「死にたがりは死ね!」

白髪の長島さん

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しあわせなしにかた

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死んで…もらう…? つまりは殺すってことか、そんなことが許されるわけがない。
ただ今のこの状況が非日常的すぎて、なんだか初めて恐怖を感じた。

『ここに集まっていただいたみなさんは、死にたがりなのです。ですので私がその願望を叶えてあげましょうと思いましてねぇ。素敵でしょう?』
いま僕の自己嫌悪がMAXであったら、この提案は喜んでいただろう。あいにく今はそんな死にたい気分ではない。
ここに来て、死にたくないと思っている自分に少し呆れた。

『死ぬ際は自由な死に方を指定できますのでご安心を。1番に死にたい方はいらっしゃいますかねぇ…?』
死ぬ時に安心もクソもねぇよ!と思った。この瞬間にはい死にます!と決められる人はそうそういないだろう。むしろそれは一種の才能なのでは?そんな人は生きるべきだと思うのだが?


少しの沈黙のあと1人の女の子が手を挙げて立ち上がった。今にも死にそうな雰囲気をしている小柄な女の子だ。静かに、それでもしっかりとした足取りで画面の前へ歩いていった。
『おやおや、おじょうちゃんが天国へ一番乗りしますか?』

静かにコクリと頷いた女の子。だらりと垂れた腕にはたくさんの傷跡があった。この子の苦労がひと目でわかるものだ。
『どのように死にたいのですか?指定がなければこちらで選ばせていただきますよ』
「…苦しいのは…もうイヤだ…から。痛くなくて怖くないまま…死にたい……。」
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