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ゴリラ 朝と今日の予定を決める

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森の主と一戦を交えた次の日……………

「うごっ?」

日差しが差し込んでくるのか、眩しくて目を覚ました
窓を見れば晴天が広がり、白い雲が穏やかに流れている
体を起こして、創造で作った時計を見れば7時辺りの時間帯だった
 やっぱり高校の時の習慣は抜けないな…………
まぁ、その習慣を疎かにしてた結果、遅刻で俺、ポックリ逝ったんだが…………

寝ぼけた頭を無理やり起こせば体を起こして、脇を見た

「すぴぃぷー……………」

俺の右側で可愛らしい寝息を立てながらマソラが気持ちよさそうに眠っている
森の主と一戦をした後、祠から出てからマソラは俺にべったりで離れようとしなかった
まぁ、父親となった俺にとってはそんなマソラを可愛いと思ってしまったからついつい、甘えさせちゃうんだよな……………

マソラを起こさないように俺はベットから下りれば部屋を出て廊下を歩いていく
ちなみに帰ってから森の主に教えてもらった空間魔法で広くすれば部屋を何部屋か作り、過ごしやすくした
ルフスに泊まっていくかと聞いたところ、『いえ、自分はここで知り合った家族の元に泊めさせていただきます』、と言って、ここには居ない
まぁ、居たらあの性格状だから暑くなりそうだがな……………
今日からルフスの修行を見るんだが……………
その前にせっかくここに住まわしてくれるんだ
少しでもエルフの村が過ごしやすくなるようにしてやりたい……………
だが、どうすれば…………?

そんなことを考えていれば目的の部屋の前に来ていた
ここは言わばキッチンである
まぁ、俺は一人暮らしだったから料理をするのが当たり前だったからな…………
それにまぁ、料理をするのは好きだし、キッチンがあるだけでだいぶマシな料理が作れる………
まぁ、創造で作ったからどれも最先端なんだがな www

「ふ~ん♪ふふふふ~ん♪」

「…………………」

「あっ、目が覚めたのね
今日はもうご飯にする?それとも朝禊?それともわ、た、「何しとんじゃ!?己はぉ!?」きゃうぅん!?」

俺はあまりの強烈さに思わず素に戻りながらツッコミを入れてしまった
それはそうだろう……………
朝起きて、誰も居ないはずのキッチンに入ったら髪が緑色の女性が服を着ず、エプロンのみで、料理をしていれば誰でもツッコミを入れるだろう……………
ってか……………

「何故、ここに居る?
森の主よ」

俺はため息混じりに言えば目の前の女性、もとい森の主を見た
何故、目の前に居る女性が森の主と分かったかと言うとまぁ、ざっくり魔力を識別できる…………
いわゆる気配ってのが分かるようになって、コイツから感じるソレが森の主と一致してんだよ……………

「うむっ、私も今まで一人、離れて過ごしていたがここで生活を変えてみようと思ってな
そこで私を倒したお主の妻としてここで過ごすことにした」

「…………………少し待て?
貴様、今、何と言った?」

「んっ?
お主の【妻】としてだが?」

「阿呆が……………」

俺は思わず、頭を抱えながら首を左右に振った
今、コイツは俺の妻としてと言った
つまり俺はコイツと結婚したってことか?
阿呆が!?
俺はまだ18歳じゃあ!?

「今すぐその妻としてを撤回しろ
我は知り合ってすぐに婚約をする女子はどうかと思うぞ?」

「むぅ、仕方ない
ならば居候とさせてくれぬか?」

「居候か…………
それなら構わん」

どっちにしろ、妻と言われるよりはマシだ

「そろそろ朝食が出来るからそこで待っててくれ
すぐに準備するから」

「分かったがまずは服を着ろ」

俺は創造で作った服を森の主に投げ渡せばキッチンを出た
ってか、何でアイツ、使い方、わかるんだよ………………
俺がそんなことを考えていれば扉をノックする音が聞こえ、扉を開ければ


「先生!!
おはようございます!!」

ルフスがワクワク気味で立っていた
朝なのにこの声量は驚くが朝ってことを忘れているだろう……………

「おはよう、だが…………
ルフスよ
朝にしては早すぎるのではないのか?」

「早く目が覚めてしまったので先生を迎えに参りました!!
さぁ、早速」

ルフスが拳を上げ、言っているが途中でグゥ~と音が聞こえた
………………ルフスの腹から


「……………お主、飯は?」

「…………食ってないです」

ルフスがタハハ、と笑えば俺はまたガクッとした
何で朝からコイツらの相手をしなくてはならんのだ………………
まぁ、こうなっちまったら気にする方が無駄か

「ルフスよ
中に入れ、朝食くらいは出せるであろう」

「ほ、ホントですか!?
あ、有難き幸せでございます!!」

そう言い、ルフスはガバッと頭を下げた
その姿を見れば初めて会った時の勇者としての姿とはかけ離れていると思ったが今のルフスの方が生き生きとしてるように見えた

「パパ~」

「マソラ?」

ルフスがリビングの方に入っていけばマソラの声が聞こえ、見ればマソラがこちらに向けてトコトコと歩いてくるのが見えた

「おはよう、マソラ」

「えへへ~♪おはよ~♪」

俺がマソラを抱え、頭を撫でればマソラは嬉しそうに頭を俺の手に擦り付けてきた
うん……………、その仕草が可愛すぎて困る…………

「さぁ、マソラ
顔を洗って、さっぱりしようか」

「ぱっしゃんする、ぱっしゃん」

マソラが手を振り、笑っているのを見ながら俺はマソラを連れて、外の井戸へ、向かった
あっ、ちなみに井戸は深夜のウチに掘りました♪

そしてリビングで朝食を食べ終えて、一息をつけばカップを置き、俺はルフスを見た

「さて、ルフス
修行についてだが今日は村を良くしようと思っておる
その後でも構わんか?」

「はい!!
このルフス!!
先生が終わるまでいくらでも待つ所存でございます!!」

俺が言えばルフスはテーブルに手を置きながら立ち、前のめりで言ってきた
食器に当たってないのを見るあたり、気を使ってるのが見えるがな

「うむっ、森の主よ
お主にも手伝ってもらう」

「えぇ、もちろんよ」

森の主はマソラの髪を櫛で解きながら頷いた
マソラも森の主には警戒を解いてるようだった

「マソラは~?」

「そうだな
マソラもお手伝い、パパの手伝いお願いできるか?」

「やる~♪」

マソラが首を傾げながら聞いてくれば手伝いを頼むと花が咲いたような笑顔で手を挙げた
俺にお願いされたのが嬉しいのだろう
全く、可愛い娘だ

「よし、ならすぐにでも村長に言いに行くぞ
今日は予定が詰まっておるからな」

俺はそう言えば片付けを済ませるとマソラ達を連れて、村長のところに向かった
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