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実感
しおりを挟む「本当か?」
グレンは尚も、アシュに体を寄せ優しく尋ねてきた。
アシュは、離宮内の壁と黒の軍服を着たグレンの逞しい体の間に挟まれて身動きできなくなった。
アシュの体全体がカッと熱くなる。
そして、アシュの体全体が、グレンに惹かれるように、もっと体を近づけたいと疼く。
つい数日前まで、アシュが童貞だったとは思えない体の変化だった。
アシュは、その衝動を堪えるのに必死で、言葉を発せなかった。
すると……
「本当か?……」
背の高いグレンは体を屈め、アシュの唇にグレンの唇を寄せて再び尋ねた。
グレンの息が、アシュの唇に当たる。
アシュは、体をガチガチに固めながら、そっとグレンの黒い瞳を見上げた。
するとアシュは、心の底から実感した。
グレン程の美しい男なら、どんなに沢山の人間から恋され愛されても、グレン自身は誰にも恋せず、誰も愛さなくても良いのだと……
グレンなら、それが許される。
この世に神が存在するなら、グレンと言う男は、その神に特別にその権利を与えられていると。
グレンが突然、フッと笑った後で微笑んだまま、アシュに唇を近づけたまま言った。
「聞かなくても、本当はわかっている。エリザベータ、あの女の本性はな。安心しろ、アシュ。あの女は、二度とお前の目の前には現れないし、お前には指一本触れさせない」
グレンの表情は微笑んでいるのに、声がいつにも増して低い。
アシュは、嫌な予感がした。
エリザベータ嬢に、命はあるのだろうか?と……
「グレン様!エリザベータ様の……エリザベータ様のお命だけは、お命だけは、大丈夫ですよね…」
アシュは、必死で言葉を発した。
しかし、グレンは、又フッと笑って、別に大した事も無い感じで答えた。
「アシュ、お前が気にする事ではない」
それでも、その声の端々には、アシュの介在は許さないと言うグレンの圧が感じられる。
それでも、アシュは、もう一度試みた。
「グレン様!エリザベータ様は!グレン様の事が!」
アシュは、ただ普通にエリザベータに同情しただけでは無かった。
エリザベータは、明日のアシュかも知れないのだ。
アシュも、グレンには本当には愛されてない。
アシュも、どんなにグレンを愛そうと愛されはしないのだ。
アシュは、珍しい男の乳母だからグレンはアシュを重要視してるだけで、アシュは、それを隠す為にただの偽装愛人をしているだけ。
「もう一度言う。アシュ、お前は何一つ気にする事は無い。すぐに国王陛下より、エリザベータには沙汰が申し渡されよう」
しかし、グレンの答えは変わらなかった。
そこに……
「グレン様!御無理をなされこちらに来られたので、公務の御予定が押しております」
アシュとグレンからは少し離れている廊下の角から衛兵が二人出てきて、その内の一人が報告した。
「わかった」
グレンは、即答した。
(無理?グレン様は、無理してここに来てくれたのか?)
アシュは、衛兵の言葉を聞き、グレンの表情を見詰めた。
そこから何がグレンの本当なのか少しでも感じ取りたくて。
しかし、その時間は与えられなかった。
グレンは、アシュの左肩にグレンの手を伸ばした。
そして、アシュの背中を壁から離し、グレンは、アシュの体を抱き締めた。
(ええ?!)
アシュは、内心で驚く。
しかし、チラリと衛兵達を見ると、グレンのアシュへの抱擁に赤面していた。
そこで、アシュは思った。
多分この抱擁は、以前グレンがアシュにキスしたように見せかけたのと理由は一緒だろうと。
要は、城にいる人間達に、グレンとアシュが愛人関係だと信じさせる演技なのだと。
グレンは、これからも徹底して演技するつもりだと。
「アシュ。部屋に戻るぞ」
やがてグレンはそう言い、アシュの肩をまるで恋人のように優しく抱いたまま、アシュをアシュの部屋に導き出した。
アシュは、グレンの態度へのアシュの想像に愕然としながらも、黙々とそれに従うしかなかった。
その後を、衛兵2人が続いた。
しかし、アシュは、色々混乱していた。
この国の王族は、民達と臣下達しか特別に愛する事を許されないと言う掟がある。
この国の王族は、伴侶や恋人や愛人を何人持ちその者達から愛されよとうと、その中から誰かを愛してはならない掟がある。
ならば、いくらアシュを愛人と周りに信じさせる為とは言え、グレン自らがアシュを抱き締めたりする場面を周りに見せつけるのはグレンの立場が悪くなるのでは無いか?
アシュは、グレンに肩を抱かれ長い廊下を歩きながら……
王城も、その敷地内の今いるこの離宮も、そしてグレンも、国民誰もが憧れるこの世で一番美しく華やかな存在だと思った。
そう、まるでおとぎ話の世界の中のような。
しかし、現実は、この世の何よりもダークで恐ろしいとも思った。
アシュは、ダークで恐ろしい煌めく美しい世界に吸い込まれてしまったと。
アシュは、今、本当に恐ろしさを実感した。
だが、そんなアシュが何より恐ろしいと思うのは、そんなグレンをアシュが愛してると言う事だった。
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ちょうど読み返してるお話だったので更新嬉しいです! アシュさんグレン様のこと一途でドキドキしてます😆 健気で可愛い💕 グレン様の婚約者のことも庇うのもいい子だなぁと思ってます。グレン様が好きなのは同じだと思ってるのかな。続き楽しみにしてます~😣
こんばんは!
読み返して頂けてうれしいです!
ありがとうございます!
グレンは、王族は恋愛はしないと言いながら、城にいる人間の前でアシュにスキンシップをしてくるし、グレンは、よく考えてる事が分からない男なんで、アシュが純情過ぎて振り回されてます
(^~^;)
でも……きっと、とら様や読んで下さる読者の方は、グレンがアシュに対して何を考えてるかは感じて頂けてたらうれしいです
(*´ω`*)
エリザベータがグレンと結婚してたら、いずれエリザベータはグレンの命も狙って危なかったと思うんで、エリザベータは怖い令嬢です
(ꏿ﹏ꏿ;)
最新話まで読みました。婚約者高飛車な感じでアシュにひどいこと言って、なにをーと思ったけどグレンのこと好きなんだなと思ってます。アシュ気に病まないといいな。お返事ありがとうございました!
お読みくださるだけでもありがたいのに、こんなに早く読んで下さり、感想まで頂き、本当に幸せです!
そうなんです。
婚約者、グレンが好きだったんてすが、グレンは婚約者にずっと冷たかったですから、追い込まれた感じです。
今までも、グレンにただ好意を持った者やグレンと少しの間付き合った女子、男子の中にも、グレンに泣かされた者は沢山いて数えられません
(• ▽ •;)
この作品、続きが遅れていて、すいません。
続きは書こうと思いますので、どうかこれからもよろしくお願いします!
「刺激」まで読みました。エロロ楽しかったです!読めて良かった!また続き読みに来ます~😆
とら様、凄い早いペースで読んでくださり、みゃー感動してます!
エロロ、みゃーもこれからも楽しんで頑張って書きますのでよろしくお願いします!