1人の少年と託された7つの予言 〜失われた自然〜

MINATO

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第1章 全ての始まり

神社の秘密

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「天沢、まだ着かないのか? かれこれ多分50分は経ってるぞ。」

「あと、もうちょいだ。確かここを左に曲がって…。」


 ずっとこんな調子だ。俺はもう朝の死闘で体力を使い果たしてるってのに、天沢は止まらない。ひたすら険しい山道を進んでいく。


「お! あれじゃないかな!?」


 天沢が呟いたので、俺は目を凝らして前を見た。


「あれだ、あれだ! 着いたぜ、東山!!」


 おいおい、マジか…。俺が思っていたものより100倍立派な神社だ。裏山にこんなのがあったなんて、本当に知らなかった。しかも随分と古そうだし、誰も使ってそうにない。俺はとっさに腕時計を見た。17時か。学校を出発したのが16時ぐらいだったから、1時間も歩いていたことになる。これじゃ本当に冒険だ。まだ、日が暮れるには時間があるけど、日は落ちてきた。


「天沢、ちょっと出直さないか? 日も落ちてきたし、片道1時間かかることを考えると、帰るのが遅くなる。」

「何言ってんだよ、これからが本番だぜ。もちろん、暗くなる前には引き上げるさ!」


 本当に大丈夫かよ…。できれば夕暮れ時の不気味な神社に、中学生2人だけでいたくない。


「さてと、調査開始だ!」


 何をするかと思えば、天沢はビデオカメラを取り出した。


「おいおい、なにする気だ?」

「何って、お前。これで録画するんだよ。本当に出るなら映るハズだろ?」


 そう言って天沢はどこかに行った。全く、あいつの度胸は世界一だ。俺はその場を動かずに、神社を観察することにした。改めて見ると、やっぱりすごい。誰がどう見てもこれは神社だ。でっかい鳥居の上の方には神社の名前が書いてあるけど、薄暗いのと汚れているのとでよく見えない。鳥居の向こうには狛犬がいる。薄暗いのもあって、マジで怖い。観察すればするほど、俺は一刻も早くここから抜け出したくなってきた。そうこう考えていると、ヤツが帰ってきた。


「どうだったよ? 天沢。」

「いやー、それらしきものは、この周りでは映らなかったな。」

「やっぱりデマだったんだよ。帰ろうぜ。」

「いや、まだだ。まだ行ってない所がある。」

「まさか…。」

「そう、鳥居の向こう側さ!」


 頭がおかしいのか。日中だってそんなとこ撮ったら何か映るぞ。何より何かバチが当たりそうだ。


「やめとけって、流石にそれは…。」

「大丈夫だって。せっかくここまで来たんだから、行ってみようぜ。」


 天沢は迷いなく行ってしまった。


「ったく! どうなっても知らないぞ。」


 俺もしぶしぶアイツの後を付いて行った。




 ますます不気味だ。今は17時40分。何か出ても俺は文句を言えない。それに、早くしないとばあちゃん達が心配する。とは言っても、天沢は相変わらず元気だ。


「おかしいなー。何も映らない。所詮は噂だったってことか。」

「そうだよ! さっ、帰ろうぜ。」


 俺が帰ろうと体の向きを変えたその時、天沢が引き止めた。


「東山、あれなんだろ。あの箱。」


 箱? あー、確かに階段の上に何か置いてある。蓋が扉のようになっていて、やろうと思えば開きそうだ。


「まさか…、お前…。」

「開けてみよぜ、せっかくだし…。」

「バカ! そんなのお前…」


 遅かった。言い切る前に天沢は開けてしまった。俺は離れた所から聞いてみた。


「何が入ってた?」

「幽霊!!! と言いたいとこだが、何も入ってないな。」

「そっか、んじゃ帰るぞ!」

「おう!」


 俺たちは、行きよりも早足で来た道を帰って行った。今は17時50分。
 箱の蓋は開いたまんまだった。
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