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リュカ(本編補足)
24話
しおりを挟む――『俺達はこれから、女神リュヌを救うことになる。方法はまだわからないし、きっと簡単にはいかない。だが女神を救えれば、邪神は悪ではなかったと国中が知るだろう。闇属性が悪ではなかったと、知ることになる』。
この言葉を聞いた時、実は内心驚いていた。ザガンの中では俺達が女神を救うのが決定事項になっていて、しかし俺は言われるまで、その考えに至らなかったから。
俺にとっての邪神とは、倒すものだったんだ。それが駄目なことだと判明した時、ショックのあまり邪神について深く考えることを止めていた。倒しちゃいけない、で思考が止まっていた。
だから救おうとする君に感嘆すると同時に、もっと差別について、相談し合えば良かったんだと気付く。俺に出来ることじゃなく、2人で出来ること。そして仲間みんなで出来ることを、話し合えば良かったんだね。
もしかしたら俺はザガン以上に、心の奥底は独りだったのかもしれない。タイムリープし続けていることを誰にも話せないからと、1人でなんでも抱え込もうとしていた気がする。だから差別についても、自分だけで考えてしまっていた。当事者はザガンであり、ザガンは闇組織の者達でさえ救いたいと思っているほど、差別と向き合っているのに。
俺は君を守ることに必死で、どうにか頼ってほしいと願うばかりで、俺自身は君を頼っていなかった。ごめんねザガン、これからはちゃんと頼るから、一緒に頑張っていこう。
決意を新たにして、第11都市に到着。黒髪を晒しているザガンを守るように、民衆に見られているところで綺麗な髪にキスしておく。ザガンは俺のものだから、絶対に傷付けさせないよ。
それにしてもまさか、マニフィーク公爵が全国に向けて文書を出したなんて、驚いたな。しかもザガンを、俺の婚約者と書いてくれた。彼が俺達の味方になっているのは、4大公爵家だから……だけではないだろう。ザガンに守られたからだ。ザガンの強い意思に、感銘を受けたから。
文書とは、いきなり出せるものではない。まずは自分の周囲に、声明を出すことを納得させなければならない。マニフィーク公爵家という名前には、第9都市全体が含まれているから。つまり俺達が第10都市にいる間、ずっと周囲への説得を頑張っていたはず。
そうまでして俺達の味方になってくれたことが、本当にありがたかった。おかげで闇属性への差別が少々緩和されていて、黒髪を晒しているザガンへの視線も、想像していたよりだいぶ軽かった。
あと慧眼なモデスト侯爵はザガンを見ただけで認めてくれたし、結婚にまだまだ意識が向かっていないザガンの為に、ダンスパーティーを開くと進言してくれた。
パーティー自体はタイムリープ中も必ず開かれていて、しかし理由は芸術祭に出資してくれた貴族達へのささやかな慰労会であり、実は参加自由だった。誘われた以上、王命を受けている王子として出ないわけにはいかなかったから、いつも出席してたけど。
そのように毎年開かれているものを、あえてザガンの為にと進言してきたのは、俺達の結婚に賛成しているとそれとなく伝える為。しかも援助も惜しまないと示唆されている。彼のような長寿で発言力のある方に後押ししてもらえるのは、とても嬉しいことだ。
翌日は冒険者ギルドで、兄上から手紙が来ていないか確認した。先月ノエルが、先生宛の手紙に書いてくれたはずの、神ソレイユや女神リュヌについて。
返事は来ていて、驚くべき真実が判明した。でも納得する内容でもあった。女神リュヌが負の感情をリュミエールに変換しているなら、負の感情を充満させているのは、ほぼ神ソレイユだろうと。ただし国の教育では、神ソレイユが邪神から守ってくれたと教えているので、それが間違っていた事態に驚愕せずにはいられない。
それにしてもまさか、魔物があちこちに潜んでいるなんてね。実は何人か心当たりがあるんだけど、実際そうなんだろうか? とにかく先生の傍にいる悪魔オロバスによれば、ザガンなら女神を救えるみたいだ。俺もその悪魔との決闘して勝利するという新たな目標が出来たので、頑張らないと。
その夜、ちょっと気分が落ちてたので、ザガンに慰めてもらった。
何度もタイムリープしていたのは、俺が邪神を倒していたせい。その根本となる理由も判明したけど、それは人間……王家が女神を殺そうとしたせいだった。だから落ち込みながらも、安心したんだ。苦しんでいたのは理不尽な理由ではなく、子孫として業を背負っていたせいだったから。
それからいろいろ話しているうちに、世界が俺を慰めてくれていたことも判明。世界は俺が何度もタイムリープして苦しんでいるの、わかっていたんだなぁ。うんうん頑張るよ、ザガンが女神リュヌを救うなら、俺は神ソレイユを救ってみせる。
だからその夜、ザガンが眠ったあとに魔清を集められるか試した。ザガンはあくまでも、魔力操作練習の延長で提案してくれたもの。でも魔瘴が女神を狂わせるのなら、魔清で神を正気に戻せると思うんだ。しばらく練習したらちゃんと魔清を集められたので、ホッとする。
この作戦は、ザガンには内緒だ。正の感情が必要だからと教えたら、気負っちゃうかもしれないからね。ザガンは気にせず、これから毎晩、俺とのエッチでたくさん感じてくれたら良い。
お互いオロバスに勝利して認めてもらうという明確な目標が出来て、2神を救出する為の準備もそれぞれ開始した。死ぬかもしれないドラゴン戦前より切羽詰ってなかったし、常にザガンと一緒だから、心穏やかで幸せな毎日だ。ダンスパーティーに参加する準備とか、芸術祭準備の手伝いもして、とても楽しかった。
まぁ途中、ニナと喧嘩しちゃったけど。でもノエルやみんなの言葉もあって、翌日には仲直り出来た。ザガンのことになるとどうしても心が狭くなっちゃうの、反省しないといけないな。
それに闇属性への差別についても、改めて考えさせられた。闇属性本人だけでなく、その周囲も不幸になってしまうのが差別である。俺は今度こそ、王子としての責任を果たさなければならない。国民を守らなければならない。何度も決意し直さないといけないくらい難しいことだけど、大丈夫、俺は独りじゃない。ザガンがいてくれる、みんながいてくれる。だからきっと、差別は無くせる。
11月10日の芸術祭では、久しぶりにザガンと2人きりでデートした。傍にいるのが俺だけでも、人々から悪意を向けられることはほぼ無かったみたい。俺はザガンほど悪意は感じられないけど、繋いでいる手から想いは伝わってくる。ひたすら嬉しい楽しいという感情が伝わってくるから、俺もとても嬉しくて幸せだったよ。
第11ダンジョンを一緒に潜れなかったのは残念だったな。でもザガンと結婚する為には、絶対オロバスに勝たないといけない。ザガンも強くならないといけないし、魔導バリアの改良をしないといけないから、了承した。代わりにすっっっごく可愛い姿を見せてもらったしね。ホント、ザガンが可愛すぎてつらい!
ダンジョン攻略中は毎晩通信機で話していたんだけど、やっぱり君が隣にいないのは寂しかったな。
ミランダの元婚約者の仇という、闇組織の女性と出会うのはいつも通り。けれど彼女達のやり取りは、何十回繰り返してきたものとだいぶ違っていた。どちらもザガンの影響を受けたからだろう。
俺が何十回と変えられなかったものを、ザガンはどんどん変えていく。ノエルも、ミランダも、ニナも、カミラも、ベネットも、シンディも。彼女達がこんなに仲良しで、こんなに強いのは、全部ザガンのおかげだ。
誰もがその強靭な精神に影響され、アカシックレコードから外れていき、新たな道へと導かれている現在。その先頭に立ち、歩んでいく圧倒的強者に、惹かれずにはいられない。……でもミランダ、ザガンは俺のものだからね?
ダンジョン攻略を終えて、29日はモデスト侯爵に招待されたダンスパーティーに参加。仕立ててもらった燕尾服に身を包むザガンはとても可愛くて、俺に見惚れてくれるのがさらに可愛くて、抱き締めずにはいられなかった。
会場内では周囲が貴族しかいないからザガンがどう見られるか不安だったし、実際注目されたものの、ザガン自身は飄々としていて格好良かった。
むしろ俺の方が、荒れそうだったよ。久しぶりに多くの貴族女性達の視線に晒されたせいで、嫌悪が滲みそうになっていた。腰を抱いてるザガンから高揚した感情が伝わってきたし、ひたすら可愛いから、ザガンに集中することで難を逃れたけど。
それにダンスが始まったらザガンだけを見ていられたし、リードするのに全神経を集中させていたので周囲が気にならなくなっていた。君から好きという気持ちがいっぱい伝わってきて、溢れて、もう愛しくて堪らない。可愛い、大好き、愛してる。
ダンスを終えたあとの容赦無さも清々しくて、悪いと思いながらもつい苦笑してしまったり。いっぱい食べるザガンが可愛くて、ひたすら癒されたり。周囲に人はいても誰も話しかけてこないから、とても気楽で楽しかった。
特定のパートナー、しかも婚約者と明言している相手を連れていると、自分の子供を紹介しようとする親達がいなくなる。ザガンに嫉妬した令嬢達は、殺気を飛ばした段階で撃退されてるし。黒髪を晒しているザガンに嫌味を言ってくる者がいるかもしれないと危惧していたものの、結局みんな彼の強さに圧倒されて、遠目に見てくるだけ。
しかもザガンは食事を終えると、俺と2人きりになる為に、バルコニーに誘ってくれた。守られるのがくすぐったくて、とても嬉しくて、笑みが零れる。
そうして2人くっ付いて、夜空を見上げた。星がキラキラ輝いていて、とても美しい光景だ。
「女神を救ったら、ソレイユ王国でも月が見られるようになるのだろうな」
「そうだね、俺も実際に見てみたいな。ザガンに気付かされるまでは、月が浮かんでいないことに疑問にすら思わなかったけど。そういうものだと、思い込んでいたから」
あの世界でしか見たことがなかった月。それがこの空にもあるなんて思わなくて、ずっと遠回りしてきた。ずっとずっと苦しかった。
もっと前に、この空にも月があるのではないかと察していたのなら、きっと月について調べようと王城内にいる者達に聞いて……すると誰かしら女神リュヌのことを教えてくれただろう。そして邪神を倒さないままでいれば、もっと早くにタイムリープは終わったはずだ。
でもその代わり、君には出会えなかった。君とこんなふうに甘い時間を過ごせるようにはならなかった。だからとても苦しかったけれど、ひたすらあの時間を耐え続けて良かったと、今は思っている。君をこんなにも、愛しているから。
それに、とても楽しみなんだ。この地から見える月は、どんなふうに俺の目に映るのかと。あの世界よりも美しく見えるのか……その瞬間、俺はどんな感情を抱くのか。
「そういえばリュカは、初めから月を知っていたな。カミラやシンディですら知らなかったのに。どこで知ったんだ?」
「えっ。あ……えっと」
まさかそれを聞かれるとは思わなくて、動揺してしまった。えっ、どうしよう。どう誤魔化せば……。
「夢で何度も見たと言ったら、信じてもらえる?」
ザガンに嘘をついてしまうのは心苦しかったけど、やっぱりどうしても話せない。真実を伝えようとしたら、タイムリープし続けていたことまで話さなくちゃならないから。
すでにザガンは、こんなにも変えてくれている。だから俺がずっと苦しみ続けてきたことも、実はまだタイムリープが続いていて、また最初に戻ってしまうかもしれないという懸念も、わざわざ背負わせる必要は無い。
それに50年以上も前とはいえ、かつて君以外の人を好きになったことも、知られたくないんだ。君は気にしないかもしれないけれど、俺はそのことが君の脳裏に僅かでも引っかかるかもしれないと思うだけで、罪悪感と恐怖に苛まれて狂ってしまいそうだから。
ごめんね、本当のことが言えなくて。世界を超えて、俺のところに来てくれてありがとう。ここまで導いてくれてありがとう。愛してるよザガン、これからずっとずっと、君だけを愛し続ける。
12月5日、第12都市に到着。ブレイディ家の執事オロバスと合流してから、シャルマン公爵と挨拶を交わした。恋をして変わったと言われたけど、そんなに変わってるかな? ああ、そういえば自然と笑えるようになった気がする。ザガンが隣にいてくれるだけで、幸せで笑みが零れるから。
あとはとにかく、ザガンは俺のものだと主張したくなる。俺が傍にいるから手出しさせないよ? まぁ実際はザガンの方が心身ともに強いし、何かあれば俺を攫っていくとまで言ってくれるし。はぁ、俺のザガンが格好良すぎる。
屋敷まで案内してくれたシャルマン公爵が帰っていき、そのあとはオロバスが改めて挨拶してくれた。とても強くて、礼儀正しい人。ザガンはこの人に育てられたのか。その表情を見るだけで、どれだけザガンに愛情を注いでいたかわかる。
かつてのザガンを想うと複雑な気持ちになるが、しかし彼は悪魔だ。きっと悪魔なりの曲げられない理を持っていたのだろう。
オロバスは女神リュヌについて、いろいろ教えてくれた。彼女を救う方法も。王都の状況も報告してくれた。兄上や父上は頑張ってくれているみたいだ。その対策が今までより強固なのは、存在が明らかになった魔物達も、手伝ってくれているからだろうか。
オロバスとの決闘を約束したあと、ザガンが拗ねちゃって、しばらく触れられなかったのは寂しかったな。そうだよね、育ての親と戦ってみたかったよね。でもいろいろ言葉を重ねていたら、ザガンは納得してくれた。
それに翌朝には、オロバスに勝ってほしいとまでお願いされた。どんな心境でそう言ってくれたかは、わからなかったけど。でもザガンのお願いを、俺が断るわけないじゃない。絶対勝つよ。だってザガンへの想いで、負けるはずないもの。
確かに今回は、ザガンを愛してくれている。でもかつてのザガンは見捨てたような、その程度の愛情に、俺が負けるはずはない。
冒険者ギルドに向かう途中、ちょっとしたトラブルがあった。ザガンと会話していたベネットが、大泣きするというトラブル。その内容には、俺もだいぶ考えさせられた。俺の傍にいると、ザガンと伯爵夫人が同じ空間にいるということも起こる。
育児放棄した母親に会いたくないという考えを、事前に知れて良かった。いざそういう状況になった時、ザガンを夫人から遠ざけることが出来るから。ノエルが頑張るらしいので、俺はザガンが彼女に会いたいと思うまで、守りながら静観しよう。
オロバスとの決闘は、無事勝つことが出来た。元々魔法と剣技が不可の、純粋な剣術のみでの勝負なら、勝てる気がしたんだ。だって俺は、オロバスより強い人を知っている。佇んでいるだけなのにまったく隙が無いという、第8都市で世話になったギルドマスター。もしかしてあの人も、魔物なのかな。
それに俺にはザガンがいてくれるから。絶対勝つという想いに呼応してくれるみたいに、ザガンは威圧した。そのたびオロバスは、ほんの僅かに剣筋を鈍らせる。脇腹を刺された時なんて、オロバスに向かってとてつもない殺気を放っていた。
大丈夫だよザガン。この程度の怪我で、俺が引くはずないじゃない。ザガンへの愛が、この程度で折れるはずがない。ザガンは俺のものだ、貴方なんかに絶対負けない。絶対に――勝つ。
そうして彼に勝利したあと、ザガンがオロバスに感謝を述べた。その内容は、まさしくこの人が小さかったザガンを健やかに育て、大切に守ってきたとわかるもので。
「オロバス、俺はリュカを心から愛している。そしてどんな困難があろうと、リュカと共に生きていくと決めた。だから、俺達を認めてほしい」
「シエル坊ちゃまが選んだ相手なら、素晴らしい人間に決まっていますからね。もちろん認めます」
愛するザガンの想いを真摯に受け止めてくれた義親に、俺も感謝せずにはいられなかった。
ちなみにこのあとエッチしたんだけど、ザガンがすっっっごく可愛かったな。もちろんいつでも可愛いんだけど、この時は『俺のリュカ』と言ってくれたり、可愛いお口で咥えてくれるだけでなく精液を飲んでくれたり。それにいつも以上に積極的で、すごく興奮した。
女神リュヌの救う方法を教えてもらい、オロバスにも勝てたあと、しばらく平和な日常が訪れた。ただしこの時間が、嵐の前の静けさなのはわかっている。王都に戻った時には、闇組織との激戦が待ち受けているとも。タイムリープについても、女神を救うことで本当に止まるのか、不安で仕方無い。
そんな不安を忘れられるくらい、穏やかで幸せな時間だったけどね。ザガンとのんびりデート出来たし、楽しそうな君はすごく可愛かった。ノエルの誕生日プレゼントを購入して、翌日にはライル先生へのお土産も選んでいたけど、俺の誕生日プレゼントは用意してくれているのかな?
ザガンとノエルが先生へのお土産を選んでいる間に、俺は指輪を購入した。愛するザガンにプロポーズする為の、婚約指輪。サイズは、夜エッチしてザガンが眠ったあとにこっそり測っていた。
魔清収集も順調である。俺達2人の愛を具現化されるのが嬉しくて、毎晩たくさん集めたから。あっ、魔力が枯渇してしまう前にちゃんと止めていたから、心配しなくて大丈夫だよ。
ノエルを先導に散歩してると、周囲が住宅街になり、川が見えて来た。なんとなく見覚えがあるような……そういえば第12都市でノエルと散歩に出かけると、ここに来るんじゃなかったっけ。もう随分前のことだし、アカシックレコードも全部記憶していたわけではないから、何が起こったかは覚えていない。
と思ったんだけど、声をかけてきた女性により、なんとなく思い出した。確かあの女性が、赤子を川に投げようとしていたはず。
でもかつて俺が経験したのとはまったく違っていて、その女性は柔らかな表情をしていたし、ザガンに赤子を抱いてほしいと頼んできた。闇属性である我が子が、ザガンと同じように恋人や友人に囲まれるよう、願掛けをしたいからと。
この国が、変わっていく。未来が――運命が、変わっていく。
すごいなぁザガンは。決められた未来であるはずのアカシックレコードから、こんなにも変動させられるなんて。ノエルやライル先生、仲間達などの、深く関わってきた人達だけじゃない。ほんの短い時間、同じ空間にいただけの者達の心に強い衝撃を与えていき、結果として国民の意識をここまで変えた。
この女性のように、すでにザガンに救われている人は、他にもいるだろう。本当にすごいな。王都に戻れば俺にも出来ることがあるけれど、王命に集中しなきゃいけない今は、黒髪を晒しているザガンに向けられる悪意から守るのみ。
君の隣には、いつだって俺がいる。だからこれからもひたすら前へ、自分の思うままの道へと、進んでほしい。
ところでそのあと、ザガンの赤ちゃん時代の写真が見たいという話になったんだけど。……うん、ごめん。ザガンは男性だと、ちゃんとわかってるから。
ただカミラに頼めば産めるようになることは知ってるし、ザガンが俺との子供を身篭ってしまえば、俺から離れなくなるんじゃないかと脳裏に過ぎったこともある。でもそんなの、無責任だよね。命はそんな軽々しいものじゃない。繋ぎ止める為の道具になんて、絶対しちゃいけない。
それに俺はもう、ザガン以外を愛せない。俺を現実にしてくれた、君だけしか。
だから子供にザガンとの時間を取られたり、俺より子供を優先するようになったら、憎しみのあまり殺してしまうかもしれない。そもそも実際ザガンの中に俺以外のものが存在しようものなら、自分の中にある何かが壊れて狂ってしまうような気がする。それくらい、俺は君を愛しているんだ。
こんな狂気じみた愛を向けても、君は相変わらずの無表情でじっと見返してきて、決して目を逸らそうとしなかった。俺の全てを受け止めようとしてくれる。それがとても嬉しくて、さらに愛が溢れる。
「ずっと独りで生きていくつもりだった。そんな俺が、リュカのおかげで孤独ではなくなった。リュカが傍にいて、俺を愛してくれる。これ以上、望むものは無い」
何度惚れ直せばいいかわからないくらい、俺のザガンは格好良くて可愛い。
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