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巨人の国への道のり

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アルスセールを出た後、俺達は一路、巨人の国へ、歩みを進ませていた
巨人の国は、距離はそこまででは無いが、火山を超えた先にある山脈にあるとの事……………

その事を考えれば、出来れば、火山前で野営をしてから、火山を越えようと考え、歩いているが…………


「その火山って、何処だ?」

「ここからもうしばらく先ですね」

隣にいるミラが遠くを見ながら言えば、スミャルが地図を見ながら答えた

国を出てからもう三時間は過ぎてんだけどな…………
大体、火山って事は、もう見えてきてもいい頃だろう……………

休憩しながらとはいえ、これはしんどいな…………

俺が汗を拭えば、アスカがチラッと俺を見てきた

「ねぇ?
元に戻ってもいい?
その方が速いよ」

「お前なぁ…………
お前の姿で騒ぎがあったの忘れたか?
ダメだ」

アスカの提案を却下すれば、ブー、と頬を膨らませ、ジトーとアスカが睨んできているがそんな事は置いておこう………

それにしても見渡す限りに森、森、森…………

これって道なりに進んでいけば、火山ってあんのか?

「パパ」

「ん、どうした?」


「お鼻、変…………」

道なりに進んでいれば、アイシャに呼ばれて、見れば、アイシャが鼻を押さえていた
隣を見れば、マソラも鼻を押さえていた

俺も鼻を効かせ、匂いを嗅いでみると、少し変な匂いがした

「もう少しかもな
匂いがおかしい」

俺がそう言えば、ミラも匂いを嗅いでみている
振り返り、スミャル達を見れば、スミャルは地図で確認して、キャリスは、汗を拭っていた
だが、ロイスだけが顔を顰め、鼻を押さえていた


「ロイス、お主…………
この匂いがダメか?」

「あ、はい…………
子供の頃から火山の近くを通る事が何度かあったのですが、その頃から苦手で…………」

「もー、兄様
ゴーラ様の前で無理はしない
私のコレ、貸してあげる」

顔色が悪くなってるロイスにキャリスは笑いながら、瓶を渡した
恐らくあの中には、香水だろうな…………
確かにこの独特な匂いは、苦手なヤツも居るだろうな…………

「ミラ、アスカ
お前らは大丈夫か?」

「俺ぁ、平気だ
元々、龍だからな」

あっ、それもそうか

「私は何でか知らないけど平気だよ」

それはそれで凄いな…………

そうこうしていれば、目の前に煙が昇っている山が見えてきた

「見えてきました
あそこを越えれば、巨人の国へ、一直線です」

スミャルが右側の道を指差して言ってるが、ふと、前の方に看板が見えた
近付いて見てみれば、それは巨人の国への行き方だった

しかもここら一帯の方も描かれているが、所々が錆びているようだ

「ここら辺で野営をしてから越えよう
スミャルよ
ここらでテントを貼れそうな場所はあるか?」

「それならお勧めがあります!!
そこは我々、騎士団も使う場所ですので安全です!!」

俺が聞けば、スミャルが物凄く嬉しそうに近付いてくれば、早口で言ってくる

「そうか、ならそこにしよう」

俺がそう言い、地図を見ようとしたが、ピタッと止まった
何故ならスミャルから期待の眼差しで俺を見ているからだ

「……………ほれ」

「キューーーン♪」

何を期待しているのか、察すれば、俺はスミャルの頭を撫でれば、スミャルは嬉しそうに微笑めば、俺の手に頭を押し付けてくる

一つ言わせろ…………
犬か!?お前は!?
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