VRMMOでスナイパーやってます

nanaさん

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違和感と真実

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シリアス要素ありだぜ!!

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魔法を一通り練習した私はお姉ちゃんと一緒に一旦ログアウトした

「ママ~!戻ったよ~」

「己龍~!!」

ママに飛びつくとママは優しく抱きしめてくれた

「ふふ、1時間ぶりね」

「こっちではそれくらいしか経って無かったんだね やっぱりフルダイブ技術は凄い」

抱きしめられるとママの匂いがいっぱいして心地よい

そういえばこっちに戻った時ママにして欲しいことがあったんだ

「ねぇ ママ  私 ママにして欲しい事があるの」

「んぅ~?ママが出来ることなら何でもするわ」

「ゲーム内でお姉ちゃんがお尻(の尻尾の付け根)を気持ち良くトントンしてくれたの 初めてだったからあまり覚えてないんだけど お姉ちゃんがママなら私より上手って言ってたから...トントンして欲しいの」

「ちょ、ちょっと己龍 そ、その言い方だと...」

「れーいーかー??」

「ひっ...」

「ちょっとこっちでお話しよっか」

「ママ...」

「んー?どうしたの~?」

「トントン...してくれないの...?」

「うっ..わ、分かったわ やり方を教えてくれればするわ 麗華 後で...ね?」

「はい...」





ママが座敷に座ったのでママの膝にママの方を向いて座る

「それでそのトントンってのは...どこら辺にやれば良いの?」

「ここ..」

ママがお姉ちゃんがトントンしてくれた辺りを摩ってくれる

「んっ..そこ...気持ちぃ....」

「ここね 分かったわ それじゃあゆっくり始めるわね」

そこからママが私をトントンし始めた

お姉ちゃんのはいきなり強い感覚が来てびっくりしちゃって 気持ち良くて覚えてなかったけど

ママのは違う

「お姉ちゃんのは激しくて気持ち良すぎてあんまり覚えてないけど ママのはじんわりと気持ちよくて好き」

「ふふ、なら良かったわ それと麗華 後でお話する内容が増えたわね」

「ひぇ...」

お姉ちゃんとママが何か話をするみたい でも何の話だろう?

そう考えたが 別に考えることでもないと思いその考えを捨てた

今はママが与えてくれるこのじんわりとした暖かい感覚を味わうべきだ

「ん...ママ..もし私が毎日して っていったらしてくれる?」

「ええ、勿論 大好きな己龍からのお願いだもの」

「えへへ...」

ママから大好きって言われて嬉しくなる

「母さんだけ己龍を独占してずるい...」

「麗華はゲームで十分 己龍と一緒に過ごせたでしょ?ママはそれまでずっと1人だったんだから良いじゃない」

「そう言われると何も言えない...」

「ママ」

「どうしたの?己龍」

「私もママの事 大好き」

「あら、私もよ」

「ちょ、ちょっと己龍 わ、私は..?」

「お姉ちゃんも大好き さっき言ってたもん 私はお姉ちゃんのモノ お姉ちゃんは私のモノって」

「...麗華?」

「これは誤解があって...」

「あと2人とも少し勘違いしてる事があるわ」

「?」

「勘違い」

「2人は私のモノよ!!」

ママがそう言うと同時に私とお姉ちゃんを抱きしめてくる

暖かい

家族っていうのを再認識出来て 嬉しくて涙が出そう

それと同時に パパもここに居たら...という考えも出てしまう

 「...ねぇ ママ お姉ちゃん」

「どうしたの?」

「何かあったの?思い詰めた顔して...」

「今度...パパに会いに行こう」

「..そうだね 己龍も戻ってきてくれたし1人だけ仲間はずれは...可哀想だしね」

「それに己龍に謝ったと同時にあの人にも...謝らないといけないわ...」

...久しぶりにパパに会って たいちょー達とやった仕事とかについて話したり お姉ちゃん達と仲直りした話をしたい

また会いたい っていうのは野暮な願いかな....


そう考えた時 私の思考に違和感を感じた

「...おかしい」

「ん?どうかした?己龍」

「...なんでもない」

私はパパの死体を見てない パパが何の任務でどういう理由で死亡したかを聞いていない

私は過去の記憶を思い出す




過去の記憶にあるパパを失った時の私はママやお姉ちゃんと葬式に参加した

遺体は酷い惨状だと言われ私もママもお姉ちゃんも見せて貰えず そのまま火葬された

火葬された後は骨壺に入れられたが...その骨すら私達は見れない徹底ぶりだった覚えがある

過去の記憶をとにかく掘り出す

この違和感は一体 何?

脳裏に浮かぶのはパパとの記憶

忘れた事なんて今まで無かったのに...

それと同時に違和感が大きくなっていく

おかしい

この違和感はただの気の所為で済ましていいものでは無い

『己龍 もし俺が...したら俺の部屋の....を見なさい』

『なんで?でもパパはそんな事にならないよ?』

『...念には念を入れて だ...よく教えただろう?備えあれば憂いなしと』

『...うん』

『だが俺の部屋の...には鍵が掛かってる...つまり...パスワードが必要だ』

『ぱすわーど?』

『そうだ ヒントを先に与えておこう...己龍がいつか この日のことを思い出した時の為に...な』

『? 私はわすれないよ?』

『...そうだったな 己龍は...物覚えが..良い方だったな だが少しパスワードは難しいんだ ヒントがあった方が解きやすいと思うのだが...どうだ?』

『パパがそう言うなら..ヒント おしえて?』

『ああ...ヒントは...この先..己龍がなるであろう役割だ』

『やくわり?』

『そうだ 俺には分かる 己龍が将来 何になるかがな』

『私はなにになるの?』

『それは...将来のお楽しみだ 先に知っては...つまらないだろう?』

『...わかった 楽しみにしてる』

『ならいい それじゃあパパは仕事に行ってくる』

『いってらっしゃい パパ』

いつの日かの記憶を思い出し頭が痛くなり頭を抱える

「あれ...なんで私...この事を忘れて...」

「己龍?どうしたの?己龍!」

「何かあったの?1回落ち着いて...」

私はかなり記憶力のあると自負している 数年前に起きた事だって鮮明に覚えてるくらい

そんな私が忘れるなんて...

それも家族関連の事だ 絶対に忘れないはずなのに...

「...ねぇ ママ」

「ど、どうしたの?己龍」

「パパの部屋って...何もいじってない?」

「ええ...何も変わってないわ」

「...パパの部屋に行ってくる」

「急にどうしたの?」

「パパの部屋に行けば全てが分かる...」

二階にあるパパの部屋に向かう

お姉ちゃんとママは不安そうに私を見ながらついてきた

ごめんね 今はこの違和感をどうにかして解明しないといけないんだ





パパの部屋に入る

久しぶりのパパの部屋は過去の記憶と変わっていなかった

読書家だったパパが読んでた様々な本がある本棚 

 パパが調べ物に使ってたちょっと古いパソコンや

パパが使っていた道具とかも変わらずにあった

そんな中 私はパパの仕事机に近づく

ここはパパに近づいちゃダメって言われて 近づかなかった場所

そこの引き出しを見ると鍵がかかっていた

アルファベッド式の電子ロックだ

「...パパが言ってた...将来の私の...役割....」

私の役割は....狙撃手

英語で言えば"Sniper"

それを入力する

すると電子ロックはピッと音を立てて解除された

そこから出てきたのは1冊のノート...と謎の電子機器

「これは...日記?」

パラパラと読み進めていくと前半はただの日記だったが後半は....



『己龍へ これを読んでるということはには俺は死んでおり 家族と仲直りをし私の言ったことを思い出してこの日記を見つけ出したのだろう』

『そして違和感に気づいたはずだ 俺の死んだ原因が明確にされなかったこと 死体すら見せて貰えなかったこととかな 今から俺は真実をここに記す』

『まず俺はさっき言った通り世間的には死んだことになったが..実際は生きている 理由は色々と複雑だ 簡単に言うなら...自分の生死を偽装しないと己龍達へ危険が及ぶからだ 俺はあまりにも成果を出しすぎた』

「...」

思い出すのは 私と ママ達の関係が崩れ始めたあの日

その時から パパはこうすることを考えていたのかな

『結果 俺は敵対してる組織からあの時のように刺客を己龍達の元へ送られるようになった おそらく今は俺が死んだことになってるからもう無いだろう 俺は敵対する組織全てを壊滅させる そして己龍がこの日記を読んでる頃にはもう終わってるはずだ』

「終わってるなら...どうして?」

『どうして?と思ってるだろうな これを書いてる段階では推測に過ぎないが...俺は...もう既に腐りきった上層部から用済みとされ...狙われている』

「...国から...命を...?」

『狙ってる奴は検討がついてておそらく俺の同僚達がどうにかしてる段階だろう 詳しい話は...己龍が世話になってるであろう奴に聞け』

「...」

脳裏に浮かぶのは1人の男

パパの同僚であり

パパと一緒に敵対する者から恐れられた人

気のよくて 私の第2の父だった人だ

「...ママ、お姉ちゃん ちょっと私 出かけてくるね」

「え?」

「いきなりどうしたの?」

「...これしか言えないけど...パパは...生きてる」

「ッ!?」

「え!?それってどういう...!?」

ママ達に何か言われる前にパパの日記をもって部屋を出てあの人の所へ向かう準備をする

仕事をしていた時の道具を背負い 目立たない服に着替えバイクに乗る

「己龍!!」

「...ママ..お姉ちゃん  大丈夫 すぐ帰ってくるから 待ってて?」

「...己龍が何をしに行くか分からない けどね...自分の身体は大切にしてよ?」

「勿論 お姉ちゃんとママも気をつけて...扉と窓の鍵は絶対閉めて カーテンも 外にママ達が家に居るっていう事を知らせるような情報を与えないで」

「...分かったわ」

「護身用に渡しとく 何かあったら躊躇せずに使って」

私はママとお姉ちゃんとスタンガンとテーザー銃を渡す

「それと...仮に私の声が聞こえても絶対に開けないで 合言葉を言うから」

「分かった その合言葉は?」

「合言葉は....でお願い」

「分かったわ それじゃあ己龍 気をつけて」

「うん、お姉ちゃん達も気をつけて」

ヘルメットを被り 私はバイクを走らせて ある人の所へ向かった




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