神霊魔王の英雄談 〜転生先で性転換してしまいますが主人公を目指してます〜

メンゼ

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第零章 少年の決意。

第零話 決意

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 雨降る夜、雨に濡れながら中学の校舎目掛けて走っていた。

 苦しい、けれど立ち止まる訳にはいかない。早くしないと飛鳥がッ!!

 校舎の窓を叩き割り、中に飛び込む。

「飛鳥!! どこだ!!」

 彼女の名を叫びながら校舎内を走り回る。

 何処なんだ。どこにいるんだ!!
 もしかしたら手遅れなのかもしれない。そう思うと涙が流れ、胸が苦しくなる。

 そんなはずがないと自分に言い聞かせまた叫び走り続ける。

「飛鳥ァッ!!」

 すると遠くから少女の叫び声が聞こえた。飛鳥だ。

 俺はその声がする方目掛けて駆け出した


「飛鳥!!」

 俺は声のする部屋、自分の所属する一年生の教室を勢いよく開く。

「千鶴!! 助けて、嫌!!」

 そこには上半身が下着だけの飛鳥と、飛鳥に襲いかかる男、俺たちの担任の教師がいた。

 男の手には包丁と飛鳥の物であろうズタズタに破かれた上の制服が握られていた。

「テメェ!!」

 俺は完全に頭に血が上り、教師の顔に拳を振るって殴り飛ばす。

「飛鳥!! 大丈夫か」

 俺は飛鳥の元に駆け寄る。飛鳥の手を握り、逃げようとする。

 だが、起き上がった教師がナイフを放り回しなが走りよってくる。

 かわすことが出来ずナイフが俺の腕を深く裂く。
 思わず片腕を押さえ、バランスを崩し転んでしまう。

 教師は俺の体に馬乗りになり首を絞めてきた。

 頭に酸素が行かなくなり意識が薄れる。

「うわああああぁぁぁあッ!!」

 叫び声と共に馬乗りなっていた教師が俺の上から倒れた。

 机を振り抜いた体制の飛鳥が呆然とした様子で立っていた。自分で自分が何をしたのか分からないといった表情だ。

「このガキがッ」

 教師はふらつきながら飛鳥を殴り飛ばすと、ナイフを握りそれを飛鳥の腹に突き刺した。

「あぁっ」

 飛鳥はナイフが刺さり血の流れる腹を押さえ喘ぐ。

 その瞬間俺の理性は飛んだ。



 気づいた時には俺は血塗れで飛鳥を泣きながら抱いていた。

 俺の脇には人の形をした肉の塊があり、それは俺達の担任教師ににていた。

「千鶴....ごめん..ね」

 腕のなかにいる飛鳥が苦しそうに話す。

 何で、飛鳥が謝るんだ。悪いのは守ることの出来ない俺なのに。

「千鶴。きっと皆を守れる、主人公のようになってね」

 なんだよそれ。オタクだった飛鳥と違って俺は主人公がどんなのか分からないぞ。

「ううん、私は千鶴はもう私の主人公だよ。だから、次は皆を守れるそんな....」

 何がお前の主人公だ。たった一人も守れない俺が....

「ねぇ、千鶴...天国ってあると思う?」

 ......

「もしも....あったら..また天国で会おう....ね......」

 なにが天国..だ。

 次に会うときには、きっとお前の望む主人公とやらになってやるよ。

 皆を、お前を救えるなら、なんにだって。

「うわぁああああぁぁぁああああッ!!!」


 少年は吼えた。全てを守れる主人公になると決意しながら。
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