いきなり「神子様」なんて呼ばれても

いちる

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最初にこちらに召喚された場所は神殿の一角の祈りの間。

今回の儀式もそこで行われると、俺は着替えが終わるとお付きの男性に抱えられ連れていかれた。

足枷があるから早く歩けない俺の移動は基本誰かに抱えられて…だ。

このままじゃ筋肉落ちてしまうんじゃ無いかとちょっと心配している。

まあ、王様には今日の儀式が終わったらもう少し拘束を緩めると言って貰っているのでもう少しの我慢…のはず。

いつもは主にリユイが運んでくれるんだけど、今日は儀式の準備があると言うことで俺に朝食を食べさせるとお付きに任せて部屋を出て行ってしまったんだ。





祈りの間にはもう結構な人数の人が集まっていた。

黒いローブのチームは魔術団、俺を召喚した人たち。

紫色のローブは神官、この神殿の管理をして、正確に言えば俺の後継人みたいな立場。

赤いマントは騎士団、王様の護衛。

白いローブは医師団、治療院の人たちで、この前はリユイしかいなかったけれど今日は何人か来ている。

他にも茶色いローブの宰相や大臣もいる。



俺のローブは緑…と言っても若草色のような明るい緑。

王様のローブは深緑。

こういう場で緑を身につけて良いのは王様と神子、聖女のみ、らしい。

王族の瞳の色に由来するそうだけどね。



祭壇に俺はそっと寝かされた。

ふかふかのマットが敷いてあるから痛くはない。

紫のローブが何人か近寄り俺を取り囲んだ。

お付きがまず俺の手枷を外すと素早く紫のローブが祭壇に取り付けられている鎖で俺の両手を拘束した。

その次は足枷がはずされ、それぞれの足、膝で折り曲げられてベルトのような物で太ももとすねを固定される。

で、そのまま、足首を祭壇の鎖で拘束。

所謂『M字開脚』的な?

かろうじて着ているワンピースとローブのおかげで、俺のお尻の穴は晒されていないけど、まあ、『胎の実』は通常は出口となっている、そこからいれるんだろうなあ…

ぼんやり考えていると、口に猿ぐつわを噛まされた。

「へ?あ、いやぁ…」

ジタバタとできる限りの抵抗を試みるが、四肢を拘束されている俺にできる抵抗は少なかった。

舌噛んで死なないように…かな。

それは痛そうで苦しそうだからさすがにやる気は無いけれど、それに関しては俺には信用が無いし。





あの時。

フォークで首を突き刺した俺を抱きしめてくれたリユイ。

俺も泣いていたけれど、リユイも泣いていた気がして、ひとまず一人目の子どもを産むまでは自殺未遂はやめようと思ったんだ。

よって、ここ数日はおとなしくベッドの住人となっていた。

あらかたの傷は癒えるけど流れた血は補うのに時間がかかるらしく、飛び降りと、首刺したときに流れた血の分俺はだるくて動けなくて、寝て、何か食べさせられて、寝て、食べさせられて、寝て…過ごした。

で、今日を迎えたわけ。



祭壇の上で屈辱的な格好をさせられている割には俺の心は冷めていた。

早く終われ、と祈りながら。



そう待たないうちに、またドアが開き、王様とその後ろから木の枝を持っている大神官と難しい顔をしたリユイが入ってくる。

「神子、ご機嫌はいかがかな?」

王様が俺の頬を撫でながら優しげに声をかけてくる。

…いや、返事できないし。

「う…うう…」

「少しだけ、辛抱しておくれ、神子。…リユイ、大神官、神子が辛そうだ、早く終わらせよう」

「はい」

「かしこまりました」



リユイが俺に近づき、俺のワンピースの裾を上げて、俺の下半身をあらわにした。

「うう…」

少しでも足を閉じようと試みるけど、がっしりと鎖は俺を離しはしてくれない。

ぬるりとした液体が俺の下半身に流される。

「!」

俺はやっぱり怖くなって腰を浮かせて逃げようとするが、紫のローブが二人がかりで押さえつける。

リユイの指がつぷりと俺の尻の穴に入り、その皺を広げるかのような動きをする。

「う、うぅ…」

知らずに俺は涙を流していた。

こんな大勢の人の前で、普通は晒さないような場所を晒されて、さらにそこに指をいれて広げられようとしている。

なんで俺だけこんな目に…

悔しくて、恥ずかしくて、俺はぎゅっと目を閉じた。



リユイの綺麗な長い指が俺の中をさぐる。

指と香油が立てるぐちゅぐちゅという淫靡な音が祈りの間に響く。

「う…」



質量が増した。

指が複数になったようだ。

中を探るだけでは無く、くぱあと広げられているような感覚がする。

それはそうか、中に『実』をいれるんだもんな。

できるだけ痛くないようにというリユイの配慮だろうか



うっすらと目を開けると神官が持っている枝には桃色の卵くらいの大きさの実がついていた。

あれをいれるのか。



「陛下、お願いします」

しばらくの後、リユイの声が聞こえ、「うむ」と王様が頷き、大神官から実を受け取る。

「神子」

王様は俺の尻をくいっと持ち上げると、実を穴の中にいれた。

「もう少しだけ我慢しておくれ」

「う」

くぷん、と実は俺の尻に飲み込まれる。

王様は指が届く限り奥に押し込むがそうでは無く、実が意思を持ったみたいに、自分で奥へ奥へと入ってくるみたいだった。



「う…ぐぐ…うわあ・・・」

俺の下っ腹の内側に場所を決めた『実』は燃えるように熱くなった。

俺はその痛みで身体を揺らす。

今度はリユイが俺の身体を押さえた…というより、だきしめてくれた。

「神子様、少しだけ我慢してください」

暴れる俺の耳元で周りに聞こえないように囁く。



そりゃ、身体の中に新しい『臓器』を作るんだから、痛みを伴うのはあたり前。

それは死のうとした時と同じ、いや、あの時よりも痛い。



やっぱり、生きるのって辛いかも。



3分だったのか、3時間だったのか。

また痛みで気絶したみたいだけど、かいた生汗が気持ち悪く意識を取り戻した。

「陛下、無事に儀式が終わりました」

大神官の声が聞こえる。

王様は俺の下腹部をそっとなでると、「神子も、皆もご苦労。花が咲く日が楽しみだ」と言った。

そして、俺の右足の甲に唇を落とす。

一度ではなく何度も。

うっそりと両足のふくらはぎや太股を撫でながら。

「う!」

王様がそんなことしていいのかという焦りに俺はまた身体を揺らした。

「リユイ、引き続き交配の儀式まで神子の世話を頼む」

「はい」

王様は護衛を連れて部屋を出て行った。

紫のローブの何人かが俺の拘束を解き、そしてまた手足にそれぞれの枷をはめる。

最後に猿ぐつわが取られると、リユイが俺を抱え上げた。

優しく横抱きにされる。

リユイの端正な横顔が俺の真横で柔らかく微笑んだ。



「良く頑張りました。神子様」

「うん…あんなに痛いと思わなかった」

「すみません。言うとまた貴方が死のうとするかと思って」

だね。

正しい選択だったかも。

俺はぎゅっとリユイのローブの前立てを掴んだ。

「…リユイ、リンゴ、食べたい」

そのままリユイの首筋に顔を埋める。

先に食べとけばもう少し頑張れたかも。

「リンゴ?」

「俺が首を刺したときに食べた果物」

「ああ、レアズですね」

「レアズって、いうのか」

「ええ。準備させましょう…食べて死のうとしたりしませんか?」

「…死なないよ。リンゴはあっちでは特別な事があると母さんが出してくれた果物なんだ」

…ちょっと違うけど、まあ、俺は今日頑張ったから食べても良いはず。

「そうですか」

リユイはそれだけ言うと、俺を抱える腕の力を少し強めて俺を部屋に連れて帰ってくれた。



気付けは俺はリユイを呼び捨てにして敬語も付けずに話をしていた。

今、俺にとってリユイは一緒にいて一番安心できる存在になりつつあった

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