無能認定され、パーティーを追放された俺。実は封印されたスキルがありました。追放された瞬間、それに目覚めた俺は世界のルールを操作し無双する

けい

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王都ギルドの最上階、勇者パーティー専用の作戦室。
 分厚い扉の内側で、ライオネルは次の魔王軍掃討作戦の地図を広げていた。

「……で、報告は以上だ」
 斥候役の盗賊・バルトがそう締めくくった後、少し言いにくそうに口を開く。
「あと……妙な噂を聞きまして」
「妙な噂?」とライオネルが眉をひそめる。

「辺境のバルゴで、“草原オオカミ”をわずか数分で倒した男がいるらしいんです」
「そんなの珍しくないだろ」
「ですが、その男は武器をほとんど使わず、魔法も詠唱せずに仕留めたと」

 室内が一瞬、静まった。
 魔法使いのセレナが半笑いで口を挟む。
「まさか、その男がカイだった……なんて言わないでしょうね?」
「いや、その……噂の特徴が、カイに似てまして」

 勇者パーティーの空気が変わった。
 ライオネルは笑おうとしたが、唇が引きつる。
「馬鹿な。あいつのスキル《消去》は戦闘に使えない。俺が封印したんだぞ」

 しかし、僧侶のマリアは小さく呟く。
「……あの時、何か光が走ったのを覚えてるわ。封印というより……別の何かが起きたような」
「マリア、それは――」
 ライオネルが言いかけた瞬間、扉がノックされ、ギルド職員が書簡を差し出した。

「勇者殿、辺境の緊急報告です」
 開いた手紙にはこうあった。

 ――“謎の男、魔物の性質を自在に変え、討伐に成功。危険人物の可能性あり”

 ライオネルの拳が、地図の上で音を立てて握り締められた。
「……もし本当にカイだとしたら、放置できん」

 こうして、追放したはずの“無能”を巡る第二の物語が、勇者たちの中で静かに動き出した。
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