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第五章
親友と久々
しおりを挟む「「かんぱ~い!!」」
パーティーを終えた後、俺とボロネーゼ卿は食堂屋ゆる~ずでお互いに軽い軽食を作るとジョッキにビールを注ぎ、二次会を開始していた
【作者より注意
二人は中身は二十歳超えております 飲酒類は成人を超えてからにしましょう】
「ぷっはぁ~ うっめぇ~……
やっぱり酒はコレじゃねえとな」
ビールを飲みきり、ジョッキを机に置くとボロネーゼ卿は染み染みとそう言っていた
「全く…… 俺達、年齢的に未成年だぞ?」
「でも中身は成人超えた大学生だぜ?
大丈夫、大丈夫」
俺はゆっくりと飲みながら正論言うとボロネーゼ卿は手を振り、そう言い切ると二杯目を注いでいる
(まぁ、確かに元は成人してるから問題ないのかな?)
そんな事を考えながら俺もジョッキを空にして、二杯目を注ぐ
「それにしてもまたこうしてお前と酒を飲み合うのが出来るとはな
これに関しては神様に感謝だな」
「そう言ってるけど俺たちを転生させた黒幕が神様だったパターンもあり得るぞ?」
ふと、ボロネーゼ卿がそんな事を言ってきたから、俺はそう答えた
大抵のパターンは[神様が原因で俺達死にました~→じゃあ転生させまーす]のテンプレだろうが、その神様は俺たちの前に現れてない事を考えると、その神様がこの騒動の黒幕と考えるのが当たり前だ
「それにしてもあの後、あの女生徒は大丈夫なのか?
それにあの断罪されていた女生徒も」
「それについては大丈夫だと思うぞ
断罪されてた女生徒には俺の兄であるゼアル兄さんが王家の力で保護したから問題ないと思うぞ」
ふと、ボロネーゼ卿があの惨状な場面を思い出したように言うが問題ないと俺が言った
実際にあの時……
あのオーラを消滅させた後、オーラに取り憑かれていた女生徒は糸が切れたように倒れ込んだ
そしてあの五人の男生徒達も自我を取り戻したのか、一人は自分が何をしたか思い出すと膝を着き、泣き叫んだ
三人は困惑していたが断罪されていた女生徒の婚約者だった男生徒は女生徒の前に行くと泣きながら謝り倒していた
とにかく今は状況が収まるまで離れさせた方がいいと思い、俺が動こうとしたらゼアル兄さんがすぐに王家所属の騎士たちと共に来て、倒れた女生徒と五人の男生徒を拘束して、連れて行かせた
そして断罪を受けていた女生徒に謝罪と事の真実が分かるまで王家とフェルストリー家の名の元に彼女を守ると約束した
そして断罪を受けていた女生徒と共にその場を去っていった
去る際、ゼアル兄さんは俺を見て、小さく頷いた事から、ここからはゼアル兄さんに任せても大丈夫だろうと判断し、俺もその場を後にする事にした
「ところで聞いていいか?」
そんな事を思い出しているとボロネーゼ卿がそう言ってきた
「何だ?」と答えるとボロネーゼ卿はチラッと脇を見た
「その人は誰なんだ?」
ボロネーゼ卿がそう言ったのを聞いて、俺は苦笑いを浮かべながら隣を見た
俺の隣では枝豆を掴み、一粒ずつ美味しそうに食べてるフォルティアが居た
ちなみに何故、フォルティアが居るかと言うと料理準備してたら、いつの間にかフォルティアが来ていて、一緒に準備をしていた
「あー、と……
俺の婚約者だ」
「あー、なるほどぉおおお!?
こ、婚約者ぁ!?」
俺がそう言うとボロネーゼ卿はお笑い芸人並みのリアクションをした
「初めまして、えっとボロネーゼ卿様?でよろしいのでしょうか?
私はシモン様の婚約者であります フォルティア・メリストと申します」
俺に紹介されたからフォルティアは食べ終えた枝豆のさやを置くと丁寧に挨拶をした
……口の周りに先程、食べていたエビチリが付いているのに気付かずに
「彼女には説明してあるから大丈夫だ」
そんなフォルティアを見てからチラッとボロネーゼ卿が見てきたから俺はそう言った
「ご丁寧にどうも
俺はシフォンケーキ、あっと今はシモンだったな
シモンとずっとコンビを組んでいたボロネーゼ卿だ
ここでの名はアルバート・ジェラールだ」
「ジェラ!?」
ボロネーゼ卿改めアルバートの名を聞いた時、フォルティアが心底、驚いた顔をした
「フォルティア
コイツの名を知ってるのか?」
「し、シモン様!?
このお方は隣国アスクモアの王族の方です!!」
俺がフォルティアに聞くとフォルティアは俺にそう耳打ちをしてきた
【隣国アスクモア】の【ジェラール王家】については知らないな……
と、言うか エロゲー野郎との会話でそんなヤツは出てこなかったからな
「フォルティアさんよぉ
コイツが知らねえのは当然だぜ?
だってコイツ、あのエロゲー野郎の話しか知識ねえからな」
「笑うんじゃねえよ と、言うか、テメェも知識量は俺と同格だろうが」
首を傾げる俺を見て、アルバートが笑っているのを見て、俺は思わずそう言った
そう…… 何故ならコイツはリアルで同じ大学の同級生だからな
つまりあのエロゲー野郎の話に付き合わされた仲間と言える
「ってか、お前
俺とタメだろ? 何で学園に来てなかったんだよ?
お前を見かけた事ないぞ?」
俺がそう聞くとアルバートはピッと俺に箸を向けた
「それについてはお前のベルフェゴールが原因だよ
アホんだらぁ」
そう聞くと俺は「あっ」と声を出した
隣国…… ベルフェゴール……
その名前が出てきたとなると、当てはまる事象は一つ……
「ガンボルト将軍の件か」
「そ、その件が露見したから国政に参加してる者達の近辺調査を一気にやってな
それで不正をしていた奴らを一斉検挙し、牢獄にぶち込んだ後、その後釜探して親父達が奮闘しててな
俺も手伝ったりして入学が遅れた
で、学園に来てみるとあの惨状でよ」
アルバートがそう言いながら何杯目かのビールをジョッキに注いでいた
相当、その後釜探しが苦労したのだろう……
「けど、お前の事は一瞬で分かったぜ
あの最初の蹴りを入れる前の走りでな」
「流石 って、言っても当然か」
「おうよ お前とは小学の時からの付き合いだからな」
俺は微笑むとアルバートが懐かしそうに笑っていた
コイツとは小学三年の時からの付き合いでそれがズルズルと続いて、中学、高校、まして大学と続いたから本当に俺たちは気が合う友人と言っていいのだろうな
「それはそうと……
ボロネーゼ卿、いや、アルバートと呼ぶか
この世界の事は理解しているな?」
俺がジョッキを置いて、真剣な顔でそう聞くとアルバートもジョッキを置いて、頷いた
「あぁ、ここがルミナス・エルドの世界だって事も理解している
何気にあの野郎が言ってた攻略キャラにも会ってるしな」
そう言うとブゥンと音を立てて、ウィンドウが出てくるとボロネーゼ卿の欄が光っていて、見てみると欄に【嫁、側室】が追加されていた
それを見て、俺は「ブッ!?」と吹き出した
ちなみにアルバートも同じ反応を取っていた
「お、お前!? まさか手を出したのか!?」
「それはこっちの台詞だ!?
何で主人公までお前の側室になってんだよ!?」
二人で驚き合っていたが一度、椅子に座り直し、フォルティアが俺とシャルロッテ達との関係を話した
それを聞いて、アルバートが物凄く渋い顔をしていた
「お前…… 相変わらず女難なんだな……」
「相変わらずってなんだ!?」
アルバートがそう呟き、聞き捨てならない単語が聞こえて、思わず聞き返したがフォルティアが俺を宥めてきたから落ち着いた
「で、お前は何人手を出したんだよ?」
「攻略キャラが三人だろ?
それとは別なのがザッと五十人「待て待て待て!?」
アルバートが思い出しながら話してるが信じられない言葉が聞こえてきて、思わず話を止めた
「おまっ!? 何でそんなに手を出してんだよ!?」
「仕方ねえだろ……
難民の女性達だったし、受け入れて、俺の別荘に連れて行った数日後に媚薬、飲まされて……」
アルバートがその時の事を思い出して、苦笑いを浮かべると俺は「あ~……」と声を出した
「そういや…… お前ってそういうことが多々あったな
高校の時も女性先輩に誘われて、映画行ったらヤンキー数名に廻されたと話してたな」
「あー、あったな そんな事……
ここに来て、そんなことすら霞む出来事が多くて困ったよ」
そんな思い出話をしているとフォルティアが「あ、あの!!」とアルバートに話しかけた
「し、シモン様はそちらではどうでしたか?
どのように過ごされてましたか!?」
「ちょっ!? フォルティア!?」
俺たちの前世トークに興味が惹かれたのか、フォルティアがワクワク気味にアルバートに聞いて、俺は慌てたがアルバートがニヤリと笑った
「おー、いいぞぉ
久しぶりに相棒と会った記念だ
とことん話してやる」
そこからアルバートによる俺の暴露談になって、フォルティアは興奮気味に聞いて、俺は恥ずかしくて顔を手で覆った
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