30 / 30
【78】【79】【後書き】
しおりを挟む
【78】
しばらくピアノに触れる事がなかったのもあって、自分の好きな曲を弾いていると、演奏ホールの扉を開ける音が聞こえてきた。
手を止めて扉に視線を向けると、扉から顔だけひょっこりと覗かせる、義弟のマティアスの姿が目に入った。
義弟の名前はマティアス、マティアス・ルントシュテット。わたくしの三つ下の義弟。
お母様がわたくしを産んだ後亡くなってしまって、お父様が他に妾を作る事をよしとしない事もあり、我が家の、侯爵家の跡継ぎとして、マティアスは養子としてやってきたのだ。
とは言っても、無理やりお金でとかご家族から引き剝がしてとか……ではない。
マティアスの本当のご両親は、彼が幼い頃に、事故で亡くなってしまった事もあって、うちが引き取ったという経緯なのよね。
お父様はマティアスにも、不当な扱いをする事なく、わたくしと分け隔てなく愛情を注いで育ててくれ、利発で実直な子に育った。
跡継ぎとして育ててはいたけれど、マティアスが10の歳を迎えた時に、彼の両親、生い立ちについてもきちんと両親は知らせた。
社交界で会合などで、これから公爵家の嫡男としてやっていくのに、耳障りな事を言ってくる輩はごまんといる。その前にきちんと伝えたのだと言う事だった。
話を聞いたマティアスは、驚いてはいたけど、落ち着いて静かでもいた。一週間だけ考える時間を欲しいとの言葉に、私たちは頷くと、マティアスは一週間部屋から出てこなかった。
大丈夫なのかと心配になったけれど、一週間後に、話してくれたこと、育ててくれた事に感謝しする事、きちんと公爵家の跡継ぎとして、恥じない様にしていくと、晴れやかな顔で言ってくれたのを、今も覚えている。
今では跡継ぎとして、お父様の仕事をよく手伝っているのを見る様になった、わたくしの自慢の義弟。
そんなマティアスの趣味の一つが、バイオリンの演奏だ。
プロ顔負けの演奏の腕前なので、跡継ぎでなければ、演奏家としてやっていけたかもしれない程の腕前なのよね。本人はそこまでではないと言っているけれど。
「義姉さま!」
嬉しそうに声を上げると、にこにことした顔で、部屋に入って来た。
⇒【39】へ進む
ꕤ.。✼••⋅⋅⊱∘┈┈┈┈•>✾<•┈┈┈┈∘⊰⋅⋅••✼。.ꕤ
【79】
「……」
「どうしたの義姉さま? 急に静かになって」
「あぁ、そうね……今後についてどうしたものかと思って……」
ハァと一つ溜息をついて、チョコを一つ口に入れた。
殿下の婚約者だったから、本来ならわたくしは家を出て、王妃として婚姻後は王城住まいとなる筈だった訳だけれども。
それが昨夜の騒動であっという間に婚約解消になってしまったため、自分の未来像のビジョンが浮かばなくなってしまい、わたくしはもう一度息を吐いた。
王妃として嫁ぐ事が無いということは、ここにいる事になるけれど、侯爵家の跡継ぎとしては、既にマティを養子として引き取っている。
マティはお父様の期待以上に跡継ぎとして立派に育った。わたくしが後を継ぐと言う選択肢は無いだろう。
「どこかの後妻か、修道院か、かしら……」
前世を思い出すよりも前から、元々そこまで結婚したいとかなかったので(貴族としての政略結婚の覚悟はあったけれども)、それなら寄付金を多目に納めて、どこかの修道院で過ごすのがいいかしらね……。
侯爵家の資産に手を付ける気はないから、そうなるとわたくしの手持ちの資産に限られるけれども。正直働いたことの無い、小娘の資産だけでは寄付金を多めにと言っても限界はあるから、いくつか質の良い宝石等の装飾品やドレスを売ったりすれば行けるかしら……。
「何だ、義姉さまは、この後の事について心配していたの? 大丈夫だよ、何の問題もないから」
「え、それどう言う事? まさかもうどこかの後妻への嫁ぎ先が決定しているとか?」
水面下で話が進んでいたのかしら?
「あははは! まさか、違うよ。仮に父様がそんな話を進めていたとしても、僕が止めるし、それにそもそも、父様が義姉さまをどこかの後妻や修道院に出す事なんかしないよ」
「……じゃ、どうするの? どこかの家に侍女として出すとか?」
それなら仕事内容を覚えれば働けるし、家にお金を入れる事も出来るから、そう言う話があるなら、私も前向きに検討したいと思う。
と、思ったのだけれど、マティの眉間にシワがみるみるとよって行く。
「もう違うよ。侍女として働く義姉さまもきっと素敵とは思うけれど、働きに出なくても解決する方法あるでしょ」
ニコニコと。
ニコニコと。
顔の前で手を組み、軽く首を傾けながら、嬉しそうに、それはもう楽しそうに。
マティはそう問うてきた。
「え……? え、な…にが、ある……かしら……」
本当に分からなくて、マティの笑みに圧を感じて。
わたくしは、軽く冷や汗を流しつつ尋ね返した。
「ふふ、そんな身構えなくてもだいしだよ。だって、ただ僕のお嫁さんになるってだけなんだから」
「 」
……。
…………。
およめさん?
およめさん、って……なんだったかしら……?
およめさん……お嫁さん?
ああ、お嫁さんか!
なるほど、わたくしがマティの……、……。
「お嫁さん!?」
「うん」
「わたくしが!?」
「そう」
「マティの!?」
「そうだよ」
「だって、わたくしとマティは姉弟で家族じゃないの。家族は結婚出来ないじゃない」
「ははは、義姉さま。家族なのは確かだけど、僕は養子なんだよ」
「あ」
そうだった。
マティは侯爵家を継ぐ者として、遠縁の男の子をマティを養子として育てるために我が家に来てもらったんだわ。
頭では分かっていたけれど、姉弟として接してきていたから、もう家族の一員の意識が強かったし。
「義父さまにはね、先に伝えてたんだ。あの殿下と義姉さまがの婚約が解消する様な事があれば、僕が婚姻を結びたいって」
あなた、そんな話いつの間にお父様と進めていたの……。
「義父さまも、殿下と男爵令嬢の噂は当然耳にしていたしね。もしそうなる事があるなら、僕を一旦他の親類の養子にと手続きして、改めて僕が婿入りするって約束してくれてたんだ」
「……」
なんか、思ってた以上に話が水面下で進みすぎてて頭が追いつかないのだけれど……。
わたくしが固まってるのに気が付いたのか、マティが眉を軽く下げ、少し困った様に笑った。
「うん、義姉さまが、僕の事を義弟としか見てない事は分かってる」
「……」
「だから今は、そのままの家族愛でいいよ」
「……いいの?」
「うん」
「ゆっくり意識して行ってね。僕も義姉さまが僕の事を意識して貰えるように、これからは行動していくから」
「え、行動?」
「うん」
そう言うが早いか、マティは席を立つと私の方に顔を近付けて、唇に近いギリギリの端の所にキスを落とした。
「!!!!!」
チュッとリップ音を立てて顔を離したマティは、それはそれは満足そうな売れしそうな笑顔を浮かべる。
「もう遠慮せずに義姉さまにアプローチ出来るんだもん! ガンガン行くからね? 覚悟しててね?」
「え、えええ……」
突然頬に(一応唇を重ねてないから、今のは頬よね、頬になるわよね?)キスをされて、そんな経験ろくすっぽ無かったわたくしは、あっという間に顔から火を吹いた位にまで真っ赤になる。
「ふふ、義姉さま可愛い」
そう言いながら今度は手を取ると手の甲にもキスを落としてくる。
「マティーー!!!」
アハハハと楽しそうに笑うマティとは対象的にわたくしは堪らす声を上げた。
わたくしを意識させるって言ってたけど、予想よりも行動的なそのアプローチに、わたくしは「これ、もしかしなくてもかなり早く捕まるんじゃ……」という予感がただただ脳裏をよぎるのだった。
その後、お姫様抱っこされたり、壁ドンされたり、何度もデートに誘われたり。
そうしてマティは、宣言通りガンガンアプローチしてきて。
わたくしもマティは嫌いではなかったし、少しずつ、本当に少しずつだけれども、マティを家族ではなく、異性として意識していく様になってきて。
そうして一年半も経つ頃には、マティの事を意識しすぎて、顔をろくに見る事も出来ず、屋敷内でわたくしとマティの追いかけっこが日常と化し。
さらにそれから一年もしないで、婚姻を無事に結ぶ事になった。
「義姉さま……うぅん、リゼ、愛してる」
「わたくしもよ。ね、マティ。幸せにしてね。でもマティも幸せになってくれなきゃ嫌よ?」
「もちろん。リゼの幸せが僕の幸せなんだから!!」
マティは、それはもう、これ以上無いほどに嬉しそうな満開の笑顔を浮かべてくれて。
わたくしもその笑顔を見て、幸せを感じながら、お互いの唇をゆっくりと重ねていった。
ルート① トゥルーエンドクリア
ꕤ.。✼••⋅⋅⊱∘┈┈┈┈•>✾<•┈┈┈┈∘⊰⋅⋅••✼。.ꕤ
【後書き】
ここまで読んで頂き、ありがとうございました!
悪役令嬢でゲームブックはずっと作りたいと思っていたので、楽しく書けました。
以下ネタバレ含めた呟きです。
ルート、最初は3通りくらいかなーとか呑気に考えて進めてたのですが、アイテムの所持、エスコートの有無、バラの選択だけでかなりルートが分かれると気が付いてら改めてルートを確認したら7通りになってしまって、ちょっと気が遠くなりかけました。
最初は、全部マティアスとくっつく予定だったのですが、留学するルートは、エスコートもなく、書類を貰ったりなどの選択肢もなくマティアスとの接点が話の中で泣く、主人公側のマティアスへの好感度が家族愛以上にならないなと思い、留学エンドは、死亡エンド以外ではくっつかない流れにしました。
バラ毒ルート、正直こっちの方が主人公ピンチになるし、トゥルーエンドはこっちなのでは・・・?と途中で思ってしまったのは秘密です。
青バラを選ぶのは、選択肢として間違っているので、トゥルーエンドにはならないという流れなのでグッドエンドになりました。
攻略対象も、最初はマティアスだけでなく、次期公爵もいました。
公爵とのイベントは庭園で発生予定だったのですが、そこを書いてる途中で「これ、公爵の後にマティアスルートもあるんだよな? え、エンディングルート数やばくない?」と気が付いて、公爵ルートは抹消。
と言いつつ、マティアスルートだけで話を書いてる途中で執事(セバスではなく、トルデリーゼ専属の執事)のルートとかあったら面白そうだなーとか思ってしまったりも。
執事ルートの話はいつか書いてみたいです。
感想とかあれば嬉しいです。
メンタルが豆腐どころか豆乳なみに弱いので、厳しい言葉は避けて貰えたら嬉しいです゜(゜´ω`゜)゜。ピー
しばらくピアノに触れる事がなかったのもあって、自分の好きな曲を弾いていると、演奏ホールの扉を開ける音が聞こえてきた。
手を止めて扉に視線を向けると、扉から顔だけひょっこりと覗かせる、義弟のマティアスの姿が目に入った。
義弟の名前はマティアス、マティアス・ルントシュテット。わたくしの三つ下の義弟。
お母様がわたくしを産んだ後亡くなってしまって、お父様が他に妾を作る事をよしとしない事もあり、我が家の、侯爵家の跡継ぎとして、マティアスは養子としてやってきたのだ。
とは言っても、無理やりお金でとかご家族から引き剝がしてとか……ではない。
マティアスの本当のご両親は、彼が幼い頃に、事故で亡くなってしまった事もあって、うちが引き取ったという経緯なのよね。
お父様はマティアスにも、不当な扱いをする事なく、わたくしと分け隔てなく愛情を注いで育ててくれ、利発で実直な子に育った。
跡継ぎとして育ててはいたけれど、マティアスが10の歳を迎えた時に、彼の両親、生い立ちについてもきちんと両親は知らせた。
社交界で会合などで、これから公爵家の嫡男としてやっていくのに、耳障りな事を言ってくる輩はごまんといる。その前にきちんと伝えたのだと言う事だった。
話を聞いたマティアスは、驚いてはいたけど、落ち着いて静かでもいた。一週間だけ考える時間を欲しいとの言葉に、私たちは頷くと、マティアスは一週間部屋から出てこなかった。
大丈夫なのかと心配になったけれど、一週間後に、話してくれたこと、育ててくれた事に感謝しする事、きちんと公爵家の跡継ぎとして、恥じない様にしていくと、晴れやかな顔で言ってくれたのを、今も覚えている。
今では跡継ぎとして、お父様の仕事をよく手伝っているのを見る様になった、わたくしの自慢の義弟。
そんなマティアスの趣味の一つが、バイオリンの演奏だ。
プロ顔負けの演奏の腕前なので、跡継ぎでなければ、演奏家としてやっていけたかもしれない程の腕前なのよね。本人はそこまでではないと言っているけれど。
「義姉さま!」
嬉しそうに声を上げると、にこにことした顔で、部屋に入って来た。
⇒【39】へ進む
ꕤ.。✼••⋅⋅⊱∘┈┈┈┈•>✾<•┈┈┈┈∘⊰⋅⋅••✼。.ꕤ
【79】
「……」
「どうしたの義姉さま? 急に静かになって」
「あぁ、そうね……今後についてどうしたものかと思って……」
ハァと一つ溜息をついて、チョコを一つ口に入れた。
殿下の婚約者だったから、本来ならわたくしは家を出て、王妃として婚姻後は王城住まいとなる筈だった訳だけれども。
それが昨夜の騒動であっという間に婚約解消になってしまったため、自分の未来像のビジョンが浮かばなくなってしまい、わたくしはもう一度息を吐いた。
王妃として嫁ぐ事が無いということは、ここにいる事になるけれど、侯爵家の跡継ぎとしては、既にマティを養子として引き取っている。
マティはお父様の期待以上に跡継ぎとして立派に育った。わたくしが後を継ぐと言う選択肢は無いだろう。
「どこかの後妻か、修道院か、かしら……」
前世を思い出すよりも前から、元々そこまで結婚したいとかなかったので(貴族としての政略結婚の覚悟はあったけれども)、それなら寄付金を多目に納めて、どこかの修道院で過ごすのがいいかしらね……。
侯爵家の資産に手を付ける気はないから、そうなるとわたくしの手持ちの資産に限られるけれども。正直働いたことの無い、小娘の資産だけでは寄付金を多めにと言っても限界はあるから、いくつか質の良い宝石等の装飾品やドレスを売ったりすれば行けるかしら……。
「何だ、義姉さまは、この後の事について心配していたの? 大丈夫だよ、何の問題もないから」
「え、それどう言う事? まさかもうどこかの後妻への嫁ぎ先が決定しているとか?」
水面下で話が進んでいたのかしら?
「あははは! まさか、違うよ。仮に父様がそんな話を進めていたとしても、僕が止めるし、それにそもそも、父様が義姉さまをどこかの後妻や修道院に出す事なんかしないよ」
「……じゃ、どうするの? どこかの家に侍女として出すとか?」
それなら仕事内容を覚えれば働けるし、家にお金を入れる事も出来るから、そう言う話があるなら、私も前向きに検討したいと思う。
と、思ったのだけれど、マティの眉間にシワがみるみるとよって行く。
「もう違うよ。侍女として働く義姉さまもきっと素敵とは思うけれど、働きに出なくても解決する方法あるでしょ」
ニコニコと。
ニコニコと。
顔の前で手を組み、軽く首を傾けながら、嬉しそうに、それはもう楽しそうに。
マティはそう問うてきた。
「え……? え、な…にが、ある……かしら……」
本当に分からなくて、マティの笑みに圧を感じて。
わたくしは、軽く冷や汗を流しつつ尋ね返した。
「ふふ、そんな身構えなくてもだいしだよ。だって、ただ僕のお嫁さんになるってだけなんだから」
「 」
……。
…………。
およめさん?
およめさん、って……なんだったかしら……?
およめさん……お嫁さん?
ああ、お嫁さんか!
なるほど、わたくしがマティの……、……。
「お嫁さん!?」
「うん」
「わたくしが!?」
「そう」
「マティの!?」
「そうだよ」
「だって、わたくしとマティは姉弟で家族じゃないの。家族は結婚出来ないじゃない」
「ははは、義姉さま。家族なのは確かだけど、僕は養子なんだよ」
「あ」
そうだった。
マティは侯爵家を継ぐ者として、遠縁の男の子をマティを養子として育てるために我が家に来てもらったんだわ。
頭では分かっていたけれど、姉弟として接してきていたから、もう家族の一員の意識が強かったし。
「義父さまにはね、先に伝えてたんだ。あの殿下と義姉さまがの婚約が解消する様な事があれば、僕が婚姻を結びたいって」
あなた、そんな話いつの間にお父様と進めていたの……。
「義父さまも、殿下と男爵令嬢の噂は当然耳にしていたしね。もしそうなる事があるなら、僕を一旦他の親類の養子にと手続きして、改めて僕が婿入りするって約束してくれてたんだ」
「……」
なんか、思ってた以上に話が水面下で進みすぎてて頭が追いつかないのだけれど……。
わたくしが固まってるのに気が付いたのか、マティが眉を軽く下げ、少し困った様に笑った。
「うん、義姉さまが、僕の事を義弟としか見てない事は分かってる」
「……」
「だから今は、そのままの家族愛でいいよ」
「……いいの?」
「うん」
「ゆっくり意識して行ってね。僕も義姉さまが僕の事を意識して貰えるように、これからは行動していくから」
「え、行動?」
「うん」
そう言うが早いか、マティは席を立つと私の方に顔を近付けて、唇に近いギリギリの端の所にキスを落とした。
「!!!!!」
チュッとリップ音を立てて顔を離したマティは、それはそれは満足そうな売れしそうな笑顔を浮かべる。
「もう遠慮せずに義姉さまにアプローチ出来るんだもん! ガンガン行くからね? 覚悟しててね?」
「え、えええ……」
突然頬に(一応唇を重ねてないから、今のは頬よね、頬になるわよね?)キスをされて、そんな経験ろくすっぽ無かったわたくしは、あっという間に顔から火を吹いた位にまで真っ赤になる。
「ふふ、義姉さま可愛い」
そう言いながら今度は手を取ると手の甲にもキスを落としてくる。
「マティーー!!!」
アハハハと楽しそうに笑うマティとは対象的にわたくしは堪らす声を上げた。
わたくしを意識させるって言ってたけど、予想よりも行動的なそのアプローチに、わたくしは「これ、もしかしなくてもかなり早く捕まるんじゃ……」という予感がただただ脳裏をよぎるのだった。
その後、お姫様抱っこされたり、壁ドンされたり、何度もデートに誘われたり。
そうしてマティは、宣言通りガンガンアプローチしてきて。
わたくしもマティは嫌いではなかったし、少しずつ、本当に少しずつだけれども、マティを家族ではなく、異性として意識していく様になってきて。
そうして一年半も経つ頃には、マティの事を意識しすぎて、顔をろくに見る事も出来ず、屋敷内でわたくしとマティの追いかけっこが日常と化し。
さらにそれから一年もしないで、婚姻を無事に結ぶ事になった。
「義姉さま……うぅん、リゼ、愛してる」
「わたくしもよ。ね、マティ。幸せにしてね。でもマティも幸せになってくれなきゃ嫌よ?」
「もちろん。リゼの幸せが僕の幸せなんだから!!」
マティは、それはもう、これ以上無いほどに嬉しそうな満開の笑顔を浮かべてくれて。
わたくしもその笑顔を見て、幸せを感じながら、お互いの唇をゆっくりと重ねていった。
ルート① トゥルーエンドクリア
ꕤ.。✼••⋅⋅⊱∘┈┈┈┈•>✾<•┈┈┈┈∘⊰⋅⋅••✼。.ꕤ
【後書き】
ここまで読んで頂き、ありがとうございました!
悪役令嬢でゲームブックはずっと作りたいと思っていたので、楽しく書けました。
以下ネタバレ含めた呟きです。
ルート、最初は3通りくらいかなーとか呑気に考えて進めてたのですが、アイテムの所持、エスコートの有無、バラの選択だけでかなりルートが分かれると気が付いてら改めてルートを確認したら7通りになってしまって、ちょっと気が遠くなりかけました。
最初は、全部マティアスとくっつく予定だったのですが、留学するルートは、エスコートもなく、書類を貰ったりなどの選択肢もなくマティアスとの接点が話の中で泣く、主人公側のマティアスへの好感度が家族愛以上にならないなと思い、留学エンドは、死亡エンド以外ではくっつかない流れにしました。
バラ毒ルート、正直こっちの方が主人公ピンチになるし、トゥルーエンドはこっちなのでは・・・?と途中で思ってしまったのは秘密です。
青バラを選ぶのは、選択肢として間違っているので、トゥルーエンドにはならないという流れなのでグッドエンドになりました。
攻略対象も、最初はマティアスだけでなく、次期公爵もいました。
公爵とのイベントは庭園で発生予定だったのですが、そこを書いてる途中で「これ、公爵の後にマティアスルートもあるんだよな? え、エンディングルート数やばくない?」と気が付いて、公爵ルートは抹消。
と言いつつ、マティアスルートだけで話を書いてる途中で執事(セバスではなく、トルデリーゼ専属の執事)のルートとかあったら面白そうだなーとか思ってしまったりも。
執事ルートの話はいつか書いてみたいです。
感想とかあれば嬉しいです。
メンタルが豆腐どころか豆乳なみに弱いので、厳しい言葉は避けて貰えたら嬉しいです゜(゜´ω`゜)゜。ピー
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢はモブ化した
F.conoe
ファンタジー
乙女ゲーム? なにそれ食べ物? な悪役令嬢、普通にシナリオ負けして退場しました。
しかし貴族令嬢としてダメの烙印をおされた卒業パーティーで、彼女は本当の自分を取り戻す!
領地改革にいそしむ充実した日々のその裏で、乙女ゲームは着々と進行していくのである。
「……なんなのこれは。意味がわからないわ」
乙女ゲームのシナリオはこわい。
*注*誰にも前世の記憶はありません。
ざまぁが地味だと思っていましたが、オーバーキルだという意見もあるので、優しい結末を期待してる人は読まない方が良さげ。
性格悪いけど自覚がなくて自分を優しいと思っている乙女ゲームヒロインの心理描写と因果応報がメインテーマ(番外編で登場)なので、叩かれようがざまぁ改変して救う気はない。
作者の趣味100%でダンジョンが出ました。
乙女ゲームの悪役令嬢は前世の推しであるパパを幸せにしたい
藤原遊
ファンタジー
悪役令嬢×婚約者の策略ラブコメディ!
「アイリス・ルクレール、その波乱の乙女ゲーム人生――」
社交界の華として名を馳せた公爵令嬢アイリスは、気がつくと自分が“乙女ゲーム”の悪役令嬢に転生していることに気づく。しかし破滅フラグなんて大した問題ではない。なぜなら――彼女には全力で溺愛してくれる最強の味方、「お父様」がいるのだから!
婚約者である王太子レオナードとともに、盗賊団の陰謀や宮廷の策略を華麗に乗り越える一方で、かつて傲慢だと思われた行動が実は周囲を守るためだったことが明らかに……?その冷静さと知恵に、王太子も惹かれていき、次第にアイリスを「婚約者以上の存在」として意識し始める。
しかし、アイリスにはまだ知らない事実が。前世で推しだった“お父様”が、実は娘の危機に備えて影で私兵を動かしていた――なんて話、聞いていませんけど!?
さらに、無邪気な辺境伯の従兄弟や王宮の騎士たちが彼女に振り回される日々が続く中、悪役令嬢としての名を返上し、「新たな人生」を掴むための物語が進んでいく。
「悪役令嬢の未来は破滅しかない」そんな言葉を真っ向から覆す、策略と愛の物語。痛快で心温まる新しい悪役令嬢ストーリーをお楽しみください。
悪役令嬢に転生しましたが、行いを変えるつもりはありません
れぐまき
恋愛
公爵令嬢セシリアは皇太子との婚約発表舞踏会で、とある男爵令嬢を見かけたことをきっかけに、自分が『宝石の絆』という乙女ゲームのライバルキャラであることを知る。
「…私、間違ってませんわね」
曲がったことが大嫌いなオーバースペック公爵令嬢が自分の信念を貫き通す話
…だったはずが最近はどこか天然の主人公と勘違い王子のすれ違い(勘違い)恋愛話になってきている…
5/13
ちょっとお話が長くなってきたので一旦全話非公開にして纏めたり加筆したりと大幅に修正していきます
5/22
修正完了しました。明日から通常更新に戻ります
9/21
完結しました
また気が向いたら番外編として二人のその後をアップしていきたいと思います
ヒロインしか愛さないはずの公爵様が、なぜか悪女の私を手放さない
魚谷
恋愛
伯爵令嬢イザベラは多くの男性と浮名を流す悪女。
そんな彼女に公爵家当主のジークベルトとの縁談が持ち上がった。
ジークベルトと対面した瞬間、前世の記憶がよみがえり、この世界が乙女ゲームであることを自覚する。
イザベラは、主要攻略キャラのジークベルトの裏の顔を知ってしまったがために、冒頭で殺されてしまうモブキャラ。
ゲーム知識を頼りに、どうにか冒頭死を回避したイザベラは最弱魔法と言われる付与魔法と前世の知識を頼りに便利グッズを発明し、離婚にそなえて資金を確保する。
いよいよジークベルトが、乙女ゲームのヒロインと出会う。
離婚を切り出されることを待っていたイザベラだったが、ジークベルトは平然としていて。
「どうして俺がお前以外の女を愛さなければならないんだ?」
予想外の溺愛が始まってしまう!
(世界の平和のためにも)ヒロインに惚れてください、公爵様!!
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
乙女ゲームのヒロインに転生したのに、ストーリーが始まる前になぜかウチの従者が全部終わらせてたんですが
侑子
恋愛
十歳の時、自分が乙女ゲームのヒロインに転生していたと気づいたアリス。幼なじみで従者のジェイドと準備をしながら、ハッピーエンドを目指してゲームスタートの魔法学園入学までの日々を過ごす。
しかし、いざ入学してみれば、攻略対象たちはなぜか皆他の令嬢たちとラブラブで、アリスの入る隙間はこれっぽっちもない。
「どうして!? 一体どうしてなの~!?」
いつの間にか従者に外堀を埋められ、乙女ゲームが始まらないようにされていたヒロインのお話。
死亡予定の脇役令嬢に転生したら、断罪前に裏ルートで皇帝陛下に溺愛されました!?
六角
恋愛
「え、私が…断罪?処刑?――冗談じゃないわよっ!」
前世の記憶が蘇った瞬間、私、公爵令嬢スカーレットは理解した。
ここが乙女ゲームの世界で、自分がヒロインをいじめる典型的な悪役令嬢であり、婚約者のアルフォンス王太子に断罪される未来しかないことを!
その元凶であるアルフォンス王太子と聖女セレスティアは、今日も今日とて私の目の前で愛の劇場を繰り広げている。
「まあアルフォンス様! スカーレット様も本当は心優しい方のはずですわ。わたくしたちの真実の愛の力で彼女を正しい道に導いて差し上げましょう…!」
「ああセレスティア!君はなんて清らかなんだ!よし、我々の愛でスカーレットを更生させよう!」
(…………はぁ。茶番は他所でやってくれる?)
自分たちの恋路に酔いしれ、私を「救済すべき悪」と見なすめでたい頭の二人組。
あなたたちの自己満足のために私の首が飛んでたまるものですか!
絶望の淵でゲームの知識を総動員して見つけ出した唯一の活路。
それは血も涙もない「漆黒の皇帝」と万人に恐れられる若き皇帝ゼノン陛下に接触するという、あまりに危険な【裏ルート】だった。
「命惜しさにこの私に魂でも売りに来たか。愚かで滑稽で…そして実に唆る女だ、スカーレット」
氷の視線に射抜かれ覚悟を決めたその時。
冷酷非情なはずの皇帝陛下はなぜか私の悪あがきを心底面白そうに眺め、その美しい唇を歪めた。
「良いだろう。お前を私の『籠の中の真紅の鳥』として、この手ずから愛でてやろう」
その日から私の運命は激変!
「他の男にその瞳を向けるな。お前のすべては私のものだ」
皇帝陛下からの凄まじい独占欲と息もできないほどの甘い溺愛に、スカーレットの心臓は鳴りっぱなし!?
その頃、王宮では――。
「今頃スカーレットも一人寂しく己の罪を反省しているだろう」
「ええアルフォンス様。わたくしたちが彼女を温かく迎え入れてあげましょうね」
などと最高にズレた会話が繰り広げられていることを、彼らはまだ知らない。
悪役(笑)たちが壮大な勘違いをしている間に、最強の庇護者(皇帝陛下)からの溺愛ルート、確定です!
人見知りと悪役令嬢がフェードアウトしたら
渡里あずま
恋愛
転生先は、乙女ゲーの「悪役」ポジション!?
このまま、謀殺とか絶対に嫌なので、絶望中のルームメイト(魂)連れて、修道院へ遁走!!
前世(現代)の智慧で、快適生活目指します♡
「この娘は、私が幸せにしなくちゃ!!」
※※※
現代の知識を持つ主人公と、異世界の幼女がルームシェア状態で生きていく話です。ざまぁなし。
今年、ダウンロード販売を考えているのでタイトル変更しました!(旧題:人見知りな私が、悪役令嬢? しかも気づかずフェードアウトしたら、今度は聖女と呼ばれています!)そして、第三章開始しました!
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる