1人の少年と託された7つの予言 〜失われた自然〜

MINATO

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第2章 もう1つの世界

選択

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 最強? あの怪物を見ただけで腰が抜けそうになったこの俺が?


「君は私以上の潜在能力を秘めている。自分の姿をもう1度よく見て。」


 違和感がなさすぎて忘れていた。確かに俺の体はシルウァさんと同じように、エメラルドグリーン色に輝いていた。


「それが何よりの証拠。滝の力を受けただけで、君の想像者としての潜在能力が溢れ出しているのよ。」


 急にそんなこと言われても頭の整理がつかない。俺はどうすれば良いんだ?


「そんな顔しないで。安心して。君には私とは違って選択する権利が与えられている。」

「選択?」


 シルウァさんは岩から立ち上がった。それでもって、取り巻くオーラみたいなのが強く輝き出した。


「そう....君には2つの道が用意されている。1つは、今日起こった出来事を全て忘れて元の生活に戻る道。24時間後にその普通の人間には見えないオーラと共に記憶は消える。要するに、待てば良いってことね。」


 良かった。ただ待てば良い....。たったそれだけで、今までの記憶が全部消えて元の生活に戻れるなら、何を迷う必要がある? 絶対にこっちだ。


「そして、2つ目の道....。それは私たち想像者になること。さっきも言ったけど、君は歴代最強の想像者になれる素質がある。ただし、またあんな怪物たちと会うことになる。それ以上の怖い思いもたくさんする。ただね.....」

「ただ?」

「想像者には創造神から予言を託されるんだけど、その予言を果たしたとき、自分の願いを1つだけ叶えることができるの。ただし、条件もある。その予言が命に関わる試練であったときのみの場合。そして、叶えたい願いもそれに見合ったものじゃないとダメっていうね。」


 願いを叶えられる....そうさ、神様は本当にいたんだ。でも、そこまでして叶えたい願いなんて俺にはない。


「どちらの道を選ぶかは東山くんの自由。私からどうこう言えるものじゃない。あっ、そうだ。1つ目の道を選んだとしても、もうあんな怪物に襲われることは2度とないからね。それは私が想像者たちを代表して約束する。あと、2つ目を選ぶと決めたのなら、心の中で"ルクス"と唱えて。そしたらまたここに来られるから。」


 そのとき、突然強い風が吹いてきた。


「おっと、そろそろ時間のようね....。これだけは忘れないで。どちらを選択したところで、誰も君を責めることはないから......」


 風がさらに強くなってきた。目を開けておくことすらできない…。息をするのも苦しい…。
 その瞬間、目の前が真っ暗になった....。







 声が聞こえる...俺の名前を呼んでいる気がする。


「隼ちゃん? 隼ちゃん!?」


 この声は....あっ。


「ばあちゃん!!!」


 ばあちゃんだ…。俺は周りを見渡した。良かった…どうやら無事に家に帰れたらしい。


「一体どうしたの。なかなか帰ってこないと思って心配して外に出たら、家の前で倒れてたのよ?」


 そうだ! 時間!! 今何時だ!? 俺の腕時計は壊れている。


「ばあちゃん! 今って何時!?」

「時間? 18時半ぐらいじゃないの?」


 嘘だろ....そんなはずないぞ。俺は向こうの世界に1時間以上はいた気がする。


「何よ、そんな化け物でも見たような顔しちゃって。自分の腕時計を見てごらんなさい。」


 俺の腕時計は壊れている…ってあれ、普通に動いている。示していたのは18時35分だった。


「だいぶ疲れているようね。また、天沢くんと何か悪さしてきたの?」


 俺はとにかく冷静にいつも通りを演じた。


「ま、まさか! ごめん、ごめん。ちょっと山で遊び過ぎちゃってさ。」

「ホントに? まぁ、無事なら良かった。早く手洗いなさい。夕飯できてるのよ。」

「はーーい。」


 何とか誤魔化せたらしい。そっか、今までのことは夢だったんだ....そう考えたかったけど、俺の光った体がその考えをぶち壊した。まぁ、いいや…。夕飯食べて風呂入って寝て忘れよっと! 


「ばあちゃーん。今日の夕飯って何ー??」


 俺は走って家の中に入っていった。
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