10 / 36
第1章 リオン・ムーン・ヴィエルジュ編
第7話:リオクリの芽吹き
しおりを挟む
目が覚めると、そこは見慣れた自室だった。
頭痛が酷く、全身に筋肉痛が走っている。ディアは頭を抱え、現状を確認した。
(いたた。私、今まで眠っていたのかしら? えぇっと……目が覚める前、確かリオンと一緒にウッドサーペントに立ち向かっていて……。あぁ、融合魔法の反動で気絶してしまったのかもしれないわね。ゲームでもそのような描写があったような……)
「ディア?」
ヒヤリと冷たい声にディアの肩が揺れる。どうやら丁度、リオンが部屋に入ってきていたらしい。その手には軽食が乗ったトレーがあった。
まさか、あのリオンがディアに食事を持ってくるとは。ディアは驚いて、そのまま固まってしまった。リオンの方も同じく固まっていて、珍しく驚いているようだった。
ディアはなんとかそんな彼に声をかけようとしたが、喉がカラカラで上手く言葉がでなかった。
「ごほっ、ごほっ」
「っ! 水を飲め。お前は三日も眠っていたんだ。喉が渇いて当然だろう」
「えぇ!? 三日も!?」
はた、と思い出す。そういえば初めて融合魔法を成功させた主人公もそのくらい意識を失っていたような気がする。
まさか融合魔法の代償がこれほど大きいとは……。喉はカラカラ、お腹もぺこぺこ、おまけに頭痛は酷いし、最悪である。
リオンはサイドテーブルにトレーを置く。どうやら冷静さを取り戻したようだ。
──そして、ディアに頭を下げたのだ。
「すまなかった。俺のせいで、お前を危険に晒した」
「え!? お、お兄様!? そ、そんな……頭を上げてください!」
「簡単に許されるものとは思っていない。お前を殺しかけたも同然なのだから。いくらでも罵ってくれて構わない。ぶってくれても構わない。お前の気が済むなら」
「そ、そんなことしませんわ! 今までの私の言動は、お兄様に嫌われて当然のものでしたから。それよりもお兄様。私達、あの後……」
「あぁ。実は前もって父上に事情を話した上で、ディアの救助に出向いたんだ。だからあの後、すぐに救助が来た」
「なるほど。だからあの時、もう少しで助けが来るとおっしゃったのですね。流石、お兄様ですわ!」
「……そもそもお前を森に行かせたのは俺だ」
リオンは眉を顰めて、俯いた。
相当、後悔しているのだろう。ゲーム本編でも、彼は正義感が強い人間として描かれていた。
そんな彼にディアは思わず口角が上がる。
「もういいのです。私はお兄様を責めるつもりはありません。そうして謝罪していただけただけでも嬉しいですわ。──それよりもお兄様、約束を忘れていませんわね?」
「なに?」
「忘れたとは言わせませんわよ?」
ディアは森へ行く際に持ち歩いていた小袋を取り出した。その中から、ボロボロの水色に輝く花冠が落ちて出る。ディアの魔力に反応し、微かに輝くそれは明らかに魔花であった。
リオンの目が丸くなった。
「これは……。ディア、お前、いつの間に?」
「ウッドサーペントの身体には魔植物がたっくさん生えていましたからね。一つくらい掴み取れますわよ。まぁ、とにかく必死で、こんなにボロボロになってしまいましたが」
「はは、はははっ! お前には敵わないな。しかし、魔法の稽古なら俺よりもいい教師を父上が……」
「いいえ、お兄様でなくては駄目なのです! お兄様の魔法は世界一ですもの!」
それは、心からディアが思ったことだった。
共にウッドサーペントに立ち向かったリオンの氷魔法は本当に凄まじかった。
ゲームの終盤に出てくるような、いわば中ボスを相手に魔法初心者のディアが生き残ったのはほとんどリオンのおかげだ。これは前世の画面越しでは分からないことだろう。目の前でそう感じたからこそ、ゲームのキャラクターとしてではなく、一人の魔法使いとしてディアは彼に憧れるようになった。
……と、そんなディアの嘘偽りない賞賛を浴びて、リオンは一瞬石のようになり──耳まで真っ赤に染まった。ここまで動揺した彼の表情をディアは初めて見た。
「ば、ば、馬鹿者。世界一だなんて、そ、そんなわけないだろう! おだてるな!」
「そんなことありませんわ! お兄様の魔法は世界で一番カッコよかったですわ! 私を助けてくださった時の氷魔法の美しさといったら……命の危機だというのに見惚れてしまう程でしたし、それに……」
「も、もももういい! 分かった、分かったから! お前の容態が落ち着いたら稽古をつけてやるから、それ以上俺を褒めるんじゃない!」
「あら、お兄様ったら。お顔が真っ赤ですわよ?」
するとそこで、ノック音が響いた。ドアの方を見れば、クリスがこちらを見てキョトンとしている。
「ディアがネアンの森で怪我をしたと聞いて慌てて来てみれば……。随分、兄妹仲がいいみたいですね? 僕はお邪魔だったかな」
「クリス様っ! そ、そんなわけありませんわっ! クリス様がお邪魔だなんて! お見舞いに来てくださったんですの? 嬉しい! 推しのご尊顔より強いオタクの回復アイテムはありませんもの!」
「オタク??」
「はっ! な、なんでもありませんわ、おほほ。とにかく来てくださってありがとうございます」
クリスの顔を見た瞬間、ディアの瞳が途端に輝きだす。
それに気づいたリオンはムッと今まで感じたことのない複雑な感情を覚えた。
「そうだわ! クリス様、実は今後お兄様に魔法の稽古をつけてもらうことにしましたの。よろしければクリス様もご一緒にどうですか?」
「こ、コラ、ディア。クリス殿下は既に国一番の魔法使いの下で鍛錬なさっているんだぞ! わざわざ俺に習うまでもないだろう」
「いや、そんなことはないよ。魔法というものは人によって鍛錬方法や習得方法が大きく変わるからね。様々な人の魔法を学ぶのは無駄なことではないさ。そうだね、リオン殿の稽古には僕も興味があるよ。リオン殿、駄目かな?」
「え、えぇ。殿下がそうおっしゃるのならば、私は構いませんが……」
「んんんっ!!」
思わずディアは鼻を抑えた。溢れ出る萌えが血液となって、ディアの鼻から漏れだしそうになったからだ。
(こ、ここ、これは──く、く、クリス様がリオンに興味を示している!? つまりリオクリ(リオン×クリス)の始まりの予感!? クールでちょっぴりサディストなリオンが自分を慕ってくれる子犬系のクリス様の可愛さに、思わず加虐心が擽られて……なんて展開だったら私得!! はぁはぁ、この恋の芽は、一体どんな萌えを咲かせてくれるのかしら! か、考えるだけでも鼻血が止まらない……! リオクリ最高! リオクリ万歳!! ドチャシコビッグバンンンンンン!!)
──そんなディアの薔薇が咲く妄想をよそに、クリスの視線がディア自身に熱く注がれていることを、彼女はまだ気づかない。
頭痛が酷く、全身に筋肉痛が走っている。ディアは頭を抱え、現状を確認した。
(いたた。私、今まで眠っていたのかしら? えぇっと……目が覚める前、確かリオンと一緒にウッドサーペントに立ち向かっていて……。あぁ、融合魔法の反動で気絶してしまったのかもしれないわね。ゲームでもそのような描写があったような……)
「ディア?」
ヒヤリと冷たい声にディアの肩が揺れる。どうやら丁度、リオンが部屋に入ってきていたらしい。その手には軽食が乗ったトレーがあった。
まさか、あのリオンがディアに食事を持ってくるとは。ディアは驚いて、そのまま固まってしまった。リオンの方も同じく固まっていて、珍しく驚いているようだった。
ディアはなんとかそんな彼に声をかけようとしたが、喉がカラカラで上手く言葉がでなかった。
「ごほっ、ごほっ」
「っ! 水を飲め。お前は三日も眠っていたんだ。喉が渇いて当然だろう」
「えぇ!? 三日も!?」
はた、と思い出す。そういえば初めて融合魔法を成功させた主人公もそのくらい意識を失っていたような気がする。
まさか融合魔法の代償がこれほど大きいとは……。喉はカラカラ、お腹もぺこぺこ、おまけに頭痛は酷いし、最悪である。
リオンはサイドテーブルにトレーを置く。どうやら冷静さを取り戻したようだ。
──そして、ディアに頭を下げたのだ。
「すまなかった。俺のせいで、お前を危険に晒した」
「え!? お、お兄様!? そ、そんな……頭を上げてください!」
「簡単に許されるものとは思っていない。お前を殺しかけたも同然なのだから。いくらでも罵ってくれて構わない。ぶってくれても構わない。お前の気が済むなら」
「そ、そんなことしませんわ! 今までの私の言動は、お兄様に嫌われて当然のものでしたから。それよりもお兄様。私達、あの後……」
「あぁ。実は前もって父上に事情を話した上で、ディアの救助に出向いたんだ。だからあの後、すぐに救助が来た」
「なるほど。だからあの時、もう少しで助けが来るとおっしゃったのですね。流石、お兄様ですわ!」
「……そもそもお前を森に行かせたのは俺だ」
リオンは眉を顰めて、俯いた。
相当、後悔しているのだろう。ゲーム本編でも、彼は正義感が強い人間として描かれていた。
そんな彼にディアは思わず口角が上がる。
「もういいのです。私はお兄様を責めるつもりはありません。そうして謝罪していただけただけでも嬉しいですわ。──それよりもお兄様、約束を忘れていませんわね?」
「なに?」
「忘れたとは言わせませんわよ?」
ディアは森へ行く際に持ち歩いていた小袋を取り出した。その中から、ボロボロの水色に輝く花冠が落ちて出る。ディアの魔力に反応し、微かに輝くそれは明らかに魔花であった。
リオンの目が丸くなった。
「これは……。ディア、お前、いつの間に?」
「ウッドサーペントの身体には魔植物がたっくさん生えていましたからね。一つくらい掴み取れますわよ。まぁ、とにかく必死で、こんなにボロボロになってしまいましたが」
「はは、はははっ! お前には敵わないな。しかし、魔法の稽古なら俺よりもいい教師を父上が……」
「いいえ、お兄様でなくては駄目なのです! お兄様の魔法は世界一ですもの!」
それは、心からディアが思ったことだった。
共にウッドサーペントに立ち向かったリオンの氷魔法は本当に凄まじかった。
ゲームの終盤に出てくるような、いわば中ボスを相手に魔法初心者のディアが生き残ったのはほとんどリオンのおかげだ。これは前世の画面越しでは分からないことだろう。目の前でそう感じたからこそ、ゲームのキャラクターとしてではなく、一人の魔法使いとしてディアは彼に憧れるようになった。
……と、そんなディアの嘘偽りない賞賛を浴びて、リオンは一瞬石のようになり──耳まで真っ赤に染まった。ここまで動揺した彼の表情をディアは初めて見た。
「ば、ば、馬鹿者。世界一だなんて、そ、そんなわけないだろう! おだてるな!」
「そんなことありませんわ! お兄様の魔法は世界で一番カッコよかったですわ! 私を助けてくださった時の氷魔法の美しさといったら……命の危機だというのに見惚れてしまう程でしたし、それに……」
「も、もももういい! 分かった、分かったから! お前の容態が落ち着いたら稽古をつけてやるから、それ以上俺を褒めるんじゃない!」
「あら、お兄様ったら。お顔が真っ赤ですわよ?」
するとそこで、ノック音が響いた。ドアの方を見れば、クリスがこちらを見てキョトンとしている。
「ディアがネアンの森で怪我をしたと聞いて慌てて来てみれば……。随分、兄妹仲がいいみたいですね? 僕はお邪魔だったかな」
「クリス様っ! そ、そんなわけありませんわっ! クリス様がお邪魔だなんて! お見舞いに来てくださったんですの? 嬉しい! 推しのご尊顔より強いオタクの回復アイテムはありませんもの!」
「オタク??」
「はっ! な、なんでもありませんわ、おほほ。とにかく来てくださってありがとうございます」
クリスの顔を見た瞬間、ディアの瞳が途端に輝きだす。
それに気づいたリオンはムッと今まで感じたことのない複雑な感情を覚えた。
「そうだわ! クリス様、実は今後お兄様に魔法の稽古をつけてもらうことにしましたの。よろしければクリス様もご一緒にどうですか?」
「こ、コラ、ディア。クリス殿下は既に国一番の魔法使いの下で鍛錬なさっているんだぞ! わざわざ俺に習うまでもないだろう」
「いや、そんなことはないよ。魔法というものは人によって鍛錬方法や習得方法が大きく変わるからね。様々な人の魔法を学ぶのは無駄なことではないさ。そうだね、リオン殿の稽古には僕も興味があるよ。リオン殿、駄目かな?」
「え、えぇ。殿下がそうおっしゃるのならば、私は構いませんが……」
「んんんっ!!」
思わずディアは鼻を抑えた。溢れ出る萌えが血液となって、ディアの鼻から漏れだしそうになったからだ。
(こ、ここ、これは──く、く、クリス様がリオンに興味を示している!? つまりリオクリ(リオン×クリス)の始まりの予感!? クールでちょっぴりサディストなリオンが自分を慕ってくれる子犬系のクリス様の可愛さに、思わず加虐心が擽られて……なんて展開だったら私得!! はぁはぁ、この恋の芽は、一体どんな萌えを咲かせてくれるのかしら! か、考えるだけでも鼻血が止まらない……! リオクリ最高! リオクリ万歳!! ドチャシコビッグバンンンンンン!!)
──そんなディアの薔薇が咲く妄想をよそに、クリスの視線がディア自身に熱く注がれていることを、彼女はまだ気づかない。
1
あなたにおすすめの小説
【長編版】悪役令嬢は乙女ゲームの強制力から逃れたい
椰子ふみの
恋愛
ヴィオラは『聖女は愛に囚われる』という乙女ゲームの世界に転生した。よりによって悪役令嬢だ。断罪を避けるため、色々、頑張ってきたけど、とうとうゲームの舞台、ハーモニー学園に入学することになった。
ヒロインや攻略対象者には近づかないぞ!
そう思うヴィオラだったが、ヒロインは見当たらない。攻略対象者との距離はどんどん近くなる。
ゲームの強制力?
何だか、変な方向に進んでいる気がするんだけど。
わがままな婚約者はお嫌いらしいので婚約解消を提案してあげたのに、反応が思っていたのと違うんですが
水谷繭
恋愛
公爵令嬢のリリアーヌは、婚約者のジェラール王子を追いかけてはいつも冷たくあしらわれていた。
王子の態度に落ち込んだリリアーヌが公園を散策していると、転んで頭を打ってしまう。
数日間寝込むはめになったリリアーヌ。眠っている間に前世の記憶が流れ込み、リリアーヌは今自分がいるのは前世で読んでいたWeb漫画の世界だったことに気づく。
記憶を思い出してみると冷静になり、あれだけ執着していた王子をどうしてそこまで好きだったのかわからなくなる。
リリアーヌは王子と婚約解消して、新しい人生を歩むことを決意するが……
◆表紙はGirly Drop様からお借りしました
◇小説家になろうにも掲載しています
【完結】ヒロインに転生しましたが、モブのイケオジが好きなので、悪役令嬢の婚約破棄を回避させたつもりが、やっぱり婚約破棄されている。
樹結理(きゆり)
恋愛
「アイリーン、貴女との婚約は破棄させてもらう」
大勢が集まるパーティの場で、この国の第一王子セルディ殿下がそう宣言した。
はぁぁあ!? なんでどうしてそうなった!!
私の必死の努力を返してー!!
乙女ゲーム『ラベルシアの乙女』の世界に転生してしまった日本人のアラサー女子。
気付けば物語が始まる学園への入学式の日。
私ってヒロインなの!?攻略対象のイケメンたちに囲まれる日々。でも!私が好きなのは攻略対象たちじゃないのよー!!
私が好きなのは攻略対象でもなんでもない、物語にたった二回しか出てこないイケオジ!
所謂モブと言っても過言ではないほど、関わることが少ないイケオジ。
でもでも!せっかくこの世界に転生出来たのなら何度も見たイケメンたちよりも、レアなイケオジを!!
攻略対象たちや悪役令嬢と友好的な関係を築きつつ、悪役令嬢の婚約破棄を回避しつつ、イケオジを狙う十六歳、侯爵令嬢!
必死に悪役令嬢の婚約破棄イベントを回避してきたつもりが、なんでどうしてそうなった!!
やっぱり婚約破棄されてるじゃないのー!!
必死に努力したのは無駄足だったのか!?ヒロインは一体誰と結ばれるのか……。
※この物語は作者の世界観から成り立っております。正式な貴族社会をお望みの方はご遠慮ください。
※この作品は小説家になろう、カクヨムで完結済み。
公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~
谷 優
恋愛
公爵家の末娘として生まれた幼いティアナ。
お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。
お父様やお兄様は私に関心がないみたい。
ただ、愛されたいと願った。
そんな中、夢の中の本を読むと自分の正体が明らかに。
◆恋愛要素は前半はありませんが、後半になるにつれて発展していきますのでご了承ください。
悪役令嬢に転生したので地味令嬢に変装したら、婚約者が離れてくれないのですが。
槙村まき
恋愛
スマホ向け乙女ゲーム『時戻りの少女~ささやかな日々をあなたと共に~』の悪役令嬢、リシェリア・オゼリエに転生した主人公は、処刑される未来を変えるために地味に地味で地味な令嬢に変装して生きていくことを決意した。
それなのに学園に入学しても婚約者である王太子ルーカスは付きまとってくるし、ゲームのヒロインからはなぜか「私の代わりにヒロインになって!」とお願いされるし……。
挙句の果てには、ある日隠れていた図書室で、ルーカスに唇を奪われてしまう。
そんな感じで悪役令嬢がヤンデレ気味な王子から逃げようとしながらも、ヒロインと共に攻略対象者たちを助ける? 話になるはず……!
第二章以降は、11時と23時に更新予定です。
他サイトにも掲載しています。
よろしくお願いします。
25.4.25 HOTランキング(女性向け)四位、ありがとうございます!
完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい
咲桜りおな
恋愛
オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。
見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!
殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。
※糖度甘め。イチャコラしております。
第一章は完結しております。只今第二章を更新中。
本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。
本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。
「小説家になろう」でも公開しています。
悪役令嬢に転生したけど、知らぬ間にバッドエンド回避してました
神村結美
恋愛
クローデット・アルトー公爵令嬢は、お菓子が大好きで、他の令嬢達のように宝石やドレスに興味はない。
5歳の第一王子の婚約者選定のお茶会に参加した時も目的は王子ではなく、お菓子だった。そんな彼女は肌荒れや体型から人々に醜いと思われていた。
お茶会後に、第一王子の婚約者が侯爵令嬢が決まり、クローデットは幼馴染のエルネスト・ジュリオ公爵子息との婚約が決まる。
その後、クローデットは体調を崩して寝込み、目覚めた時には前世の記憶を思い出し、前世でハマった乙女ゲームの世界の悪役令嬢に転生している事に気づく。
でも、クローデットは第一王子の婚約者ではない。
すでにゲームの設定とは違う状況である。それならゲームの事は気にしなくても大丈夫……?
悪役令嬢が気付かない内にバッドエンドを回避していたお話しです。
※溺れるような描写がありますので、苦手な方はご注意ください。
※少し設定が緩いところがあるかもしれません。
死亡予定の脇役令嬢に転生したら、断罪前に裏ルートで皇帝陛下に溺愛されました!?
六角
恋愛
「え、私が…断罪?処刑?――冗談じゃないわよっ!」
前世の記憶が蘇った瞬間、私、公爵令嬢スカーレットは理解した。
ここが乙女ゲームの世界で、自分がヒロインをいじめる典型的な悪役令嬢であり、婚約者のアルフォンス王太子に断罪される未来しかないことを!
その元凶であるアルフォンス王太子と聖女セレスティアは、今日も今日とて私の目の前で愛の劇場を繰り広げている。
「まあアルフォンス様! スカーレット様も本当は心優しい方のはずですわ。わたくしたちの真実の愛の力で彼女を正しい道に導いて差し上げましょう…!」
「ああセレスティア!君はなんて清らかなんだ!よし、我々の愛でスカーレットを更生させよう!」
(…………はぁ。茶番は他所でやってくれる?)
自分たちの恋路に酔いしれ、私を「救済すべき悪」と見なすめでたい頭の二人組。
あなたたちの自己満足のために私の首が飛んでたまるものですか!
絶望の淵でゲームの知識を総動員して見つけ出した唯一の活路。
それは血も涙もない「漆黒の皇帝」と万人に恐れられる若き皇帝ゼノン陛下に接触するという、あまりに危険な【裏ルート】だった。
「命惜しさにこの私に魂でも売りに来たか。愚かで滑稽で…そして実に唆る女だ、スカーレット」
氷の視線に射抜かれ覚悟を決めたその時。
冷酷非情なはずの皇帝陛下はなぜか私の悪あがきを心底面白そうに眺め、その美しい唇を歪めた。
「良いだろう。お前を私の『籠の中の真紅の鳥』として、この手ずから愛でてやろう」
その日から私の運命は激変!
「他の男にその瞳を向けるな。お前のすべては私のものだ」
皇帝陛下からの凄まじい独占欲と息もできないほどの甘い溺愛に、スカーレットの心臓は鳴りっぱなし!?
その頃、王宮では――。
「今頃スカーレットも一人寂しく己の罪を反省しているだろう」
「ええアルフォンス様。わたくしたちが彼女を温かく迎え入れてあげましょうね」
などと最高にズレた会話が繰り広げられていることを、彼らはまだ知らない。
悪役(笑)たちが壮大な勘違いをしている間に、最強の庇護者(皇帝陛下)からの溺愛ルート、確定です!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる