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第二十八章
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平成二十七年五月
お世話になっているケアマネージャーから、デイサービスへの通所を勧められた。
ただ、勧められた時には、すでに申請は済まされていた。
長洲にある老人ホーム、喜楽苑に、食事と入浴とリハビリに通う事になった。
デイサービス中に喫煙所で一人、煙草を吸っていたら、突然、うしろから頭をシバかれた。
すみれ婆さんだ。
すみれ婆さんには人をシバく癖があった。
中には、シバきまわされて泣きを入れるスタッフもいた。
勿論、すみれ婆さんには悪気なんかありはしない。
喜楽苑での生活では、すみれ婆さんにシバかれる事が私の日課にもなっていたんだけれど、繰り返しているうちに、すみれ婆さんの顔が、どこか優しくなっていったような気がする。
時には、笑顔を見せてくれるようにもなっていた。
「リュウジさんなんか、絶対、一日ももたへんで」
デイサービスへの通所が決まった時、障害福祉課の担当者からは笑われた。
私も当初はそう思っていた部分もあった。
それが、今では休む事なく通い続けている。
「禁煙」
と、上腕に入れ墨を入れたお爺さんが喜楽苑にいた。
その入れ墨は何度も目に入っていたんだけれど、そこには触れないように私も努力していたつもりだった。
ところが、そんな私の努力もむなしく砕かれた。
私が喫煙所で煙草を吸っている時、そのお爺さんが隣にやってきた。
「兄ちゃん、ええ墨入れとんなぁ~」
「おやっさんのも格好いいじゃないですか」
「これか、、、」
「これわなぁ~」
「若い頃にな、禁煙誓ったんや」
「そん時、誓いのつもりで自分で彫ったんやけどな、、、」
「それからは、一本も吸ってへんねんど」
煙草を吸いながら、そう力説するのだからたまらない。
これ程、笑わないように努力した事があっただろうか?
私は、たちまち老人ホームにのめり込んでしまった。
しかし、喜楽苑での楽しい生活は長くは続かなかった。
老人ホームや障害者施設のスタッフによる、入居者、利用者への虐待は、ニュースでは知っていた。
私は、そんな事件は稀だと思っていた。
だけど、喜楽苑で目の当たりにしてしまった。
喜楽苑でも、高齢者を当たり前のように縛りつけていた。
そして一人の利用者が、スタッフから暴言を浴びせられた事を苦にして、自殺を図った。
それらの事に抗議した私の自宅に、喜楽苑の若宮部長がやってきた。
「突然すみませんが、ちょっとお話よろしいでしょうか?」
「どうぞ」
「失礼します」
「どうかされたんですか?」
「何か、うちのやり方に問題があるとか、、、」
「そりゃ、目の前で年寄り縛ったり、暴言吐いたりされたら黙ってる訳にはいかないですよ」
「そうですか、、、」
「自殺まで図ったんですから」
「お亡くなりになられた訳ではないんで、、、」
「それはそうですけど、スタッフの暴言を苦に自殺図ったんは間違いないじゃないですか」
「こういった事は何処の施設でもあるんですよ、、、」
「、、、、、」
「問題のない施設なんてないと思いますよ」
「そうかも知れませんけど、それをなくすように努力するのが若宮さんの仕事じゃないんですか?」
「そうですね、、、」
「じゃあそうして下さい」
「スタッフも大事なんです」
「、、、、、」
「色々と難しい事もある訳で、、、」
「喜楽苑は老人ホームですよね?」
「はい」
「若宮さん達には職場でしょうが、年寄りにしてみれば家ですよね?」
「まぁ、そうですね、、、」
「自宅で虐待なんかされたら、たまったもんじゃありませんよね?」
「ですから、そういう事を言われると困るんです」
「何が困るんですか?」
「、、、、、」
「、、、、、」
「あとですね、、、」
「、、、、、」
「スタッフとの距離感なんですが、、、」
「、、、、、」
「うちのスタッフが、リュウジさんの事を頼ってるのも問題なんです」
「、、、、、」
「言いにくいんですけど、リュウジさんは差別されたり、偏見もたれて当然の人なんです」
「、、、、、」
「リュウジさんのような人を頼られるのは困るんです」
「、、、、、」
「これ以上、うちのやり方に口出しされるようでしたら、うちとしてはリュウジさんの事を受け入れられなくなってしまいますよ」
「、、、、、」
受け入れていただく必要なんてない。
私は、喜楽苑でのデイサービスの利用を終了した。
平成二十七年の夏
日々の生活に虚しさしか感じる事が出来なかった。
どうにもならない虚無感にとらわれる毎日に嫌気もさしていた。
深夜の貨物列車に飛び込もうと考えて家を出て来たんだけれど、私にはフェンスを乗り越える事が出来なかった。
「こっから飛び降りても死なれへんやろなぁ~」
JR尼崎駅南側の連絡通路から、下をのぞき込んで考えていた時の事だった。
突然、今までに聴いた事もないような、とんでもない雑音が背中に襲いかかってきた。
このとんでもない雑音の出所を探すと、一見、アルカイダの創始者ウサマ、ビンラディンのような風貌のオッサンがそこにいた。
そのオッサンの髪の毛は、超がつく程のロン毛、髭は伸び放題で、仙人のようになっていた。
上下、色の違うジャージを着こみ、何にも履かずに裸足のまんま座り込んで、ギターを抱えていた。
そのギターのチューニングは無茶苦茶なんてもんじゃなかった。
よく、こんな無茶苦茶なチューニングのギターを弾けるものだ。
歌は?
これは本当に歌なのか?
まだ、暴走族の爆音の方がずっと耳に優しい。
とんでもない雑音の出所は、その仙人からだった。
仙人の足元には、紙パックの焼酎がいくつも無造作に投げ捨てられていた。
これがアルカイダ先輩との出会いだった。
時計は、深夜の二時を示していた。
仙人と目が合ってしまった。
「兄さん、何してんの?」
「お前の方こそ何しとんねん?」
思わず言いかけた言葉を、なんとか飲み込んだ。
「ちょっと涼みに、、、」
「こんな時間に?」
「お前に言われたないわ」
飲み込むのが大変だった。
「一緒に暮らしてる女と喧嘩して苛々してんねん」
「、、、、、」
仙人は、突然語り始めた。
仙人には、私の都合も何も関係ないようだった。
「一緒に暮らしてる女と喧嘩したから駅前でナンパしてん」
「そうなん?」
「駅前でナンパした女に、近くの公園でやらしてくれ言うたら、ええよって言いよったんよ」
「展開早いねんな、、、」
「ほんで、その女チャリンコ乗っけて公園行って、やってんけどな」
「、、、、、」
「家帰ったら、女がズボン臭ってきよんねん」
「、、、、、」
「何やねんこれ言われて、見たらズボンもパンツも血まみれやってん」
「、、、、、」
「ボコボコされたわ、、、」
「、、、、、」
「ムカついたから警察呼んでな」
「、、、、、」
「この暴力女、実家連れて帰ってくれって警察に頼んで追い出したってん」
「、、、、、」
「俺、何にも悪い事してへんねんで」
「、、、、、」
「他の女とやっただけやで」
「、、、、、」
「ほんま最悪やで、あの女」
「、、、、、」
なんなんだろう、この仙人は、、、?
聞いてもいないのに、延々と語り出して止まらなくなってしまった。
延々と続く仙人の話で判ったのは、彼は、とんでもなく自己中心的で、非常識な人間だという事だった。
「俺、宗芳」
「、、、、、」
「ヨシって呼んで」
仙人は、私に右手を差し出してきた。
だけど、仙人からはもの凄い悪臭がただよってきていたので、私はその右手を握り返す事が出来なかった。
悪臭が無かったとしても、何となく嫌だったかも知れない、、、
話が一段落して、多少スッキリしたのか、仙人は自己紹介をし始めた。
その自己紹介で、仙人が戸ノ内育ちだという事が判ったので、私は彫ヨチ先生ことヨッチンと、英君の事をたずねてみた。
「おっちゃん、戸ノ内やったらヨッチンとか、英君って知らへん?」
「英君、、、?」
「ボクシングの、、、」
「山川英昭君の事やろかなぁ~?」
「知ってんの?」
「戸ノ内で山川はうちだけやからなぁ~」
「えっ?」
「英君やったら、俺の親戚の兄ちゃんやで」
仙人はそう言うではないか、、、
英君と親戚って事にも驚いたんだけれど、親戚の兄ちゃんって事は、この仙人、、、
アルカイダ先輩が、私より一歳年上だった事が、この日、一番の衝撃だった。
ただ、彼の本性に、私は衝撃を受け続ける事になる。
通行人の女性の胸をもんだり、スカートの中に潜り込むなんて事は、アルカイダ先輩にとって日常茶飯事だった。
飲み屋では、手当たり次第に女性の胸をもんで、手当たり次第にやらせろと迫る。
時には、婦人警官にやらせろと迫り、百歳近いお婆さんにもやらせろと迫る。
時には、素っ裸で繁華街を練り歩きながら、通行人の女性の反応を見て楽しむ。
時には、コンビニのトイレで服を脱ぎ、素っ裸になってトイレから出て来て女性店員の反応を見て楽しむ。
入院した時には、病室のベッドの上で素っ裸になってナースコールを押し、病室に入ってきた看護師さんの反応を見て楽しむ。
もよおした時には、素っ裸になって歩道の真ん中にしゃがみ込む。
そして、チューニングの無茶苦茶なギターを抱えて、深夜にわめき散らす。
こんなにも自己中心的で、非常識、迷惑を極めた人間を私は知らない。
何度も刑務所に服役している私なのに、アルカイダ先輩の非常識さには恐れ入るばかりだった。
間違いなく、アルカイダ先輩は変質者だ。
最低の人間だと思う。
親のすねにかじりつきながら、日夜、変質行為にはげんでいるのだから、尚更最低だと思う。
ただ、こんなにも自分勝手で無茶苦茶な生き方があるんだという事に、私は、とてつもない衝撃を受け続けていた。
そして、小さな事にとらわれている私自身の事が、とてもちっぽけに思えてきた、、、
お世話になっているケアマネージャーから、デイサービスへの通所を勧められた。
ただ、勧められた時には、すでに申請は済まされていた。
長洲にある老人ホーム、喜楽苑に、食事と入浴とリハビリに通う事になった。
デイサービス中に喫煙所で一人、煙草を吸っていたら、突然、うしろから頭をシバかれた。
すみれ婆さんだ。
すみれ婆さんには人をシバく癖があった。
中には、シバきまわされて泣きを入れるスタッフもいた。
勿論、すみれ婆さんには悪気なんかありはしない。
喜楽苑での生活では、すみれ婆さんにシバかれる事が私の日課にもなっていたんだけれど、繰り返しているうちに、すみれ婆さんの顔が、どこか優しくなっていったような気がする。
時には、笑顔を見せてくれるようにもなっていた。
「リュウジさんなんか、絶対、一日ももたへんで」
デイサービスへの通所が決まった時、障害福祉課の担当者からは笑われた。
私も当初はそう思っていた部分もあった。
それが、今では休む事なく通い続けている。
「禁煙」
と、上腕に入れ墨を入れたお爺さんが喜楽苑にいた。
その入れ墨は何度も目に入っていたんだけれど、そこには触れないように私も努力していたつもりだった。
ところが、そんな私の努力もむなしく砕かれた。
私が喫煙所で煙草を吸っている時、そのお爺さんが隣にやってきた。
「兄ちゃん、ええ墨入れとんなぁ~」
「おやっさんのも格好いいじゃないですか」
「これか、、、」
「これわなぁ~」
「若い頃にな、禁煙誓ったんや」
「そん時、誓いのつもりで自分で彫ったんやけどな、、、」
「それからは、一本も吸ってへんねんど」
煙草を吸いながら、そう力説するのだからたまらない。
これ程、笑わないように努力した事があっただろうか?
私は、たちまち老人ホームにのめり込んでしまった。
しかし、喜楽苑での楽しい生活は長くは続かなかった。
老人ホームや障害者施設のスタッフによる、入居者、利用者への虐待は、ニュースでは知っていた。
私は、そんな事件は稀だと思っていた。
だけど、喜楽苑で目の当たりにしてしまった。
喜楽苑でも、高齢者を当たり前のように縛りつけていた。
そして一人の利用者が、スタッフから暴言を浴びせられた事を苦にして、自殺を図った。
それらの事に抗議した私の自宅に、喜楽苑の若宮部長がやってきた。
「突然すみませんが、ちょっとお話よろしいでしょうか?」
「どうぞ」
「失礼します」
「どうかされたんですか?」
「何か、うちのやり方に問題があるとか、、、」
「そりゃ、目の前で年寄り縛ったり、暴言吐いたりされたら黙ってる訳にはいかないですよ」
「そうですか、、、」
「自殺まで図ったんですから」
「お亡くなりになられた訳ではないんで、、、」
「それはそうですけど、スタッフの暴言を苦に自殺図ったんは間違いないじゃないですか」
「こういった事は何処の施設でもあるんですよ、、、」
「、、、、、」
「問題のない施設なんてないと思いますよ」
「そうかも知れませんけど、それをなくすように努力するのが若宮さんの仕事じゃないんですか?」
「そうですね、、、」
「じゃあそうして下さい」
「スタッフも大事なんです」
「、、、、、」
「色々と難しい事もある訳で、、、」
「喜楽苑は老人ホームですよね?」
「はい」
「若宮さん達には職場でしょうが、年寄りにしてみれば家ですよね?」
「まぁ、そうですね、、、」
「自宅で虐待なんかされたら、たまったもんじゃありませんよね?」
「ですから、そういう事を言われると困るんです」
「何が困るんですか?」
「、、、、、」
「、、、、、」
「あとですね、、、」
「、、、、、」
「スタッフとの距離感なんですが、、、」
「、、、、、」
「うちのスタッフが、リュウジさんの事を頼ってるのも問題なんです」
「、、、、、」
「言いにくいんですけど、リュウジさんは差別されたり、偏見もたれて当然の人なんです」
「、、、、、」
「リュウジさんのような人を頼られるのは困るんです」
「、、、、、」
「これ以上、うちのやり方に口出しされるようでしたら、うちとしてはリュウジさんの事を受け入れられなくなってしまいますよ」
「、、、、、」
受け入れていただく必要なんてない。
私は、喜楽苑でのデイサービスの利用を終了した。
平成二十七年の夏
日々の生活に虚しさしか感じる事が出来なかった。
どうにもならない虚無感にとらわれる毎日に嫌気もさしていた。
深夜の貨物列車に飛び込もうと考えて家を出て来たんだけれど、私にはフェンスを乗り越える事が出来なかった。
「こっから飛び降りても死なれへんやろなぁ~」
JR尼崎駅南側の連絡通路から、下をのぞき込んで考えていた時の事だった。
突然、今までに聴いた事もないような、とんでもない雑音が背中に襲いかかってきた。
このとんでもない雑音の出所を探すと、一見、アルカイダの創始者ウサマ、ビンラディンのような風貌のオッサンがそこにいた。
そのオッサンの髪の毛は、超がつく程のロン毛、髭は伸び放題で、仙人のようになっていた。
上下、色の違うジャージを着こみ、何にも履かずに裸足のまんま座り込んで、ギターを抱えていた。
そのギターのチューニングは無茶苦茶なんてもんじゃなかった。
よく、こんな無茶苦茶なチューニングのギターを弾けるものだ。
歌は?
これは本当に歌なのか?
まだ、暴走族の爆音の方がずっと耳に優しい。
とんでもない雑音の出所は、その仙人からだった。
仙人の足元には、紙パックの焼酎がいくつも無造作に投げ捨てられていた。
これがアルカイダ先輩との出会いだった。
時計は、深夜の二時を示していた。
仙人と目が合ってしまった。
「兄さん、何してんの?」
「お前の方こそ何しとんねん?」
思わず言いかけた言葉を、なんとか飲み込んだ。
「ちょっと涼みに、、、」
「こんな時間に?」
「お前に言われたないわ」
飲み込むのが大変だった。
「一緒に暮らしてる女と喧嘩して苛々してんねん」
「、、、、、」
仙人は、突然語り始めた。
仙人には、私の都合も何も関係ないようだった。
「一緒に暮らしてる女と喧嘩したから駅前でナンパしてん」
「そうなん?」
「駅前でナンパした女に、近くの公園でやらしてくれ言うたら、ええよって言いよったんよ」
「展開早いねんな、、、」
「ほんで、その女チャリンコ乗っけて公園行って、やってんけどな」
「、、、、、」
「家帰ったら、女がズボン臭ってきよんねん」
「、、、、、」
「何やねんこれ言われて、見たらズボンもパンツも血まみれやってん」
「、、、、、」
「ボコボコされたわ、、、」
「、、、、、」
「ムカついたから警察呼んでな」
「、、、、、」
「この暴力女、実家連れて帰ってくれって警察に頼んで追い出したってん」
「、、、、、」
「俺、何にも悪い事してへんねんで」
「、、、、、」
「他の女とやっただけやで」
「、、、、、」
「ほんま最悪やで、あの女」
「、、、、、」
なんなんだろう、この仙人は、、、?
聞いてもいないのに、延々と語り出して止まらなくなってしまった。
延々と続く仙人の話で判ったのは、彼は、とんでもなく自己中心的で、非常識な人間だという事だった。
「俺、宗芳」
「、、、、、」
「ヨシって呼んで」
仙人は、私に右手を差し出してきた。
だけど、仙人からはもの凄い悪臭がただよってきていたので、私はその右手を握り返す事が出来なかった。
悪臭が無かったとしても、何となく嫌だったかも知れない、、、
話が一段落して、多少スッキリしたのか、仙人は自己紹介をし始めた。
その自己紹介で、仙人が戸ノ内育ちだという事が判ったので、私は彫ヨチ先生ことヨッチンと、英君の事をたずねてみた。
「おっちゃん、戸ノ内やったらヨッチンとか、英君って知らへん?」
「英君、、、?」
「ボクシングの、、、」
「山川英昭君の事やろかなぁ~?」
「知ってんの?」
「戸ノ内で山川はうちだけやからなぁ~」
「えっ?」
「英君やったら、俺の親戚の兄ちゃんやで」
仙人はそう言うではないか、、、
英君と親戚って事にも驚いたんだけれど、親戚の兄ちゃんって事は、この仙人、、、
アルカイダ先輩が、私より一歳年上だった事が、この日、一番の衝撃だった。
ただ、彼の本性に、私は衝撃を受け続ける事になる。
通行人の女性の胸をもんだり、スカートの中に潜り込むなんて事は、アルカイダ先輩にとって日常茶飯事だった。
飲み屋では、手当たり次第に女性の胸をもんで、手当たり次第にやらせろと迫る。
時には、婦人警官にやらせろと迫り、百歳近いお婆さんにもやらせろと迫る。
時には、素っ裸で繁華街を練り歩きながら、通行人の女性の反応を見て楽しむ。
時には、コンビニのトイレで服を脱ぎ、素っ裸になってトイレから出て来て女性店員の反応を見て楽しむ。
入院した時には、病室のベッドの上で素っ裸になってナースコールを押し、病室に入ってきた看護師さんの反応を見て楽しむ。
もよおした時には、素っ裸になって歩道の真ん中にしゃがみ込む。
そして、チューニングの無茶苦茶なギターを抱えて、深夜にわめき散らす。
こんなにも自己中心的で、非常識、迷惑を極めた人間を私は知らない。
何度も刑務所に服役している私なのに、アルカイダ先輩の非常識さには恐れ入るばかりだった。
間違いなく、アルカイダ先輩は変質者だ。
最低の人間だと思う。
親のすねにかじりつきながら、日夜、変質行為にはげんでいるのだから、尚更最低だと思う。
ただ、こんなにも自分勝手で無茶苦茶な生き方があるんだという事に、私は、とてつもない衝撃を受け続けていた。
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