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瑠香と妻の思い出
好きなのは葛葉子ただ一人のはずだったのに…
しおりを挟む「葛葉子はオレにだけに穢されて…」
葛葉子をぎゅっと抱きしめて耳元で囁く。
「瑠香は神様だから…穢なんかないよ…」
瑠香の胸に頭を寄せて幸せそうに言う。
「オレの心は穢れてるよ。
どうやって葛葉子をいかせるかしか考えてないし…」
今夜も葛葉子と思う存分愛し合うつもりだ。
「す、すけべめっ!口に出さないで……」
瑠香の胸を腕で押す。
「そんなすけべなオレにずっと穢されていればいいんだよ」
そう言って優しくキスを繰り返す。
「好きだよ…」
好きすぎて涙があふれる。
その涙も唇でキスで拭ってくれる。
互いが互いをもとめずにいられないほど好き…
「離れたくないよ……」
「離れなければいい……」
互いにぎゅっと抱きしめる。
「死ぬときも一緒に死にたいほど…あっ!今のナシ!」
葛葉子は、つい本音が出てしまって、しまった!と焦る。
瑠香は葛葉子のおでこにキスをして、
「その時は一緒に言霊を言おう…」
もう瑠香はその日がきたら一緒に……と覚悟を決めている。
瑠香にとってそれは自殺だ…
自殺されるのは葛葉子が辛い。
「……やだ。
瑠香には生きていてほしいもん。」
ほっぺたをワザと膨らませてそう怒る。
「ジジ様の姿になるまで生きていて…ほしいもん!」
自分が顎髭禿頭の三頭身を想像してしまった。
ゾッとするとともに、笑顔で葛葉子に凄む。
「雰囲気壊す気か…?」
「んッ!ひゃ!」
葛葉子の弱いところをさらに触れて攻めて感じさせる。
「やっ…」
「やじゃないだろ?」
吐息交じりで頬を…体を紅潮させる葛葉子にそそられる。
フッと瑠香は息を荒くして……
「…葛葉子にはお仕置きが必要だな…」
今夜もお仕置きとは名ばかりの睦愛が始まる。
「ううっ…やさしくないよ…」
今夜は激しかった…
死に関する話をすると瑠香は焦燥感に襲われて強く葛葉子を抱く。
「ごめん…痛かった?」
瑠香はすまなそうに優しく聞いてくれる。
「ううん…でも、もっと優しくして…」
むっとわざと瑠香を睨む。
嫌じゃないけど…激しかった…意地悪な囁きも言われた…
「ジジ様になるって意地悪言うのが悪い…」
「ジジ様にならないよ……
カッコいいおじいちゃんのままだよ…」
瑠香は誓はやぶってない…たぶん…それに…
「眷属の私がご主人様に逆らえるわけないじゃないか…」
「そうだといいな……」
九尾に操られた時かなりギリギリなことをした気がする…自分の意志じゃないから……
葛葉子は瑠香の背を抱きしめて、
「ずっと、ずっとかっこいい瑠香のままだよ。
かっこいいおじいちゃんでいてね……」
私がおばあちゃんにならない代わりに……
その思いが届くと瑠香も胸がいたい。
ぎゅっと、葛葉子を抱きしめずにはいられない……
「生きて…オレとともに…ずっといてくれ…」
「瑠香…そばにいるよ……」
また体から魂までお互いに抱きしめるように愛された。
今度は優しく抱きしめる…
「こんなに愛おし過ぎたらオレは壊れてしまうな…」
切な気な声と表情をして見つめ合う…
「どうしたらいい……」
キリリとした眉が下がって泣きそうだ。
「もっと…もっと愛おしい人たちが瑠香の周りに現れるよ…」
不安を消すように言ってあげる。寿ぐように…
「でも、私以外の女触っちゃやっぱりダメだからね。」
そんな本気で言う葛葉子にふふっと瑠香は笑って、
「触らないよ。葛葉子が一番かわいい……」
☆☆☆
とは、思っていたけれど…
菊のほうが実は可愛い…
「う?ジジィ?」
菊のぷにぷにほっぺを触ったりなでくりまわす。
菊の両親はある事情で娘の傍にいないから瑠香は菊を預かり二親代わりだ。
「菊はジジとずっとずっとそばにいなくてはダメだぞ。離さないし!」
「ココもジジすゅきぃ!」
「もうもう、可愛すぎだろっ!」
瑠香はぎゅっと菊と抱き合う。
「瑠香!仕事しろっ!私だって季節たちと触れ合いたいんだぞ!」
晴房は副長の瑠香を叱る。
仕事人間だった瑠香は仕事より菊一番になったことは言うまでもない…
現実で瑠香に関与できない葛葉子は耳をひしゃげて地団駄踏む。
「瑠香はうらやましいなっ!もう!私も菊にさわりたいよっ」
でも瑠香が幸せならいいかとホッとする葛葉子だった。
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