氷の王子様と微笑みの男装令嬢

芯夜

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第三章 王立学院中等部二年生

197 獣人の好き①

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Side:アシェル14歳 冬



王立学院祭はムーラン皇女以外のことは何事もなく過ぎて、そろそろ一年の授業が終わろうかという頃。

マリクに発情期の季節がやってきた。

「皆おはよー。」

いつもより少し遅めにやってきたマリクに、皆が口々に挨拶していく。

「マリクおはよう。発情期に入ったの?それとも直前?」

いつもの揺れるご機嫌そうな尻尾ではなく、ピンと立った耳と尻尾を見ながら、毎朝恒例のモフモフタイムを堪能する。

「あー、やっぱりアシェは気付くー?もー入ってるよー。でも、ちゃんと俺の意志で動けてるし、前みたいなのは無いかなー。アシェのお薬はやっぱり凄いねー。」

「ふふ。ちゃんと僕の作ったお薬が効いているようで良かったよ。ちゃんと自分で出来てる?」

「やっぱり自分でするのは良くないんだよねー。なんでだろー?」

「うーん……そればっかりは、僕にはついてないからなんとも言えないなぁ。また、どうしたらいいか教えてあげようか?」

ぐりぐりっと鼻先を押し付けて離れていったマリクから手を離す。
マリクのモフモフタイム終了の合図だ。

アシェルがした提案に反応したのは、マリクではなくアークエイドだった。

「朝っぱらから教室でする話じゃないだろ。それに、別にアシェが教える必要はないだろ。」

「じゃあ、アークが教えてあげる?」

「だから、なんで教えるのが前提なんだ。」

くどくどとお説教が始まりそうな傍らで、リリアーデが苦笑する。

「男の子って、自然と自分で出来るようになるものだと思ってたわ。まぁでも、それまで自分でしたことが無いなら、先に他の人から与えられる快楽を知っちゃうと難しいかもしれないわね。やっぱり自分でするのとは別物でしょうし。」

「リリィ。そういうはしたないことを口にするなって、何度言えば……!」

「えっ、これもだめなの?これくらい普通、年頃の子なら話すことでしょう?」

「話すわけないだろ!」

そんな二か所でお説教が始まった、ある意味いつもの日常を、他の面々は苦笑しながら見守る。

デリケートすぎる問題な上に、じゃあ教えてあげて?と言われかねないので、誰一人口を挟むつもりなどないのだが。

「それにしても、やっぱりアシェはいー匂いだよねー。アシェいじょーにいー匂いのするメスなんているのかなー?」

「メスって……そういや、獣人は匂いで番にしたいかどうかを選ぶんだっけか?さすがにアシェに求婚を申し込んだら、アークに刺されるぞ。それにハーフでもなのか?」

ふと溢したマリクの言葉に、エラートが言葉を返す。

「アシェのことは友達の好きだし、そんなことしないよー。俺ハーフだけど、獣人の血が濃いらしいんだよねー。だから多分我慢できないくらい、いー匂いがするメスが居るだろうって、かーさんが言ってたよー。」

「我慢できないって……お願いだから、いきなりその辺の女生徒を襲わないでくれよ?マリクに本気出されたら、俺じゃ止められないからな?」

「よくせーざいも効いてるし、そんなことしないよー。」

そんな他愛もないことを話していると、担任のクライスがやってきてホームルームが始まる。
と言っても、特に伝達事項が無いことが多いので、挨拶だけして終了だ。

今日の一限目は体術なので、ノアールを除いた男衆は第二演習場へと移動する。

第一演習場では魔術と槍術が、第二演習場では体術が。第三演習場では剣術の授業が行われるので、毎回違う場所に行かなくても良いのは楽だ。

運動着は剣術の時と同じ、騎士団服を模した詰襟の服だ。



「エト、今日こそは勝たせてもらうよ。」

「アシェに負けるわけにはいかねぇよ。」

各所で手合わせが行われる中。

アシェルはエラートと手合わせをしていた。

エラートの長身から繰り出される一撃は、剣術同様その一つ一つが重い。

その力をどうにか受け流しながら、エラートの隙をついて拳を繰り出す。

だが、その拳の威力は僅かな重心の移動で軽減される。

それは分かっていたので足払いをすれば、こちらも容易に躱されてしまう。

剣術では基本に忠実な戦い方をするのに、体術に関しては相手がトリッキーな動きをしても対応できるように、しっかりと訓練しているようだ。
確かに騎士団に入れば、相手は何が何でも抵抗しようとすることもあるだろう。

何度か同じような攻防戦を繰り返し、アシェルが拳を突き出した時。

その腕が取られ地面へと叩きつけられる。
——アシェルの負けだ。

「くっそー……これでもエトには勝てないのか。悔しい。」

乱れる息を調えながら、地面に転がったまま口にする。

そんなもう何度聞いたか分からないアシェルの言葉に、エラートは笑いながら答える。

「そもそも体格差だってあるんだから仕方ねぇだろ。それに、剣術もそうだがアシェは受け流すほうが得意なんだ。真っ向から来て敵うわけないだろ。」

「それは分かってるけど、受け流してばっかりじゃ決まり手にならないじゃないか。勝手に疲れて隙が出来るならそうするけど、エトはミスしないんだもん。」

エラートの差し出してくれた手を取り起き上がりながら、アシェルはこれまでの手合わせを思い返しながら言った。

ひたすら受け流してミスを誘う方法は、初期のうちに試している。

だが、それでエラートに隙が出来ることも無ければ、結局アシェルには太刀打ちできない力で転がされるのだ。

ちなみに、マリクにも同じような形で転がされる。

エラートよりも膂力があって、アシェルよりも瞬発力があるのだ。

エラートなら頑張ればどうにかなる気もするが、マリクにだけは敵う気がしない。

「そんな柔な鍛え方はしてないからな。」

「はぁ……僕ももっと身長と筋力が欲しいよ……。なんでメイディーはこんなに筋肉が付きにくいかな。ほんと、呪いレベルだよね。」

いつものように愚痴を吐きながら水分補給するアシェルに、エラートは苦笑するしかない。

アシェルが女性だと知ってしまった以上。
これでアシェルに一本取られるような事があれば、騎士団副団長の息子の名折れだ。

万が一にも疲れた隙を突かれて一本取られることがないように、アシェルとの手合わせは早めに済ませてしまっているのだから。

「また呪いだなんだの言ってるのか。体格差については仕方ないだろ。」

「剣術もだが……ムキムキになってどうするんだ。今でもアシェは十分強いだろ。」

「俺なんか、ちょいちょいアシェに吹っ飛ばされるんだぞ?納得いかねぇ。でも、アシェが身長欲しいってのは分かる。」

「うんうん、アシェは強いよねー。スピードについてこよーとするから、他の人よりも戦いにくいよー。」

幼馴染達もそれぞれ手合わせを終えたようで、水分休憩にきたようだ。

「マリクの動きは見えてるのに身体が付いていかないから、すっごく悔しいんだよ。」

「まぁ、ハーフとは言え、これでも俺はじゅーじんだからねー。流石に人間に負けるわけにはいかないよー。」

「そんなこと言ったってマリクは爪を使ってないんだから、ハンデみたいなものでしょ。はぁ……せめて一年の時から体術取っておくんだったな。誤差の範囲内かもしれないけど、少しは差が縮められたかもしれないと思うと。来年は成績順位、上がってるといいなぁ。」

野外実習のための武術枠の成績名簿は、どう見ても三種競技の合算で順位が付いていた。

確かにどんな武器や素手でも、それぞれに対応した動きが出来るのは強みだ。
だからと言って、剣術では負けたことの無い相手よりも遥か下に自分の名前があるのは、分かってはいても悔しいのだ。

「それは間違いなく上がるから、心配するな。だが、エトより上は無いからな。」

「アークに言われなくても分かってるよ。どう足掻いても三種類受講してて、その中でも成績が良さそうな人には敵わないって。良いの。僕は剣術で勝てる相手の下に自分の名前があるのが嫌なんだから。そういう人たちは槍術までは取ってないから。最低目標は達成できるはずなんだ。」

「最低目標な。それ以上の目標は?」

「まずはエトに勝つ。それから、できたらマリクにも善戦するくらいにはなりたい。今はマリクに遊んでもらってるだけだもん。」

「そんなことないけどなー。まぁ、アシェが強くなるのはだいかんげーだよー。ねぇ、アシェ。手合わせしよーよ。」

「うん。よろしく。」

どうせ転がるのはアシェルだと分かっていても、アシェルはマリクの申し出を受け入れる。

少しでも経験を積んで、せめてマリクに苦戦した、くらいには思わせてやりたい。

そんな今から目で追うのが難しい動きをするであろう二人を見送りながら、幼馴染達は苦笑するしかない。

「ったく。アシェには負けらんねぇって。」

「それはアシェも思っているんじゃないか?負けず嫌いだしな。」

「おいっ、エト。それはアシェに吹っ飛ばされる俺への嫌味か!?くそぅ、俺も身長が欲しい!筋肉はそこそこついてるのに、体格差はどうにもなんねぇ。」

返事をしたデュークの隣で、エトワールが悔しそうに歯噛みする。

「アシェとはそこまで体格差ないだろ。むしろ、アシェの方が一回り小さいくらいだ。」

「くぅ……アークの言う通り過ぎて、返す言葉が見つからない……。槍術だって、今なら俺が勝てるだろうけど。アシェにやらせてみたら、あっという間に上達しそうだもんなぁ。」

「トワも槍術じゃ上位だけど、アシェに癖を見抜かれたらあっさりかもな。決まり手を取ろうとしてくる時でさえ、殺気が出てない分。凄くやりにくいんだよな。アシェ相手の時は、一つの行動で数手先まで対策してねぇと、すぐにやられちまう。」

「エトはそういうけど、今までアシェに負けたことないだろ。」

「まぁな。でもいっつもギリギリだぜ?これ以上は無理だってところで、力押ししてるだけだからな。殺気が無い分、アシェとやると神経使うから、正直なところすぐに次はやりたくないんだよな。その点、体術は結構長めに休憩取る奴が多いから気楽だけど。」

エラートの言う通り、全身を使って相手とやり合う体術の授業では、壁際やベンチに座って休憩している生徒が多い。

中には各所に打ち身を作って、ヒールをかけたりかけてもらったり。それが出来ずに医務室に行く者もいる。

エラートのあとには、大体こうやってマリクがアシェルを誘って手合わせに行くので、その間は皆休憩に当てて、こうやってお喋りしていることが多い。

「そういや剣術は相変わらず、アークとアシェは長いこと打ち合ってんの?好きな獲物で手合わせ出来ないから、手合わせっていったらもっぱらエトとばっかりなんだよなぁ。」

非公式お茶会の時は、それぞれ得意な武器を片手に手合わせをしていたが、学院の授業はきっちりと分けられている。

どうしても剣術よりも槍術が得意で、領地でも槍術の方が重宝されるエトワールは、剣術の授業を取っていない。

「取ってる授業的に仕方ねぇだろ。まぁ、二人は昔と変わらず、ひたすら打ち合ってるぜ。正直、あれだけやりあってたら、気疲れしそうなものだけどな。」

「体力的には疲れるが、精神的に疲れたと思ったことは無い。俺はアシェと手合わせするのが一番楽しい。いつまでも続けていたいくらいだ。」

その幼馴染達は何度か聞いたことのある言葉は、アークエイドがアシェルに片思い中だと知れ渡っている今。
今までとは少し違う意味に聞こえてくる。

「なぁ、アーク。俺的には今まで、力が拮抗していて楽しいって意味かと思ってたけど……まさか、アシェを独り占めできるからとか言わないよな?」

「さぁ、どうだろうな。」

アークエイドは言葉を濁したが、それだけで幼馴染達は図星だったことを悟る。

「まさかとは思うけど、手を抜いたりしてないよな?そんなことしてたら、アシェが怒るぞ。」

「するわけないだろ。なるべく力押しだけはしないようにしているが、手を抜いたりしたらアシェにバレる。それに、手を抜ける程アシェは弱くない。」

「まぁ、確かにそれもそうか。にしても、まだアシェから色好い返事は貰えないのか?アークが振られたって聞いてから、結構経つけど。」

エラートの何気ない言葉に、アークエイドはムッと表情を変える。

「貰えないどころか、時折諦めろとかシャーロット嬢と婚約したら、とか言うんだぞ。こっちは求婚中だっていうのに、朝みたいなことを平気で言うしな。」

アークエイドのどこか拗ねたような言葉に、今朝のマリクへの言葉を思い出して三人は苦笑する。

「あーそういや、アシェの感覚は獣人寄りだって言ってたな。」

「リリィもだけど、その辺りは前世の記憶も関係してそうだけどね。何がダメなのか分かってもらえない辺りが性質悪いけど。」

「まぁ、領地の令嬢から聞いたこともないような言葉がでてくるもんな。あれって、リリィ達が居たとこでは普通なの?」

「分からない。ただリリィ曰く、女の子同士でナマモノな話しをするのは、割とよくあることだそうだ。」

デュークの言葉に質問したエトワールと、残りの二人も首を傾げる。

「男が話す恋愛話は、理想を語るものが多くて加工物だそうだ。それに対して、女が話す恋愛話は実体験に基づいたもので生々しい話が多いらしい。だからナマモノというと言っていた。こっちではどうか知らないけどな。」

「そもそもよっぽど仲良くないと、恋愛話なんて貴族同士じゃしないけど……。それって割と怖くない?少なくともリリィとアシェは、そのナマモノな話しをしている可能性があるってことだろ?」

「二人がしている話は前世に関する物しか聞いてないから、実際にしてるかは分からない。時々アシェが遊びに来たり、リリィが遊びに行ったりしてるみたいだから、無いとは言い切れないけど。」

「まぁ、なんだ。アーク、頑張れよ。」

「エト。それはどういう意味の頑張れだ。」

「リリィに愚痴られないようにと、婚約できるように、だな。」

「言われなくても頑張るさ。」

丁度アシェルとマリクの手合わせは終わったようで、尻尾と耳はピンと立ったままなものの上機嫌なマリクと、肩で息をしているアシェルが戻ってくる。
恐らくどうにかしてマリクの速さについていこうとしたことが伺える。

珍しく幼馴染でした恋愛話は終了だ。

その後はそれぞれ申込者と手合わせをし、体術の授業は終了した。
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