18禁ゲームの貴族に転生したけど、ステータスが別ゲーのなんだが? えっ? 俺、モブだよね?

ライカ

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第五章

間話・別動隊

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ここは陸から離れた海底……
薄暗く視界がほぼゼロに近いここで蠢く影が六つ……

「ちょっとぉ いつまでここで待ってればいいわけ?」

その中の一人、人魚族の黒ギャルが俺に話しかけてきた

「仕方ないだろう……
婆さんの予言はここで待ってれば最重要の情報を抱えた人魚がここに現れると言うんだからよ」

俺は肩に槍を背負い、伸びをしながら黒ギャルに言うとブー、と頬が膨れた

「流石に暇すぎだしー……
マーちゃん 暇すぎて寝ちゃいそうだよ~」

そう言いながら【マーシャル】が目を擦りながら尾鰭を動かし、俺の周りを泳いでいるが頭を掻きながら溜息を吐いた

「主人様の命だ
何としてでもソイツを捕まえて情報を得る」

「そうですが、貴方も休まないといけませんよ?
ニズアルト」

そう俺に話しかけたのはマーシャルより少し大きい尾鰭を持ち、背中に背鰭のように生えた翼を動かしながらハイマーメイド族の【エミューラ】が話しかけてきた

「いくらブルロお婆様の予言が確定で当たると言えど貴方が疲れていたら失敗する可能性があります
その事は分かってますか? いくら水龍人族の貴方と言えど倒れる時は倒れるのですからね」

エミューラの説教を流し聞きながら俺はずっと遠くを見ていた
エミューラの説教は長い時には夜まで続く時があるから長いんだよ……

「報告!! こちらに近付く影、多数!!
構成は人魚族を含む魚人五人構成!!」

そんな時に部下の一人が俺に近づいて来るとそう報告してきた
何故、分かったかと言うとその部下は固有スキルに《エコーソナー》と言うスキルを持っている
エコーソナーとはクジラが放つ超音波の跳ね返りで探知すると同じ効果だ

探索範囲はかなり広くて、この位置から陸まで届くとの事……

だからこちらが先に見つけたのだが……

目を凝らして見ているとようやく五個の影が見えた
その中で人魚は一人のようで他は魚人四人みたいだ

「よし、エミューラ」

俺がエミューラに合図を送るとエミューラは大きく息を吸い、《ローレライの誘い歌》と言うスキルを発動し、歌い出した
その瞬間、海流が大きく蠢き、どんどん荒れていくと人魚隊を飲み込むと海流はこちらに向かってきた
そして海底に激突すると敵人魚隊を海底に叩きつけた

「マーシャル」

その瞬間、マーシャルに合図を送るとマーシャルは妹の【メーシャル】と共に敵人魚隊を囲むように泳ぎ出すと慌てていた敵人魚隊は次々に倒れ込んだ

マーシャルとメーシャルが発動したのは《シビレ渦》と言うスキルだ
相手を囲むように回る事で敵を痺れさせ、麻痺させる
マーシャルとメーシャルの熟練度はカンストしている事から確実に麻痺を撒けると言う事だ

「終わったよ~」

敵を麻痺させるとマーシャルはコッチに向かい、手を振ってきた
俺達が側に近づくと魚人達は泡を吹き、倒れていた
命に別状はないが流石に水中だと心配になる……
それはさておき、人魚を確認すると女の人魚で身につけてる装飾から隊長格と見ていいだろう……

「ロビンソ コイツら縛り上げろ」

俺が指示すると先程、《エコーソナー》で索敵していた【ロビンソ】と【カマトロ】が魚人達を縛り上げた
カマトロに加えては戦闘には出来るだけ参加させたくなかった……
何故なら……

「あら? いい男じゃない♪
うふふ~、ねぇ? ニズアルト隊長
この子、後で味見していいかしら?」

「……後にしろ そしたら好きにさせてやる」


男のくせにコイツは男に興奮するからだ……
特に戦闘に入ったら血が騒ぐとかで、終わった後、味方の魚人を連れ去るとテントで騒ぎ続けたという事例があるからな……
まぁ、それもコイツの良いところと思ってるから好きにさせてるが……
流石に俺に迫ってきたら迎撃してやる……

人魚を縛るとソイツらを連れて、陸の洞窟に来ていた
何故ならここで合流する事にしてるからな

「来たか」 「すまん 遅くなった」  「いや、予定より三時間も早い 問題ない」

洞窟には悪魔の【ノバァルガス】と天使の【ハリボテステファニー】が居た
そしてもう一人……

「これはリーファさん 貴女まで来ていたのですか?」

「えぇ、これは私の国の問題です
私が出なくてはなりませんので」

主人様の一時的な奴隷となっているリーファさんがそこに居た
リーファさんは主人様の元で泣き叫び続けて、ようやく落ち着きを取り戻して、今は私達に協力してもらっています
ただ戦闘においては素人と言って当然だと言う事で裏からのサポートとして頑張ってもらっている

さて、俺は人魚を地面に置くと松明で顔を照らした

「っ、ニシェリス姉様……」

人魚の顔を見た途端、リーファが口元に手をやり、声を絞り出したようにそう呟いた

「知り合いか?」

「はい……  こちらの方は私の姉、第二王女のニシェリス姉様です」

リーファがそう説明しているとニシェリスが目を覚まし、リーファを見ると目を大きく見開いた
だが、声を出そうにも麻痺してるから声が出せずに居た

「ノバァルガス さっそくだが頼む」

「あいよ そんじゃあリーファの姉さん
ちょいと失礼」

ノバァルガスがそう言い、ニシェリスの頭に手を置くとニシェリスからオーラが出るとノバァルガスに流れ込んだ
しばらくしてからノバァルガスが手を離した

「ほい、記憶の転写完了
これで色々と分かったぜ」

「そうか 情報を纏めたら教えてくれ」

俺はそう言い、ニシェリスに手を伸ばし、麻痺を解こうとしたらノバァルガスがその手を掴んだ

「悪いがコイツの麻痺を解くのはやめといてくれ」

ノバァルガスが真剣な表情でそう言うから俺は察した

「まさか……  リーファさんが奴隷商に捕まった原因は」  「この女だ」

俺が聞くとノバァルガスが即答でそう答えた
その後ろでリーファが息を飲み、泣き出しそうになっていたのをマーシャルとメーシャルが気付いて、慰めている

「何故、コイツは妹を奴隷商に渡した?
王位継承の問題か?」

「いや、ソイツが分からねえんだ」

俺がニシェリスを見下ろしながらそう言うとノバァルガスがそう答えた

「ノバァルガス それってその記憶はあるけど操られていた形成があるって事だな?」


「その通りだ ハリボテステファニー
コイツの記憶には確かに奴隷商に明け渡してる記憶がある
だが、感情が全くないんだ まるで操り人形……
そう言える状態だな」

ハリボテステファニーがノバァルガスの言葉にそう付け足して聞くとノバァルガスは頷いた
確かに操られていたのなら感情が無いのは頷ける

現にニシェリスを見ると涙を流しながらリーファを見ていた
その目からは激しい後悔、悲しみ、自分への怒り……
様々な感情が見て取れた

「ノバァルガス 情報を纏めたか?
主人様に報告を「その必要はねぇよ ここで聞く」

ノバァルガスに纏め終えたかの確認を取るといつの間にか、主人様がこちらに来ていた
その後ろにはボロネーゼ卿様……
いや、今はアルバート様か
アルバート様が付いてきていたが、何処となく、イキイキとしていた

「本来なら記憶を転写する前に来ておきたかったがこのバカが遅くなってな」

「仕方ねえだろ?
あの従業員をヤリ倒したら数十人、相手にする事になっちまったんだからな
おかげでスッキリだがな」

アルバート様の言葉に頭を押さえる主人様だったがノバァルガスが纏めた報告書を受け取ると中を確認した

「……こりゃあ急がねえとマズイな」

「そんなにか」

主人様がそう呟くと先程までとは打って変わってアルバート様が真剣な表情になった

「あぁ、生贄の人数が十分、集まっちまってやがる
下手をすると今夜にも儀式を始めるかもしれねぇ」

主人様の言葉にリーファさんが我慢できず泣き出してしまい、マーシャル達が慌てているが俺は主人様に近付いた

「では、すぐにでも人魚の国に攻め入るのですか?」

「いや、出来るなら争い事は大きくしたくねえがここまで来ると仕方ない……
だが、国に攻め入るとなると流石にマズイ事になるからな
狙うとしたら……、儀式が始まる瞬間だ」

そう言うと主人様はニシェリスの前に来て、しゃがむと顔を覗き込んだ

「お前はリーファを奴隷商に明け渡し、人間との戦争の開け口とした罪は大きい
このまま行けば、貴様は国家転覆罪で処刑は免れない
だが、もし少しでもリーファに対しての罪を償いたいのならば俺の指示に従え」

主人様はそう言うとニシェリスは何度も頷いた

(本当にお優しい方だ)

言葉ではあぁ、言っているがそれは国に言えばの話だ
主人様はこの事実をもみ消して平和的に終わらせるつもりなのだろう
全てはリーファさんの為に……

「よし、全員 集まれ
これから作戦会議を始める
ハリボテステファニー お前は作戦を聞いたらすぐに戻って、アイツらに伝えておけ
作戦開始時にニズアルトに詠んでもらう」

主人はそう言い、作戦会議を始めた
そして決行日は……、儀式が始まる時だ……
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