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罠と縄
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アシュは、グレンが部屋に入って来たのにも驚いたが…
その後エルドレッソが、グレンの従兄弟だと聞いて更に驚く。
「城に帰るぞ!アシュ!」
グレンが目を眇め、そんなアシュに言った。
グレンのその視線が余りに冷たくてアシュは一度目を逸らせた。
だが…
そんなに男の母乳が大切なのか?
と思いながら…
アシュは、意を決してグレンを見た。
「あっ、あの…私は、私は、もう、城には帰りません…」
当たり前だ…
国王にあれだけハッキリ言われた上に、いくら珍しいとは言え男の母乳をいい年をした王子に、愛人のフリをして与える乳母なんて…
「何だと?…」
グレンは、再び目を眇めてアシュを見た。
「国王陛下より、許可を頂きましたから…」
だが、グレンは、フンと笑った。
「その話は、全て無に帰した」
「え?」
「私が、父上と話をつけた。だから城へ帰れ!」
「でも…」
「アシュ…どちらにせよ…このまま私に何も言わず去るのは余りに皇太子の私に対して無礼では無いか?本来なら牢獄入りだ!私に面と向かい申し開きしてみろ!だが、ここでは無く城で話を聞く。私が納得したなら、お前をすぐに家へ護衛を付けて今度は無事に返してやる」
「アシュ…それは…」
エルドレッソが、グレンの提案に大声で割って入った。
「お前は黙れ!部外者だ!」
グレンは、従兄弟を一喝した。
「部外者?もう、私は部外者だとは思ってないが?」
さっきまで穏やかだったエルドレッソは腕を組み、グレンを睨んだ。
「それは、どう言う意味だ?セックス出来なかったからか?余程アソコにアレが溜まってるか?売人からアシュを幾らで買った?倍の金を払ってやるよ!突っ込むだけならどうせ誰でもいいだろう?ここなら幾らでも代わりがいるだろう?」
グレンは、冷静な口調で従兄弟に言葉を投げつける。
「くっ…セックス?金?そう言う事じゃ無い。そう言う事じゃないんだよ…グレン…」
そう言ったエルドレッソとグレンが睨み合う。
「では…どう言う事だ?…」
そして今にも、二人が激しく殴り合いそうにすらアシュに映る。
アシュに、息が止まりそうな位の緊張が押し寄せる。
「…分かりました!グレン様。城へ帰りお話しします。その後、家には、母の所には、ちゃんとちゃんと帰してくださいますね?約束して下さい」
アシュはグレンの前に立ち、この危ない雰囲気の場をなんとかしようとして折れた。
「ああ…良かろう…では、城へ帰るぞ!」
グレンはニッとアシュに笑うとアシュの肩を強く抱き締め、チラリとエルドレッソを見た。
「アシュ!」
エルドレッソが、まるで愛しい恋人を奪われたかのように叫んだ。
「俺…いや…私が謝るのもおかしな感じですが…申し訳ありません。どうかここでお許し下さい…エルドレッソ様…」
アシュは、エルドレッソを見詰めると深く頭を下げ、グレンとともに建物を出た。
外は、もう夕刻が近い。
アシュが連れ込まれたのは、かなり立派な大きな屋敷だった。
アシュがグレンと廊下を歩いている時には、どこからか男や女の激しい嬌声が幾つも漏れ聞こえてきた。
アシュは、顔を真っ赤にしてグレンに肩を抱かれながら下を向き歩いたが…
グレンは、顔色を一切変えない。
ここは朝から晩まで、高貴な身分の者が、美しい男女の体を求め買いにやって来る高級娼館だった。
外にはすでに馬車が待機してあり、アシュはグレンと乗り込んだ。
去り際、グレンの配下の者が娼館の責任者らしい男達と揉めてい
た。
グレンは、アシュを売りにきた売人と、その売人と関係のある者を
全滅させてやると、馬車の中でアシュに地を這うような声で呟いた。
アシュはグレンと城の離宮に着き、もう二度と戻らないはずだった愛人用の部屋に入る。
中はもうすでに、ガスランプに火が灯っている。
アシュは、なんとか上手くグレンを納得させなくては…と、密かに息を整えようとしたが…
「あっ!」
アシュは、突然グレンに抱きかかえられて驚きの声を上げた。
そしてそのままアシュは、鏡張りの寝室に連れ込まれ、天蓋カーテンの上げられた柔らかいキングサイズベッドに投げ捨てられた。
「グ…グレン様…話しは?話しを!」
そう焦るアシュを尻目に、グレンは表情を変えず…
どこから持って来たのか?縄でアシュの両手を慣れた手付きで縛り…
更にその縄の先を、ベッドの頭側の頑丈なへッドボードに取り付けられた飾りの金属と金属の間に括り付けた。
「グ…グレン様!グレン様!」
アシュが焦り叫ぶと、グレンは、アシュの体の上に被さって来た。
そして…強張るアシュの顔を見て不敵に口角を上げ、低い美声で呟いた。
「その前に…お前の乳と他のお前の体の色々な所も隅々まで調べてやる…エルドレッソや他の者に汚されてないかどうか…」
その後エルドレッソが、グレンの従兄弟だと聞いて更に驚く。
「城に帰るぞ!アシュ!」
グレンが目を眇め、そんなアシュに言った。
グレンのその視線が余りに冷たくてアシュは一度目を逸らせた。
だが…
そんなに男の母乳が大切なのか?
と思いながら…
アシュは、意を決してグレンを見た。
「あっ、あの…私は、私は、もう、城には帰りません…」
当たり前だ…
国王にあれだけハッキリ言われた上に、いくら珍しいとは言え男の母乳をいい年をした王子に、愛人のフリをして与える乳母なんて…
「何だと?…」
グレンは、再び目を眇めてアシュを見た。
「国王陛下より、許可を頂きましたから…」
だが、グレンは、フンと笑った。
「その話は、全て無に帰した」
「え?」
「私が、父上と話をつけた。だから城へ帰れ!」
「でも…」
「アシュ…どちらにせよ…このまま私に何も言わず去るのは余りに皇太子の私に対して無礼では無いか?本来なら牢獄入りだ!私に面と向かい申し開きしてみろ!だが、ここでは無く城で話を聞く。私が納得したなら、お前をすぐに家へ護衛を付けて今度は無事に返してやる」
「アシュ…それは…」
エルドレッソが、グレンの提案に大声で割って入った。
「お前は黙れ!部外者だ!」
グレンは、従兄弟を一喝した。
「部外者?もう、私は部外者だとは思ってないが?」
さっきまで穏やかだったエルドレッソは腕を組み、グレンを睨んだ。
「それは、どう言う意味だ?セックス出来なかったからか?余程アソコにアレが溜まってるか?売人からアシュを幾らで買った?倍の金を払ってやるよ!突っ込むだけならどうせ誰でもいいだろう?ここなら幾らでも代わりがいるだろう?」
グレンは、冷静な口調で従兄弟に言葉を投げつける。
「くっ…セックス?金?そう言う事じゃ無い。そう言う事じゃないんだよ…グレン…」
そう言ったエルドレッソとグレンが睨み合う。
「では…どう言う事だ?…」
そして今にも、二人が激しく殴り合いそうにすらアシュに映る。
アシュに、息が止まりそうな位の緊張が押し寄せる。
「…分かりました!グレン様。城へ帰りお話しします。その後、家には、母の所には、ちゃんとちゃんと帰してくださいますね?約束して下さい」
アシュはグレンの前に立ち、この危ない雰囲気の場をなんとかしようとして折れた。
「ああ…良かろう…では、城へ帰るぞ!」
グレンはニッとアシュに笑うとアシュの肩を強く抱き締め、チラリとエルドレッソを見た。
「アシュ!」
エルドレッソが、まるで愛しい恋人を奪われたかのように叫んだ。
「俺…いや…私が謝るのもおかしな感じですが…申し訳ありません。どうかここでお許し下さい…エルドレッソ様…」
アシュは、エルドレッソを見詰めると深く頭を下げ、グレンとともに建物を出た。
外は、もう夕刻が近い。
アシュが連れ込まれたのは、かなり立派な大きな屋敷だった。
アシュがグレンと廊下を歩いている時には、どこからか男や女の激しい嬌声が幾つも漏れ聞こえてきた。
アシュは、顔を真っ赤にしてグレンに肩を抱かれながら下を向き歩いたが…
グレンは、顔色を一切変えない。
ここは朝から晩まで、高貴な身分の者が、美しい男女の体を求め買いにやって来る高級娼館だった。
外にはすでに馬車が待機してあり、アシュはグレンと乗り込んだ。
去り際、グレンの配下の者が娼館の責任者らしい男達と揉めてい
た。
グレンは、アシュを売りにきた売人と、その売人と関係のある者を
全滅させてやると、馬車の中でアシュに地を這うような声で呟いた。
アシュはグレンと城の離宮に着き、もう二度と戻らないはずだった愛人用の部屋に入る。
中はもうすでに、ガスランプに火が灯っている。
アシュは、なんとか上手くグレンを納得させなくては…と、密かに息を整えようとしたが…
「あっ!」
アシュは、突然グレンに抱きかかえられて驚きの声を上げた。
そしてそのままアシュは、鏡張りの寝室に連れ込まれ、天蓋カーテンの上げられた柔らかいキングサイズベッドに投げ捨てられた。
「グ…グレン様…話しは?話しを!」
そう焦るアシュを尻目に、グレンは表情を変えず…
どこから持って来たのか?縄でアシュの両手を慣れた手付きで縛り…
更にその縄の先を、ベッドの頭側の頑丈なへッドボードに取り付けられた飾りの金属と金属の間に括り付けた。
「グ…グレン様!グレン様!」
アシュが焦り叫ぶと、グレンは、アシュの体の上に被さって来た。
そして…強張るアシュの顔を見て不敵に口角を上げ、低い美声で呟いた。
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