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一章:傭兵フラウと聖女様
3.地下牢獄タルタロス
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レイヴ王国南東にある地下牢獄《タルタロス》。
重い罪を犯した者が処刑されるまで収監される場所で地下二階には拷問部屋もあり、今にも悲鳴が聞こえてきそうだ。
簡易的なベッドと水道とトイレ。
牢獄には、生きていく為の必要最低限の物しか置いていない。
ベッドで横になりたくても手足に魔法封じの拘束具を付けられている為、移動が思うようにできない。なので蓑虫みたいに布に包まり冷たい床でじっと過ごす。
さて、なぜ私がこんな所にいるかと申しますと。
──聖女様の婚約者達と親しくしていたら、捕まりました。
てか知らなかったのだ。あの四人が婚約者候補だったと言う事を。
知ってたらそもそも関わらなかったしね。
「はぁ……大変なことになった…」
情報整理の為に聖女様の婚約者候補をおさらいしよう。
まず一人目、アルバート=ローリンガノフ。
レイヴ王国第一騎士団の団長で、三人とは騎士養成学校時代からの付き合いでまとめ役だ。
圧倒的なカリスマ性と強さを誇り自分の「正義」を貫く冷静な男だ。身内には優しく一度懐に入れた相手には何かと甘い奴で世話焼きの一面がある。
アルバートに憧れて騎士団に入団する人も多いだとか。
だが気が抜けると非常に口調が荒くなり、偶に日々の愚痴を聞いてあげている。
ストレスって溜まると良くないよね。うん。
ちなみにレイヴ第一騎士団は、アルバートの信頼出来る人しか所属していないので少数精鋭である。
個々の力が強いので戦場にほっぽいても勝手に勝利をもぎ取ってくる為、敵国には地獄の化身と言われているらしい…。怖すぎる。
続いて二人目は、ユーゴ=イルク。
第一騎士団の副団長を務めている。
物腰が柔らかく穏やかな性格で後輩騎士達からの信頼が厚い。
三人の為なら自分は犠牲になってもいいと思っているらしいが、そこに他人がいれば容赦なくその他人を犠牲にできてしまう黒い一面がある恐ろしい男だ。
昔の怪我で左眼に眼帯をしている。
そして三人目は、ルツ=エンゲルハルト。
第一騎士団所属で、口が悪く喧嘩腰の態度で不良騎士と言われているが仲間思いの良い奴。
だけど、第一騎士団メンバー以外だとやる気の無い態度で周りを怒らせる事が多く、他の騎士団とは馴染めていないらしい。
神経質だからか枕が変わると中々寝付けないってこの前言ってたなあ。
最後の四人目は、フィガナ=シルヴァー。
コイツも第一騎士団所属で、眉目秀麗で女性に人気のある騎士だ。少々女癖が悪く、先日は二人の女性にストーカーされ修羅場になっているのを街で見かけた。
自分の顔の良さが分かっているからか甘え上手な所もあり、贈り物がよく宿舎に届く。
ルツとは幼馴染みで戦場に出ると二人の連携には目を見張るものだ。
以上、この四人が聖女様の婚約者候補、らしい。
特にこれといった情報は思いつかなかった。
あれこれ考えていても仕方がない。
明日は朝からルツとフィガナの三人での仕事があった。集合場所に私が来なければ騒ぎになるだろう。
きっとそれを聞きつけたアルバートがこの件について何とかしてくれるかも知れない。酒場での私の目撃情報もあるし。
もし無理そうだったら自力で脱出しよう。
とりあえず明日の朝まで気合いで寝ようと、そう意気込んでいた時だった。
───カチャン、ギィ……。
「……誰?」
重い罪を犯した者が処刑されるまで収監される場所で地下二階には拷問部屋もあり、今にも悲鳴が聞こえてきそうだ。
簡易的なベッドと水道とトイレ。
牢獄には、生きていく為の必要最低限の物しか置いていない。
ベッドで横になりたくても手足に魔法封じの拘束具を付けられている為、移動が思うようにできない。なので蓑虫みたいに布に包まり冷たい床でじっと過ごす。
さて、なぜ私がこんな所にいるかと申しますと。
──聖女様の婚約者達と親しくしていたら、捕まりました。
てか知らなかったのだ。あの四人が婚約者候補だったと言う事を。
知ってたらそもそも関わらなかったしね。
「はぁ……大変なことになった…」
情報整理の為に聖女様の婚約者候補をおさらいしよう。
まず一人目、アルバート=ローリンガノフ。
レイヴ王国第一騎士団の団長で、三人とは騎士養成学校時代からの付き合いでまとめ役だ。
圧倒的なカリスマ性と強さを誇り自分の「正義」を貫く冷静な男だ。身内には優しく一度懐に入れた相手には何かと甘い奴で世話焼きの一面がある。
アルバートに憧れて騎士団に入団する人も多いだとか。
だが気が抜けると非常に口調が荒くなり、偶に日々の愚痴を聞いてあげている。
ストレスって溜まると良くないよね。うん。
ちなみにレイヴ第一騎士団は、アルバートの信頼出来る人しか所属していないので少数精鋭である。
個々の力が強いので戦場にほっぽいても勝手に勝利をもぎ取ってくる為、敵国には地獄の化身と言われているらしい…。怖すぎる。
続いて二人目は、ユーゴ=イルク。
第一騎士団の副団長を務めている。
物腰が柔らかく穏やかな性格で後輩騎士達からの信頼が厚い。
三人の為なら自分は犠牲になってもいいと思っているらしいが、そこに他人がいれば容赦なくその他人を犠牲にできてしまう黒い一面がある恐ろしい男だ。
昔の怪我で左眼に眼帯をしている。
そして三人目は、ルツ=エンゲルハルト。
第一騎士団所属で、口が悪く喧嘩腰の態度で不良騎士と言われているが仲間思いの良い奴。
だけど、第一騎士団メンバー以外だとやる気の無い態度で周りを怒らせる事が多く、他の騎士団とは馴染めていないらしい。
神経質だからか枕が変わると中々寝付けないってこの前言ってたなあ。
最後の四人目は、フィガナ=シルヴァー。
コイツも第一騎士団所属で、眉目秀麗で女性に人気のある騎士だ。少々女癖が悪く、先日は二人の女性にストーカーされ修羅場になっているのを街で見かけた。
自分の顔の良さが分かっているからか甘え上手な所もあり、贈り物がよく宿舎に届く。
ルツとは幼馴染みで戦場に出ると二人の連携には目を見張るものだ。
以上、この四人が聖女様の婚約者候補、らしい。
特にこれといった情報は思いつかなかった。
あれこれ考えていても仕方がない。
明日は朝からルツとフィガナの三人での仕事があった。集合場所に私が来なければ騒ぎになるだろう。
きっとそれを聞きつけたアルバートがこの件について何とかしてくれるかも知れない。酒場での私の目撃情報もあるし。
もし無理そうだったら自力で脱出しよう。
とりあえず明日の朝まで気合いで寝ようと、そう意気込んでいた時だった。
───カチャン、ギィ……。
「……誰?」
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