2 / 313
第一章 非公式お茶会
1 プロローグ
しおりを挟む
————
昔々、この大地には沢山の神々が住んでいました。
緑は生い茂り、花は咲き乱れ、年中暖かな気候の中、みんな仲良く暮らしていました。
そんなある時、急に大地が揺れました。
神々は何事かと慌てます。
揺れが収まった時には、各地に門が出現しました。
何も噴き出していない門と、瘴気が溢れる門ができました。
神々は門の中には入れず、門から溢れる出る瘴気に近付くことも出来ません。
瘴気からは次々と異形の化け物が出現し、自然を破壊していきました。
神々は考えました。
このままではこの大地が死んでしまうと。
神々は力を合わせこの大地で暮らせる“ヒト”を作り上げました。
長命で博識な“エルフ族”
器用で力強い“ドワーフ族”
魔力が高く頑丈な“魔人族”
警戒心が強く瞬発力のある“獣人族”
そして大きな力は持たないがそれをまとめる“人族”
5つの種族を作り、それぞれの国を作らせ、大地の浄化を使命としました。
それがこの大陸の歴史の始まりとなりました。
————
パタンと絵本が閉じられる。
「これはこの世界に伝わる神話だよ。どの国でも同じ神話が受け継がれているらしいんだけど……。絵本とはいえ、アシェにはまだ早かったかな?」
私——アシェル・メイディーの頭上でにっこり笑いかけてくるのは、アレリオン・メイディー。
メイディー公爵家長男で6歳上の兄だ。
父そっくりの優しい笑顔。父譲りの茶褐色の髪は胸元で切りそろえられ、今は片側に垂らし緩く縛られている。
メイディー家の特徴であるアメジストのように澄んだ紫の瞳はアシェルとそっくりな吊り目だが、優しい笑顔が目元のきつさを相殺して柔和な雰囲気を纏っていた。
普段から優しい声で話す落ち着いた様子と、整った顔で柔らかく微笑む長兄は、好青年もとい好少年だ。
「んーん、おもちろいよー。」
滑らかとは言い難い喋り方だが、アシェルはつい先日3歳になったところだ。こればかりは仕方ないし、なるべく綺麗な発音で話せるように心がけている。
それでも時々、舌っ足らずな発音が出てくるのだが。
「えほんよんでくれてありがとー、あんにーたま。」
絵本を読んでもらう間だけ座っていた膝からぴょんと飛び降り、ソファに座るアレリオンに礼をした。
スカートがふんわり広がるドレスを着ているため、スカートの裾をちょんと持ち上げて、なるべく淑女に見えるように。
そんなアシェルに、アレリオンはにこにこ笑いながら頭を撫でてくれる。
こうやって優しく頭を撫でられるのは大好きだ。
「これくらい、いつでも読んであげるよ。講師の……邸の人間以外の大人の人が来てない時なら、いつでもね。」
アレリオンがアシェルに話す時はいつも、なるべく小さな子供にも解る表現を選びつつ話してくれる。
(特殊な単語じゃなければ大体分かるんだけどな。こればかりは私が“授け子”じゃないから仕方ないか。)
「うん!もーおへやにもどるねー、ありがとー。」
笑顔のままヒラヒラと手を振ってくれるアレリオンに背を向け談話室を出た。
そのまま邸の二階にある自室へ戻り、ボフっと寝台にダイブする。
(んーやっぱり神話っていうか、こんな建国記?みたいなのも聞いた事ないよなぁ。私も“授け子”ってやつかと思ったけど、前世の記憶みたいなのも曖昧だし、消し忘れたまま生まれ変わっちゃったのかしら。)
アシェルはどうやら転生者——であるようなのだが、前世の記憶とやらはかなり曖昧だった。
はっきりしていることと言えば、20歳頃まで“日本”という国で生きていたらしいこと。両親はおらず“孤児”だったこと。女性だったことを覚えている程度のパーソナルデータしかでてこない。
名前や何があってこの世界に来たのかも分からない——この世界の転生システムに引っかかってないということは、何かしらで死んで、輪廻転生としてここにいるんだろうけども。
時折ちょっとした情報から思い出す単語や風景、思い出がある。何かきっかけがあれば思い出すかも、くらいな記憶だ。
とてもじゃないが覚えているとは言い難い。
思い出といえば、日本での一般マナーや教養・教育についてや、活字・漫画を問わず読書が好きだったというささやかな趣味も記憶にある。
あとは——孤児であることを理由に、沢山の哀れみや蔑みといった負の感情に晒された記憶も。
お世辞にも愛想のいい子供とは言い難かったので、大人になってみれば一概に相手だけが悪いとも言えない。
人目を気にしすぎて目立たないように生きていたので、もう少し周りに歩み寄っていれば何かが変わっていたのかもしれないし、それまで通り悪意に晒され続けたのかもしれない。
前世の経験から、今世は愛想良く生きていこうと思う。
それらの前世として残っている記憶は、全てアシェルという存在に混じっている。という感覚で、別の人生を一度終えた実感もなければ、他人の記憶を持っているという違和感もない。
前世の自分の名前は思い出せないので余計にそう感じるのかもしれない。
とにかくアシェルの中に知識として誰かの人生が入っている形、といえばしっくりくるのか。本で誰かの人生を覗き見して、その内容をなんとなく覚えてしまったような?
自分はアシェル・メイディーで、まだ3歳にも関わらず頭の中だけなら何か色々考えられるし知ってるなー。世界が違うから常識と呼ばれるものも違うので、役に立つかは置いといて、という感じだ。
前世の記憶にある単語の“転生”だけとってみれば、この世界には“授け子”という転生システムがあるようなのだ。
“授け子”とは、子供がなかなか出来ない夫婦への救済措置のようなものらしい。
子供に恵まれない夫婦が教会で神に祈り、受け入れられれば“授け子”がお腹に宿るというものだ。
そのため“授け子”だった場合、必ず長子である。
尚且つ必ずご神託が降り、どの夫婦に子を授けたのか分かるようになっているというから、藁にもすがる、のではなく、本当に祈りは神様に届くようだ。
なんてファンタジー世界。
子供向けの絵本にもなっていることから、この世界の常識として“授け子”が存在していることが解る。
そして神様パワーで宿った“授け子”にはかならず前世の記憶があるし、それは歳をとっても思い出そうとすれば鮮明に思い出せるものらしい。
“授け子”は子供を授けてくれる”生命の神”と面談して、納得の上で世界を渡ってくるという。
その記憶も残っているらしいので、何をどう考えてもアシェルには当てはまらなかった。
絵本を読んでもらうことと家族からしかこの世界の常識を知ることができないが、“授け子”以外が前世の知識を持っているという話はなかった。
(やっぱり輪廻転生の魂の浄化し忘れかな?)
前世は無宗教だったくせに、少ない知恵を絞っても輪廻転生説しかでてこなかった。
身体を沈めた寝台から視線をズラして鏡を見れば、そこに映るのは青みがかった銀髪ストレートの髪の毛に、アレリオンと同じ透き通るような紫の瞳を持つ幼女が映っている。
全体的に淡い色合いな上に色白すぎて、綺麗を通り越して不健康に見えてしまう。
長兄と同じ目尻の吊り上がった眼は母親譲りらしいのだが、残念ながらアシェルを出産する時に亡くなってしまったらしい。
家族から瞳の色以外は母親にそっくりだと言われても実感はなかった。
母のことは解らないが、アシェルの4歳上の兄アルフォードも、アシェルにそっくりな色味を持っている。
ちなみに長兄のアレリオンは父にそっくりの色味だ。
親兄弟に共通している”透き通ったアメジスト色の瞳”は、このメイディー公爵家直系にだけ出現する色合いだ。
この直系だけが受け継ぐ身体的特徴は、家督を継がず傍流になった者の子供に引き継がれることはない。
どんなに掘り下げてもファンタジーな神様パワーでしかなく、遺伝ってなんだっけと頭をひねるだけ無駄なので置いておこう。
とにかく、最悪母親が違う可能性はあるが、少なくとも父親は一緒の筈だ。
いつもは王宮で仕事をしている父も、家庭教師の元で勉学に励んでいる二人の兄も。母がいないことを気遣ってか時間が出来れば構ってくれる。
一般の家庭がどうなのかは判らないが、いつも優しくて愛情を注いでくれる大好きな家族だ。
前世の孤児だった記憶があるからなのかもしれないが、アシェルにとっては無条件に愛情をくれる家族がいるだけでも嬉しいことだった。
あまりにも惜しみなく愛情が注がれるので、本当は生まれ変わったのではなくて夢を見てるのではないかと思うほどだ。
母親という存在が気にならないわけではないが、こんなにも愛情に溢れた家で贅沢を言ってしまうと幸せな夢から醒めてしまうだろう。
たとえ夢でなかったとしても、そんな些細なことを気にして大好きな家族を悲しませたくなかった。
(前世のことをはっきりと覚えてる訳じゃないし、楽しかった思い出も少ないけど。でも、少しでも記憶があって良かったわ。私はとても幸せなんだって自信を持って言えるもの!)
ふふっと誰に向けるでもなく笑みをこぼす。
“授け子”ではないけれど、きっと母の死因が自分にあることを知って、他所の家と違って母親が居ないことを知って悲しまないように、と神様がくれた奇跡だと思えばいいのだ。
(早く大人になって、お父様やお兄様達のお役にたちたいなぁ。)
私に何ができるだろうか?
授け子制度があり魔法が発展している世界だもの。きっと色々な情報や技術が取捨選択された世界に違いない。
色々と考えていると、ゆっくりと瞼が落ちてくる。
頭の中は大人のつもりでも、流石に身体は3歳児。まだまだ一日中活動する訳にはいかないようだ。
夕飯までどれくらい眠れるかな。などと考えながら、眠気に逆らわずにそっと重たい瞼を閉じた。
昔々、この大地には沢山の神々が住んでいました。
緑は生い茂り、花は咲き乱れ、年中暖かな気候の中、みんな仲良く暮らしていました。
そんなある時、急に大地が揺れました。
神々は何事かと慌てます。
揺れが収まった時には、各地に門が出現しました。
何も噴き出していない門と、瘴気が溢れる門ができました。
神々は門の中には入れず、門から溢れる出る瘴気に近付くことも出来ません。
瘴気からは次々と異形の化け物が出現し、自然を破壊していきました。
神々は考えました。
このままではこの大地が死んでしまうと。
神々は力を合わせこの大地で暮らせる“ヒト”を作り上げました。
長命で博識な“エルフ族”
器用で力強い“ドワーフ族”
魔力が高く頑丈な“魔人族”
警戒心が強く瞬発力のある“獣人族”
そして大きな力は持たないがそれをまとめる“人族”
5つの種族を作り、それぞれの国を作らせ、大地の浄化を使命としました。
それがこの大陸の歴史の始まりとなりました。
————
パタンと絵本が閉じられる。
「これはこの世界に伝わる神話だよ。どの国でも同じ神話が受け継がれているらしいんだけど……。絵本とはいえ、アシェにはまだ早かったかな?」
私——アシェル・メイディーの頭上でにっこり笑いかけてくるのは、アレリオン・メイディー。
メイディー公爵家長男で6歳上の兄だ。
父そっくりの優しい笑顔。父譲りの茶褐色の髪は胸元で切りそろえられ、今は片側に垂らし緩く縛られている。
メイディー家の特徴であるアメジストのように澄んだ紫の瞳はアシェルとそっくりな吊り目だが、優しい笑顔が目元のきつさを相殺して柔和な雰囲気を纏っていた。
普段から優しい声で話す落ち着いた様子と、整った顔で柔らかく微笑む長兄は、好青年もとい好少年だ。
「んーん、おもちろいよー。」
滑らかとは言い難い喋り方だが、アシェルはつい先日3歳になったところだ。こればかりは仕方ないし、なるべく綺麗な発音で話せるように心がけている。
それでも時々、舌っ足らずな発音が出てくるのだが。
「えほんよんでくれてありがとー、あんにーたま。」
絵本を読んでもらう間だけ座っていた膝からぴょんと飛び降り、ソファに座るアレリオンに礼をした。
スカートがふんわり広がるドレスを着ているため、スカートの裾をちょんと持ち上げて、なるべく淑女に見えるように。
そんなアシェルに、アレリオンはにこにこ笑いながら頭を撫でてくれる。
こうやって優しく頭を撫でられるのは大好きだ。
「これくらい、いつでも読んであげるよ。講師の……邸の人間以外の大人の人が来てない時なら、いつでもね。」
アレリオンがアシェルに話す時はいつも、なるべく小さな子供にも解る表現を選びつつ話してくれる。
(特殊な単語じゃなければ大体分かるんだけどな。こればかりは私が“授け子”じゃないから仕方ないか。)
「うん!もーおへやにもどるねー、ありがとー。」
笑顔のままヒラヒラと手を振ってくれるアレリオンに背を向け談話室を出た。
そのまま邸の二階にある自室へ戻り、ボフっと寝台にダイブする。
(んーやっぱり神話っていうか、こんな建国記?みたいなのも聞いた事ないよなぁ。私も“授け子”ってやつかと思ったけど、前世の記憶みたいなのも曖昧だし、消し忘れたまま生まれ変わっちゃったのかしら。)
アシェルはどうやら転生者——であるようなのだが、前世の記憶とやらはかなり曖昧だった。
はっきりしていることと言えば、20歳頃まで“日本”という国で生きていたらしいこと。両親はおらず“孤児”だったこと。女性だったことを覚えている程度のパーソナルデータしかでてこない。
名前や何があってこの世界に来たのかも分からない——この世界の転生システムに引っかかってないということは、何かしらで死んで、輪廻転生としてここにいるんだろうけども。
時折ちょっとした情報から思い出す単語や風景、思い出がある。何かきっかけがあれば思い出すかも、くらいな記憶だ。
とてもじゃないが覚えているとは言い難い。
思い出といえば、日本での一般マナーや教養・教育についてや、活字・漫画を問わず読書が好きだったというささやかな趣味も記憶にある。
あとは——孤児であることを理由に、沢山の哀れみや蔑みといった負の感情に晒された記憶も。
お世辞にも愛想のいい子供とは言い難かったので、大人になってみれば一概に相手だけが悪いとも言えない。
人目を気にしすぎて目立たないように生きていたので、もう少し周りに歩み寄っていれば何かが変わっていたのかもしれないし、それまで通り悪意に晒され続けたのかもしれない。
前世の経験から、今世は愛想良く生きていこうと思う。
それらの前世として残っている記憶は、全てアシェルという存在に混じっている。という感覚で、別の人生を一度終えた実感もなければ、他人の記憶を持っているという違和感もない。
前世の自分の名前は思い出せないので余計にそう感じるのかもしれない。
とにかくアシェルの中に知識として誰かの人生が入っている形、といえばしっくりくるのか。本で誰かの人生を覗き見して、その内容をなんとなく覚えてしまったような?
自分はアシェル・メイディーで、まだ3歳にも関わらず頭の中だけなら何か色々考えられるし知ってるなー。世界が違うから常識と呼ばれるものも違うので、役に立つかは置いといて、という感じだ。
前世の記憶にある単語の“転生”だけとってみれば、この世界には“授け子”という転生システムがあるようなのだ。
“授け子”とは、子供がなかなか出来ない夫婦への救済措置のようなものらしい。
子供に恵まれない夫婦が教会で神に祈り、受け入れられれば“授け子”がお腹に宿るというものだ。
そのため“授け子”だった場合、必ず長子である。
尚且つ必ずご神託が降り、どの夫婦に子を授けたのか分かるようになっているというから、藁にもすがる、のではなく、本当に祈りは神様に届くようだ。
なんてファンタジー世界。
子供向けの絵本にもなっていることから、この世界の常識として“授け子”が存在していることが解る。
そして神様パワーで宿った“授け子”にはかならず前世の記憶があるし、それは歳をとっても思い出そうとすれば鮮明に思い出せるものらしい。
“授け子”は子供を授けてくれる”生命の神”と面談して、納得の上で世界を渡ってくるという。
その記憶も残っているらしいので、何をどう考えてもアシェルには当てはまらなかった。
絵本を読んでもらうことと家族からしかこの世界の常識を知ることができないが、“授け子”以外が前世の知識を持っているという話はなかった。
(やっぱり輪廻転生の魂の浄化し忘れかな?)
前世は無宗教だったくせに、少ない知恵を絞っても輪廻転生説しかでてこなかった。
身体を沈めた寝台から視線をズラして鏡を見れば、そこに映るのは青みがかった銀髪ストレートの髪の毛に、アレリオンと同じ透き通るような紫の瞳を持つ幼女が映っている。
全体的に淡い色合いな上に色白すぎて、綺麗を通り越して不健康に見えてしまう。
長兄と同じ目尻の吊り上がった眼は母親譲りらしいのだが、残念ながらアシェルを出産する時に亡くなってしまったらしい。
家族から瞳の色以外は母親にそっくりだと言われても実感はなかった。
母のことは解らないが、アシェルの4歳上の兄アルフォードも、アシェルにそっくりな色味を持っている。
ちなみに長兄のアレリオンは父にそっくりの色味だ。
親兄弟に共通している”透き通ったアメジスト色の瞳”は、このメイディー公爵家直系にだけ出現する色合いだ。
この直系だけが受け継ぐ身体的特徴は、家督を継がず傍流になった者の子供に引き継がれることはない。
どんなに掘り下げてもファンタジーな神様パワーでしかなく、遺伝ってなんだっけと頭をひねるだけ無駄なので置いておこう。
とにかく、最悪母親が違う可能性はあるが、少なくとも父親は一緒の筈だ。
いつもは王宮で仕事をしている父も、家庭教師の元で勉学に励んでいる二人の兄も。母がいないことを気遣ってか時間が出来れば構ってくれる。
一般の家庭がどうなのかは判らないが、いつも優しくて愛情を注いでくれる大好きな家族だ。
前世の孤児だった記憶があるからなのかもしれないが、アシェルにとっては無条件に愛情をくれる家族がいるだけでも嬉しいことだった。
あまりにも惜しみなく愛情が注がれるので、本当は生まれ変わったのではなくて夢を見てるのではないかと思うほどだ。
母親という存在が気にならないわけではないが、こんなにも愛情に溢れた家で贅沢を言ってしまうと幸せな夢から醒めてしまうだろう。
たとえ夢でなかったとしても、そんな些細なことを気にして大好きな家族を悲しませたくなかった。
(前世のことをはっきりと覚えてる訳じゃないし、楽しかった思い出も少ないけど。でも、少しでも記憶があって良かったわ。私はとても幸せなんだって自信を持って言えるもの!)
ふふっと誰に向けるでもなく笑みをこぼす。
“授け子”ではないけれど、きっと母の死因が自分にあることを知って、他所の家と違って母親が居ないことを知って悲しまないように、と神様がくれた奇跡だと思えばいいのだ。
(早く大人になって、お父様やお兄様達のお役にたちたいなぁ。)
私に何ができるだろうか?
授け子制度があり魔法が発展している世界だもの。きっと色々な情報や技術が取捨選択された世界に違いない。
色々と考えていると、ゆっくりと瞼が落ちてくる。
頭の中は大人のつもりでも、流石に身体は3歳児。まだまだ一日中活動する訳にはいかないようだ。
夕飯までどれくらい眠れるかな。などと考えながら、眠気に逆らわずにそっと重たい瞼を閉じた。
16
あなたにおすすめの小説
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して二年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
【ご報告】
2月28日より、第五章の連載を再開いたします。毎週金・土・日の20時に更新予定です。
また、誤字脱字の修正および一部表現の見直しを行いました。ただし、記載内容の趣旨に大きな変更はございません。
引き続きよろしくお願いいたします。
ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました
大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――
拾った年上侯爵が甘え上手すぎて、よしよししてたら婚約することになりました
星乃和花
恋愛
⭐︎火木土21:00更新ー本編8話・後日談8話⭐︎
王都の市場で花屋をしているリナは、ある朝――
路地裏で倒れている“美形の年上男性”を拾ってしまう。
熱で弱っているだけ……のはずが、彼はなぜか距離が近い。
「行かないで」「撫でて」「君がいると回復する」
甘えが上手すぎるうえに、褒め方までずるい。
よしよし看病してあげていたら、いつの間にか毎日市場に現れるようになり、
気づけば花屋は貴族の面会所(?)になっていて――
しかも彼の正体は、王都を支える侯爵家の当主だった!?
「君は国のために必要だ(※僕が倒れるから)」
年上当主の“甘え策略”に、花屋の心臓は今日ももたない。
ほのぼの王都日常コメディ×甘やかし捕獲ラブ、開幕です。
世間知らずな山ごもり薬師は、××な騎士団長の性癖淫愛から逃げ出せない
二位関りをん
恋愛
平民薬師・クララは国境沿いの深い山奥で暮らしながら、魔法薬の研究に没頭している。招集が下れば山を下りて麓にある病院や娼館で診察補助をしたりしているが、世間知らずなのに変わりはない。
ある日、山の中で倒れている男性を発見。彼はなんと騎士団長・レイルドで女嫌いの噂を持つ人物だった。
当然女嫌いの噂なんて知らないクララは良心に従い彼を助け、治療を施す。
だが、レイルドには隠している秘密……性癖があった。
――君の××××、触らせてもらえないだろうか?
【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております
紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。
二年後にはリリスと交代しなければならない。
そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。
普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…
大金で買われた少女、狂愛の王子の檻で宝石になる ―無自覚な天才調合師は第二王子の婚約者(虫除け)を演じることになりました―
甘塩ます☆
恋愛
「君を金貨三十枚で買ったのは、安すぎたかな」
酒浸りの父と病弱な母に売られた少女・ユナを救ったのは、国中から「放蕩王子」と蔑まれる第二王子・エルフレードだった。
「虫除けの婚約者になってほしい」というエルの言葉を受け、彼の別邸で暮らすことになったユナ。しかし、彼女には無自覚の天才調合師だった。
ユナがその才能を現すたび、エルの瞳は暗く濁り、独占欲を剥き出しにしていく。
「誰にも見せないで。君の価値に、世界が気づいてしまうから」
これは、あまりに純粋な天才少女と、彼女を救うふりをして世界から隠し、自分の檻に閉じ込めようとする「猛禽」な王子の物語。
借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる
しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。
いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに……
しかしそこに現れたのは幼馴染で……?
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる