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(24)想いに蓋はしない
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優しく触れた唇は、その感触を確かめるように幾度も啄まれて重なって、口付けが深くなる毎にリルカの身体に言いようのない甘い痺れが駆け抜けていく。
身体を強張らせるリルカを抱き寄せたまま寝台に横たわらせると、ルーシャの口付けは一層激しくなり、濡れた舌先がリルカの唇をくすぐって、ゆっくりと割り入って歯列をなぞる。
そしてルーシャの大きな手のひらがリルカの頬を撫で、顔の輪郭をなぞって首筋に落ちると、喉元まで詰まった襟ぐりに指を掛け、結ばれた紐を緩やかに解いていく。
「んんっ、まっ、ちょ、ルーシャさん」
なんとかキスから逃れて声を出すと、とろんと蕩けた、しかし獰猛な視線を向けるルーシャと目が合う。
「なぁに」
「汗まみれだし、その、埃臭いし、昨日も湯浴み出来てないんで……」
「あらアタシもそうよ。そんなに臭いかしら」
「や、あの、そんなことはないんですけど。いや、そういうことじゃなくて」
リルカがしどろもどろに返すと、ルーシャはクッと喉を鳴らして軽く唇に触れ、焦り過ぎたわねと体を起こした。
「いいわよ。しっかりお湯に浸かって、疲れを取りなさい、ルカくん」
急遽泊まることになった二人部屋には簡易的な閑処の付いた浴室が設えてあり、立ち上がったルーシャが浴室に向かい、機械を操作して浴槽にお湯を張っている。
その後ろ姿をドキドキが治まらない胸を押さえて見つめると、リルカは気を落ち着かせるように深呼吸する。
「排水設備が整ってるから、ゆっくり入れそうで良かったわね。浴槽の外で体を洗えるから、湯船を汚さずに済むわよ」
「そ、そうですか」
「薬剤と香油ならアタシ持ってるわよ。はいコレ、使うとイイわ」
「ありがとうございます」
「なぁにその顔、アタシと一緒に入りたいのかしら」
「いえ、結構です!」
反射的に叫ぶと、ルーシャが可笑しそうに肩を揺らすのが更に恥ずかしくて、リルカは着替えを掴んで逃げるように湯気が立ち昇り始めた浴室に飛び込んだ。
「ど、ど、どうしよう」
扉にもたれたまま、腰が抜けたようにしゃがみ込むと、真っ赤になった顔を覆い、さっきまでルーシャが触れていた唇に指が触れてビクッと体を震わせる。
キスをする前に、もう我慢出来ないと口走ったルーシャの声が蘇ってきて、リルカは自惚れても良いのだろうかと、湧き上がってくる喜びのような気持ちを持て余す。
「え……やっぱりルーシャさんは、私のことが好きってこと?」
いつの夜だったか、グリードと話しているルーシャの言葉を思い出す。ルーシャはリルカが男装していることを、女であることを知っていた。
恋人みたいなキスをしたけれど、好きだとは言われていない。そう思うと、男装した女が珍しくて興味を持っただけじゃないだろうかと、不安が一気に膨れ上がってくる。
「でもルーシャさんは男性が好きなのよね」
思い起こせばいつもムゥダルに抱き付いてキスしているし、さっきもルカくんと呼ばれた。
「もう訳が分かんなくなって来た……」
リルカは考えるのを一旦やめて、服やブーツを脱ぐと、眼帯を外して薬剤に香油を混ぜて頭や体を洗い始めた。
扉の隔てた向こうにルーシャが居ると思うと、急に恥ずかしさが膨らんで来るが、手桶で汲んだ湯を頭から浴びて大きく首を振る。
ルーシャは浴槽にも香油を混ぜていたのか、嗅いだことのないスッキリとした香りがして、気持ちが安らぎそれだけで疲れが吹き飛んでいくようだった。
浴槽から出たリルカは、悩んだ末に普段通り胸を潰してから服を着込んで、ルーシャが待つ部屋に戻る。
しかし部屋にはルーシャの姿がなかった。
「……気分、悪くさせちゃったのかな」
洗いざらしの髪から雫が落ちて、膝に染みが広がっていく。
リルカにとってキスだって初めてのことだし、その先に起こるだろうことも、相手がルーシャだから受け入れようと思った。キスをされてルーシャが好きなのだと自覚したから。
けれどルーシャは大人で、キス一つを取っても慣れている様子だったことがリルカの心にチクリと棘を刺す。
膝を濡らしているのが、髪から滴る水だけでなく、自分が流している涙だと気付いて、リルカは声もなく身を震わせて静かに泣いた。
しばらくしてガチャリと音を立てて部屋の扉が開くと、大荷物を抱えたルーシャが入ってくるなり驚いた顔で駆け寄って来る。
「どうしたのよ、なにがあったの」
「ルーシャさん」
リルカは感情に任せてルーシャに抱き付くと、急に居なくならないでと泣きじゃくる。
「ごめんなさいね、お腹が空くだろうと思って、色々買い込んできたのよ。書き置きも残さないで不安にさせちゃったわね」
ルーシャは大きな手のひらでリルカの背中を優しく撫でると、濡れたままの髪に口付けを落としてから、もう一度ごめんねと謝ってギュッとリルカを抱き締めた。
リルカがようやく泣き止んだ頃に、ルーシャは自分も体を綺麗にしたいと浴室に向かい、しばらくすると上半身裸のまま、乱暴に髪を拭きながら部屋に戻って来た。
「ルーシャさん、ふ、服、着てください」
「あらヤダ、そんなに照れちゃって可愛いんだから」
ルーシャはイタズラっぽく笑うとリルカを抱き寄せて、額、瞼、鼻先、そして唇に口付ける。
「さて。アタシの可愛い仔犬ちゃんは、本当はなんていう名前なのかしら」
額を合わせた至近距離でリルカを見つめると、ルーシャは教えてくれないと呼べないからと優しい笑顔を浮かべる。
「……リルカです」
「リルカちゃん。女の子らしくて愛らしい名前だわ」
ルーシャはリルカの頬を撫でると、愛しげに口付けをしてリルカの名前を呼んだ。
女の子としてルーシャに抱き締められて、キスされることに喜びを感じながらも、こんなやり取りが、恋人同士でもない二人の間で交わすことなのかリルカは戸惑う。
そんなリルカの様子に気付いたのか、ルーシャは体を離してリルカの顔を覗き込む。
「どうしたのリルカ」
「くだらないことないんですけど、ルーシャさんは、その……私のことが好きなのかなって」
羞恥で消え入りそうになる声でリルカが絞り出した言葉に、ルーシャは答えるよりも前に溜め息を吐いた。
やはり聞くべきではなかったとリルカが後悔で体を震わせると、違うのよとルーシャは頭を抱える。
「ごめんなさいね、アタシって本当にダメだわ。リルカはムゥダルと過ごすことも多いし、ハッキリ言わないと不安になっちゃうわよね」
さりげなくムゥダルを引き合いに出して貶める発言をすると、リルカの髪を撫でて滑らせた指先で頬を撫でる。
「アタシはアナタが好きよ、リルカ」
「でもルーシャさんは、男性が好きなんじゃないんですか」
「ふふ。確かに初めて見た時は、なんて可愛らしい美少年かしらと思ったわ」
「私、女ですけど」
「分かってるわよ。アタシはこの格好や話し方が好きなだけで、普通の男よ。男を抱きたいなんて思わないわよ」
「分かりました。それに似合ってるし素敵ですよ」
「ヤダぁ、嬉しくなっちゃう。アタシはこんな風に誰かを特別に思うなんて初めてだし、こんな風に触れたいと思うのもリルカ、アナタが初めてよ。リルカこそどう思ってるの」
「尊敬してますし、その、す……好きです」
恥ずかしさで俯くリルカの顎に手を添えて上向かせると、愛しげな目で見つめながらルーシャの唇がそれに重なった。
身体を強張らせるリルカを抱き寄せたまま寝台に横たわらせると、ルーシャの口付けは一層激しくなり、濡れた舌先がリルカの唇をくすぐって、ゆっくりと割り入って歯列をなぞる。
そしてルーシャの大きな手のひらがリルカの頬を撫で、顔の輪郭をなぞって首筋に落ちると、喉元まで詰まった襟ぐりに指を掛け、結ばれた紐を緩やかに解いていく。
「んんっ、まっ、ちょ、ルーシャさん」
なんとかキスから逃れて声を出すと、とろんと蕩けた、しかし獰猛な視線を向けるルーシャと目が合う。
「なぁに」
「汗まみれだし、その、埃臭いし、昨日も湯浴み出来てないんで……」
「あらアタシもそうよ。そんなに臭いかしら」
「や、あの、そんなことはないんですけど。いや、そういうことじゃなくて」
リルカがしどろもどろに返すと、ルーシャはクッと喉を鳴らして軽く唇に触れ、焦り過ぎたわねと体を起こした。
「いいわよ。しっかりお湯に浸かって、疲れを取りなさい、ルカくん」
急遽泊まることになった二人部屋には簡易的な閑処の付いた浴室が設えてあり、立ち上がったルーシャが浴室に向かい、機械を操作して浴槽にお湯を張っている。
その後ろ姿をドキドキが治まらない胸を押さえて見つめると、リルカは気を落ち着かせるように深呼吸する。
「排水設備が整ってるから、ゆっくり入れそうで良かったわね。浴槽の外で体を洗えるから、湯船を汚さずに済むわよ」
「そ、そうですか」
「薬剤と香油ならアタシ持ってるわよ。はいコレ、使うとイイわ」
「ありがとうございます」
「なぁにその顔、アタシと一緒に入りたいのかしら」
「いえ、結構です!」
反射的に叫ぶと、ルーシャが可笑しそうに肩を揺らすのが更に恥ずかしくて、リルカは着替えを掴んで逃げるように湯気が立ち昇り始めた浴室に飛び込んだ。
「ど、ど、どうしよう」
扉にもたれたまま、腰が抜けたようにしゃがみ込むと、真っ赤になった顔を覆い、さっきまでルーシャが触れていた唇に指が触れてビクッと体を震わせる。
キスをする前に、もう我慢出来ないと口走ったルーシャの声が蘇ってきて、リルカは自惚れても良いのだろうかと、湧き上がってくる喜びのような気持ちを持て余す。
「え……やっぱりルーシャさんは、私のことが好きってこと?」
いつの夜だったか、グリードと話しているルーシャの言葉を思い出す。ルーシャはリルカが男装していることを、女であることを知っていた。
恋人みたいなキスをしたけれど、好きだとは言われていない。そう思うと、男装した女が珍しくて興味を持っただけじゃないだろうかと、不安が一気に膨れ上がってくる。
「でもルーシャさんは男性が好きなのよね」
思い起こせばいつもムゥダルに抱き付いてキスしているし、さっきもルカくんと呼ばれた。
「もう訳が分かんなくなって来た……」
リルカは考えるのを一旦やめて、服やブーツを脱ぐと、眼帯を外して薬剤に香油を混ぜて頭や体を洗い始めた。
扉の隔てた向こうにルーシャが居ると思うと、急に恥ずかしさが膨らんで来るが、手桶で汲んだ湯を頭から浴びて大きく首を振る。
ルーシャは浴槽にも香油を混ぜていたのか、嗅いだことのないスッキリとした香りがして、気持ちが安らぎそれだけで疲れが吹き飛んでいくようだった。
浴槽から出たリルカは、悩んだ末に普段通り胸を潰してから服を着込んで、ルーシャが待つ部屋に戻る。
しかし部屋にはルーシャの姿がなかった。
「……気分、悪くさせちゃったのかな」
洗いざらしの髪から雫が落ちて、膝に染みが広がっていく。
リルカにとってキスだって初めてのことだし、その先に起こるだろうことも、相手がルーシャだから受け入れようと思った。キスをされてルーシャが好きなのだと自覚したから。
けれどルーシャは大人で、キス一つを取っても慣れている様子だったことがリルカの心にチクリと棘を刺す。
膝を濡らしているのが、髪から滴る水だけでなく、自分が流している涙だと気付いて、リルカは声もなく身を震わせて静かに泣いた。
しばらくしてガチャリと音を立てて部屋の扉が開くと、大荷物を抱えたルーシャが入ってくるなり驚いた顔で駆け寄って来る。
「どうしたのよ、なにがあったの」
「ルーシャさん」
リルカは感情に任せてルーシャに抱き付くと、急に居なくならないでと泣きじゃくる。
「ごめんなさいね、お腹が空くだろうと思って、色々買い込んできたのよ。書き置きも残さないで不安にさせちゃったわね」
ルーシャは大きな手のひらでリルカの背中を優しく撫でると、濡れたままの髪に口付けを落としてから、もう一度ごめんねと謝ってギュッとリルカを抱き締めた。
リルカがようやく泣き止んだ頃に、ルーシャは自分も体を綺麗にしたいと浴室に向かい、しばらくすると上半身裸のまま、乱暴に髪を拭きながら部屋に戻って来た。
「ルーシャさん、ふ、服、着てください」
「あらヤダ、そんなに照れちゃって可愛いんだから」
ルーシャはイタズラっぽく笑うとリルカを抱き寄せて、額、瞼、鼻先、そして唇に口付ける。
「さて。アタシの可愛い仔犬ちゃんは、本当はなんていう名前なのかしら」
額を合わせた至近距離でリルカを見つめると、ルーシャは教えてくれないと呼べないからと優しい笑顔を浮かべる。
「……リルカです」
「リルカちゃん。女の子らしくて愛らしい名前だわ」
ルーシャはリルカの頬を撫でると、愛しげに口付けをしてリルカの名前を呼んだ。
女の子としてルーシャに抱き締められて、キスされることに喜びを感じながらも、こんなやり取りが、恋人同士でもない二人の間で交わすことなのかリルカは戸惑う。
そんなリルカの様子に気付いたのか、ルーシャは体を離してリルカの顔を覗き込む。
「どうしたのリルカ」
「くだらないことないんですけど、ルーシャさんは、その……私のことが好きなのかなって」
羞恥で消え入りそうになる声でリルカが絞り出した言葉に、ルーシャは答えるよりも前に溜め息を吐いた。
やはり聞くべきではなかったとリルカが後悔で体を震わせると、違うのよとルーシャは頭を抱える。
「ごめんなさいね、アタシって本当にダメだわ。リルカはムゥダルと過ごすことも多いし、ハッキリ言わないと不安になっちゃうわよね」
さりげなくムゥダルを引き合いに出して貶める発言をすると、リルカの髪を撫でて滑らせた指先で頬を撫でる。
「アタシはアナタが好きよ、リルカ」
「でもルーシャさんは、男性が好きなんじゃないんですか」
「ふふ。確かに初めて見た時は、なんて可愛らしい美少年かしらと思ったわ」
「私、女ですけど」
「分かってるわよ。アタシはこの格好や話し方が好きなだけで、普通の男よ。男を抱きたいなんて思わないわよ」
「分かりました。それに似合ってるし素敵ですよ」
「ヤダぁ、嬉しくなっちゃう。アタシはこんな風に誰かを特別に思うなんて初めてだし、こんな風に触れたいと思うのもリルカ、アナタが初めてよ。リルカこそどう思ってるの」
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