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第2章 ぼちお君、奮闘
第18話 友達への道
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あの後、やはり俺たちボッチ‘sのことにそこまで興味が無いのか、次第に話題は影を薄めていった。
所詮はこの程度ですよ。高校生の切り替えの早さは異常である。また違う餌をばら撒けば、すぐその餌に飛びつくのだろう。
だが、このまま誤解されっぱなしというのは、流石に頂けない。誤解を解く方法は少なからずあるのだが、どれを選択すべきか・・
◇
結局何もアクションを起こさないまま、放課後になってしまった。すまん、若山さん。彼女には恐らく、自分の口から否定の意を示すことは不可能だろう。だから俺がどうにかしないといけない。若山さんの困ってオドオドする姿を愛でるのもいいが、それだと彼女が少し可哀そうだからね。
「こんにちは」
「今日もお疲れ様です」
「いいえ、さほど疲れてはいませんよ。芦田さんこそ疲れているように見えますが?」
「そうですか?昨日夜更かししたせいかも知れませんね」
「夜更かしは体に毒です。健康管理も高校生の内にしとかないと、後悔しますよ」
母さんみたいなこと言ってくる。確かに彼女、面倒見の良い奥さんになりそうだ。
図書室に入り、またもや古瀬さんが姿勢の良い格好で挨拶をしてきた。
結局、若山さんとの件は保留にした。行動に移せなかったことも相まって、ずっと考えていたのだが、いざしよう、と考えた時目的の人物はもう帰っていた。明日頼もうかな。
「あれ?今日はまだいませんね?」
「・・・いいえ。死角になっているだけで、あちらの本棚にいます」
彼女が指で示すその方向には、カウンターから見て一番奥にある本棚があった。隅っこにある本棚なので死角になっていたのか。
「そうですか・・もう少し早く来た方がいいですかね?」
「いえ、この時間帯はまだ他生徒がいる確率の方が高いので大丈夫です」
確かに、読書用席に座って読書をしている生徒がちらほら居る。この状況で危害を加えるなんてことは、流石に無いとは思う。だが、万が一という事もあり得る。
「そうですか、ただ俺も出来るだけ早くに来ますよ」
「・・そう、ですか。それは、ありがたいです」
だろう、だろう。感謝したまえ。俺の貴重な時間を割いて、手伝っているんだからね(家に帰っても大体暇な男)。
「それで相談なんですが、帰る時間を早める事ってできないんですか?」
「・・・やはり、迷惑、でしたか?」
不安に揺れるその瞳は、俺の庇護欲を掻き立させるのに十分すぎる材料だ。
「いや、迷惑とかじゃなくてですね、俺は元々その”委員会の規約”がおかしいと思ってるんです」
「・・規約、ですか?」
「ええ、全生徒が図書室から退出するまで残る、というやつです。下校時間ギリギリの7時まで残られる事を多分ですけど、想像してないですよね。その規約作った人」
「・・今年の図書委員長が作成したのですが、考えてみると確かに・・・おかしいですね。利用者はそこまで多くないはずなのに・・・」
利用者が少ないから、そんな規約が出来たんだと思うけどね。
というか、今までそれを疑いもせずやっていたのか・・・これはお人好しというより・・・
「・・・えぇ、なのでその委員長に相談してみてはどうですか?」
「そうですね。相談してみます」
「一つ疑問なんですけど、そのカウンター係は古瀬さんだけなんですか?他の委員の方は?」
「それぞれの委員に役割が在りまして、その役割ごとに2名ずつ選ばれるのですが、実質この係は私一人でで担っています」
「・・・それは、どうしてですか?」
「えぇ、どうにも毎回部活が忙しいとかで・・」
「絶対嘘ですねそれ」
「・・・はい。分かってます」
「それも委員長に要相談ですね」
確かに古瀬さんに任せれば、何でも首を縦に振ってくれそうな雰囲気をしているが・・・俺もその経験があるから、同情を隠せないです。
「じゃあ、また最後まで残ってます」
「よろしくお願いします」
そう言って俺は適当な本を持って読書席に向う。途中でチラっと奥の本棚を見たが、ストーカー疑惑のイケメン君がまた何か探してる。ほんと何してんだろ。
◇
もうすぐ6時になろうとすると時に、図書室の入り口が開いた。その生徒はあろうことか、今俺のクラスの渦中の中にいる人物であった。
「あ、芦田君っ。図書室に居たんですね。す、すこし探しちゃいました・・・」
「・・若山さん」
トコトコと俺の近くまで寄って来て小声で話す若山さん。彼女は文芸部だったはずなので、今は部活が終わったところか。それにしも珍しい。彼女から俺に話しかけることは滅多にない。まあ、十中八九今日の噂のことだろうけど・・
「え、えっと今日はすみませんでしたっ。わ、私のせいで要らぬ疑いを掛けられてしまって・・・私とあんな事になってるなんて嫌なはずなのに・・本当にすみませんっ」
「別に俺は勝手に言っとけって感じだけど、若山さんこそごめんね。こんなことになって」
「い、いいえ。元々は私が誘ったのがいけなかったので・・」
「まあ、あの誤解はその内俺が解くよ。多分あいつに任せれば大丈夫だと思う」
「・・・そ、そうです、か」
任せると言っている時点で、自分のの発言と矛盾している気がするが気にしない。
「あぁ、だから気にし過ぎないように」
「わ、分かりました。ありがとうございます」
丁寧に頭を下げて礼を言ってくる。そんな畏まらなくてもいいのに。まあ、そこが彼女の良い所でもあるけど。
「あっ、若山さん、ちょっといい?」
「な、なんでしょうか?」
「あの『ぼっち同盟』の事なんだけど」
「は、はい」
今気づいた。良い人物がいるじゃん。この子の友達に成ってくれそうな女子生徒が、一番近くに。
所詮はこの程度ですよ。高校生の切り替えの早さは異常である。また違う餌をばら撒けば、すぐその餌に飛びつくのだろう。
だが、このまま誤解されっぱなしというのは、流石に頂けない。誤解を解く方法は少なからずあるのだが、どれを選択すべきか・・
◇
結局何もアクションを起こさないまま、放課後になってしまった。すまん、若山さん。彼女には恐らく、自分の口から否定の意を示すことは不可能だろう。だから俺がどうにかしないといけない。若山さんの困ってオドオドする姿を愛でるのもいいが、それだと彼女が少し可哀そうだからね。
「こんにちは」
「今日もお疲れ様です」
「いいえ、さほど疲れてはいませんよ。芦田さんこそ疲れているように見えますが?」
「そうですか?昨日夜更かししたせいかも知れませんね」
「夜更かしは体に毒です。健康管理も高校生の内にしとかないと、後悔しますよ」
母さんみたいなこと言ってくる。確かに彼女、面倒見の良い奥さんになりそうだ。
図書室に入り、またもや古瀬さんが姿勢の良い格好で挨拶をしてきた。
結局、若山さんとの件は保留にした。行動に移せなかったことも相まって、ずっと考えていたのだが、いざしよう、と考えた時目的の人物はもう帰っていた。明日頼もうかな。
「あれ?今日はまだいませんね?」
「・・・いいえ。死角になっているだけで、あちらの本棚にいます」
彼女が指で示すその方向には、カウンターから見て一番奥にある本棚があった。隅っこにある本棚なので死角になっていたのか。
「そうですか・・もう少し早く来た方がいいですかね?」
「いえ、この時間帯はまだ他生徒がいる確率の方が高いので大丈夫です」
確かに、読書用席に座って読書をしている生徒がちらほら居る。この状況で危害を加えるなんてことは、流石に無いとは思う。だが、万が一という事もあり得る。
「そうですか、ただ俺も出来るだけ早くに来ますよ」
「・・そう、ですか。それは、ありがたいです」
だろう、だろう。感謝したまえ。俺の貴重な時間を割いて、手伝っているんだからね(家に帰っても大体暇な男)。
「それで相談なんですが、帰る時間を早める事ってできないんですか?」
「・・・やはり、迷惑、でしたか?」
不安に揺れるその瞳は、俺の庇護欲を掻き立させるのに十分すぎる材料だ。
「いや、迷惑とかじゃなくてですね、俺は元々その”委員会の規約”がおかしいと思ってるんです」
「・・規約、ですか?」
「ええ、全生徒が図書室から退出するまで残る、というやつです。下校時間ギリギリの7時まで残られる事を多分ですけど、想像してないですよね。その規約作った人」
「・・今年の図書委員長が作成したのですが、考えてみると確かに・・・おかしいですね。利用者はそこまで多くないはずなのに・・・」
利用者が少ないから、そんな規約が出来たんだと思うけどね。
というか、今までそれを疑いもせずやっていたのか・・・これはお人好しというより・・・
「・・・えぇ、なのでその委員長に相談してみてはどうですか?」
「そうですね。相談してみます」
「一つ疑問なんですけど、そのカウンター係は古瀬さんだけなんですか?他の委員の方は?」
「それぞれの委員に役割が在りまして、その役割ごとに2名ずつ選ばれるのですが、実質この係は私一人でで担っています」
「・・・それは、どうしてですか?」
「えぇ、どうにも毎回部活が忙しいとかで・・」
「絶対嘘ですねそれ」
「・・・はい。分かってます」
「それも委員長に要相談ですね」
確かに古瀬さんに任せれば、何でも首を縦に振ってくれそうな雰囲気をしているが・・・俺もその経験があるから、同情を隠せないです。
「じゃあ、また最後まで残ってます」
「よろしくお願いします」
そう言って俺は適当な本を持って読書席に向う。途中でチラっと奥の本棚を見たが、ストーカー疑惑のイケメン君がまた何か探してる。ほんと何してんだろ。
◇
もうすぐ6時になろうとすると時に、図書室の入り口が開いた。その生徒はあろうことか、今俺のクラスの渦中の中にいる人物であった。
「あ、芦田君っ。図書室に居たんですね。す、すこし探しちゃいました・・・」
「・・若山さん」
トコトコと俺の近くまで寄って来て小声で話す若山さん。彼女は文芸部だったはずなので、今は部活が終わったところか。それにしも珍しい。彼女から俺に話しかけることは滅多にない。まあ、十中八九今日の噂のことだろうけど・・
「え、えっと今日はすみませんでしたっ。わ、私のせいで要らぬ疑いを掛けられてしまって・・・私とあんな事になってるなんて嫌なはずなのに・・本当にすみませんっ」
「別に俺は勝手に言っとけって感じだけど、若山さんこそごめんね。こんなことになって」
「い、いいえ。元々は私が誘ったのがいけなかったので・・」
「まあ、あの誤解はその内俺が解くよ。多分あいつに任せれば大丈夫だと思う」
「・・・そ、そうです、か」
任せると言っている時点で、自分のの発言と矛盾している気がするが気にしない。
「あぁ、だから気にし過ぎないように」
「わ、分かりました。ありがとうございます」
丁寧に頭を下げて礼を言ってくる。そんな畏まらなくてもいいのに。まあ、そこが彼女の良い所でもあるけど。
「あっ、若山さん、ちょっといい?」
「な、なんでしょうか?」
「あの『ぼっち同盟』の事なんだけど」
「は、はい」
今気づいた。良い人物がいるじゃん。この子の友達に成ってくれそうな女子生徒が、一番近くに。
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