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第1章 ぼっち君の日常
第17話 臆病者への昇華
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噂というものは早いものであっという間に、クラスの全員に知れ渡る。
この噂の原因は十中八九、土曜日でのカフェでのことだろう。一体誰が見て言いふらしたのか。
「へぇー付き合ってるなんて以外~」
「でも、何かお似合いじゃない?」
「確かに(笑)」
高校生にとってこの手の話は大好物である。その話に信憑性が有ろうと無かろうと、寄ってたかってその標的を話のネタにする。
それでいて全くの関心が無さそうに話すその様は、些か矛盾があるような気がする。まあ、俺たち人間昨日言ったことなんてすぐ忘れる生き物だ。丁度いい話のネタが生まれたから、それをつついて遊んでいるだけだろう。ボッチの俺に興味なんてないくせに。
ていうか、そもそも付き合ってなんかないんですけどね。
「芦田お前まじか・・・?」
自席に座ったところで、隣の西条に話を掛けられる。
ははっ。こいつ寝ぐせが立ってやがる。若干顔が眠そうに見えるから寝坊でもしたのだろう。
「いいや、ただの噂だ」
文庫本を開きながら適当に答える。そもそも、俺レベルが付き合えるわけないでしょうが。彼女――若山さん――腐女子だし。
「・・・なんか怪しいぞぉ」
「はぁ、カフェでお茶したのは事実だけど、そんな関係にはなってないぞ」
「カフェ?なんで?」
「【サン・ジェリオール】っていうカフェ。駅前のコンビニの横にあるだろ?」
「あーあのカフェか。今結構人気だよな。にしてもあんな今時の高校生が行くような所に芦田が行くとはな。ちょっとカッコイイ良いとこ見せたかったとかか?ふふっ」
こやつ、全く信じておらん。なぜあのカフェ行ったのかと言われれば、朝の早い時間帯で人があまり居ないことと、・・・クラスメイトの話声で聞こえてきてちょっと興味があったから。これは西条に言ったら絶対馬鹿にされるからやめておこう。
「ちがうよ」
そこで俺は、そのカフェに至るまでの経緯を簡潔に話した。《ぼっち同盟》の事を上手く省いて。だって恥ずかしいじゃん。
「お前毎週本屋行ってんのか・・・」
なんか憐みの籠もった目でみてくる。なぜかは全くわからん。少なくとも、ボッチだから毎週本屋行ってんだな、なんて思われてないはずだ。
「あぁ、本屋楽しいじゃん」
「・・・そうか」
「ああ」
楽しいったら楽しい。
「それより、それが本当ならその噂が嘘だって言わないとお前と、えっと、えぇー・・・・三つ編みちゃんに迷惑が掛かるぞ?」
確かに、それはそうだ。俺は別に勝手によろしくしとけって感じだけど、若山さんは違うからな。彼女は多分ハッキリと違う、とは明言できないだろう。彼女はあんな性格だから、人と話すことさえままならないと思う。っていうかこいつ若山さんの名前知らないなんて最低だな(同級生の殆どを知らない男)
チラっと若山さんの方へ視線を向けると・・・
「三つ編みちゃん、あんなボッチが良かったんだ―」
「でもやっぱりお似合いだよねーハハっ」
「ち、ちがいましゅっ」
あらー噛んじゃった。俯きながら首を横に激しく振るその様は、まさしく小動物さながら。
彼女は今現在、このクラスのトップカーストである、”雰囲気や容姿は少しギャルっぽいけど校則はしっかり守る系女子”に話を掛けられている。
「で、でも、カ、カフェでお茶しただけですし」
「怪しいね~」
「ははっ三つ編みちゃんおもしろ~なんで折角カフェ行ってお茶飲むの~?」
「「「・・・・・」」」
お馬鹿さんが居ましたな。同士のギャル女子にも哀れみの目で見られてますよ。
「な、なに~?私なんか変なこと言っちゃた感じ~?」
「なんでもないわよ・・」
ここって一応進学校な筈なんだけどね。
「・・・まぁいいや行くよっ美香」
「えぇ~もっといいじゃん~」
「いいからっ」
うん。分かるよ。恥ずかしいよね、周囲の目が。
学校というのは、”どんな友達とつるんでいるか”でもカーストは大きく変わってくる。その点彼女は、あの状況でのクラスに見られている状況はまずいと感じたのだろう。恥ずかしい、という一点で。
「はぁーや、やっと行ってくれました・・」
お疲れ様です。若山さん。安堵の表情を隠そうともせずため息を吐く。まあ、こんなにクラスメイトに言い寄られる事は初めてだろうしね、仕方ないよ。
「いいのか?芦田?さっきの、止めに入らなくても」
「ああ、あの状況で止めに入ったら余計に怪しまれる。誤解はその内解くよ」
「・・・楽観的だなぁ」
そんなことはない。俺も必要以上に目線を集める今の状況に、不満は凄いある。ただ、タイミングというものがあり、それを見誤ったら余計にややこしいことに発展する可能性があるのだ。噂はその内解く。
というか、そもそも俺にそんな勇気無いです。陽キャ怖い。
と、そこへ
「あ、あの、この噂、ほんとうなの?武流君・・・」
「・・・いいや、違うよ。その噂は嘘だから誤解しないように。若山さんにも失礼だから」
「・・・そう」
なんで微妙に嬉しそうなんですかね。若山さんみたいなか弱い女の子に、俺みたいなボッチと関係がなくて嬉しかったとかかな?
「ああ、所詮は噂だよ。ほんと、こういうネタ好きですな。君たち若者は」
「ふふっ武流君もしっかり若者じゃん」
「ああそうだったか」
「・・・あ、芦田お前・・・え、絵里奈さんとし、知り合いなのかっ?」
西城が俺の耳に口を近づけ、小声で囁いてくる。
「まぁ、同じ小中学校だったってだけだ」
「い、いいなー。ずりぃぞっ芦田っ」
「知らんがな」
今俺に声を掛けてきた女子は、この学校でもかなり有名な美人、瀬口絵里奈。
無論、ヒエラルキー最頂点に位置する人物であり、告白された数はいず知らず。その整った容姿で幾人の男を落としてきたか。先生、生徒の両人からの人望も厚く、まさにパーフェクトガールと言って差し支えない。
そしてこいつは、あいつの・・・川添祐樹の幼馴染でもある。
この噂の原因は十中八九、土曜日でのカフェでのことだろう。一体誰が見て言いふらしたのか。
「へぇー付き合ってるなんて以外~」
「でも、何かお似合いじゃない?」
「確かに(笑)」
高校生にとってこの手の話は大好物である。その話に信憑性が有ろうと無かろうと、寄ってたかってその標的を話のネタにする。
それでいて全くの関心が無さそうに話すその様は、些か矛盾があるような気がする。まあ、俺たち人間昨日言ったことなんてすぐ忘れる生き物だ。丁度いい話のネタが生まれたから、それをつついて遊んでいるだけだろう。ボッチの俺に興味なんてないくせに。
ていうか、そもそも付き合ってなんかないんですけどね。
「芦田お前まじか・・・?」
自席に座ったところで、隣の西条に話を掛けられる。
ははっ。こいつ寝ぐせが立ってやがる。若干顔が眠そうに見えるから寝坊でもしたのだろう。
「いいや、ただの噂だ」
文庫本を開きながら適当に答える。そもそも、俺レベルが付き合えるわけないでしょうが。彼女――若山さん――腐女子だし。
「・・・なんか怪しいぞぉ」
「はぁ、カフェでお茶したのは事実だけど、そんな関係にはなってないぞ」
「カフェ?なんで?」
「【サン・ジェリオール】っていうカフェ。駅前のコンビニの横にあるだろ?」
「あーあのカフェか。今結構人気だよな。にしてもあんな今時の高校生が行くような所に芦田が行くとはな。ちょっとカッコイイ良いとこ見せたかったとかか?ふふっ」
こやつ、全く信じておらん。なぜあのカフェ行ったのかと言われれば、朝の早い時間帯で人があまり居ないことと、・・・クラスメイトの話声で聞こえてきてちょっと興味があったから。これは西条に言ったら絶対馬鹿にされるからやめておこう。
「ちがうよ」
そこで俺は、そのカフェに至るまでの経緯を簡潔に話した。《ぼっち同盟》の事を上手く省いて。だって恥ずかしいじゃん。
「お前毎週本屋行ってんのか・・・」
なんか憐みの籠もった目でみてくる。なぜかは全くわからん。少なくとも、ボッチだから毎週本屋行ってんだな、なんて思われてないはずだ。
「あぁ、本屋楽しいじゃん」
「・・・そうか」
「ああ」
楽しいったら楽しい。
「それより、それが本当ならその噂が嘘だって言わないとお前と、えっと、えぇー・・・・三つ編みちゃんに迷惑が掛かるぞ?」
確かに、それはそうだ。俺は別に勝手によろしくしとけって感じだけど、若山さんは違うからな。彼女は多分ハッキリと違う、とは明言できないだろう。彼女はあんな性格だから、人と話すことさえままならないと思う。っていうかこいつ若山さんの名前知らないなんて最低だな(同級生の殆どを知らない男)
チラっと若山さんの方へ視線を向けると・・・
「三つ編みちゃん、あんなボッチが良かったんだ―」
「でもやっぱりお似合いだよねーハハっ」
「ち、ちがいましゅっ」
あらー噛んじゃった。俯きながら首を横に激しく振るその様は、まさしく小動物さながら。
彼女は今現在、このクラスのトップカーストである、”雰囲気や容姿は少しギャルっぽいけど校則はしっかり守る系女子”に話を掛けられている。
「で、でも、カ、カフェでお茶しただけですし」
「怪しいね~」
「ははっ三つ編みちゃんおもしろ~なんで折角カフェ行ってお茶飲むの~?」
「「「・・・・・」」」
お馬鹿さんが居ましたな。同士のギャル女子にも哀れみの目で見られてますよ。
「な、なに~?私なんか変なこと言っちゃた感じ~?」
「なんでもないわよ・・」
ここって一応進学校な筈なんだけどね。
「・・・まぁいいや行くよっ美香」
「えぇ~もっといいじゃん~」
「いいからっ」
うん。分かるよ。恥ずかしいよね、周囲の目が。
学校というのは、”どんな友達とつるんでいるか”でもカーストは大きく変わってくる。その点彼女は、あの状況でのクラスに見られている状況はまずいと感じたのだろう。恥ずかしい、という一点で。
「はぁーや、やっと行ってくれました・・」
お疲れ様です。若山さん。安堵の表情を隠そうともせずため息を吐く。まあ、こんなにクラスメイトに言い寄られる事は初めてだろうしね、仕方ないよ。
「いいのか?芦田?さっきの、止めに入らなくても」
「ああ、あの状況で止めに入ったら余計に怪しまれる。誤解はその内解くよ」
「・・・楽観的だなぁ」
そんなことはない。俺も必要以上に目線を集める今の状況に、不満は凄いある。ただ、タイミングというものがあり、それを見誤ったら余計にややこしいことに発展する可能性があるのだ。噂はその内解く。
というか、そもそも俺にそんな勇気無いです。陽キャ怖い。
と、そこへ
「あ、あの、この噂、ほんとうなの?武流君・・・」
「・・・いいや、違うよ。その噂は嘘だから誤解しないように。若山さんにも失礼だから」
「・・・そう」
なんで微妙に嬉しそうなんですかね。若山さんみたいなか弱い女の子に、俺みたいなボッチと関係がなくて嬉しかったとかかな?
「ああ、所詮は噂だよ。ほんと、こういうネタ好きですな。君たち若者は」
「ふふっ武流君もしっかり若者じゃん」
「ああそうだったか」
「・・・あ、芦田お前・・・え、絵里奈さんとし、知り合いなのかっ?」
西城が俺の耳に口を近づけ、小声で囁いてくる。
「まぁ、同じ小中学校だったってだけだ」
「い、いいなー。ずりぃぞっ芦田っ」
「知らんがな」
今俺に声を掛けてきた女子は、この学校でもかなり有名な美人、瀬口絵里奈。
無論、ヒエラルキー最頂点に位置する人物であり、告白された数はいず知らず。その整った容姿で幾人の男を落としてきたか。先生、生徒の両人からの人望も厚く、まさにパーフェクトガールと言って差し支えない。
そしてこいつは、あいつの・・・川添祐樹の幼馴染でもある。
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