隣の茶髪ギャルが気になる件について!!

潮ノ海月@2025/11月新刊発売予定!

文字の大きさ
10 / 17

10話 加奈と遭遇!

しおりを挟む
マックでセットを食べ、満腹になったのか、朝霧は幸せそうにニコニコしている。
その分、俺の財布の中が軽くなったんだけどな。

同年代の女子と二人で街中を歩くなんて初めてだ。
幼い頃は、妹と一緒によく遊んでいたんだけどな。

意識すると、少し緊張したきたぞ。
深呼吸、深呼吸……

黙ったまま前を向いていると、隣を歩く朝霧が俺の腕を突いてきた。

「美味しかったね」
「そうだろう。俺に感謝しろよ」
「うん……次は私が支払うね」

あれ? また二人でマックに来る流れになってないか?
これは話題の方向を変えておかないと。

「噂が収まるまではダメだろ」
「えー、もう噂になってるんだから、気にしなくて良くない?」
「遠藤先輩のこともあっただろ。そういえば公園で、先輩にキツ過ぎだぞ。付き合ってると勘違いした先輩も悪いけど。朝霧の思わせぶりな態度にも問題がある」
「それって、これからは九条とだけ遊べってこと? 九条がそうしろって言うならそれでもいいけど」
「そうじゃないだろ」

隣を歩く朝霧はニマニマと俺の顔を見上げ、俺の腕に自分の腕を絡ませる。
すると彼女の豊満な胸の感触が、胸に伝わってきた。
朝霧の体温が伝わってくるようで、緊張で前しか向けない。

「おい、離れろって」
「いいでしょ。ここは学校の中じゃないし」
「そういう問題じゃない。誰かに見られたらマズイだろ」
「前も後も、誰も歩いてないんですけど」
「うぅ……」

朝霧は周囲を見回し、ニヤリと笑う。
絶対にからかってるだろ。

「九条を困らせたくないから、今度は皆で遊びにいこうね」
「そうだな。俊司と慎を誘ってみるか」
「その時は輝夜と結衣も誘うね」

しばらく歩いて、俺はハッと気づき、腕を振りほどいて、朝霧から一歩離れた。

「おい、自転車を忘れてきたぞ」
「あー、そういえば乗ってきてたんだったー」

女子と二人という状況に舞い上がって、自転車を忘れるなんて……
またマックに戻らないとダメなのか。

俺が渋い顔をしていると、朝霧が俺の手を握ってきた。

「散歩してたと思えばいいでしょ。マックに着いたら、ジュースでも飲も」
「いや、またマックの寄るのは、ちょっと……」

店員が俺達の顔を覚えていたら、二人でイチャイチャしていると思われるかもしれない。
それはとても恥ずかしい……

ということで道を引き返し、マックに向かう。
店の前を通ると、自動ドアが開き、女子の声が聞こえてきた。

「あれ? お兄ちゃん……」
「あっ……加奈……」

マックから出てきた妹と俺は思わず見つめあう。
妹と一緒に現れた女子達は、「私達、帰るね」と言い残して、スーッと逃げるように去っていった。
すると朝霧が俺に手をギュッと引っ張った。

「二人は知り合いなの?」
「この前、話しただろ。俺の妹だ……」
「えっ……それは挨拶しなくちゃ!」

朝霧は俺の手を放し、スタスタと歩いて加奈の手を握る。

「私、朝霧結奈、九条とは同じクラスなの。今、二人でデートしていて」
「ストーップ! いきなり話を捏造するな!」
「え? 二人で? やっぱり、あの噂はホントだったの?」

加奈は桜蘭高校に通っている一年生。
つまり俺の後輩なのだ。

朝霧は校内でも有名な美少女ギャルだから、学校中に噂は広まっていると思っていたが、一年生達にまで知られていたとは迂闊だった。

俺は内心で焦っているのに、朝霧はニコニコと話しを続ける。

「ホントではないけど、現在進行形って感じ。それよりも九条の妹ちゃん、超可愛いー。私と友達になって」
「朝霧先輩とですか! 光栄です! 是非是非、こちらこそお願いします」

加奈は朝霧の手を握ったまま、ペコペコと会釈した。
その様子に、俺は思わず声をあげる。

「待て待て、勝手に話を進めるな」
「だって九条の妹ちゃんでしょ。だったら私の妹よね」
「どうしてそうなるんだよ!」
「お兄ちゃん、私が朝霧先輩と話してるの」
「それはわかってるけどさ……」
「黙ってないと、夕食、作ってあげないよ」
「はい……」

俺の家は両親共働きで、父親は単身赴任、母親は商業漫画家をしている。
最近は仕事が忙しいらしく、母さんは作業場兼事務所に泊まっていることが多く、ほとんど家に帰ってこない。
なので家事全般を加奈が担当してくれていて、俺の胃袋も妹に管理されている。
つまり俺は、加奈には頭が上がらない状態なのだ。

小さい頃は、お兄ちゃんお兄ちゃんと懐いてくれていたのにな……

引きつった表情で、俺が黙ると、朝霧がニマニマと微笑む。

「私も九条も家に帰るところなの、妹ちゃんも家に帰るのかな? もし、そうなら一緒に帰らない?」
「私のことは加奈と呼んでください。是非、先輩とご一緒させてください」
「うん、加奈ちゃん、可愛いー! 私のことは結菜って呼んでね!」

朝霧は加奈に抱き着き、妹は嬉しそうに笑っている。

俺には、そんな嬉しそうな笑顔を見せたことないぞ。
なぜか理不尽を感じる。

俺達三人は駐輪場で自転車に乗って、道路を走っていく。
前方で、朝霧と加奈は楽しそうに会話している。

しばらくして、俺はあることに気づいた。

「おい、この道って、俺達の家に向かってないか? 朝霧の家も同じ方向なのか?」
「加奈ちゃんと話してて、今日は九条の家で夕食を食べることになったの」
「はぁ? 俺は聞いてないぞ」
「当然でしょ。お兄ちゃんに相談してないもん。料理を作るのは私でしょ」
「それはそうだけどさ……」
「噂のことで結菜さんに迷惑かけてるでしょ。だから私がお詫びしないとダメじゃん」

加奈はなぜか誤解しているようだが、断じて、俺から朝霧に絡んではいないぞ。
いつも朝霧がからかってくるから、それが噂になっただけだ。

妹よ、もっとお兄ちゃんに優しくしてくれよ!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

私の推し(兄)が私のパンツを盗んでました!?

ミクリ21
恋愛
お兄ちゃん! それ私のパンツだから!?

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

【魔法少女の性事情・1】恥ずかしがり屋の魔法少女16歳が肉欲に溺れる話

TEKKON
恋愛
きっとルンルンに怒られちゃうけど、頑張って大幹部を倒したんだもん。今日は変身したままHしても、良いよね?

クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について

沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。 かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。 しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。 現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。 その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。 「今日から私、あなたのメイドになります!」 なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!? 謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける! カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!

処理中です...