3 / 32
影王の専属人は、森のひと
02
しおりを挟む
それは昼食を終え皆で昼下がりのお茶を楽しんでいた頃合いだった。シルフィール様の居室に静かなノックの音が響き渡り、ドアの向こうから涼やかな声が届いた。
「私だ」
―――陛下。
いつものように妹君の部屋を訪れた兄王を迎え入れる為、たまたま一番入口近くにいたわたしが居室のドアを開けた。
かしこまりながら視線を上げ、長身の相手の顔を目にした瞬間―――。
「―――……」
その時感じた違和感を、何と表現すればよかったんだろう。
瞳に映ったのは、いつもと何ら変わりのない陛下の姿だった。
シルフィール様のお付きとなってから毎日のように目にしている、鼻筋がすっと通った気品のある顔立ち―――柔らかそうな白金色の髪に、良く晴れ渡った空色の瞳、健康的で鍛えられた印象の赤銅色の肌。
白を基調に金の絹糸で刺繍が施された上等な仕立てのカッチリとした衣服に身を包み、腰には意匠の凝らされたきらびやかな剣を差している。足元は深みのある茶色のブーツ。肩から赤色の瀟洒なマントを羽織ったその人からは、いつもと同じ高貴な香りが漂っていた。
間違いなく、見た目はいつもどおりの陛下……なんだけど。
―――でも、何か……。
「リーフィア、何をしているのです。無礼ですよ、早く陛下をお通しして」
無言で主君の顔を注視するといったわたしのあるまじき不敬行為に、室内にいた護衛長から叱責の声が飛んだ。
「あ―――申し訳、ございません」
わたしは慌てて自らの非礼を詫び、陛下を室内へ招き入れる為、ドアの影に控えた。
陛下はちら、とわたしに目をくれただけで、特に叱責の言葉などはかけなかった。
「ふふ、リーフィアったらお兄様のお顔に見とれていたの? その気持ち、分かるわ。お兄様、素敵ですものね」
「え―――あ、はい……」
居心地の悪い場を無邪気な声で和らげて(?)くれたシルフィール様に何と答えたらよいものか掴めず、微妙な表情で言葉を濁すに留めたわたしを、遠くから護衛長がすごい顔でにらみつけている。
うわ、まいったなぁ。後でキツいお説教を食らいそうだ。
内心で額を押さえながら、わたしは今ほどのことなどなかったかのようにシルフィール様と会話を交わす陛下の様子をそれとなく窺った。そして、自分の直感がやはり間違っていなかったことを確信し、その事実に息を飲む。
―――やっぱり、違う。
初めこそ気のせいかと思ったけれど、そうじゃない。
背恰好も声の質も非常によく似てはいるけれど、注意深く観察してみれば、わずかだけど声のトーンが違う。顔も双子のそれのように大変よく似てはいるけれど、矯めつ眇めつして見れば陛下とは微妙に異なる。それに上手く言えないけど、「彼」自身から滲み出る、その人が持つ独自の色のようなもの―――魂の本質、とでも表現すればいいのだろうか? 陛下の色彩を纏ったその奥から漏れ出る気質のようなものが、陛下のそれとは明らかに違うのだ。
―――この人は、別人だ。陛下じゃない。
その結論にたどり着いた時、わたしは独り戦慄のようなものを覚えた。
これは―――誰?
立ち居振る舞いも、その身に纏う雰囲気さえも、彼はまるでクリストハルト陛下そのものだった。何もかもが本当にそっくりで、周りの人間は誰も―――妹のシルフィール様でさえ、それには気が付いていない様子だった。
分かるのは、わたしがクォルフだから―――? これは、人間には分からない感覚なのだろうか。
問題が問題なだけに、おいそれとその事実を口にするわけにはいかなかった。誰に確認したらよいものなのかも分からず、わたしはとりあえずそれを自分の胸にしまいながら「彼」の動向を注視することしか出来なかった。
それが、始まり。
そして、それからも「彼」は度々シルフィール様の前に現れた。
最初こそ驚いたし警戒したけれど、その事象が重なるうちに、わたしにも何となく「彼」が存在する理由が見えてきた。
クリストハルト陛下がクリストハルト陛下でなくなる時は、決まって来客との接見がある時だった―――国内外を問わず、いかにも偉そうな称号のつく来客がある時だけ。
「彼」はおそらく、クリストハルト陛下の影武者なのに違いない―――それがわたしのたどり着いた推論だった。
難しいことはよく分からないけれど、国王が変わってまだ混乱が尾を引くこの国には今の陛下と敵対する勢力が残っていて、命を狙われる危険が付きまとっているのだ―――多分。
「彼」は、クリストハルト陛下の身代わりなのだ。
かといってそれが推論の域を出るものではなかったので、わたしは「彼」が現れる度、警戒感を持ってその一挙手一投足を見張った。
途中からは彼の方もそんなわたしの様子に気が付いて、まるで開き直ったかのように、悪ふざけみたいな挑発行動を取ってくるようになった。
会話をしながらさり気なくシルフィール様の肩に手を置いてみせたり、あろうことか華奢な腰を引き寄せてみせたり、あまつさえ絹糸のような髪に指を絡めて口づけて、わたしにだけ分かるように口元に小さく笑みを刻んでみせたりする。
―――こっ、のセクハラ男……! 本物の陛下は妹君にそんな真似、したことがないのに!
そのやりようにわたしはぎりぎりと歯噛みしたけれど、相手が「陛下」という立場である以上、わたしの方から下手な口出しをすることは出来ず、護衛長に見咎められないよう気を付けながら、せいぜい瞳に険を宿してにらみつけるのが精一杯だった。
シルフィール様に危害を加えている、とまでは言えないし、そもそも相手が兄王だと思い込んでいるシルフィール様はそんなことこれっぽっちも気に留めていないし―――かといって、手をこまねいてこんな事態を見守るしかないというのは何とも歯がゆい。
悩んだあげく、それとなく護衛長に「時々陛下の様子がおかしいように見受けられるのですが」と相談をしてみたところ、聞く耳持たないといった風情で頭ごなしに怒られてしまった。
「陛下に対して不敬ですよ! 麗しい兄妹愛を貶めるような発言は控えなさい! 人間とあなたのような亜人では感性が違うのよ! まったく、物珍しさでシルフィール様に気に入られているからといって―――」
亜人風情が何を言っている、思い上がりも甚だしい、調子こいているんじゃない、引っ込んでいろ、といった趣旨の発言を少し綺麗な言葉でくるまれて烈火の如く延々と浴びせられ、わたしはぐっと拳を握りしめながら引き下がるしかなかった。
くそ……悔しいけれど、今の城内にわたしの言葉をまともに聞いてくれる人間はシルフィール様の他にいないのが現状だった。そのシルフィール様があの男の正体に気付いていない以上、どうすればいいのか……。時折入れ替わっているということは少なくとも陛下自身はあの男を認知していて、必要があってそうしているのだろうし……。
わたしは何も出来ず、あんな男の悪ふざけを傍観するしかないのか―――いや、でもせめて、これ以上悪ふざけがひどくならないようにしっかりと見張って、あまりに度が過ぎるようであればシルフィール様の護衛としてきっちり制止しなければ。
そんな義憤を胸に抱きつつ業務に励むわたしを嘲笑うかのように、ある日男は大胆不敵に接触してきたのだ。
それは中庭で花を愛でるシルフィール様に付き添っていた時のことだった。
「―――今のところはつつがなく職務を全うしているようだな。どうだ、城内の洗礼は」
突如現れた「彼」にそう声をかけられて、まさかこんなふうに堂々と声をかけられるとは思っていなかったわたしは大いに驚いた。
完全に不意を突かれ、ぎこちなく表情を取り繕いながらそれに応じる。
「は……想像していた以上に、厳しいです」
くそ……何でそんなことをあんたに答えなきゃいけないの!
彼は形だけかしこまるわたしにふと笑むと、シルフィール様にこう申し出た。
「シルフィール、少し彼女を借してもらえるか? 話しておきたいことがあるんだ」
それを聞いたわたしは内心でぎょっとした。
は、何!? この男がわたしに話したいこと!? 嫌な予感しかしないんだけど!
シルフィール様は密かに表情を強張らせるわたしと偽物の兄王とを見比べた後、天使のような可愛らしいお顔でにっこりと承諾を返した。
「ええ、構いませんわ。でもお兄様、リーフィアはまだ王宮へ来て日が浅いですから、何事もお手柔らかにお願いしますね」
シルフィール様、そんな微妙な優しさはいいですから、断って下さい! その人、本当はあなたのお兄様じゃないんです!!
―――とは叫びたくても叫べない、か弱き立場が恨めしい。
「ああ、分かっている」
当然のようにそう返した空色の瞳が恐ろしいことに全く笑っていなくて、わたしは心の中で盛大に青ざめながら、赤色のマントを翻す背中についていくしかない自分の立場を心の底から呪ったのだった。
「私だ」
―――陛下。
いつものように妹君の部屋を訪れた兄王を迎え入れる為、たまたま一番入口近くにいたわたしが居室のドアを開けた。
かしこまりながら視線を上げ、長身の相手の顔を目にした瞬間―――。
「―――……」
その時感じた違和感を、何と表現すればよかったんだろう。
瞳に映ったのは、いつもと何ら変わりのない陛下の姿だった。
シルフィール様のお付きとなってから毎日のように目にしている、鼻筋がすっと通った気品のある顔立ち―――柔らかそうな白金色の髪に、良く晴れ渡った空色の瞳、健康的で鍛えられた印象の赤銅色の肌。
白を基調に金の絹糸で刺繍が施された上等な仕立てのカッチリとした衣服に身を包み、腰には意匠の凝らされたきらびやかな剣を差している。足元は深みのある茶色のブーツ。肩から赤色の瀟洒なマントを羽織ったその人からは、いつもと同じ高貴な香りが漂っていた。
間違いなく、見た目はいつもどおりの陛下……なんだけど。
―――でも、何か……。
「リーフィア、何をしているのです。無礼ですよ、早く陛下をお通しして」
無言で主君の顔を注視するといったわたしのあるまじき不敬行為に、室内にいた護衛長から叱責の声が飛んだ。
「あ―――申し訳、ございません」
わたしは慌てて自らの非礼を詫び、陛下を室内へ招き入れる為、ドアの影に控えた。
陛下はちら、とわたしに目をくれただけで、特に叱責の言葉などはかけなかった。
「ふふ、リーフィアったらお兄様のお顔に見とれていたの? その気持ち、分かるわ。お兄様、素敵ですものね」
「え―――あ、はい……」
居心地の悪い場を無邪気な声で和らげて(?)くれたシルフィール様に何と答えたらよいものか掴めず、微妙な表情で言葉を濁すに留めたわたしを、遠くから護衛長がすごい顔でにらみつけている。
うわ、まいったなぁ。後でキツいお説教を食らいそうだ。
内心で額を押さえながら、わたしは今ほどのことなどなかったかのようにシルフィール様と会話を交わす陛下の様子をそれとなく窺った。そして、自分の直感がやはり間違っていなかったことを確信し、その事実に息を飲む。
―――やっぱり、違う。
初めこそ気のせいかと思ったけれど、そうじゃない。
背恰好も声の質も非常によく似てはいるけれど、注意深く観察してみれば、わずかだけど声のトーンが違う。顔も双子のそれのように大変よく似てはいるけれど、矯めつ眇めつして見れば陛下とは微妙に異なる。それに上手く言えないけど、「彼」自身から滲み出る、その人が持つ独自の色のようなもの―――魂の本質、とでも表現すればいいのだろうか? 陛下の色彩を纏ったその奥から漏れ出る気質のようなものが、陛下のそれとは明らかに違うのだ。
―――この人は、別人だ。陛下じゃない。
その結論にたどり着いた時、わたしは独り戦慄のようなものを覚えた。
これは―――誰?
立ち居振る舞いも、その身に纏う雰囲気さえも、彼はまるでクリストハルト陛下そのものだった。何もかもが本当にそっくりで、周りの人間は誰も―――妹のシルフィール様でさえ、それには気が付いていない様子だった。
分かるのは、わたしがクォルフだから―――? これは、人間には分からない感覚なのだろうか。
問題が問題なだけに、おいそれとその事実を口にするわけにはいかなかった。誰に確認したらよいものなのかも分からず、わたしはとりあえずそれを自分の胸にしまいながら「彼」の動向を注視することしか出来なかった。
それが、始まり。
そして、それからも「彼」は度々シルフィール様の前に現れた。
最初こそ驚いたし警戒したけれど、その事象が重なるうちに、わたしにも何となく「彼」が存在する理由が見えてきた。
クリストハルト陛下がクリストハルト陛下でなくなる時は、決まって来客との接見がある時だった―――国内外を問わず、いかにも偉そうな称号のつく来客がある時だけ。
「彼」はおそらく、クリストハルト陛下の影武者なのに違いない―――それがわたしのたどり着いた推論だった。
難しいことはよく分からないけれど、国王が変わってまだ混乱が尾を引くこの国には今の陛下と敵対する勢力が残っていて、命を狙われる危険が付きまとっているのだ―――多分。
「彼」は、クリストハルト陛下の身代わりなのだ。
かといってそれが推論の域を出るものではなかったので、わたしは「彼」が現れる度、警戒感を持ってその一挙手一投足を見張った。
途中からは彼の方もそんなわたしの様子に気が付いて、まるで開き直ったかのように、悪ふざけみたいな挑発行動を取ってくるようになった。
会話をしながらさり気なくシルフィール様の肩に手を置いてみせたり、あろうことか華奢な腰を引き寄せてみせたり、あまつさえ絹糸のような髪に指を絡めて口づけて、わたしにだけ分かるように口元に小さく笑みを刻んでみせたりする。
―――こっ、のセクハラ男……! 本物の陛下は妹君にそんな真似、したことがないのに!
そのやりようにわたしはぎりぎりと歯噛みしたけれど、相手が「陛下」という立場である以上、わたしの方から下手な口出しをすることは出来ず、護衛長に見咎められないよう気を付けながら、せいぜい瞳に険を宿してにらみつけるのが精一杯だった。
シルフィール様に危害を加えている、とまでは言えないし、そもそも相手が兄王だと思い込んでいるシルフィール様はそんなことこれっぽっちも気に留めていないし―――かといって、手をこまねいてこんな事態を見守るしかないというのは何とも歯がゆい。
悩んだあげく、それとなく護衛長に「時々陛下の様子がおかしいように見受けられるのですが」と相談をしてみたところ、聞く耳持たないといった風情で頭ごなしに怒られてしまった。
「陛下に対して不敬ですよ! 麗しい兄妹愛を貶めるような発言は控えなさい! 人間とあなたのような亜人では感性が違うのよ! まったく、物珍しさでシルフィール様に気に入られているからといって―――」
亜人風情が何を言っている、思い上がりも甚だしい、調子こいているんじゃない、引っ込んでいろ、といった趣旨の発言を少し綺麗な言葉でくるまれて烈火の如く延々と浴びせられ、わたしはぐっと拳を握りしめながら引き下がるしかなかった。
くそ……悔しいけれど、今の城内にわたしの言葉をまともに聞いてくれる人間はシルフィール様の他にいないのが現状だった。そのシルフィール様があの男の正体に気付いていない以上、どうすればいいのか……。時折入れ替わっているということは少なくとも陛下自身はあの男を認知していて、必要があってそうしているのだろうし……。
わたしは何も出来ず、あんな男の悪ふざけを傍観するしかないのか―――いや、でもせめて、これ以上悪ふざけがひどくならないようにしっかりと見張って、あまりに度が過ぎるようであればシルフィール様の護衛としてきっちり制止しなければ。
そんな義憤を胸に抱きつつ業務に励むわたしを嘲笑うかのように、ある日男は大胆不敵に接触してきたのだ。
それは中庭で花を愛でるシルフィール様に付き添っていた時のことだった。
「―――今のところはつつがなく職務を全うしているようだな。どうだ、城内の洗礼は」
突如現れた「彼」にそう声をかけられて、まさかこんなふうに堂々と声をかけられるとは思っていなかったわたしは大いに驚いた。
完全に不意を突かれ、ぎこちなく表情を取り繕いながらそれに応じる。
「は……想像していた以上に、厳しいです」
くそ……何でそんなことをあんたに答えなきゃいけないの!
彼は形だけかしこまるわたしにふと笑むと、シルフィール様にこう申し出た。
「シルフィール、少し彼女を借してもらえるか? 話しておきたいことがあるんだ」
それを聞いたわたしは内心でぎょっとした。
は、何!? この男がわたしに話したいこと!? 嫌な予感しかしないんだけど!
シルフィール様は密かに表情を強張らせるわたしと偽物の兄王とを見比べた後、天使のような可愛らしいお顔でにっこりと承諾を返した。
「ええ、構いませんわ。でもお兄様、リーフィアはまだ王宮へ来て日が浅いですから、何事もお手柔らかにお願いしますね」
シルフィール様、そんな微妙な優しさはいいですから、断って下さい! その人、本当はあなたのお兄様じゃないんです!!
―――とは叫びたくても叫べない、か弱き立場が恨めしい。
「ああ、分かっている」
当然のようにそう返した空色の瞳が恐ろしいことに全く笑っていなくて、わたしは心の中で盛大に青ざめながら、赤色のマントを翻す背中についていくしかない自分の立場を心の底から呪ったのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
黒騎士団の娼婦
イシュタル
恋愛
夫を亡くし、義弟に家から追い出された元男爵夫人・ヨシノ。
異邦から迷い込んだ彼女に残されたのは、幼い息子への想いと、泥にまみれた誇りだけだった。
頼るあてもなく辿り着いたのは──「気味が悪い」と忌まれる黒騎士団の屯所。
煤けた鎧、無骨な団長、そして人との距離を忘れた男たち。
誰も寄りつかぬ彼らに、ヨシノは微笑み、こう言った。
「部屋が汚すぎて眠れませんでした。私を雇ってください」
※本作はAIとの共同制作作品です。
※史実・実在団体・宗教などとは一切関係ありません。戦闘シーンがあります。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
悪役令嬢と氷の騎士兄弟
飴爽かに
恋愛
この国には国民の人気を2分する騎士兄弟がいる。
彼らはその美しい容姿から氷の騎士兄弟と呼ばれていた。
クォーツ帝国。水晶の名にちなんだ綺麗な国で織り成される物語。
悪役令嬢ココ・レイルウェイズとして転生したが美しい物語を守るために彼らと助け合って導いていく。
【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております
紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。
二年後にはリリスと交代しなければならない。
そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。
普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さくら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる