神霊魔王の英雄談 〜転生先で性転換してしまいますが主人公を目指してます〜

メンゼ

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序章 転生、そして人外の美少女に。

第四話 転生物のテンプレ

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 ――場所はエルフの村、周辺の森の中。

 数人のエルフ達が魔狼を狩っていた。

「クレイン!! そっちに行ったぞ!!」

「分かっている!!」

 男エルフの声かけに返事をしつつ俺は飛び込んできた魔狼の攻撃をかわす。そして宙を飛んだ魔狼の、がら空きになったその体を片手剣で薙ぐ。

 その魔狼はそのまま地に落ち、動かなくなった。

 女エルフの仲間が誉め言葉を投げてくる。

「さっすがクレインちゃん!!」

「ちゃん付けすんな!! 恥ずかしい、元男子にはキツいって!!.... まだ残ってるんだから油断するなよ!!」

 まだ目の前には複数の魔狼が残っている。

「全部倒すぞッ!!」


 それから僅か五分後、狩りを終えた俺達は村へ帰投し始めていた。

 皆でガヤガヤしながら帰る。漫画やアニメの様な殺伐感が全くないことに最初は驚いたものだけどこれはこれで遠足のようでいい。

 狩りは村に着くまでが狩りってね、これでも皆すぐに動ける様に準備してる所が流石だ。

「クレイン!! あなた、今回の狩りでどれだけ稼げたのよ!」

 おやつに持ってきたクッキーを食べていると、一人の少女に声をかけられた。

 その少女は勝ち気そうなエルフだ。まだあどけなさを残る顔、エルフ特有の若葉色の髪に碧眼、尖った耳をしている。

 少女は俺の食べていたクッキーをつまみ食いし、自慢気に大きな胸を張る。....目のやり場に困るんで止めてくれないかなぁ。

「私は今回の狩りで魔狼の毛皮と牙3匹分、そしてたまたま見つけた林檎の木から林檎を40個よッ!! どうよ、凄いでしょ、これだけ売れば銀貨20枚は固いわよッ!!」

「ふーん、凄いな。ちなみに俺は毛皮2枚だけど俺もたまたまね、ルメア鉱石を見つけてなー。多分銀貨30枚はいくんじゃないかなぁ」

「なッ!? なんでそんなのたまたま見つけるのよ!?」

「普段の行いがいいからじゃない?」

 このやたらとつっかかてくる少女の名はエレンミア、村長の姪だ。

 俺と同日に狩りを学びだした仕事で言う同期に当たる。

 このエレン、何故かやたらと俺につっかかてきて競ってくるのだ。

 最初は面倒に感じていたが、いまではライバルとして競いあっている。それにエレンはからかいやすく、一緒にいて楽しい。

「むぅ、せっかく【魔術士】とってスキルの効果も上がってるんだし、頑張って探知系スキルを....でもアサルトスキル要るしなぁ....」

 悩んでいたエレンが急に俺に叫んでくる。

「そもそもクレインのあのユニークスキルはずる過ぎるのよッ」

 んなこと言われてもなぁ。

 俺はあの日の事を思い馳せる。



 一ヶ月前

 俺は幻書を開き、そこにある情報を読み上げる。

「ええーと、名前は《クレイン=サウザンド》。種族が《?????》....って何だ?」

 名前はさっき考えた名前が載っているが表記がおかしい所がある。種族名が<?????>だし生命力が表示されていない。魔力量は500と表示されているが生命力は何処にも載っていない。

 俺は首を捻る。

 それを聞いた村長は俺の幻書を除きこむ。

「むむ、種族名無し。これは....《アンノウン》じゃな」

「アンノウン?」

 何だっけ、確か正体不明って意味だっけ。

「うむ。アンノウンとはまだ名を持たぬ種族、または新種の種族のことの総称じゃな。名は種族のおさか、他に類のない唯一無二の個体であるユニークモンスターが名乗ることでそれが種族の名となり追加されのじゃ」

「へぇ....これもすぐに名前つけた方がいいの?」

「いんや、これは着けなくても個人なら問題ない。種族の名はその種、またはその者を示す象徴になる。まだ転生されたばかりのうぬには必要ないじゃろう」

 ならいいか。流石に種の象徴なんてすぐに考えれないし、そんなに自分の特徴まだしらない。

「なら生命力がないのは....」

 村長は神妙な表情になる。

「....それがわしにもよくわからんのだ。こんなことは初めて見たのでな..」

 通常、皆生命力、魔力量が数値化されているそうだ。


 しかし生命力と魔力量が異常なほどにある、なんて事例は少ないがあるが生命力が表示されないなんてことは見たことも聞いたこともないらしい。

「ま、まぁ転生されてすぐだしラグって、じゃなくて遅れているだけかもしれないし。そ、それよりもこのスキルって何?」

 俺が話をずらしてスキルについては聞こうとする。

「む。スキルかの? スキルはその文字に触れると所持してるスキルを確認できるぞい」

 俺は言われた通りにスキルと書かれた文字に触れる。するとパソコンの新しいタグを開くように新しい幻書が現れた。

「そこにはパッシブスキル、アサルト・サポートスキルの二種をそれぞれセットするためのスロットがある筈じゃ。スロットの数は人によって変わるのじゃが、特定のスキルを持つとスロットの数が増えたりするぞ」

 成るほど、要するにゲームのスキルと一緒か。アサルト・サポートスキルが魔法、パッシブスキルが加護みたいなものと考えて良いかもしれない。

 スキルの発現、覚醒条件はほぼ無限大らしく何が切っ掛けでスキルを得るか分からないらしい。

「ふむ..俺は何かスキル持ってないか....え?」

 それを見て俺は絶句する。

「む、どうしたのじゃ突然固まって....なんじゃと!?」

 俺のスキルスロットは....いくつも存在した。

 ズラッとならぶ空欄のスロットが並んでいる幻書をスマホを扱うようにスクロールするがキリがない。

「な、なんと。なんじゃそのスキルスロットの数は!?」

 しかしそれだけでは終わらない。俺は震える声で数少ない所持スキルを読み上げていく。

「....【可能性獲得】 【不老不死【 【肉体超再生】 【気中魔力自動吸収】 【?????】」

 やったね!! 生命力表示がない理由がわかったよ、そりゃ不老不死なら必要ないよね....じゃねぇッ!

 なんだよ【不老不死】ってぶっ壊れ性能ですか、運営修正不可避だろ!! チート疑惑で垢バンされちゃう!!

 ていうかまた【?????】かよ。なんだよもうこれ!?

《解。固有スキル【不老不死】は肉体の老化を止め、肉体の損傷を再生するスキルです》

 そんなこと解るよッ。そうじゃなくてねこう....ん?

《解。ユニークスキル【?????】は所持していますがまだ覚醒していない為スキル名及び効果内容を提示できません》

「そうじゃなくてッ!! 誰だよ!!」

 さっきからやたらと丁寧に機械のような声、例えるならボーカロイドのような声が説明してくれる。

「ああ、幻書の声じゃよ。その声に自我はないぞ」

 村長が慌てて説明してくれる。

「新たなにてに入れたスキルの報告、所持スキルの説明、新たな種へ進化した時の報告....などを行うものゃ」

 な、なるほど。理解したよ。要は幻書のプログラムなのか。

「まぁそれはともかく何で«不老不死»何だよ....」

「....それはおそらく、種族特有のパッシブスキルかも知れませんな」

「種族特有の?」

「うむ。おそらくじゃがの、うぬの種族が関係するかもしれぬと言うことじゃ。わしらエルフも【長寿】を持っておるからの。それと同じじゃろう」

 ....もしかしたら俺は、転生したらチート能力もらッちゃった系主人公なのかもしれない....。



 このあと残りのスキルの効果を幻書の声に聞き把握(またも絶句する)、宿と服、必要最低限の資金と職を貰った。

この時、自分の«不老不死»は他の人達には内緒にするように頼んだ(極力皆とは良好な関係でいたい。もしもこれでアニメでよく見るキャラみたいに化け物呼ばわりされたくない)。


 現在、俺は長かった髪を短く切り、毛皮でできたコートを羽織り、狩りに出ていた(髪はもみあげを伸ばしたままにしている。そういうキャラが好きだったから)。もう裸じゃないのだよ、私は。

 狩りは資金稼ぎともしも村を出るときに戦うことになったときの為の訓練だ。ヒロインや仲間が出来たら守れないとだしな。

 やっぱり競う相手が要るのも良いかもしれないな。

 俺のユニークスキルの凄い所を一つ一つご丁寧に熱弁するエレンを見つめ微笑んでしまう。

 エレンはそんな俺の様子に気がつかず何回聞いたかも分からない話を続ける。

「だからあなたのそのユニークスキル【可能性獲得】は凄いの!! 分かった? 自分のスキルの規格外さが!!」

「はいはい。分かりましたよエレン嬢?」

「なによ!! バカにして!!」

「いやいや、滅相もない!! あなたのあのサポートスキル【キュアヒール】の回復速度は流石ですよッ!!」

「あなたは«肉体超再生»があるから必要ないでしょう!! もうッ!!」

「あれそうだっけ?」

「ば、バカにして....もう本気で怒ったんだから!! 再生するならアサルトスキルの一つや二つ当てても良いでしょう!!」

「....それは不味いなぁ。お、村が見えてきたぞ。お先に!!」

「あッ!!待ちなさいよ!!」


 異世界に性転換して不老不死で強力なスキル手に入れたけど、まぁ悪くないかもしれないな。
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