心壊の収納士〜俺は全てを許さない〜

けい

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歯を食いしばる、ココネ。
その幼い顔に滲むは、生まれてはじめての焦燥。
自分の放った巨大火球。
それがそっくりそのまま撃ち返される経験等、当然ない。

迫る、巨大火球。
それにしかし、ココネは吐き捨てる。

「いい気になるな。いい気になるなよッ、ゴミぃ!!」

目を見開き、迫る火球に手のひらをかざすココネ。
仮にも勇者パーティーの魔法使い。
魔法の打ち消し等、お手のもの。

「消えろッ、火球!!」

響く、ココネの声。
呼応し、巨大な火球は瞬時に霧散。
しかし、そこでココネは冷や汗を垂らす。

「あ、あれ。わたしの魔力。こんなに少なかったっけ? ぜ、ゼロになっちゃってるじゃない」

【ココネの魔力】……999999→0

「や、やばい。今の魔法打ち消しで完全に枯渇しちゃったわ。ま、魔法だけが取り柄のわたしから魔法をとったら」

闇を纏う、ジーク。
その姿に歯軋りをし、後退りをはじめるココネ。

「あ、あのゴミ。こここ。このわたしに、なにかしたわね。負け組の分際でぇ」

「で、でも。まだ手はある」

ちらりと。
身を隠すディルクへと視線を向ける、ココネ。

「ちッ、仕方ないわね。あいつの魔力を吸収してやる」

胸中で呟き、ココネはジークの隙を窺う。
自分とジークとの距離。
それは幸い、随分離れている。

「いける……いけるわ」

内心でほくそ笑み、駆け出そうとするココネ。
魔力さえあれば、魔法は使える。
自分の頭の中にある、魔法の知識。
それさえあればーー

だが、そこに。

「収納する。お前の頭の中にある魔法知識を」

響く、ジークの声。
呼応し、ココネの頭の中から魔法知識が消滅。
そしてジークの脳内に例の文字が浮かぶ。

【収納物】
 ココネの魔法知識×999999

【ココネの魔法知識】
 999999→0

「あ、あれ? ま、魔法ってなんだっけ? ちょッ、ちょっとぉ!!  あーッ、もう!! 訳がわからないわ!!」

自暴自棄になり、涙目になるココネ。

対するジークは三度、手のひらをかざし声を響かせる。

「魔法知識×999999と魔力×999999を取り出し、使用する」

「神世の雷。かつて世界に降り注ぎし神の怒り。今ここに顕現せよ。サンダードラゴン!!」

ゴゴゴ……

途方もない雷鳴。
そして稲光。
空から巨大な雷が降り注ぎ、そしてかのモノは現れる。

「グォォオン!!」

雷を纏いし、神龍。
かつてココネの十八番だった雷竜魔法。
それがジークの手により、発動される。

「ひッ、ひぃぃぃ!! ごめんなさいッ、ごめんなさいィ!!」

その場に蹲り、ココネは悲鳴をあげる謝罪することしかできなくなってしまう。
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