7 / 9
第2章 もう1つの世界
思い描くままに
しおりを挟む
だいぶ霧が濃くなってきた。たぶんここら辺は、崖から見えたちょうど霧で見えなかった部分なんだろう。それにしても、やっぱりここは違う世界なんだと改めて実感した。道中では川が緩やかに流れ、爽やかな風が吹いていた。それに、季節はわからないけど綺麗な植物がいっぱいだった。神秘的っていうのはこういうことなんだなと思った。
「もう目の前よ。」
シルウァさんは少し急ぎ足だ。崖から落ちてからここまでどれくらい時間がかかったのか知りたいけど、それがわからない。割とすぐ気づいたんだけど、腕時計が18時30分で止まったままなんだ。壊れたのかなぁ? まぁ、とにかくあてにはならないってことだけは確かだ。それにしても、霧がホントに濃くなってきた。前にいるシルウァさんを見失わないように、俺は全神経を集中させていた。ここに来て迷子ってのはちょっと御免だ。
「これか…」
霧の中から建物がうっすらと見えてきた。すごい…。なんていうか、神殿というだけあって迫力がある。天沢と見つけた神社とは違って、恐怖は感じなかった。これを幻想的っていうのかな…。
「後で話すけど、ここは創造神と繋がっている場所なの。心を落ち着けていてね。」
「わかりました。」
とにかく、とっても神聖な場所みたいだ。見ればわかるけど…。それにしても、ここから中に入るのかな? 門みたいなのは閉まってるけど。
「シルウァでございます。ウィリディス様。例の子を連れて参りました。」
すると、門が勝手に開いた。考えない、考えない。たかがシルウァさんが周りに誰もいないのに、誰かに話しかけて門が勝手に開いただけじゃないか…。気にしない、気にしない。
「さぁ、入るわよ。」
シルウァさんのあとを追って階段を上り、俺は神殿の中に入った。
おぉ、すごい…。俺は周りを見渡していた。門が閉まったときはどうなるかと思ったけど、中が暗くなることはなかった。奥の通路の方からの淡い青色の光が神殿の中を照らしてくれている。そんなに明るくはないけど。
今、俺とシルウァさんは円形の広間みたいなところにいる。そこから1本の通路が出ていて、淡い光と滝?の音が漏れている。それと、よく見ると俺が立っている床には細かい溝があって水が流れていた。
「あの滝から流れ出ている水よ。心配しないで。」
全く、この人は俺の考えが読めるのだろうか。
「あの滝が目的地。行くわよ。」
「はい。」
俺は広間から通路を通って、滝の音が聞こえる方へと歩いた。
「やっと着いた…。始めるよ。」
滝が神殿の中にあるってことは…。外の岩場とかとくっついてるのかな…。いいっか、そんなことは。って、シルウァさん今何て言った?
「東山くん。今から君にこの滝の力を取り込んでもらう。」
「取り込む!?」
なんだ。取り込むって…。
「大丈夫よ。取り込むといっても浴びてもらうだけだから。
「あぁ、なるほど…。」
「良い? 浴びたらわかると思うけど、心で思い描いたものを素直にぶつけるのよ。自分に嘘をついてはだめ。」
「は、はい?」
全然意味がわからない。
「さっ、早く。時間は限られているの。」
「ちょっ、服着たままなんですけど良いんですか?」
「大丈夫よ。私はあの広間で待ってるから決着が着いたら来てね。」
もうわけがわからない。
「えっ、ちょっ、待って…」
そのとき、シルウァさんからまたあのオーラみたいなのが出て、俺のことを滝の方へと突き飛ばした。そして、視界が真っ暗になった。
滝の中だよな?…。俺は水の中にいた。何も見えない。苦しい.....息もできないし、体も動かない。誰か、助けて…。
(お前は、何を思い浮かべる?)
誰だ?..........頭の中に直接響いてくる。思い浮かべるものを......素直にぶつける......。なぜか、そのとき心に浮かんできたものは、家,ばあちゃん,じいちゃん,父さん,友達,........ではなく、裏山で遊んでいる俺だった。小さい頃から裏山が唯一の遊び場だった。頂上まで登って景色を一望し、風に吹かれる。これほど爽快で心が晴れる瞬間はない。
俺は、山が、風が、緑が、自然が大好きだ。あの景色を眺めながらそよ風に吹かれる感覚が鮮明になってきた。と、同時に体が熱くなってきて、体の内側から爆発した気がした。
「グハッ。ガハッ、ハァーーー、ハァー。」
何も見えない。でも、何かがどんどん俺を取り巻いてくるのがわかる。少しずつだけど体の中に入ってくる。俺は深呼吸をした。その取り巻いてくるものを呼ぶようにして、手を、そして全身を舞うようにして動かした。取り巻いてくるものがなくなったとき、視界も晴れた。
「シルウァさん!?」
俺の目の前にはシルウァさんが立っていた。
「予想以上ね.....どんな気分?」
「えっと…。」
どう言えば良いんだろう。
「そうですね......もう1回あの崖から飛び降りれる気がしてきました。」
「フフッ、自分の姿をよく見てみて。」
「姿?」
体を見てみた。
「うゎ!!! 光ってる!!!!」
俺の体は、まるでシルウァさんが最初に現れたときの姿みたいに輝いていた。それも、同じようにエメラルドグリーン色に。
「とにかく、これでやっと話ができるわ。神殿からすぐそこに眺めが良い所があるの。そこに移動しましょ?」
「わかりました!」
やっと知ることができる。今までのことも。ここのことも。俺が一体何者なのかも…。
「もう目の前よ。」
シルウァさんは少し急ぎ足だ。崖から落ちてからここまでどれくらい時間がかかったのか知りたいけど、それがわからない。割とすぐ気づいたんだけど、腕時計が18時30分で止まったままなんだ。壊れたのかなぁ? まぁ、とにかくあてにはならないってことだけは確かだ。それにしても、霧がホントに濃くなってきた。前にいるシルウァさんを見失わないように、俺は全神経を集中させていた。ここに来て迷子ってのはちょっと御免だ。
「これか…」
霧の中から建物がうっすらと見えてきた。すごい…。なんていうか、神殿というだけあって迫力がある。天沢と見つけた神社とは違って、恐怖は感じなかった。これを幻想的っていうのかな…。
「後で話すけど、ここは創造神と繋がっている場所なの。心を落ち着けていてね。」
「わかりました。」
とにかく、とっても神聖な場所みたいだ。見ればわかるけど…。それにしても、ここから中に入るのかな? 門みたいなのは閉まってるけど。
「シルウァでございます。ウィリディス様。例の子を連れて参りました。」
すると、門が勝手に開いた。考えない、考えない。たかがシルウァさんが周りに誰もいないのに、誰かに話しかけて門が勝手に開いただけじゃないか…。気にしない、気にしない。
「さぁ、入るわよ。」
シルウァさんのあとを追って階段を上り、俺は神殿の中に入った。
おぉ、すごい…。俺は周りを見渡していた。門が閉まったときはどうなるかと思ったけど、中が暗くなることはなかった。奥の通路の方からの淡い青色の光が神殿の中を照らしてくれている。そんなに明るくはないけど。
今、俺とシルウァさんは円形の広間みたいなところにいる。そこから1本の通路が出ていて、淡い光と滝?の音が漏れている。それと、よく見ると俺が立っている床には細かい溝があって水が流れていた。
「あの滝から流れ出ている水よ。心配しないで。」
全く、この人は俺の考えが読めるのだろうか。
「あの滝が目的地。行くわよ。」
「はい。」
俺は広間から通路を通って、滝の音が聞こえる方へと歩いた。
「やっと着いた…。始めるよ。」
滝が神殿の中にあるってことは…。外の岩場とかとくっついてるのかな…。いいっか、そんなことは。って、シルウァさん今何て言った?
「東山くん。今から君にこの滝の力を取り込んでもらう。」
「取り込む!?」
なんだ。取り込むって…。
「大丈夫よ。取り込むといっても浴びてもらうだけだから。
「あぁ、なるほど…。」
「良い? 浴びたらわかると思うけど、心で思い描いたものを素直にぶつけるのよ。自分に嘘をついてはだめ。」
「は、はい?」
全然意味がわからない。
「さっ、早く。時間は限られているの。」
「ちょっ、服着たままなんですけど良いんですか?」
「大丈夫よ。私はあの広間で待ってるから決着が着いたら来てね。」
もうわけがわからない。
「えっ、ちょっ、待って…」
そのとき、シルウァさんからまたあのオーラみたいなのが出て、俺のことを滝の方へと突き飛ばした。そして、視界が真っ暗になった。
滝の中だよな?…。俺は水の中にいた。何も見えない。苦しい.....息もできないし、体も動かない。誰か、助けて…。
(お前は、何を思い浮かべる?)
誰だ?..........頭の中に直接響いてくる。思い浮かべるものを......素直にぶつける......。なぜか、そのとき心に浮かんできたものは、家,ばあちゃん,じいちゃん,父さん,友達,........ではなく、裏山で遊んでいる俺だった。小さい頃から裏山が唯一の遊び場だった。頂上まで登って景色を一望し、風に吹かれる。これほど爽快で心が晴れる瞬間はない。
俺は、山が、風が、緑が、自然が大好きだ。あの景色を眺めながらそよ風に吹かれる感覚が鮮明になってきた。と、同時に体が熱くなってきて、体の内側から爆発した気がした。
「グハッ。ガハッ、ハァーーー、ハァー。」
何も見えない。でも、何かがどんどん俺を取り巻いてくるのがわかる。少しずつだけど体の中に入ってくる。俺は深呼吸をした。その取り巻いてくるものを呼ぶようにして、手を、そして全身を舞うようにして動かした。取り巻いてくるものがなくなったとき、視界も晴れた。
「シルウァさん!?」
俺の目の前にはシルウァさんが立っていた。
「予想以上ね.....どんな気分?」
「えっと…。」
どう言えば良いんだろう。
「そうですね......もう1回あの崖から飛び降りれる気がしてきました。」
「フフッ、自分の姿をよく見てみて。」
「姿?」
体を見てみた。
「うゎ!!! 光ってる!!!!」
俺の体は、まるでシルウァさんが最初に現れたときの姿みたいに輝いていた。それも、同じようにエメラルドグリーン色に。
「とにかく、これでやっと話ができるわ。神殿からすぐそこに眺めが良い所があるの。そこに移動しましょ?」
「わかりました!」
やっと知ることができる。今までのことも。ここのことも。俺が一体何者なのかも…。
0
あなたにおすすめの小説
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
「魔物の討伐で拾われた少年――アイト・グレイモント」
(イェイソン・マヌエル・ジーン)
ファンタジー
魔物の討伐中に見つかった黄金の瞳の少年、アイト・グレイモント。
王宮で育てられながらも、本当の冒険を求める彼は7歳で旅に出る。
風の魔法を操り、師匠と幼なじみの少女リリアと共に世界を巡る中、古代の遺跡で隠された力に触れ——。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる