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香茂家の事情
花火祭りの縁☆前編
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「じーじっ!」
四歳になる菊は何やら興奮して、陰陽寮の廊下をタタタッ!と走って来て祖父である瑠香に体当たりのごとくに抱きついて、
「はやく、花火みたい!花火見にいこう!」
瞳を輝かせてそう言った。
その様子がとても可愛すぎる。
「ココの望みなら見にいくぞ。
ちゃんと休みのシフトなら入れてあるよ」
優しく微笑み頭をなでてキスをする。
相変わらずのラブラブぶりだ。
「ひいばーばと、ひいじーじが可愛い浴衣を用意しているぞ」
瑠香は準備万端整えてある。
瑠香の孫の菊は陰陽童子として、祖父の瑠香と宮中の陰陽寮で陰陽師となるために修行も兼ねて住み込みをしている。
晴房は菊にせがまれてスマホの花火の動画をみながら、不機嫌だ。
「さっさと出かけろ。私は待ってるから…」
「ハルさまも行こうよ!」
「私は、仕事で、宮中離れられないんだ!」
基本、晴房は宮中から出られない。
瑠香が外出する時は晴房は留守番だ。
深夜ならば外出できるが、花火は終わってしまう。
「私も家族と一緒に見たいのだっ!」
わーーーんっ!とおとな気なく陰陽寮の廊下を走って逃げた。
と思ったら戻ってきて、
「なんのためのあやかしの四神だと思っておるのだ!」
腰に手をおいて仁王立ちでそう言った。
「四神に怪しいものは食っても構わぬと命じて、今夜だけ私も出かける!」
どうしても花火を見に行きたい晴房は、物騒な命令を出すことにしたらしい。
それほど見に行きたいのだ。
そして今日は特別だった。
「陛下は海外にいらっしゃるし…まぁ、御代は安定してるから大丈夫だと思うか……」
瑠香は考え晴房はの頭上に降りているハルの神をみる。
「いいか?ハルの神」
『……まぁ、よい。いざとなったら私がハルの身体を乗っ取ってあだなすものを殲滅してやるわ。』
いつもは厳しいハルの神は今日は許しを与えた。
陛下が海外にいらっしゃる時は最強の太刀の者がそばをきっちりお守りをしているのだ。
晴房や瑠香の仕事は基本、宮中祭祀を邪魔する者から陛下を霊的にお守りする。
陛下ご不在の時は自由は有る。
ハルの神の優しさにルカの神は微笑む。
「よし、みんなで花火大会、見にいくぞ!今年は李流も謹慎処分で初の家族花火祭りだからな!」
陛下ご不在は自由と言っても晴房は家族全員で楽しむのは今年だけしかチャンスが無い!と思った。
自由とはいっても、やはり宮中に二柱不在は心もとないので、二人は髪を少し切り、式神を作って、仮の依代を作り、人形に切った神に神を置き、呪術を施し、ハル、ルカの神を宿らせた依代式神は見た目は二人そのものだ。
何かあった時一度きりの神の力を使うことができる。
今日だけの特別だった。
『いってこい。時間内には戻ってこい』
『楽しんでおいで。』
式神は持って半日ほどだが、夏の季節なので神は活発の時期でもあるので本当に特別な季節に花火祭りがあることに感謝する。
二柱の依代である晴房と瑠香にも祭りの寿ぎとして楽しませてあげたいという神の慈悲でもあった。
夏が過ぎれば実りを祝う神事に駆り出されて家族とふれあう機会が少なくなるのだから……
桜庭家では父である晴房と一緒に花火が見られる事に子どもたちは大喜びした。
そして、香茂家と一緒に花火大会祭りを見にいく事になった。
四歳になる菊は何やら興奮して、陰陽寮の廊下をタタタッ!と走って来て祖父である瑠香に体当たりのごとくに抱きついて、
「はやく、花火みたい!花火見にいこう!」
瞳を輝かせてそう言った。
その様子がとても可愛すぎる。
「ココの望みなら見にいくぞ。
ちゃんと休みのシフトなら入れてあるよ」
優しく微笑み頭をなでてキスをする。
相変わらずのラブラブぶりだ。
「ひいばーばと、ひいじーじが可愛い浴衣を用意しているぞ」
瑠香は準備万端整えてある。
瑠香の孫の菊は陰陽童子として、祖父の瑠香と宮中の陰陽寮で陰陽師となるために修行も兼ねて住み込みをしている。
晴房は菊にせがまれてスマホの花火の動画をみながら、不機嫌だ。
「さっさと出かけろ。私は待ってるから…」
「ハルさまも行こうよ!」
「私は、仕事で、宮中離れられないんだ!」
基本、晴房は宮中から出られない。
瑠香が外出する時は晴房は留守番だ。
深夜ならば外出できるが、花火は終わってしまう。
「私も家族と一緒に見たいのだっ!」
わーーーんっ!とおとな気なく陰陽寮の廊下を走って逃げた。
と思ったら戻ってきて、
「なんのためのあやかしの四神だと思っておるのだ!」
腰に手をおいて仁王立ちでそう言った。
「四神に怪しいものは食っても構わぬと命じて、今夜だけ私も出かける!」
どうしても花火を見に行きたい晴房は、物騒な命令を出すことにしたらしい。
それほど見に行きたいのだ。
そして今日は特別だった。
「陛下は海外にいらっしゃるし…まぁ、御代は安定してるから大丈夫だと思うか……」
瑠香は考え晴房はの頭上に降りているハルの神をみる。
「いいか?ハルの神」
『……まぁ、よい。いざとなったら私がハルの身体を乗っ取ってあだなすものを殲滅してやるわ。』
いつもは厳しいハルの神は今日は許しを与えた。
陛下が海外にいらっしゃる時は最強の太刀の者がそばをきっちりお守りをしているのだ。
晴房や瑠香の仕事は基本、宮中祭祀を邪魔する者から陛下を霊的にお守りする。
陛下ご不在の時は自由は有る。
ハルの神の優しさにルカの神は微笑む。
「よし、みんなで花火大会、見にいくぞ!今年は李流も謹慎処分で初の家族花火祭りだからな!」
陛下ご不在は自由と言っても晴房は家族全員で楽しむのは今年だけしかチャンスが無い!と思った。
自由とはいっても、やはり宮中に二柱不在は心もとないので、二人は髪を少し切り、式神を作って、仮の依代を作り、人形に切った神に神を置き、呪術を施し、ハル、ルカの神を宿らせた依代式神は見た目は二人そのものだ。
何かあった時一度きりの神の力を使うことができる。
今日だけの特別だった。
『いってこい。時間内には戻ってこい』
『楽しんでおいで。』
式神は持って半日ほどだが、夏の季節なので神は活発の時期でもあるので本当に特別な季節に花火祭りがあることに感謝する。
二柱の依代である晴房と瑠香にも祭りの寿ぎとして楽しませてあげたいという神の慈悲でもあった。
夏が過ぎれば実りを祝う神事に駆り出されて家族とふれあう機会が少なくなるのだから……
桜庭家では父である晴房と一緒に花火が見られる事に子どもたちは大喜びした。
そして、香茂家と一緒に花火大会祭りを見にいく事になった。
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