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title #3 "Welcome, Mr. Another World!OYOYO ” 幕の内 30/?
title #3
"Welcome, Mr. Another World!OYOYO ”
幕の内 30/?
『か カルテの返却要請ってほっとくとどうなるんだ』
『大学に行くために上京してレンタルビデオをTSU〇AYAで借りたまま郷里に帰った時引っ越し荷物から出て来てけど、面倒くさくなってほっといたら督促状が届くようになって、それ無視していたら裁判所から呼び出しが来て、慌てて行ったら数本のAVビデオの延滞料で100万近く請求されたとか聞いたぞ。怖いね~』
借りていたのがAVだったので親には言えないので、サラ金で借りて、それがバレて就職先首になって人生オワタ人生の先輩の話とか聞く。
『看護婦のお化けより怖いな』
看護婦に恨みをかっても注射を痛くされるぐらいだろうが、AVビデオの滞納は死ぬ、社会的に。
『今は配信で勝手に返却されるから良かったよな ・・・・ 何の話だっけ?』
『なんだっけ?ああ、彼女がお涙頂戴な展開。いわゆる“可哀そう”ストーリーの主役ゴッコをしたいのでお前に挨拶に来たとか … じゃなかった?』
『そうだったっけ?まあ、それでいいや。まあ、それはナイナイ』
顔の前でハエを払う様に手を振り、はははと鼻で笑う。アイツはそんな事で騒いだりせん。
『映画やアニメや小説が好きでヒロインに憧れている厨二病感じゃないないのか』
『多分逆だ。あいつ、そんなに好きじゃないと思うぞ』
『でも彼女と話を合わせたいからってお前ら映画とかアニメよく見てるんだろう』
好きなモノを話をすると相手はガードが緩む。彼女が相当変わり者なので、クラスの連中が対処に困っているので、コッチから距離を詰めようと好きな対象を共有することで、言葉悪いが気に入られようとしていると思っていた。
『あれは漫画のアシスタントで原案やらされていたんで職業病みたいなもんだったとか言っていたけどな』
別に好きでも嫌いでも無く、あれは他にものっぴきならないだと言うのが皆の見識だと言う。
『のっぴきならん事情って、何があるんだ』
映画検定でも受けて合格しないと、人質に取られている家族に危害でも及ぶのかと思ってしまう。
『ややこしい話で、戦争に出立する時に話すように話じゃないぞ』
クラスの連中は知っているが、他のクラスには話過ぎたと思ったので切り上げようとする。
『じゃあ、飛行機に乗ってから頼む。現地まで10時間以上だろう。お互い初の野戦だろうからどうせ寝れないだろうから暇つぶしにはいいだろう』
『こういうときは寝た方が良いって、そのアイツから言われたぞ。戦場じゃ無理しても寝ないと寝不足で疲れてると判断遅れて逃げ遅れるんだって』
逃げ足だけで幾多の修羅場から生き延びたと言っていた生還者の言葉なので重たい。
『そうか、じゃあ生きて帰ってきたとき頼む』
そんな殊勝な事を言っていたが。
ビャアアアアアアアアアアア
オレンジの平ロープで編まれた簡易椅子は乗客にごゆっくりお休みくださいなんてホスピタリティは欠片も無く、輸送機の性能重視で振動も騒音も放置のエンジンはうるさく振動も酷い。
旅客機と違い防音設備などで無い輸送機であったので慣れぬ新兵に寝れるワケなかった。
『これで眠れるってんだから、(自衛)隊の先輩らは凄いな』『幾ら俺らの体は頑丈でも中身は単なる素人のガキだ。これから慣れるさ』
『慣れるかな?こんな暮らし』
ちゃんと整備されているのに、ガタピシ家鳴りがする。旅客機なら、飛行になれていない乗客が無事を確認しようとアテンダントコールを押すだろう。
『慣れなきゃ長生き出来ないらしいぞ』
『戦争なんか慣れるもんじゃねえだろう。軍人は戦争嫌いがなったほうが世の中平和だからな』
心底嫌そうな顔に怪訝な顔をされる。じゃあ何の為にこんな因果な道を選んだんだと。
『慣れるもんじゃないって、もう行って来たような口ぶりだな。お前越南あたりの帰還兵だったの』
ランボーみたいにと笑う。
『 … 』
『マジかよ』
『VRゲームかAR(拡張現実)*みたいなもんだ。実体験はソッチと変わらん』
『ああ、あれマジだったの?確か、映像アーカイブ*みたいに誰かの人生リフレインで見せてくれるって、昔あった“サトラレ*”だっけ。』
『歩くYouTubeって言われてる』
『それは褒めてるのか。人のふんどしのシャバ代で金儲けしてる映像ヤクザじゃねえか』
『全編ロハだから良心的だぞ』
クラスの皆がアイツの中にいるユーレーの誰かが経験した人生を巫覡(ふげき)*を見せてくれた。タダで。
『ユーレーの誰かの人生アイツ好きに見れるのか?』
俺ならAV版を見たいけどと男子なら至極当たり前の感想を言う。
『本屋でエロ本買おうと思ったら、いつもはおっさんなのに店員が若い女の子だった。お前平気で買えるか?』
フルフルと顔を揺らす。
『しかもお前ら知り合いだろう。無理だな。もう少しおっさんになったら出来るだろうが』
『なんか女子は、アイツを女子寮に用も無いのお泊りさせているらしいんだよな』
そんなあくる日の朝女子共が妙に怪しい目とけだるい表情をしてるのを見る事がある。
『お~ 薄い本だ 薄い本だ しかも百合か。それは徹夜しても欲しいな。虎の穴とかメロンブックにおろして無いから、希少で高く売れると聞いたから大目に融通してくれんか』
アイツが(元)プロの漫画家(作画)であるとは知れ分かっていて、相当上手いらしいが商売っ気無いので自分でも持ってないぐらいの稀覯本(きこうぼん)で、裏で結構な高値がついているとか。それを知った学校のオタ女子が、なんか男子は見たくも触りたくも無い地雷本を夏コミに向けて描いてもらっているとか。それは個人的にはいらんが、普通の薄い本は欲しい。
『アイツ、クラスの女子食ってるのか?いいな~』
意外とクラスの女子偏差値は高いらしい。
『それは無いみたいだな。多分ソッチの趣味も無いから』
他人の人生見すぎたんだ、今更他人の濡れ場を見ても気分はヤリ手ババア状態らしい。おまけVRについで、島でのバイトは何故かお風呂関係が多くて、何を見ても今更状態らしい。本当かどうかしらんがあれで全くの未経験らしい。
『それにお前は巫覡の経験無いから知らんだろうが、あれはVRでもARとは全く違うんだよな』
『どう違うんだ?』
『明晰夢*じゃない夢見てる状態かな?』
明晰夢とは自分が寝ていて夢を見ていると自覚出来る事である。意識のコントロール下にあるので、妄想し放題でありがちなハーレムでも俺TUEEEでもチヤホヤでも何でもござれ状態である。ただし体現は偶然が殆どで、夢の途中で気が付く者が殆どあるらしい。
『そら自由には見るのは無理だろう。世間の連中が自由に見れるようになったら、だろう系小説やアニメにラノベはとっくに滅びとる』
なんたって夢を自由に作れて自分がその世界の主人、なんなら神ポジションなんだから不可能は無い。
『滅びるかな?』
『滅びるだろう。ストーリーもキャラも声優も好き放題だぞ。人生ずっとハレの日状態』
言う事を利かないケの日が無いんだから、現実に勝ち目はない。
『不自由がいいんじゃない。理想ばかりじゃ飽きるぞ。俺強いで女は入れ食いで周りにチヤホヤされて、嫌いな奴はぼてくりこかして働かずに悠々自適なんてラノベばかりになったら、飽きたってラノベもだろう系小説も売り上げ落ちてるって話だし』
『幾ら好きでもラーメンばっかり食っていたら飽きるか』
『ストレス無いと生き物は弱くなるって話だからな』
血統書付きは高価だから金かけくれるから良いモノ食えるしエアコン付きのフカフカの犬小屋で何かあったら直ぐに医者にも掛かれるんで病気と闘う事も無いんで種としては弱くて病気に弱くなるが、雑種はつよいって言う。
『男子の夢のハーレム状態ってあんまり楽しく無いのかね?』
『クラスにいた美女を侍らして桃色遊戯が見たいってのが男子が見せてもらっていたけど、しばらく腎虚(ヤル気死亡)して多くが一人の女で十分だって純愛主義者になっていたぞ。残りは … 』
『残りの … はなんだ?』
『女好きだったのに、何故かBL本読むようになっていた ・・・・ 』
『お なんて恐ろしいんだ。巫覡!』
でも、男子がそういうビデオを見ても大概は怖いもの見たさで終わって初めからそんな趣味が無ければ転向はしないもんじゃないかったかと聞くと、そこがビデオと明晰夢と、巫覡の違いらしい。
『本当に自分がその体験をしていると感じるんだよな』
おまけにあまりの臨場感に、終わって起きて現実に戻ってきたのにまだ夢の途中か、実際に起こった事だと信じるらしい。
『俺この間、戦争の予行演習だと歴戦の勇士の爺さんの人生見せて貰ったけど、その爺さん70ぐらいで病死したみたいだけど、物心ついた時から戦場を駆け巡って年くって体が駄目になって安ホテルの一室で寂しくくたばるまでの殆ど思い出せるんだよ』
『夢ってのは見ている時は現実味があるけど、夢から覚めると夢だったと分かって現実感が消失するとは聞くが、そうじゃないんだ』
『たまに生きてるこうやってるけど、時どき不思議に思うぞ⦅俺ベッドの隣に置いた洗面器に吐いた地にまみれて死んだんじゃなかったっけって⦆ってね』
『俺見たいって言ったけど遠慮するわ』
『経験者として言わせてもらうと、女子みたいに特定シーンだけ選んで見せて貰った方がいいぞ』
『編集もしてくれるのか?お前なんでノーカット見たんだ』
『戦争やって敵をやっつけて女抱いているだシーンだけ見たら、自分はヒーローかなんかだと勘違いするだろうって。変な夢見て死ぬのは勝手だが、同じクラスだと郷里の葬式に出なきゃいけないかもしれないからそれ面倒だって、親切のつもりもあったか
しらんが見た方が良いって断れなくて』
『それで戦争屋家業の失敗例を見て嫌になったんだ』
『人生ボチボチ行こう … 手遅れかもしれんが』
こんな仕事を選んだので、予行練習とばかりに戦争やっていた先人の“しくじり”人生を見せて貰った。しくじりってぐらいだから結果はおしてしるべしで、見た事が自分達のしくじりだった。皆に去来したのは、戦争はもういいです。戦いに厨二病的幻想はなくなった。
『自分じゃまだ何にもしてないのに、人生悟った気になってるんだぞ。参ったよ。なるべく沢山年金のノルマ達成して、将来ネットさえ繋がってれば後は文句無いから限界集落あたりで、早めに引退して年金生活。出来ればこんな俺で良いって言ってくれる嫁さんと子供と家庭菜園でゆったり暮らしたいよ』
『積み立ても始めていないのに、もう年金暮らしに憧れるスローライフだなんて希望の無い高校生だな』
『人間の目指した理想は自らの家畜化だぞ。理想の生活じゃないか。普通に暮らしてれば命を狙われないし、最低限の生存は国がお題目にしてくれている国なんてウチの国は人類の理想郷らしいぞ』
『家畜化って、確かに俺らの姿も、まあまあ動物園だけど』
狼や熊は畑を耕し乳が出て肉になる経済動物と違って、労働らしい労働はしないし食肉にならんので観賞魚扱いであるが動物園なら経済動物ではある。
『働けば上前は相当刎ねられるがそれなりに食えるし、外敵からの生存はある程度保証されてる』
アフリカの野生の牛で飼われているワケでも餌もくれないのにわざわざ人間の村にやってきて、乳を搾っても大人しくしているのは人間が近くにいれば猛獣から守ってくれると分かってから利用させている。変わりに牛達は乳を搾らせる。いわば乳は人間界でいえば税金だ。一般の社会の歯車から離れているようでいて、無人島で自給自足で暮らしているワケなく社会が作ってくれた恩恵は受けている。充分に家畜だ。
体はこうでも精神は人間だ。人間は群れる事で300万年生きてきたんで、いまさら後天的にちょっと毛色が変わっただけ変わらん。
『一匹狼とか言っても、周りがいないとやっていけない。誰も信用するなっていうけど、誰かを信用しないと生きちゃいけない』
『一人で放り出されたマッチ一つ作れんからな』
誰から作ってくれたから恩恵をコッチは労働を対価にして受け取っているだけだ。金だろうが暴力だろうが詐欺だろうが。
『そういう漫画もあるけど、あれ実際にやってもそうそう出来ないからうけてるんだよな』
簡単に出来るなら、そんな漫画誰も読まんだろう。
『青い猫型ロボットが食えない色のエノキ頭に変っただけか』
便利な生活の為にインフラもそうだ。税金なり社会活動の対価で単独で暮らしているより便利な暮らしが出来る。
『豚は殺されるまで税金払わないでいいけど、税金その都度納めている牛や馬も最後〆られるだけど・・・』
『どの人生もいずれ終わる』
狩る狼も狩られる羊もいずれ死ぬ。
『俺らは確かに少し他より頑丈だが、エライとか立派って事じゃない』
肉食獣や猛禽類が小動物や小鳥とやりあえば勝てるからって言っても、連中がいなければ飢えて死ぬので一蓮托生。いや、肉食獣はいなくても草食獣は困らない。強いようでいて、意外や猛獣や猛禽類は潰しがきかん。
喧嘩やったら勝つなんて事で威張るなんて、隣の中学と諍い起こしているのと変わらない。金にもならんで得るのは僅かなプライドのみだ。それが無価値だとは言わんが代価が高すぎる。
『少年ジャプンとかの定番漫画じゃ燃える展開だろう』
『表彰台の真ん中にそんなに価値あるか?甲子園に出る高校は4000校で優勝は一校。優勝の為に敗者が3999校必要。一等が200万分の一の宝くじよりは高配当だけど割に合うか?』
『青春の涙と汗はプライスレスだろう。ははは』
『笑いながら言うな』
甲子園児は女子にモテるっていうから、体液も入れていいなら熱いモノを掛けてもいいけどと笑う。どこに何をかけているんだと笑う。
『やっぱ失敗だったかな。推理小説を後ろから読んだ気分だ』
何やっても先が見えたって言うか、己の分を弁えてしまって虚無感がクラスには蔓延していた。大体高校の教師なんて若く暴走しがちな生徒を抑えるもんだが、このクラスは逆だ。もっとはっちゃけろと唆す。
『俺らまだ高校生だぞ。多少爆ぜた夢を見て、社会の壁とかにぶつかって痛い目にあったりして大人になったりしないか』
『いいね~。どっかの赤いの*は、若さゆえの過ちなんてほざいていたけど。お前一体何様だって、つっこんでやりたい』
『アレはいいじゃないか?』
赤いのは確か王子様だから、言ってもいんじゃないと突っ込む。世が世ならお前が不敬罪でつかまるぞと。
『戦う前から戦うのがイヤになったんだ?じゃあ辞めればいいんじゃない』
地獄への片道切符(赤紙)貰ったワケじゃない。一応我が国じゃ職業選択の自由は認められている。共産圏でも、神様だか水晶だか知らんが勝手に職業を決められたりはしない。
『任官拒否なんて反戦自衛官みたいな事言っても仕方なかろう。俺らのペナルティは重過ぎる』
防衛医科大学でも返金はスーパーカーぐらいで済むから医師免許取って医者になれば何とか返せるが、俺ら体が頑丈で高給のガテンでも出来るが、それで戦闘ヘリ一機分ぐらい返すなんて何度か生まれ変わっても無理。やっぱり自由になりたかったら戦争や軍関係の荒事からは逃れられない。
『だろうね』
『エリア88の契約書に騙されてサインさせられたもたいな気分*』
『お前は風間真か。まあ隊の人事部に騙されてサインしたならお気の毒』
『金を稼いで輝かしい未来が待ってると思ってるならアイツに巫覡をみせられんこった』
とっとと因果な商売から足を洗いたいと思うようになった。まだ始まってもいないのに。
『頼んだら見せてくれるのか?そのお前らが人生に絶望したような誰かの人生のプレイバックを』
『アイツ人の生き死にには興味無いけど、人あたりは良いんだよな』
頼み事されると嫌がるけど、意外と断らない。
『人の生き死に無頓着だけど、良い人って感じだぞ。姉御肌で気風は良いぞ』
人は良いけど公私はキッチリ分ける死神みたいなもんだ。胸の前で十字を切って鎌を振るうと笑う。
『誰か聞いていたけど、人間には不幸になる権利もあるんだから死ぬか生きるかは本人が決める事だって』
『病気でも事故でも?』
『そうじゃない?死ぬ奴は運が良いって言ってるぐらいの奴だからな。そういや、アイツ葬式とかでも可哀そうとか言わないな』
人死にがよく出るのでお悔やみの祭壇は学校に常設?であるが、女子が肩を落としていても、顔見知りであっても遺影には気を掛けない。
『単なるサイコパスなんじゃないか?』
『今思うと、一緒にいる女子には気を使っていたぞ。やっぱり祭壇の主の方はどうでも良さそうだったな』
何か思い出しように、考えて顔をしかめる。
『どうした?』
『いや、これを言うと本当にアイツ大丈夫かなとおもった事も言っていた』
『なんだって?』
『人は死ねばゴミになる* だって』
『俺仲良くなれそうに思えんな。そりゃ恋人の死体に無き縋るシーンは無いな』
恋人の遺体に縋る付いて泣くなんてシーンを想像していたのが望み薄だと笑う。
『大丈夫だ。俺らも大概そうだった』
初対面での感想は“なんだ コイツ”だったが、少なくとも悪意は感じなかったし、実際無かった。無かったって言うか、裏でなんか考えるのは面倒臭いってヤツだったのだ。だから、色々勘繰るのは無駄だって諦めた。
『なんだ。マスコミの印象操作みたいに、上げて下げる、下げて上げるイメージ戦略でもやってるのか』
裏道でカツアゲしてサラリーマンから財布奪ったいかついヤクザが、表側で10円募金していたら良い人に見えるように、出発点からのギャップで良い人に見えるのかと疑う。
『ユーレーとはうまくやってるし、別段死人だから 生きてる人間だからどうだって区別は無いんだよな』
みんな平等に見知った他人、死生観が非常に独特だとフォローしておく。悪い人間じゃ無い … 多分。
『あの娘の知り合いの教職員とかが、あの娘には気をつけろって言っていた理由がおぼろげながら分かってきたら、なんかすっごく興味は湧いてきたぞ』
『いや、興味持っても肩すかし食らうと思うぞ。あれはそういう生き物だって思った方がいい』
イルカに向かって泳ぐの上手いですね。モグラにトンネル掘るの早いですね、どんな心持でトレーニングされたんですかって聞かれても相手も困る。何にも考えていないんだから。
『ギャグ漫画にあるだろう。当人眠くてボーっとしてるだけなんだけど、周りが何か深い思慮を巡らせているように勘違いして騒ぎが大きくなる。あんなもんだ』
『ああ、漫画は定番のネタ過ぎて思い出せんが、玖馬危機とか東西独逸の伯林の壁崩壊とか*』
事件の当人は何にもしてないのに、周りが勝手に勘違いして自体が動き、当人には分らん内に歴史が動いていた。
『そういうタイプなんだ』
『悪意の無い騒動屋』
それがアイツの評価。
『いわゆる“おもしれえ女”なんだ。そりゃお近づきに … なった方がいのかな?』
『粘菌の最短経路探索実験*を面白いと思えるならお勧めかも』
プラバンで作ったミノタウロスの迷路の入り繰りに粘菌、出口にエサを置くと脳が無い筈の粘菌なのに最短で進むので、その理屈が分からないと学者を悩ませた。
『ひでえ。そこまで何にも考えないのか。でも納豆は好きなんだよな』
納豆は粘菌じゃないと突っ込む。そんなもん食えるか。
『あぶねえな。面識無いのに話を聞いただけえでアイツの毒が回ってきたのかしれんぞ』
毒は適量なら意外と刺激が楽しいから、下手糞な料理人がさばいたフグが好きだって奴もいるぐらいだ。
『どこのマッドマッドサイエンティストな薬師だ』
舌がピリピリする感触が溜まらないって食通もいるぐらいだ。じゃあ自分がさばいてももってやって量を間違えてってパターンもある。
『近づかない方がいいかな?』
『多分面白いぞ。ただ付き合うと変わり者のレッテルは貼られるから覚悟しておけ』
アイツが転校してくるまえは、まあ獣人や亜人はいるが学校的には平凡なクラスであったが、アイツの影響を受けて問題児学級となったと職員会議じゃ問題になっているらしい。
国中から結構選抜されてきたので、多少のやんちゃはいたが、エリートらしく聞き分けがよく、従順で善人で成績も普通であったが、職員によると、“どうしてこうなった”状態でひね曲がったらしい。
『植樹された建築用の木がある程度真っすぐ生えていたのに、ある時から曲がりくねって建材としては使えなくなったみたいだって。ひでえよな』
担任の評によると、可愛い子猫と思ったらいつのまにか捨てられて唸っている野良猫になっていたらしい。
『従順だった部下がおかしな連中とつきあうようになって、朱に交わればとなったみたいだと言われた』
命令には素直に従っていたが、いつごろからか全てに対して疑問を持ち、反抗的で支配されることを拒み、大事な事は自分で決めないと気が済まないようになったらしい。*
どこの特殊機甲分隊かと突っ込む。
『優れた人間って大体そうらしいぞ。上から見たら「コイツ言う事聞かないから、首にしたいけど、仕事上いるんだよな」なんだって』
『その評価軍じゃ死亡フラグだぞ。上司が私念に走るヤツだと気に入らんって生還不可能な最前線に行かせられそう』
『今回の遠足そうじゃないか?お前行くの敵陣深奥とか聞いたぞ』
『俺死士*かよ』
落下傘積んでるかなと探すフリをする。
『窓の外は外海だぞ。ジョン万次郎だってボロ船があったから生きてたんだ。内海ならまだしも外海じゃ裸じゃ死ぬぞ』
『仕方ねえエ。祈っとくか』
お手手のシワとシワを合わせて幸せと祈る。
『お前が信心深いとは意外だったな。どこの神様だ』
一緒に祈ってやると笑う。
『ずっと話題に出ていたアイツなんだけど、アレでいいのか?』
『えっ?祈ってるって偶像対象アイツなの。なんで』
神様を怒らせているいるような事を結構目撃されている。喧嘩は同じレベルじゃないと出来ないから、アイツ神様と同レベルなのってなって、面白いからそういうことにしたらしい。
『なんか色々あってな。女ってジャンル分けしたいじゃない』
クラスの女子が言い始めて冗談であったが、いつのまか定着していた。
『そうなの?』
『ワケの分からないから、どう思ってればいいのか分らんから面倒臭いから神様にしとけって事になったらしい』
昔から人間は理不尽には神か悪魔の所為にしたものだ。そうしとけばどんな悲劇だって、文句を言っても仕方ないと諦められる。
『神様にしとけって、いいの、それで』
『いいんじゃないの?本人嫌がっていたけど。あんな奴らと一緒のするなんて沽券に関わるって』
『すまん。情報が過多すぎてベクトルがアッチコッチなんでどっから突っ込めばいいんだか分らんのだが』
『心配するな。クラスの連中も全員“どうしてこうなった”の嵐だから大丈夫だ』
『おかしな宗教絡みじゃなかろうな。悪いがそうだったら俺は疎遠になるぞ』
『そうしてくれ。俺らもそう思うし、一番怪しいと思ってるのは当人だ』
『当人?』
『前に言わなかったか?アイツ自分が誰か分かんないんだよ』
『えっ?』
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"Welcome, Mr. Another World!OYOYO ”
幕の内 30/?
end
*どっかの赤いの マザコンでシスコンでサイコパスなあんちゃん。サラエボで皇太子殺して間接的に1500万人を殺したテロリスト並みに、己が身勝手な行動でそれクラスの人間殺している。どこに憧れる要素があるんだ。
*明晰夢(めいせきむ、英語: Lucid dreaming)とは、睡眠中に見ている夢が「夢である」と自覚しながら見る夢のことです。夢を自覚しているため、夢の登場人物、物語、環境などをある程度、自分の意志でコントロールできると言われています。
*「映像アーカイブ」とは、過去に制作・放送・配信された映像記録を、デジタルデータなどで保管・整理したものを指します。これは、単に保存するだけでなく、後からいつでも検索・視聴したり、再利用したりすることを目的としています。
*「サトラレ」とは、考えが頭の中の思念波となって周囲に伝わってしまうという架空の病名、またはそのような症状を持つ人を指します。この言葉は、同名の漫画作品が元になって広く知られるようになりました
*死士 生存の見込みは殆ど無い作戦に従事する兵隊の事。中には生きて勝っても生存は許されず殺されるって無茶な命令もあって、仲間に殺されよりは敵に殺されたいって狂戦士状態で凄い働きをした部隊もいたらしい。遅効性の致死毒を飲まされて逃げる事すら出来ない兵士もいたらしい。
*『全てに対して疑問を持ち、反抗的で支配されることを拒み~』装甲騎兵ボトムズ ザ・ラストレッドショルダー(1985年)
*粘菌の最短経路探索実験 真正粘菌の一種であるモジホコリ (学名 Physarum polycephalum) が使われ、寒天培地上に作られた迷路の中で、スタートとゴールに置かれた餌(オートミールなど)を最短距離で結ぶ経路を自律的に見つけ出す様子が示されました。
*玖馬危機とか東西独逸の伯林の壁崩壊 玖馬危機/亜米利加の裏庭の玖馬に核ミサイル配備中に時の大統領ケネディが教会に行ったので、これを露のスパイが露の元首に報告をあげ、亜米利加の大統領は戦争始める時は教会に行くのが通例だったので、これはまずいって配備中止した。オチは単に日曜だから行っただけ。
伯林の壁崩壊/ 東独逸の住人が壁を越えて旅行をすること許すとの発表だけだったが、いつのまにか壁の廃止と伝わり、住人が勝手に壁を壊し始めて後に引けなくなった。
*人は死ねばゴミに 著:伊藤栄樹 (1998年) 自らの死を冷静に見つめた終生記
*「エリア88の契約書に騙されてサインさせられたもたいな気分」 エリア88(1979年)エリア88の契約書は「死と隣り合わせの強制労働」を意味するため、そのように感じられる状況は非常にお辛いことと存じます。AI原文まま
*みんな悩んで大きくなった* サントリーのウイスキーCM 野坂昭如さん出演
*『桃太郎はジンギスカンになる』うる星やつら2(1984年)人間誰しも悩み苦しみ過ち、そして、成長し桃太郎は満州に渡ってジンギスカンになるのであります。かの大ギョエテいわく、苦悩を経て、大いなる快楽に至れ、と言うようなワケでして、何はともあれ、全員ケガ一つせず何より無事、これ名馬であります。くれぐれも安全第一で、そこんとこ、よろしく」
*「巫覡」(ふげき)とは、神仏を勧請したり、神がかりとなって人の未来や吉凶を予言したりする者のことです。具体的には、女性を「巫」(みこ、かんなぎ)と呼び、男性を「覡」(かんなぎ、げき)と呼びます。
*AR(拡張現実)「Augmented Reality」の略で、「拡張現実」と呼ばれます。現実の風景に、デジタル情報(画像、動画、3Dモデルなど)を重ね合わせて表示する技術です。スマートフォンのカメラで現実の風景にキャラクターを表示する『Pokémon GO』のようなゲーム。
*「〇〇病院?カルテなんか持って来てない」 病院の心霊スポットに肝試しに行くと何故か落ちているカルテを持ち帰ると、電話がかかってくるってネタ。病状なんて最高の個人情報だろう。個人情報保護法案はどうなってんだ。
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全てのドレスの裏地には、二重縫いで隠された署名が残されていて——。
辺境の小さな仕立て屋で穏やかに暮らすティナの元に、王都から使者がやってくる。
【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~
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【24年11月5日発売】
その攻撃、収納する――――ッ!
【収納】のギフトを賜り、冒険者として活躍していたアベルは、ある日、一方的にパーティから追放されてしまう。
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マジックバッグの性能は、全てにおいてアベルの【収納】のギフトを上回っていたのだ。
これは、3度にも及ぶパーティ追放で、すっかり自信を見失った男の再生譚である。
追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発
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アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。
『異世界で最強賢者になった俺、帰還した日本がAIロボットに滅ぼされかけていたので最強ハーレムを召喚して反撃します』
常陸之介寛浩 @書籍販売中
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十年前、天城 恒一は突如として異世界へ転移した。
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