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nanaさん

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2章 異世界

暗闇での戦闘

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俺も大槌を構え戦闘体勢を取る

2人は瞬時に二手に別れた

片手剣を持ったキャスと呼ばれた影が攻撃を仕掛けてきた

「ッ!早い!」

攻撃を防ぐが一撃も重い

そして後ろからロッハと呼ばれた影が槍で貫こうとしてきたのでキャスの攻撃を受け流した勢いで避ける

が奴らの方が俺より速いのか更に猛攻が始まる

片手剣による連続攻撃

その一つ一つが的確に俺の急所を狙い尚且つ速い そしておまけに重い

そんな連撃が続く中で俺が少しでも隙を見せれば暗闇から槍が飛んでくる

何度も防いでは居るが完璧には防げない

どんどん傷は増えるばかり...ちょっとここはカードを1枚切るか

「はえぇなお前ら...ちょっと俺も本気でやらないとな...【紫電】!」

身体と大槌に紫の雷を纏わせ 強化する
「あの時の...」

「こちらもギアを上げなければ」

どうやらお相手さんはまだ余裕があるらしい


「おらよォ!!」

紫電を纏った大槌による1発を瞬発力で距離を詰めたロッハにぶち込み洞窟の壁に吹っ飛ばす

「!?」

「俺をあんまり舐めない方がいいぜ?」

「人間風情が図に乗るな」

すると即座に追いついてきたのでさっきと同じようにロッハに警戒しながらキャスに猛攻を仕掛ける

柄 槌 拳 蹴り なんでも使って猛攻に繋げる

「くっ...生意気な...!!」

「オラオラオラァ!!まだまだギアはあるだろ!?舐めてると痛い目見るぜ!!」

「くっ...仕方ない....【魔竜化】!!」

キャスが謎のスキル?を発動した瞬間 俺は思いっきり吹っ飛ばされた


「ぐっ...ようやくか...」

暗闇でよく見えないが翼や角のような物が鎧を貫いて生えている

『グルルルルル....』

「理性も失うってやつか?怖いな...だがその分..対価はでかい 油断はしないぞ」

重力操作でキャスに掛かる重力を増やす

プレートで自身の足場を作り地上から空中に移動

放電爆破ボルテージ!!」

周囲に強力な電気が放電される

『グガァァァァァァ!!!』

「うっそだろおい」

対して効いてない様子だ

と思った瞬間に目の前に拳が見えた

「ッ!」

即座にプレートを俺の前に作り出し衝撃を緩和するがプレートが割れそのまま洞窟の壁に吹き飛ばされる

「ぐっ...こりゃ予想外だ...!」

まさか全く気にもせず吹き飛ばしてくるとは

「こりゃ長い闘いになりそうだ」

距離を離しても詰めてくるだけなので必死に対応しながら考える

「【黒閃刀】!」

黒い光を纏った手刀をキャスの首に叩き込むが

『グルルル....』

「おいおい嘘だろ..」

全く通じない所か そのまま吹き飛ばされた

「ガハッ....どうするか...」

さっきは直で撃って効かなかった

生物に対しては電気は有効なはずだが...考えるなら奴の身体の表面が硬すぎて電気が届いていない ファンタジー的な何かがあって通用してない

くらいしかないな...

今の場所を考え活用できるものは無いかと闘いながら探す

鍾乳洞 壁 青い光を放つ鉱石 地底湖...ん?地底湖?

そうだ 地底湖があるじゃないか

電気と言えば水による感電 

たとえ表面が硬くても中はそうはいかないんじゃないか?

その理論だと掌底打ちとかもそうだが間合いがな...

ということでそこまで持っていく為の作戦を開始する




奴は雷術は避けもしないが黒閃は出来るだけ避けている

どうやらあれもダメージが入るらしい

なので

「【黒波】!」

この空間全体に 黒い光を放つ弾をばら撒き一斉に...

「【爆発バースト】!」

その瞬間に黒い光が大きくなり大きな爆発を引き起こす

『グル!!』

流石にキャスも危険を察知したのか避ける

敢えて"弾をばら撒かなかった位置"にキャスが誘導される

爆発の煙に紛れ近づき

近接で闘える間合いに到達した瞬間に

重力操作でキャスにかかる重力を増幅させ そこから距離を詰め衝撃操作で衝撃を溜めた拳をキャスに向けて下向きに打ち込み

地底湖に飛ばされるようにする

そして飛ばされた勢いでキャスは地底湖の中に沈む

その瞬間に

「【放雷爆発ハイボルテージ】!!」


俺の両手に瞬時に濃縮させた電気を地底湖に向けて思いっきり撃ち込む

その瞬間

ズガガガガァァァァン!!!!

と音を立てて地底湖に電気が撃ち込まれあまりの勢いに水しぶきが立った





地底湖の底を見ると感電して気を失ったキャスの姿が見える 焦げてるところが多い

溺死とかは流石に可哀想なので念動力で地底湖の外に出しておく

「...居ないな?どこに行った...」

「..【魔竜化】」

「ッ!マズっ ガッ!?」

後ろから例のスキルを発動させる声が聞こえた直後に振り返った瞬間首を掴まれ上に連れてかれる

俺を使って無理矢理山の頂上に向かって突き抜けるように移動してるらしく プレートで保護してるとはいえ頭がクソいてぇ

そしてついには山頂まで貫く

その一瞬に見えた外は 満月の空だった

丁度俺らの上に君臨する月

それを見てる暇もなくロッハは俺を地底湖に向けて思いっきり殴り飛ばした

「ぐっ!?」

『グガァァァァァァ!!!!』

意識が飛びそうだ

正常な判断が出来ない


そのまま俺は地底湖の底に叩きつけられた


意識が...消えていく...


そんな俺が最後に見たのはゆらゆらと炎のように揺れる蒼い月だった...




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