"Welcome, Another World Traveler!”

温州ミカン

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title #3 "Welcome, Mr. Another World!OYOYO ” 幕の内 3/5

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title #3
"Welcome, Mr. Another World!OYOYO ”
幕の内 3/5

「夢は終わったのかな*アイツの中では続いているんだよな。そして俺らにも」
学校の性質上愁嘆場の話なども興味から聞いたが、聞いてるだけで陰鬱になったぐらい。
撃たれ 犯され 刺され 焼かれ 奪われ 絞められ 潰され 埋められ、使いようが無い悲鳴以外はバラバラにされてどこぞの金持ちの一部に生き別れ etc etc 。

担任たちがアイツには心から同情している様子を見て、こんな細っこい女子がどんな人生歩んできたんだと軽い気持ちで、クイズ番組私の秘密*的に根ほりはほり聞いた事を後悔しただろう。
「そりゃそうだったろうな」
「女子がああなるのは見たのは、映画館でエイリアンアドベンチャー*を見て以来だな」
聞いた女子らは、今食べたばかりの昼食を教室の床にぶちまける事になったからな。
「しかしアイツも悪い。なんで立て板に水みたいに、そんなドロドロした事をタメも無くサラサラ言いやがる」
タメがあればホラー映画?に身構える暇があるだろうが、タメなしじゃいきなりボディブローが胃に突き刺さった。
「身構えている間は死神だって来ないらしいらしいが、あの不意打ちは俺らにも酸っぱいものが来たよな」
「本当に、好奇心猫を殺すだよな」
「ネコ型の連中も生きていたよかったぜ。ネコは心筋症で逝くの多いらしいからAEDの場所思い出したもんな」
ネコが毛玉を吐き出すわけでも無いのに、げーげーやっていた。まあネコだえけではなかった。
お互い憑依・憑られ(サトリ・サトラレ)体質なんで、臨場感はVRに鏡花水月*を合わせたように臨場感満天であって、ある種の地獄ってのは案外身近にあるんだと思ったもんだ。心が乾くっていうか、異がからっぽになった。あれから教室にバケツが置かれるようになって、エチケット[ゲロ]袋を持つ奴も多くなった。
「今にして思えば、誰かが帰ってこない度に、死ぬ奴は運がいいんだってアイツの口癖のワケがよくわかったわ*」
「それは分かる。俺なら殺してくれっ頼むわ」

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「アンブレイカブル*みたいな視覚の同調が双子とかにはあるとは知っていたけどアイツがそうで、非接触でも過去に見たビジョンを見せることが出来るとは知らなかった」
「おまけにシックスセンス*も込みだろう。何あのハーロックのマゾーン*みたいに記憶のスキャンニングに、出物腫物なタイムパトロール*までこみこみんは」
他人とビジョンの共有は双子などにたまに聞く能力だ。二人でカリブ海にバカンスに行こうとしたが、ドラッグの打ちすぎで入院したのでいつもの事だと片割れは一人でバカンスを楽しみ、ドラッグなんど辞めろと言ういうつもりで自慢をしようとしたら、ずっと病院のベッドで寝たい手のに片割れがいう前から全部知っていた。
口説いた相手にどんな甘い夜にどんなピロートークで幾ら取られたかまでも。
「生霊や死霊や神や悪魔じゃなくて意識がつながるってあるんだな」
「まあアイツが特別らしいがな」
「おまけにライブ映像ばかりじゃなく、シックスセンスばりに死人と双方向で話せて、ジョニーメモリー*みたく過去の誰かの記憶まで覚えておいて意識を飛ばせるとは」
「アイツそれをガキの時から背負ってきたんだろう?同情する」
「普通の生活に憧れる気持ちがわかるわ」

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災禍の中心で教室を地獄を引き起こしておきながら、誰がこんな酷いことをしたんだってワタワタしていた。
その顔には一片の悪意も身にお覚えもございませんって表情だったのでハゼル呼吸をしながら『お前の所為だろうがよ』って突っ込んでいた。
今に知れ思えば、あれで日曜名作アニメ劇場で辛い目にあったヒロインを見るような気持ちは吹っ飛び、誰が腫物を触るような気遣いとかしてやるかとポジションが決まった。
「まあ悪い奴じゃないのは分かったけど、ただあんだけTPO読まないのはもう悪かもしれんが」
始めは普通に口頭だけで自分が憑依?されて見たことを伝えていたが、女子を中心に受けていた(喜んでいたとは言ってない)ので、じゃあ憑依VRモード[仮称]で自分が見たフルダイブVR状態の臨場感たっぷりで見せた。
「悪意なら女と言えどもぶん殴るが、善意[知らない]だったのでやるせない気持ちのやり場に困った」

自分は皆気分を害して、主に女子に励ましの言葉をかけるアイツを見ていた。皆をジェスチャーで励まそうとくるくると動かす手を。
(手首から先はあるよな。ならあれはアイツが受けた行為じゃなく、言うように誰かの記憶だったんだな。それでも見せられてキツかったけど)
どっかのなんかの組織に拘禁され、手首足首を切ら潰されて、自分の体臭に仲間だった者の死体が腐る鼻がひん曲がりそうな地下牢で下卑た男の相手をしていた光景を見せられた。
憑依?で見せられた 体験に皆に言葉は無かった。
おまけに彼女ら奴隷の仕事である、男どものナニを咥えるのに邪魔だって殴って歯を全部折られて、口の中が切れると血まみれになると客の何が血まみれになって文句が出ると面倒だって止血に焼き鏝で口内を焼かれ、悲鳴がうるさいって声帯さえ焼かれて潰された。
しかも女だけの経験じゃなく、男であった時の記憶まであり、これには流石に男子も股の間を冷や汗が垂れた。
「戦場では女の捕虜がいないなら男でいいって本当だったんだな」
戦いじゃ自分は攻めら側で、攻められる事を考えてない出立前の新兵あるあるを戦場に立つ前に吹っ飛ばされて、今ならまだ平穏無事な生活でいられると将来を考え直す者がいた。

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ザワ ザワ ザワ
女子の数人が、いつものホラ話よね?。冗談だよねと、お化け屋敷で前にいたのが単なる立ち止まった客かお化け役かと恐る恐る確かめるようにたずねる。
二っと笑い。
【たちの悪い冗談だったかな … … 嘘だよ。根も葉もない嘘だよ*】
声ではなかった。彼女は悪い嘘だから、皆に信じないでくれと念じた。
「りょ よう うかい」
返事は誰かが声に出した。
笑い話が滑っただけだよねと、心の中で懇願したのでアイツはちょっと考えて、やっと状況を察したらしく、よくできた作り話だろうと笑ってくれた。当然皆能力持ちだからアイツの今の言葉の方が嘘で、起ったことの方が真実であると皆わかっていたので心の底からは笑えなかったが。一応TPO考えてくれたのだと分かっているので嘘の言及するのはいなかった。
(やっぱコイツ……)
皆は気を遣って嘘をついてくれたと安堵してスルーしたが違和感があった。どうして嘘を念話?でついたかだ。これは確認だ。相手にちゃんと毒が回ったかの。
口頭での会話で否定ならビジョンは見ていないとも言えるが、念話?にこたえたって事は念視?がおそらくつながっていたって事だ。つまり自分が見てきものを同じく目撃したって事だ。
(たち(性格)わる~)
相手の事を考えているようで、その実罠にはまった獲物を しめしめ とばかりに見てやがった。
多分コイツ心中、ラッキースケベでにやける男に『みたんでしょ♡エッチ』って漫画のメスガキがやる定番のいたずらを仕掛けた小悪魔のような侮蔑を浮かべている事だろう。
似合わんが。
(いい子って言うのもいるし、悪辣って言うのもいるし、ほんとはドッチなんだ)
でもやり方は問題アリアリだが、クラスの皆にはいい授業にはなったのではないか。
経験は最良の教師である ただし授業料は高すぎる って格言があるが、戦場?での経験は取り返しがつかん事の方が多いから、身を持たなく経験できたのだからよかった事にした。あとで二度とするなと釘は刺すが。

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「しかし、ああいってくれないと収まらなかったぜ」
まるで機動戦士ガンダムの最終決戦で、味方がメタボロ状態だからほぼ援護無しで金平糖に突っ込めって言われたWBクルーか、テッカマンで味方を逃がす時間を稼ぐためにワルダスター軍団に単騎で突っ込むようなもんで、ありていえば死ねって作戦であった。
「普通は逃げるわな。後ろに逃げたら味方でも撃つって特戦隊が狙っていも逃げる」
「フリーザ様は怖いぞ」
「それは違う特戦隊だ」
まあアッチの上も地球人を虫けらみたいに見ていたけど、コッチも敵味方問わずに虫けら扱いで排除していったけど。
「そんな状況だから嘘も方便だったな。まるで神様か、アムロのお言葉みたいに」
気休め百も承知で、アムロが侵攻する金平糖にも付け入るスキはあるって方便でも言ってくれないと脱走兵が出て困るって状況であった。
「嘘だと言ってよバーニィだよとか、たちの悪い冗談に付き合わさして悪かった*と言ってくれなきゃ、ウチの場合は休学に退学者続出だっただろうよ」
別段彼女の記憶には戦闘員じゃない不遇の死もあったが、いや戦闘員であったら避けられた悲惨な死もあった。
戦闘に巻き込まれて負傷した敵側の市民を非戦闘員は保護する条約に基づき当地の病院に送りとどけたら、自軍が見捨てた自国民を助けた等と知られてはならない。
敵軍は自分たちを助けてくれた、などと広まっては事だと、敵軍を悪者にする為全員口封じに虐殺した。
「こええ。いつからこの星はサンサ*や白熊国になったんだ」
ふきふきふき
そんな感想を抱きながら、教室の床を埋める酸っぱい匂いをモップでかたしながら呆れた。

その日、学食のおばちゃん達は、一年の一クラスの連中が来ないと不思議がっていたらしい。
後日教室の惨状を知り、カレー食べながらの嘔吐ガス散布訓練*だったのかと納得したらしいが、かん口令を引かれたが、まあいつもの事だだと納得した。しかしいつもなら食堂の特別待遇室を使うので、少しだけ不思議がった。

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「あいつはああ見えて意外と気いつかいだけど、どうしてTPOは暴投なんだ」
一応人並みに他人を気遣っているが、激しくズレていた。まああんな病巣スキル抱えていたら仕方ないとは思うが。
「何人かやめたけど、冗談だって言ってくれないともっと増えんだろうな」
「経験者?の言葉は重たいからな」
戦争は悪だと天井にスピーカーを背負った自称平和主義者のデカい声より、実際?修羅場を這いずり回って生き抜いた記憶だけに重かった。
「アイツら元気かな。今頃どうしてんだろう」
「おられより平和な日々を過ごしてるだろう。多分元気になってんじゃない」
辞めていった連中を思い出す。
「そうだといいな。前例が身近にあれば俺らも辞めやすいからな」
「志していた道が閉ざされたことを挫折したとか敗北者って言うのいるけど、どっちが正解だったか本人にしか分からん」
「俺らの行く道で誇れるのって何があるんだ?」
「給料 … ぐらいだろう。それも色が付く程度だろう」
ドンパチやってる職業は濡れ手に粟の高給取りで女抱き放題なんて殆ど嘘だ。間違ったイメージ戦略で、地上の楽園だとか宣伝して、のこのこ引っかかったのは後は煮るうと焼こうと好き放題で後は使いつぶす。情弱はいつの時代もどこに行っても弱肉強食の“肉”役だ。
「らしいな。あの稼業もマグロ漁船の都市伝説みたく一年で数千万の傭兵なんて実際は無いように、よっぽどのパトロンがいないと左うちわは無理とか」
「パトロン掴まえるたって、映画コマンドーで、黒いアミアミの上着着て『やろう ぶっ殺してやる』って言っていたホモ?だって、とても高給とっていたとは思えんぞ」
「まあ、あれは映画だけど酷かった。生き残った傭兵の成れの果てがあれかって」
「アメリカの富の半分持ってる1%人種のボディガードの方が稼げて楽なんじゃないか」
「ああいう連中はミーハーでプライド高いから周りに侍らすのは例え傭兵あがりでも有名人じゃないと雇ってくれんらしいから、まず傭兵業界で名を売らんとダメなんじゃないか?」
「やっぱりペーペーは地面をはい回っての下足番からかな」
お前は草履を自分の体温で温める木下藤吉郎かと呆れる。
「人生ボチボチが一番」
「大学をボチボチ サラリーマンでボチボチ 合コンで知り合った女とボチボチな家庭を持つんじゃない人生選んだのに、やっぱりボチボチかよ」
「アイツはそれが理想らしいぞ」
「そうだったな」
アイツはあの能力をどうにか抹殺して、普通の女子みたいに暮らすのが目標らしい。
「あんだけ修羅道歩きてきたら、そりゃ普通に憧れるだんだろう」
「シャバ争いや戦場で切った張ったの人生歩いたおっかない連中は食うか食われるかに疲れてかたぎに戻りたいとかいうもんな。まあウチの銃器の教官や教員も全員その口だろう」
他人の感情の機微を感じれるのでわかるが、教員に関係者はどいつこいつも両手を見せて、絶対後ろに回って欲しくないし連中ばかりだ。
「後ろに立つなって、ゴルゴの気持ちがよくわかる」
「それは言える。世界は怖い。このままだとくそ暑い砂漠や熱帯雨林で毒虫や毒蛇に噛まれてくたばる未来しか見えん。死ぬならワンルームマンションでの孤独死でもいいから母国で死にたい」
「確かにアイツの夢らしい、もっとほんわかしたまま畳の上で死にたいよな」
十代でそんなじじムサイ弱腰など分かりたくなかったと突っ込む。
じゃあ戻れるかというと、カタギにあっさり戻るには後ろ髪を引かれるぐらいのサラリーは出る。そしてそれで普通のDKなら家が相当太くないと出来ないような散財をした。
「止めとけ。傭兵が贅沢を覚えたらカタギには戻れん」
「NYの地下鉄で電気椅子に座りたくないな*」
「贅沢は敵だったのは戦時下じゃなくても、本当だよな。贅沢を覚えたら質を落としたくないって無理して早死にしちまう」
「中華の皇帝は不老不死を求めてエリクサーだかポーションかモンスターなんとかとかレッドなんとかを作らせて飲んで早死にしてるもんな」
当時は水銀が永遠性を持っていると信じられていたのかエナジードリンクには入っていたらい。今の化学と医学ならまんま自殺だ。
おかげで平均寿命な35ぐらいで、戦で死んだ奴を除けば一般兵士の方が勝っていたとか。ちなみに作れと言われて水銀入りの薬を作らされていた漢方医や薬学氏の平均は75歳ぐらいまで生きていたらしい。お手本は青い鳥なみに身近にあったようだ。
彼らは長生きの秘訣を聞かれて、腹八分の無理はせずに穏やかに皆と仲良くであったらしい。

「つうとやめた方がいいかな。大きな事はできませんが 小さなこともしてません」
人間小さなことはコツコツとって目玉の漫才師みたいな事を言う。
「現地民を奴隷労働で働かせて環境を全く考慮せずに肉体労働で地面を掘らせられれば濡れ手に粟の利権が埋まっている紛争地域だと、下手するとコンビニでバイトしていた方が時給もいいらしいからな。まあ相手も武器も兵隊も金が無くて買えんから、戦争も自転車操業で一週間のうち5~6日は待機らしいから、実働時給は高いかもしれんが」
ある傭兵など一週間で撃ち合ったのは待機を含めて3時間程であって、それで週給一万円出なかったとか。時給3300円って相当高給であるが、待機時間は0。寝ていても腹が減るんだらか有休にしてくれんと割には合わんとか。
「そう考えると我が国のコンビニはいいぞ~。経済が死に体の隣国からバイトに国境超えてくるんだから。大嫌いな我が国に。嫌いならこなきゃいいのに」
おまけに福利厚生も有休も出るし、銃やナイフを持ったのを相手にしたら危険手当が出るとか聞いた。撃たれたり刺されて入院した店員はこの十年は気いことないから、本当かどうかしらんが。
「傭兵で相手が武器持っていたからって危険手当は出してくれんだろう」
「平常運転だから、初めからこみこみだろう」
戦地じゃ三食まともに取れるなんて保証は無く、熱いわ寒いわキツイわのエアコン無しの宿泊施設で、死を運ぶ虫たちと呉越同舟。
「ある程度銃も爆弾もつかえなきゃいかんが、訓練が必要だと判断されたら弾代自前もあるらしい」
持たされた突撃銃は使わない限り邪魔なだけだし、整備は自前で怠ってやんないと作動不良で死ぬし、規律を守らない足引っ張る奴はいない方がいいと肉の壁にされて謀殺されるらしい。
「それに比べりゃコンビニバイトはいいよな」
装備は制服ぐらいで基本支給で資格は高卒で十分。ここ十年はバイト中に殺された人間はゼロだし、将来の健康を考えなければ防腐剤入りまくった廃棄のおこぼれで三食取れる。
当たり前のように店頭には求人票が張ってあるので、キツイ仕事だとはわかるが、それでも贅沢を言わなきゃ、恵まれた状況ではある。
「アイツが石にかじりついてでも高卒資格を取りたい気持ちは分かる」
「でもアイツEMPクラッシャーだろう。電離層で爆発したわけでも無いのに俺らのスマホをぶっ壊しているのに、POSシステム大丈夫なのかな。よく雇ってくれてるな」
現代のコンビニではPOSシステムが無ければ会計も在庫管理も発注もできないのに、なんで雇われてるんだ。
「裏で学校か国が動いてるんじゃない?」
電磁シールド装備のPOSシステムやパソコンを民間で用意できるわけはない。
「たかだかJK一人に自衛隊でも金がかかるってやりたがらない電磁シールド処理をするって普通ならおかしいよね」
「まあアイツの場合は諸事情あるからそこいらは優遇されてるんだろう」
「今回の一件で分かるよな。あいつは普通じゃない。いい方が悪い方かしらんが」
「お前なりたいか?」
「いやだ」
即答であった。
「じゃあ悪い方だな」
「そうだな」

「確かにアンブレイカブルにシックスセンスであることは分かるが、それだけなら他でも替えが効きそうだけど、そこまで至れりつく制にの事情はなんだ?」
そんな大事ならバイトせずに手当をつけてやればいいのにそれはせずにバイトをすることの方をフォローしている。
将来の夢の一つであった、映画館で映画を観たいって言うなら精密機器を使わないフィルム映写機を使うなり、デジタル映写機なら電磁シールド処理を施せばいいのだ。なんか複雑な事情があるようにしてならない。
「至れりつくせりの方法がまちまちだよな。ネルフみたいに間抜けな団体は世界の命運を握ってるフロントラインの中学生をガードもつけずに一般公立の通わせて同級生にいじめを受けても対処せずって危機管理無さすぎだろう。VIPに暴漢が襲い掛かっても動かないどっかの県警かよ」
「変だよな。そんなに気を遣っているんなら、街の映画館の機械に防磁処理ぐらい鉄網にアルミラップでも張ればいいのに」
そこいらは同じクラスに居てもよく分からん。そこは踏み込むなって場の空気で分かる。
「やめとこうか。なんか裏に深淵があるような気がしてきた。深淵を覗くときは深淵もあなたを覗いているいうから、藪をつついて蛇だ出てきたら出した奴が悪いってのがここの流儀だ。ここはそんな街だし、そんな連中もゴロゴロいる。クラスのどの女子にその手の秘密があっても今更驚けん ってことにしとこう」
サムズアップして親指でキッと首を掻っ切られるポーズを取る。
「君子危うきに好奇心はシュレディンガーも火焔太鼓でお釈迦かな」
「そうそう。調べても益無いとわかってるんだから知らないほうがいいぞ …… 個人的な志しも世に真実を知らしめたりする気が無いなら、無理に頑張っても虚しいだけ」
「ん、誰の引用だ。ガリレオあたりか?チ動説でも広めたかったのか」
あれは古代都市伝説だと笑う。
「ははっ ………… 誰かの遺言だろう」
いつものおチャラけが陰を潜めたの、オヤッとも思ったが触らないが吉だと気が付かなかった事にした。


「とにかくアイツも見た、あんな光景見た後で今更魔法がドンドン、鉄砲バンバンが恰好良いとは思えんもんなのに、恐怖の報酬*がいくばくかのお代だけかよ」
「現実はお姫様を助けに行くマリオと違ってやり直しがきかん。トラックでニトログリセリンを運んだマリオ*は無限ワンナップどころか、スペランカーなみに崖下落下でコンティニュー無しで死ぬんだぞ。いやだよ」
「高額の小切手を貰えて有頂天で死ぬことができたならまだしも、自衛隊ならくそ暑い紛争地域での危険手当は帰国してコンビニ弁当買えんらしいぞ。バイトならゴミ箱の代わりに店長のお目こぼし前提なら懐か腹に入れられるに」
「あの光景の話の最中によく弁当の話がよくできるな」
「昔から人間糞を垂れてる間は死なんって言うだろう。つまり飯に執着できるうちは死神はこないって事だ」
だから食事には執着する事にしているらしい。どこのダンジョン グルメガイドだと呆れる。
「でもホスピス*の医療関係者は食事量で、どの患者にそろそろお迎えがくる時期がわかるっていうもんな。なら身構えているウチには死神は来ないっていうのより臨床例は多いから説得力はあるかも」
自分ももう少し食い意地を張ろうかと思った。

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「そういえばアイツのお陰でウチのクラスはちょっと教室広いよな」
経験者は語るのお陰で退学者が出たのでウチのクラスの教室後ろは他クラスよりちょっと広い。
「いなくなったのはどっかで生きてるからまだましだろう。これが将来の職場だったら、多分もう会えないって事だからな」
「そして誰もいなくなった か」
「知り合いがいなくなって感傷的になったか」
「まあそうだけど。誰かがいなくなるなんて俺らは思ってるけど、その御鉢が俺らだって事もあるだろう」
「そりゃそうだろう。自分は特別だから死なないなんて、幸せな勘違いだよな」
今時少年漫画じゃ主人公だって死ぬんだから、主人公でもない自分たちは次の瞬間死んでても全くおかしくない。
「そんとき俺らの事を思い出してくれる奴はいるのかね」
「ん~。どっかの哲学者は人間はどうして文明を発展させるんだって問いに、沢山の繋がりが出来れば、誰か自分がいなくなった後でも、自分がこの世にいたことを覚えていてくれるからだって答えたらしい」
富も名誉も地位も手に入れた人間が最後に手に入れたいのは後世に残る銅像を建てて覚えていてくれる事とか。どうりで銅像の人物は金持ちなワケだ。
「そいつもそのうち死ぬだろう。諸行無常だな」
「それでもいいんだろう。人生の幸せは自己満足って、傍からみたら誤解と錯覚らしいから、それが幸せだって思えて死ねればいいんじゃないか」
「………」
「………」
「俺ら大丈夫か?アイツのビジョンを見てから俺ら心病んでない」
「それは否定できんな。キザ[虚無的]なんぞお互いガラじゃないんだからもう少し享楽的に生きたほうが楽なんだけど、アイツに種々雑多な人生見せられたらなんか虚しくなっちまったな。俺らまだ十代なのにこんなに枯れて良いのかね」
まあ股の間はまだ伸び始めた若竹みたいに元気だからそこは大丈夫だと巨性を張る。希望だけど。
「そのうち戦場の片隅の壁に“D'où venons-nous ? Que sommes-nous ? Où allons-nous ?”[我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか]とか書くんじゃなかろうか」
「それはゴーギャンだろう」
「いや、確かそれより先に野蛮人が襲撃して滅ぼした都市の壁に書いてなかったか?」
「なんだパクリだったのか」
「確かローマ帝政時代ぐらいの一筆啓上だから著作権フリーなんじゃないの」
「お仙泣かすな 馬肥やせ かよ」


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「俺も稼げると思って第一希望は軍隊や傭兵やPMCにと思ったけど、ドロップアウトしてサラリーマンとかも悪くないよな」
「そのトラ顔で一般の会社に就職はコントだな。まあ俺も他人の事は言えんが」
「動物園だったら行けるんじゃないか。パンダコパンダ*のパパさんみたいに通いで雇ってくれんかな」
「古いぞ。それならパンダになればよかったのに」
「いや、俺泳げないし、格闘術習ってないし、娘もいないし、パンダの認められた生存国はあの国だけだから、生きてるパンダの当然全部我が国のアルとか言われたら弱腰のわが国だから、友好の為とか言われて返還とか言われたら面倒臭いことになるからやだ」
「長い文章もご苦労様だけど、お前腕っぷし強いから一般の野に放してくれるかな。人里に降りてきたら下手すると殺処分対象じゃないか」
「蝦夷のヒグマかよ。俺はOSO18じゃないんだから猟友会に追われたくない」
「表の遅刻連中も騒いでるように修羅場の戦場で仮装魔法なんぞ面倒だって使ってないのが戦場カメラマンに『おかし~~ぞ~~ せん じょ~~~に~~~ 着ぐる~み~の ぴっかり組が~あ~いるぞ~』ってにバレてるから、上ももう異世界接触を秘密にするの匙を投げてそうだし、そのうち解禁されると俺らも自由になるんだろ」
もしこの学校やマルチバース[異世界]との接触の情報解禁されたら自分たちも自由に、普通の恰好でいられて今より自由になるだろう。そうすればいちいち七面倒くさい仮装魔法なんぞ使わなくてよくなるから他の町に就職するのも出来るだろう。
「でも俺たち毛皮持ちだろう。これで帝都なんかは無理だよな」
「確かに下北でも夏はつらいのに、ヒートアイランドの大都会は無理だな」
人間やめて一番の悩みが、日本の夏に毛皮持ちが暑いって事であった。


§


「しかしなんでそんな特殊な能力がアイツにだけ備わってるんだ」
普通人より優れた霊的感度 とでもいう能力があったのでクラスも、学校の皆も持っていたからトランソファーって仕事に就く資格を得た。
それだけで確率的に数十万から数百万分の中に、いるかいないかの可能性である。
「そんだけでライトスタッフ*として恵まれているだろう」
「そりゃベルX-1にだって人種と時代を間違えていたら乗れたかもしれんほどの資質者かもしれん」
「俺たちは、まあ選民思想じゃないけど選ばれたか選んでこの仕事を選んだんだろう」
「そうだな」
「その為に、アイツの言葉を借りると人間じゃなくなってしまったよな」
「どっかのアメコミヒーローかテッカマン*だな」
「それなのに、なんでそんな覚悟もその気も無いアイツが一番の資質を持ってるんだ」
精神感応力の高さか、順応力か知らんがその能力が高いほど受け取れる能力に差がある。
低ければ失格で成れないのはこの際除外するが、高ければ自分がどんな“種(タイプ”に慣れるか、選ぶって事になっている。
偏差値の高い受験生は行ける大学はよりどりみどりだら、低ければFランクにしかいけない。
実際は飼い主の準じる“種”になるのだが、仕方なく選んだのと自らの意思で選んでなったのでは結果は違っても気分は違うだろう。

寮長の飼い主はトラ種だったので彼は虎型になったし、いっぬは犬種だったから犬型になった。
実は選択の自由など初めから無いのだが、職業選択の自由 あははん♪*のCMの所為じゃないと思うが、決めたのは本人だってお題目が民主主義の原則。
能力によって職業を国が決めたらそれは暗黒時代の社会主義で、民主主義尾根幹が揺らぐから意地でも認められないようだ。
「なんつう圧力リクルート。戦後警察予備隊が強化されるとき人員が足りないからって、下町の駅前で年頃の男子を無理やり迷彩塗装のトラックに連れこみ、埼玉の駐屯地で入隊の念書にサインしなければ帰さなかった団体かな」
「もしくは底辺中学の運動部に両国からやってきた角刈りのおっさんが、肉入りのちゃんこを食べたいだけたべさせてやるとついて行って食べ終えて帰ろうとしてた土俵のある建物の上にある雑魚寝の部屋にいつのまにか自分の荷物が届いていて、家からの電話や手紙で親に頑張れって伝えられ、私服も財布も取られて浴衣だけ与えられて逃げるににげられなくなるようなもんだな」
ドナドナ ドーナ ドーナ♪って聞こえてきそうだ。

「進路希望の用紙も酷かったな」
「もう殆ど決定事項だったもんな」
渡された進路希望用紙はマークシート方式であった。
能力に応じて沢山の“種”は並んでいたが、既に上で決定した以外の選択は出来ないようになっていた。
選択出来ない希望“種”は生命保険の読まない&読めないような十代の視力でも読めないように小さいのに、既に決定している“種”は74ポイントで書かれていた。
マークシート方式で、自分がなりたい“種”の隣にある四角を赤鉛筆で塗るのだが選べない四角の中は蝋が塗られていて塗りつぶせないようになっていた。決定された“種”以外に赤鉛筆は書けないで、書かなければいいと思っていると係員がドライヤーを持ってやってきた。
「?」
ブオー
ドライヤーで用紙をあっためると、決まった項目に書いた覚えのないチェックが浮かび上がった。
「今時ミカン汁であぶり出しかよって呆れた」
「あれ見たとき、どっかの女子高の戦車道*への入部申し込みかと思ったわ」
「俺もそう思った。そして諦めたわ」
寮長といっぬ二人の用紙は結構より取り見取りに色々なれる“種”が書いてあった。無論選べるのは今なってるのだけであったが。

しかし記載数には個人差があった。
成れる種が多い者もいたし、少ない者もいた。その違いはなんだと聞くと、相性だと言われたが、それもあるだろうが上級生らとの話によると能力値らしいと分かった。
「妄想小説だと神様や石板や水晶が将来を決めるみたいだけど、現実だと国が職業を決めるのね」
「やっぱり社会主義じゃねえかよ。職業選択の自由はどこいった」
「まあどこかの会社に入っても配属される部署は選べないから同じだろう。ジャンプを作りたくて出版社に入れたけど児童文学とか会社案内を作れとか言われることだってある」

「結局クラスの誰も龍腫と鳳凰種は書かれていなかったな」
アイツと同居しているセンパイとセンセイの“種”である。
「前後に居並ぶ者無しの、無双だろう。そりゃ簡単には出ないわな」
ありていに言えば最高の資質を持ったものだけが成れるのがこの二種であった。たとえなれなくても、その資質があったほうが自分を認められたようで皆少しは期待していたが、誰もその資質は無かった。
「仕方なかろう。あの二人は空前絶後って言われてて、噂じゃコッチの宇宙じゃ初めてのただ一人のみで、本当の意味でも居並ぶものいない無双だからな」
「ドラゴンもフェニックスもそうそうそこいらに転がってる雑魚とは違うって事か」
「いじけるな。上を観たらキリがないぞ」
「でもやっぱりドラゴンには憧れるだろう」
「そうかもしれんが、センパイ 竜センパイは結構大変らしいぞ」
「何が」
街で見かけたらドラゴンスレイヤーの称号が欲しいって挑まれるらしい。
「それは命知らずって言うか、世界知らずっていうか」
あくまで噂だが、ドラゴンとフェニックスってのはこの世と同意語らしい。彼女たちはこの世界そのものであり、勝つとか負けるとかって対象ではなく、今いるこの世界そのものが彼女達だからもし邪魔だと思われたら、この世界はその存在が永久に失われる って噂だ。
その検証は出来ない。何故ならそんな存在は初めからこの世になかったことになるからだ。
「すげえ強制力だな」
「何しろ相手は世界様だからな」
「その世界様のご主人さまは誰なんだ」
「世界を作ったのは神様だろう。あったことないからどんな神様か知らんが」
「白髪白ひげの爺さんがやっぱちゃぶ台で茶を飲んでるのかな」
それで、手違いで殺して ごめ~んね チートやるから今回の事は人権110番に相談しないでねとかいうのかね。
「雲の上で後光を背負っている女神かもしれん」
いきなりラスボスと会えないだろうと、部下の天使ってのは何をさぼってるんだと思ってしまう。
「俺スタバがいいや。ちょっとこの頃足がジュクジュクで匂ったら失礼にあたるかもしれん」
「俺も女神だった雲の上より風呂場のマットの上で会いたいわ」
「俺もそっちの方がいいな」
「この前傭兵の先輩にいい店紹介して上位の姫様の特別紹介券もらったから、今度行くか」
「お~いくいく。そして行かせてもらおう」
二人にとっては神だ女神なんか、風呂場の姫の方がいいらしい。

「でも本当なんだろうか?確かめた奴いるんかね」
「本当に確かめたら、あの二人は面倒な事嫌いだから、彼女たちを煩わせる存在自体が初めからいなかったことになるって話だぞ」
親殺しのパラドックスみたいに、彼女たちが邪魔だと思った存在は鼻から存在しなかったので彼女たちが煩わせる事など無かったことになるので、初めからそんな存在はなかった ってよく分からん堂々巡りになるとか。
「じゃあ誰がその推論をどんな理屈から立てたんだ」
「しらん。こういうときはどっかの天才が考えたって事にしとこう」
アインシュタインでもノイマンでもハンニバルでも構わん。どっかで誰かが考えたんだって事にしといた。


「そういえばアイツは相変わらず資質テスト受けてないんだろう」
「本チャン受けたらデータは上[異世界/神界]に回るから買い手が付いたら不買はできんらしいからやめたらしいが、途中編入だから非正規だけど適正検査は受けたらしい」
「検査結果であわただしかったとかこの前聞いたけど」
「機密ゆるゆるがウチの学校の特色なのにかん口令引かれて結果は漏れてな来ないよな」
「噂じゃあの二人に並ぶような結果が出たとか」
「本人知ってるのかな」
「知ってるだろう。アイツの事だから、もう覚えていないかもしれんが」
色んな人格が入れ代わり立ち代わりなんで、自分が言われたことか誰かが言われことか判別できなくなっているかもしれない。本人もう慣れた者なので一切気にしてないようだが。
「それで断るかね。龍に鳳凰クラスだろう」
「断るだろう。だってアイツ俺らと価値観違う。あいつの将来の夢は年金貰って畳の上で老衰で死ぬことだぞ」
「人類じゃ三人目って話じゃねえか。折角の好機を棒に振るかね」
「人生棒に振るのもあたしらしくていいって言ってるらしいぞ」
「もったいないと思う俺は凡人かな」
「普通だろう。おかしくはない。凡人であってるけど」
「もったいねえ」
「アイツの望むものとは真逆だから食指は動かんだろう。あんな風になびく柳のようでいて、靡くこと知ってるのかと思うほど頑固だからな」
「風にはなびけ。さもないと折れるぞ*」
欲しくてたまらん精神感応能力はアイツは敏感すぎて、自分が誰だか分からんほど重症らしい。このままじゃ精神分裂症とか多重人格症でカッコウの巣の上と自嘲している」
「隣の芝生は青いからな。持ってないものを欲しがるよな。普通に売っていた欲しくなかった商品が実は限定品で売り切れたと分かったらメルカリで転売ヤーからでも買ってしまうように」
「巻き添えになったらたまらんのだ」
「巻き添え? … お前なんか今日変だぞ」
「いんや。なんでもない」

「じゃああのセンパイら二人もアイツみたいに色んな生霊やらに悩まされていたんじゃないのかな」
「それは知らんが、どうなんだろう」
「そういえばアイツとあの二人は雰囲気似てるよな」
「そういや、あの二人も物凄い条件で引き合い来てるらしいけど、センパイさんの方はファミレスバイトの掛け持ちで、センセイの方は街の小児病院のと校医だろう」
毎日忙しく働いてボヤキが、貧乏暇なしらしい。持てる者の貧乏自慢ではなく、本当に窮乏中らしい。
「アイツもコンビニバイトで普通に働くのが夢」
「トップオブザワールドのヒトってのは変わってて、金が嫌いになるんかな」
「ああ、聞いたことあるな」
アメリカの富の40%は1%の人間が持ってる、その1%でも上位1%がやりたかったことはハンバーガー屋のバイトで、そこのCEOが知り合いだったのでバレるまで勤めていて、もうすぐマネージャーになれたのにと残念がっていたとか。
「その分じゃあいつもそうかもしれん」
「金が全てじゃないってね」
「持ってる人はみんなそういうらしいけど*」
「アイツが持ってないのは確定だろう。今は知らんが、衣食住殆ど無く着の身着のまま此処にやってきたんだろう?頼れる親戚すらいないんだろう」
伝え聞いた話だと、温かい人の情けや~♪な、みなし児だったとか。ちびっこハウス*すら無かったとか。
「本人が言ってるんだから、信用していいん …… だか、だから信用出来ないんだか」
「確かに本人、そんなもんいらんってキャラだよな。己の実力を鑑みずにデッカイ夢だけで持ってるとか、スローライフでのんびりとか、あらんやハーレムとか金持ちとかそんなもんに何のバリューも感じてないもんな」
「多分本当にアイツの将来の夢は時給分ぐらい長く働けるコンビニ店員だぞ。もう少し若者らしく野心ないんかな」
しらっとお互い考えてかぶりを振る。無い。あいつには無い。はあ~と、くそデカため息をつく。女の子ってはもう少し弾けてほしい。あんな華奢な女の子に、さも男の子は元気ね~って感触と目線で見透かされているような感じるのは地味に来る。いわゆる、そんな対応は俺に来るって精神攻撃を受けてる気分になる。
「色恋もどう考えてもないだろう。小さい時から知ってる女の子が年頃になっても男子や子供と野山を駆け巡っていて、大丈夫なのかと親戚の人のいいおじさんみたいに心配になるわ」
「父親は娘がお年頃になって男子の話をすると心配になる。しかし結婚の年頃になって男性の話が出ないとやっぱり心配になる って処かな」
「なんで俺だけじゃなくてクラスの連中もアイツの心配してるんだ?」
「アイツ自覚ねえけど相当不幸なハズなんだけど、本人が不幸を他人事だと実感できてないで人生諦めている風だろう。父性愛って年じゃない心配になるぞ」
そしてそんな難儀な奴を他人だと捨て置けるほど強くも弱くも無いので、ほっとけないのだ。
「そうかもね。アイツも生霊や悪霊や悪魔や神様か知らんが、ひでえもん見せられて感じさせられて下手すると体奪われそうだってのに恨みつらみ無いんだろう。精神汚染か侵略されてないか」
普通なら他人の霊に憑かれれば、逆さ箒をして帰ってもらい、塩をまいておとといきやがれ状態であるが、憑かれているのでアイツには恨みつらみは無い。押し込み強盗に茶とお茶請けを出して、自分の家だと思っていいのよ状態であるようだ。
「やっぱ精神が同じ場所で同居する事で自分の一部だとおもっちまったのかな?美味しんぼのそばつゆやの醤油と出汁、味兵カレーの醤油とスパイス*みたいに混ぜて何日かほっとくと親和して味が喧嘩やめてマイルドに美味くなるっていうもんな」
「他生の縁ってのは聞いたことあるけど、今生の縁かも。お互い前世になんかあったのかもしれんな」
「冗談の口から出まかせじゃなく、あんな業を背負った人生なんぞ本当になんかあるのかもしれんぞ」
「単なる偶然じゃないか。パレイドリア現象でシンクロニスティ[偶発的共時性]だと思ってしまったとか。
単なる偶然 めぐり合わせ 星巡り じゃないかと思ってしまう。
「神の仕掛けた罠ってのはどうだ」
「どこの悪魔閣下のライブ骨折事案だ」
トランスファーの当事者のあまり信じていないが、超常の力を持ったのが降りてくるんだから神事での神卸だと思うはた迷惑な連中が伝手を作ろうと実家に接触があるらしい。お陰で神様関係の話には事欠かん。
「アイツ受け止めてはいるけど、今の能力が無くなればいいと思ってるんあろう。それでなんでウチの学校にまだいるんだ」
その感性を鍛える授業ばかりだ。スギ花粉症なのにスギの伐採作業員になったり、動物愛護からのビーガンなのに食肉工場に勤めるようなもんだろう。
「本人曰く、毒を持って毒を制すらしい」
人を助ける医者はどうすれば人が死ぬかを習うらしい。無論どうすれば殺せるかじゃなくて、どうすれば死なないかと習うとか。
だから、一番そのての実例があるだろうから、自分の特能を放棄する方法を探しにきたようだ。
まあ実の所それはあまり期待していないで、それは諦めて授業料免除で高卒資格目当てらしいが。

「アイツ以前は誰かが耳元で囁いていているぐらいだったらしいけど、この学校でレベルアップ?してから、段々自分がブツブツ喋ってるっていっていたもんな」
「嬉しくねえレベルアップだな。頭の上でピンポーンって音がなって、空中に半透明の液晶面は浮かぶのかな?画面の縦横比は4:3か16:9。それとも今風に縦長の上下スクロールなのかな」
「俺らそんな都合の良い世界に生きてないぞ。人間ドックの血液成分の数値だけで医者の解釈込みで一日仕事だ。そんなに都合よく数値化だけで判断がつかん情報や状態までわからん」
「今の時代だからセカンドオピニオンにも判断してほしいけど、今医師不足で後日に回される事もあるから下手するとまた来院しないとダメとか聞いたけど … まあそれはいいとして相当病状?が進行してるな。自分で自分が誰だかわからんって、世間じゃ分裂症っていうんじゃねえ」
「ビリー・ミリガンか、かけ持ちの多い舞台俳優や、分割2クールが離れすぎたんで前期どんな気持ちで演じたか忘れた声優みたいなもんかな」
器用貧乏な若手の役者や声優が短期間に色んな役を掛け持ちをしてると、色んなキャラを演じているうちに誰が誰だかわからなくなる事があるらしい。人気声優など、一期と分割で二期の期間が開きすぎて、どんな気持ちで演技をしたのか思い出せずに、同じアニメ一期に出ていた声優仲間に『私どんなキャラクターだったの?』と聞いたなんて笑い話もあるらしい。
「売れっ子声優ってそうなのかな?」
「俺らのこの記憶もアイツがどっかから拾ってきた記憶の又借りみたいなもんだろうから、信頼度はウイキよりあてにならんが、どっかの声豚の知識は声優って生もので路地物だから旬ってあるらしいかららしいけど」
「キシリア・ザビとアラレちゃんを混同したら面白そう」
「博士さまもまだ甘いよ うちゃ! って撃つのかよ」
「電気ねずみとメスガキがこんがらがって、鬼チューって言うのかも」
「コントじぇねえか」
「ある意味見たいな。多分俺もアイツもどっちも見たことないけど、見たら楽しそうだ」
他にも混同したら面白そうな声優が浮かんだが、あんまりこのネタを深入りするとやばい事に気が付き辞めた。どう聞いても役柄演じ分けてないのに、声豚に妙に人気のある声優の名前が出そうなので・・・。


「アイツの場合、お邪魔していた居候が抜けた後、リアルの自分がどんな人間だっかか、今の自分はおかしくないか、どうだった聞いてるもんな」
「オレオレ詐欺かコールドリーディング*の手法だな」
役者や声優仲間にキャラを聞くならまだいいが、アイツの場合はここでもイタコ体質の以心伝心能力で、自分という人間はどんな人間であったか相手に聞く。
「役に入りすぎて戻れなくなった北島マヤみたいなもんかな」
彼女はそうだったか知らんが、白目のあれはどうみても憑かれていたんだろう。あんな長い漫画読みたくないのでよく知らんが。
「それか分裂症と言えばアメリカ皇帝ノートン一世*みたいなもんじゃない」
「不敬罪で怒られるぞ」
ノートン一世は、頼まれもしないのにPCに居座ていてウイルスと戦ってくれる、お代は見てのお帰りだよな、ぼったくりバーみたいなワクチン業者じゃなく、19世紀初頭にいたどこにでもいるアメリカの穀物業者であったが、商売に失敗・破産して正気を失い、数年後何故か自分をアメリカ皇帝だと即位を宣言したらしい。単に正気を失っていた狂人の妄言だと廻りは思っていたが、オカルト好きからは過去に存在した王国貴族の亡霊が取り憑いたとかもうわさされた。確かにそれはアイツに当てはまらないでもない。
「症例は似てるな。アイツも転校してきた時から捉えどころ無いと思っていたけど、今は時々捉えどころか本当に存在してるのか分からんことがある」
ネットで会話していたと思ったら、どうも不審に思って調べるとそいつはチャットAIで、実は話していた相手は初めからいなかった事のきがついたようなもんだ。
「意外とショックだよな。人間相手にしていると思ったら、それがどこにも実態の無い陰にすぎないって」
初めから自分というものが希薄であったのだ。そして心配していた通りに、この学校のカリキュラムで病気?が深くなっているようだ。本人も気が付いているが、ここまで来たらコンコルド効果?で毒を食らわば皿までらしい。
「そう言ってる俺たちも本当にいるのかね?実は俺たちの存在自体が誰かの作り出した、夢の中に現れる疑似人格かもしれん」
「さあな。覚めたら覚めた分が夢であったとはわかるが、その覚めたと思って現実だと思ってるその時間も実は夢の間だって事もありえる」
「自分で言っていた、ちゃんと状況わかってる」
「いんや。なんか収集つかなくなって、全部夢オチだったらいいなと思ってるんで、難しい事を考えたら眠くなるから、夢の中で寝たら夢が覚めるって聞いたことあるから、それに期待している」
「……」
「………」
「よし、この話はやめよう」
「よし、やめよう」
ここまでダラダラやってきたが、茶番も飽きてきたので無かったことにした。アイツが自分と誰かの人生が交雑して判別憑かなくなったように、それが自分達にも及んでくる危惧を感じた。


title #3
"Welcome, Mr. Another World!OYOYO ”
幕の内 3/5
end

*私の秘密 1959年 NHKテレビ番組  ゲストの人生をネタにするクイズ番組 1959年放送の戦後すぐだったので戦争体験が多かったらしい。
*「死ぬ奴は運がいいんだ」1950年 宝島 アメリカ映画。
*エイリアンアドベンチャー 2000年 IMAXで視聴できた3D映画なので乗り物酔いが酷かったらしい。
*明鏡止水 漫画ブリーチで、相手の五感を勘違いさせる必殺の補助技らしい。ゲーム世界に入り込むありがちなアニメや漫画でお馴染みVRの上位互換かも。頭部に付けているだけで、視/聴/嗅/味/触の五感をコントロールできるらしい。首筋の情報伝達神経に干渉できるならまだわかるが、目と耳だけで味覚や触覚がコントロール出来るか理屈がよくわからない。
*シックスセンス 1999年 死人と話せる能力者の、アメリカ版イタコ映画
*NY地下鉄で電気椅子  サブウエイパニック 1974年 
*アンブレイカブル 2000年 皮膚接触で記憶を共有出来る超人が主役
*ハーロックのマゾーン キャプテンハーロック 1977年 マゾーンは外宇宙知的生命体 人間の記憶を走査できる能力者
*タイムパトロール ドラえもん等藤子不二雄先生お馴染みの時間管理業者
*パンダコパンダ 1972年 パパパンダと子パンダとミミちゃんのお話 パパはサーカスを脱走してきたが、どういう経緯かは不明であるが最後は動物園に通いで勤めている。
*大女優グレース・ウィラー 刑事コロンボ 忘れられたスター 1975年
*どっかのアメリカンヒーロー スパイダーマン1962年 /テッカマン テッカマンブレード 1992年 共に人間では無くなったがあまり気にかけたような様子はない 妖怪人間ベムが怒りそうだ。
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