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第23話 占師ってのはいつもキケンと隣り合わせっ☆

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突然だけど、貴方に質問です!

もし、知りたいことを知っている相手がいたとして、その子が答えるのを渋られたらどうしますか?ただし、相手は異性とします。

答えは!

ーーキスをしてしまうそうです!

ということで、今私はキスをされています。

女生徒みんなの憧れの生徒会、しかもそれを束ねる長の生徒会長に口付けをされているのです。

チューです。接吻です。私の初めてです……。

「なんでええええええええええ!?」

私は慌てて相手の体を突き放して距離を取る。

奇想天外、摩訶不思議な展開にいくら頭を回しても理解が追いつかない。

私は口を隠すように手で覆い、あらためて会長をみる。

「な、な、なにを」

気が動転し、発する言葉もガタガタだ。

だというのに、実行犯の説明はたった一言。

「えーっと、キスです」

「それは知ってますっ!なんで、キ、キスをしたかを聞いてるんですっ!」

「え、嫌でした?」

「ああー!、話にならないー!」

と、とにかく落ち着け、私。もしかしたら、事故って可能性だってあるんだ。たまたま、が重なってそうはならんやろが起きたのかもしれない!いや、きっとそうだ。そうでなかった、会長はキス一つで女は落ちると思ってるゲス野郎ってことになってしまう。だから、まずは確認を……。

「いやー、会長はおっちょこちょいですね~、つまずいて私に唇をぶつけてしまうなんてー」

「いえ、あれは狙ってしたというか、しようとしてしましたよ」

「え?」

「ですから、僕がしたかったのでしました」

ゲス野郎だったあああああ!!!!!!

しかも、それを言ったときに、全く反省の色はなく、むしろやり遂げた達成感を見せる笑み。やばい、これには情状酌量の余地もない!早く、お巡りさんに突き出さなければ!

そもそも、警察に突き出すためには、自分が逃げなければならないことを悟った私は、必死に脱出経路を考える。だが、私が考えつくよりも先に会長に勘付かれてしまった。

「もしかして、今、環さんは僕が女性はキス一つで落ちると思っているゲス野郎とか、考えていたりします?」

「……はい、全くその通りです」

会長は私のことを全てお見通しのようで、さらに危機感が迫ってくる。

「安心して下さい、僕も初めてですから」

それこそ、安心できないいいいいいい!!!!!
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