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第五章
全てが終わった後……
しおりを挟む俺が目を覚ますと横にはフォルティアが椅子に座りながらゆりかごのようにコクリ、コクリと頭が動きつつ、眠ってる姿だ
ボヤけた視界をゆっくりと動かし、状況を確認するとここは地上の部屋ではなく、恐らくだが人魚の国の城の一部屋だと分かった
ゆっくりと起き上がるとさっきまで寝ていたフォルティアが目を覚ました
「フォルティア 目が覚めたか?」
俺がフォルティアに声をかけるとフォルティアは寝ぼけた目でゆっくりと俺を見ると突然、俺に抱きついてきた
「おはようございます シモン様……」
突然の事でフォルティアを見ると掠れた声が聞こえてきた
その事から色々と察すると俺はフォルティアの頭を撫でた
「おはよう フォルティア」
俺が頭を撫で始めるとフォルティアは静かに泣き始めているのが伝わってきたからしばらくはそのままにしてあげた
フォルティアが泣き止むと俺はフォルティアから色々と聞かされた
まず、俺達は三日間、ずっと眠り続けていたらしい……
ピクリとも動かず、静かに眠っていたらしいがそれによりフローラが半発狂しかけ、シャルロッテとミュレーヌ、ネロに宥められたとの事
きっと俺が事故ったりした記憶がフラッシュバックしたのだろうな
フローラにとってはトラウマレベルでの恐怖だったからな
そして人魚の王、アグロは目を覚まし、事情を知るとすぐに地上に向かい、攫ってきた人達の前で頭を地面に押し付けながら謝罪した
それから事情を聞き、まさかのアルフレット様が現場に来て、事情聴取していると聞いた時は驚いた
その結果、『アグロ王は操られ、この事件を起こしたと誰が信じると思いますか? それらは幾つもの作り話で膨張し、真実が隠れていきます 王であるのならばそれ相応の覚悟がおありで?』と脅しに聞こえるようなセリフでアルフレット様はアグロ王に迫ると『ワシは人魚の国の王だ 覚悟はある…… それに操られていたとは言え、最愛の娘にあのような非道な事を言い放ってしまった…… 親として失格じゃな……』と言うと覚悟を決めて、首を差し出した
だが、ソレを見て、アルフレット様は心底、つまらなさそうな表情をしていたらしい
『貴方の首なんて斬り落としても私の品が下がるだけです
そこでどうでしょうか? 我々と今、正式な同盟国を結ぶと言うのは?』
アルフレットは笑顔でそう言うとアグロ王はともかくその場に居た全員が驚きのあまり、声を上げたと聞いた
そしてアグロ王と二人だけで何かを話すとガッツリと握手を交わし、対等の同盟国として誓約を結んだという……
アルフレット様の事だ……
きっと何か仕掛けたに違いない……
そしてずっと気になってたのは俺たちが戦闘で開けた海の大穴だ
アレだけはどうなったのか 気になっていたがフォルティアの話だと俺たちが人魚の城に運ばれた時と同時に崩れ落ち、穴が塞がったらしい
そしてここは元通りに海の底…… のはずが何故だか海底の地表が盛り上がっているらしく 今では海面まで数十メートルの所に国はあるらしい
どうやら俺達の戦闘で明らかに地表とか地殻に影響を与えてしまったらしい
アルバートは俺の向かいの部屋に寝かされているらしいが先程、チャットで[起きてるか?]と来たので返信すると[助けてくれ!? 今、魚人の二名に体、拭かれてるんだ!? 流石にこのままだと気まずいから来てくれ!?]と慌てているようなチャットが来て、シカトした
何故かって? 面白そうだから
そしてスメラギQは一応、俺達の一個上の階層の部屋で寝かされているとの事だ
厳重な警備体制の元でだが……
だが、スメラギQが罪人になっていないと聞いた時、フォルティアが『ミュレーヌさんが頑張ってたのですよ? スメラギQさん?を罪人にしないように『この方はアグロ王と同じく操られていたのです!! 聖女であるこの私が証人です!!』と皆の前で説明していました』と話してくれた
ミュレーヌは自分から聖女と言わない……
何故なら昔、偽物扱いされたのが辛くて言えなかったからだ
だが、今回、ミュレーヌは恐らくだが俺の為に聖女と名乗り出て、スメラギQの罪を軽くしようとしてくれたのだ
「あとでミュレーヌにはお礼をしないとな」
「ふふふ それだといつも通りにシモン様のコレを求められますよ?」
俺がそう言うとフォルティアは微笑みながら耳元で囁くと俺の股間部を流し目で見た
まぁ、十中八九そうだと思うが違う方に賭けたいかな……
あとやっぱり思った事がある……
[アルバート この世界の女って、性欲強くね?] [そうだな 今、現在進行形でそう感じてるから助けろ!! おい!?]
とりあえずチャットを閉じると俺は息を吐いた
薄々、感じていたがこの世界の女性は妙に性欲が強いと思っている
何故かと言うと現在進行形でのフォルティア達を見て、そう思うようになったからだ
フローラはブラコンだからと理解している部分は置いておくとして、フォルティアは初めてを済ませてから一気に爆発したように俺を求めてきている
恥ずかしがっていた頃より積極的で、まるで性欲が強くなったと思ってしまう程だ
何よりミュレーヌ、ネロ、ユキが決定打だな……
ミュレーヌとネロは初対面の俺に性欲全開だったし、ユキは…… まぁ、置いておこう……
最初は本当に奴隷としての奉仕をしていたのだろうが、いつしか自分がしたいからと理由でしてくるようになっていたから、確信した
(女の性欲が強いって……
エロゲーかよ…… あっ、エロゲーだったわ)
そんなふうに自分でツッコミを入れているとフォルティアがキョトンと顔になってるのが見えた
視線を追うと俺の股間部の布団がモゾモゾと動いているのが見える
「……」
俺は一気に布団を捲ると俺の股に顔を埋めて、服越しに臭いを嗅ぎ続けているリーファが驚いた顔で俺達を見ていた
「お、おはようございイタタタタタッ!?」
リーファは顔を離そうともせず、そのまま挨拶してきたのでとりあえず俺はリーファの顔面を掴み、持ち上げた
「うん おはよう
で、お前は何でお姫様なのに変態行動を取ってるのかなぁ?」
リーファの顔面を少し力を込めながら掴んでいるとリーファはビチビチと釣り上げられた魚のように尾鰭を動かしている
「だ、だって!! シモン様の起き抜け一発を抜くのが奴隷の仕事だとミュレーヌ達から聞きましたぁぁああああ!?」
リーファが必死にとんでもない事を口走ったのでとりあえずお仕置きにアイアンクローを本格的にしていく
「イタタタタタッ!? フォルティア様!? 助け「私の目の前でシモン様に奉仕しようとした人をどうして助けるのですか?」それは奴隷ですからぁタタタタタ!?」
リーファがフォルティアに助けを求めたがフォルティアが冷め切った声音でそう尋ねるとドヤ顔でリーファが答えたので力を倍にして、アイアンクローを決める
「でも嫌な臭いだろ?」 「いいえ!! 私の大好きな臭いになりました!!」
とりあえず落ち着いたところで聞くと堂々と答えてきたので俺は頭を押さえた
「……あー、とりあえずスメラギQに会いたいんだが?」
「彼女はまだ目覚めてませんのでお会いしても意味がないのでは?」
「あーと、アイツ……
まだ目覚めてないのか……」
俺はスメラギQの現状を知ると息を吐き、天井を見た
アイツには色々と聞きたいことが山程あったが……
(全ては起きてからになるな……)
今後の事を考えつつ、俺はリーファが変な妄想を立て、フォルティアが俺に嫉妬し始めるのを止めることにした
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