3 / 10
サルヴィ地下迷宮
しおりを挟む
超越者ハイマスター級冒険者という生物の枠を越えた人類を持ってしてもこの世界には4大魔境と呼ばれる人類の手の出せない地域が存在する。
亜人が跳梁跋扈する亜人の支配地域【霧の城】
この世ならざる生命体の楽園【腐海】
規格外の化け物だらけの【暗黒大陸】
そして、【サルヴィ地下迷宮】
挑戦者は初めに地下100層に落とされ地上へ登っていく。地上に近づく程敵が際限なく強化される事と一度入ってしまえばクリアまで出られない事、2つの特徴により世界最高難度とも呼べるダンジョンであり人類の歴史を通しても踏破者は片手の指で足りる程度だ。
その入口を落下する竜人が一人。
憂いや深謀という言葉の似合う聖職者の様な容姿と佇まい。
金剛石ダイヤモンドを溶かした様な髪、そしてお伽噺の聖女そのものな容姿に似つかわしくないダイヤモンドそのものでできた鱗と角と翼を持つ異形。
言うまでもなく君だ。
「わたし、飛べない!助けて!」
君は醜い悲鳴を上げながら落下していた。
竜人なのに飛べないのかよとか元男なのにナチュラルに一人称がわたしなのかよとか色々言いたいことはあるが君の奇行にいちいち突っ込むとそれだけで話が終わるので省略する。
理由は単純。氷精霊を食った後美味かったので別の氷精霊をおかわりしようと追いかけ回していたら地面にぽっかり空いた穴に落ちただけである。
まさにホームラン級のバカである。
その穴がダンジョンの入口であった事、しかも世界屈指の難易度の迷宮である【サルヴィ地下迷宮】であった事は不運であったが大体自業自得だ。
地下に落下した直後君の前に現れたのは3体のゴブリンだ。
敵を視認したことで君の思考回路も落下の混乱を振り払い殺す、食うの2語に切り替わる。
交戦開始後10秒経って分かった事は二つ
地上では君のおやつとなっていたゴブリンですら地下では普通に地上の下位竜種に匹敵する戦闘力を持つ事。
地上では無敵の生命体であった君もここでは普通に弱者の部類だと言う事。
地上では下位亜人ゴブリンは上位亜人ドラゴニュートである君にビビっておやつの様な扱いを受けても逃げ出すだけだった。
それがどうだろう、ここのゴブリンは明確に君を敵と認識している。
さらに地上では人間の子供レベルであった膂力と連携は人間の戦士に匹敵するであろう膂力と連携にまで強化されている。
そしてゴブリン特有の悪知恵と狡猾さ、卑怯さは知恵と技術と聡明さに変化している。というかはっきり言って君よりも頭は良いだろう。
しかし襲ってきたゴブリンの特徴も分かってきた。
飛び道具を扱う能力に長けたメスのゴブリンと近接戦闘能力に長け知能を犠牲に攻防体格ついでに速度に割り振った様な巨大なゴブリン、そして明らかに他の二体とは異質なオーラを纏う黒いゴブリンの3体だ。
特に黒いのはヤバかった。
君の舐め腐って適当に出した攻撃を受け流し鉄山靠で反撃して君の意識を奪いかけるわ毒の塗られた短剣を君の肝臓に突き刺すわ龍鱗で覆った君の指を食いちぎって食うわお前本当にゴブリンか?と言うほどに凶悪な戦闘力をしていた。
物理攻撃をほぼカットするだけでなく魔術属性攻撃ブレス呪い状態異常に対しても高い耐性を得る【龍鱗】
耐性をある程度貫通し手傷を与え、与えた傷への治癒を阻害する【龍爪】
龍爪と同じく耐性貫通効果を持ち一定確率で噛みついた相手を即死させる―これだけでも凶悪なのに【暴食】による食らう事関係全てにボーナスが乗る特性が適用されるため防御はほぼ不可能な噛みつきである【龍牙】
強力すぎて封印していたこれらのスキルを全て解禁してやっと倒しきれた。
ほぼなんでも美味しくいただける君の味覚を持ってしても美味くも不味くもない微妙な味だったので君はがっかりした。
「能力習得【暗視】」というアナウンスが流れた。
君は得られた能力の考察をする。
暗視能力は敵の視界を奪って―煙幕等で―いけば一方的に相手を視認できる状況を作れる。
その上擬似的な暗闇耐性―実際ゴブリンは暗闇に耐性を持つ―を得られる、これは便利だと君は両手を叩いて喜んだ。
クソアホの癖して戦闘関係だと無駄に知恵の回る君は新たな能力の応用を考えるのが大好きなのだ。
亜人が跳梁跋扈する亜人の支配地域【霧の城】
この世ならざる生命体の楽園【腐海】
規格外の化け物だらけの【暗黒大陸】
そして、【サルヴィ地下迷宮】
挑戦者は初めに地下100層に落とされ地上へ登っていく。地上に近づく程敵が際限なく強化される事と一度入ってしまえばクリアまで出られない事、2つの特徴により世界最高難度とも呼べるダンジョンであり人類の歴史を通しても踏破者は片手の指で足りる程度だ。
その入口を落下する竜人が一人。
憂いや深謀という言葉の似合う聖職者の様な容姿と佇まい。
金剛石ダイヤモンドを溶かした様な髪、そしてお伽噺の聖女そのものな容姿に似つかわしくないダイヤモンドそのものでできた鱗と角と翼を持つ異形。
言うまでもなく君だ。
「わたし、飛べない!助けて!」
君は醜い悲鳴を上げながら落下していた。
竜人なのに飛べないのかよとか元男なのにナチュラルに一人称がわたしなのかよとか色々言いたいことはあるが君の奇行にいちいち突っ込むとそれだけで話が終わるので省略する。
理由は単純。氷精霊を食った後美味かったので別の氷精霊をおかわりしようと追いかけ回していたら地面にぽっかり空いた穴に落ちただけである。
まさにホームラン級のバカである。
その穴がダンジョンの入口であった事、しかも世界屈指の難易度の迷宮である【サルヴィ地下迷宮】であった事は不運であったが大体自業自得だ。
地下に落下した直後君の前に現れたのは3体のゴブリンだ。
敵を視認したことで君の思考回路も落下の混乱を振り払い殺す、食うの2語に切り替わる。
交戦開始後10秒経って分かった事は二つ
地上では君のおやつとなっていたゴブリンですら地下では普通に地上の下位竜種に匹敵する戦闘力を持つ事。
地上では無敵の生命体であった君もここでは普通に弱者の部類だと言う事。
地上では下位亜人ゴブリンは上位亜人ドラゴニュートである君にビビっておやつの様な扱いを受けても逃げ出すだけだった。
それがどうだろう、ここのゴブリンは明確に君を敵と認識している。
さらに地上では人間の子供レベルであった膂力と連携は人間の戦士に匹敵するであろう膂力と連携にまで強化されている。
そしてゴブリン特有の悪知恵と狡猾さ、卑怯さは知恵と技術と聡明さに変化している。というかはっきり言って君よりも頭は良いだろう。
しかし襲ってきたゴブリンの特徴も分かってきた。
飛び道具を扱う能力に長けたメスのゴブリンと近接戦闘能力に長け知能を犠牲に攻防体格ついでに速度に割り振った様な巨大なゴブリン、そして明らかに他の二体とは異質なオーラを纏う黒いゴブリンの3体だ。
特に黒いのはヤバかった。
君の舐め腐って適当に出した攻撃を受け流し鉄山靠で反撃して君の意識を奪いかけるわ毒の塗られた短剣を君の肝臓に突き刺すわ龍鱗で覆った君の指を食いちぎって食うわお前本当にゴブリンか?と言うほどに凶悪な戦闘力をしていた。
物理攻撃をほぼカットするだけでなく魔術属性攻撃ブレス呪い状態異常に対しても高い耐性を得る【龍鱗】
耐性をある程度貫通し手傷を与え、与えた傷への治癒を阻害する【龍爪】
龍爪と同じく耐性貫通効果を持ち一定確率で噛みついた相手を即死させる―これだけでも凶悪なのに【暴食】による食らう事関係全てにボーナスが乗る特性が適用されるため防御はほぼ不可能な噛みつきである【龍牙】
強力すぎて封印していたこれらのスキルを全て解禁してやっと倒しきれた。
ほぼなんでも美味しくいただける君の味覚を持ってしても美味くも不味くもない微妙な味だったので君はがっかりした。
「能力習得【暗視】」というアナウンスが流れた。
君は得られた能力の考察をする。
暗視能力は敵の視界を奪って―煙幕等で―いけば一方的に相手を視認できる状況を作れる。
その上擬似的な暗闇耐性―実際ゴブリンは暗闇に耐性を持つ―を得られる、これは便利だと君は両手を叩いて喜んだ。
クソアホの癖して戦闘関係だと無駄に知恵の回る君は新たな能力の応用を考えるのが大好きなのだ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
4
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる