事がある!」
広間の階段上から、殿下の声が大きく響き渡った。
ザワザワしていた空気が一瞬にして静かになる。談笑していた声も。楽団の演奏も。それまでの和やかだった会場が、一瞬にして硬い空気になり、皆の視線は殿下へと集中した。
会場内の視線が殿下に向かわれたのを確認すると、満足気に一つ頷いて。
「トルデリーゼ・ルントシュテット!! ここに来られよ!」
殿下はまたもや大きな声で、今度はわたくしを指名してきた。
周りの人達は何事だとザワザワとざわめき出す。それはそうだろう。急にパーティを遮断されたかの様になるかと思えば、殿下が婚約者をエスコートもせずに、目の前に来いなとど言えば、訝しむのは普通の反応だと思う。
相手が殿下なのもあり、卒業パーティと言う祝いの途中で、何事だなとど、突っ込む事も出来ないしね。
「トルデリーゼ・ルントシュテット! 私が呼んでいるのだ!! 早くここへ来ぬか!!」
しびれを切らし切らしたのか、殿下が再度わたくしの名前を呼ぶ。
先程名前を呼んでから、まだそんなに経ってないのに、相変わらず堪え性がない方です事。
近くにいる人達は、わたくしを伺い見てくる。
わたくしとしても、他の参加者の皆様方を困らせるつもりは無いし、ここが決戦の場と言うのも判っているため、一つ大きく(バレないように)深呼吸をすると、毅然とした態度のまま、殿下のいる方へを進み出た。(わたくしに気が付いた人達が、スッと道を空けてくれるから、なんだか花道のようだったわ……)
「トルデリーゼ・ルントシュテットでございます」
階段下の前まで来るとカーテシーをするが、その仕草を遮るかの様に、三度殿下がわたくしの名前を叫んだ。
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