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祝福の縁(大団円)
祝福の縁
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十歳を迎えた、新たな『祈り姫』が修行に旅立たれる前に、法子の降嫁が決まり、日和国の毎日のようにお祭り騒ぎ、祝福厶ードになっていた。
お祖父様である、祝皇陛下は心から李流との結婚を喜ぶ。
「これからも幸せになるのだよ。」
法子の手をぎゅっと握り、法子も瞳に涙をためて、愛しい祖父であり祝皇陛下に祝福され感無量だ。
「幸せを分かち合う縁が君たちにはあるのだからね」
「思いが叶ってよかったわね、さすが私の孫ね」
祖母であられる皇后陛下が満面の笑顔で法子を抱きしめる。
「法子はお祖母様似なのかもな」
しみじみと祝皇陛下は言った。
「お祖父様、お祖母様…今まで、ありがとうございます。幸せを李流と共に紡いでいきます」
晴房は檜扇をひろげて、口元を隠しニコニコしている。
「まさか、ほんとに法子殿下が嫁になるとはな。」
「ほんとよね、まさか、ハルが舅になると思わなかったわ。」
晴房とは幼い頃からの付き合いで、李流どの関係を取り持ってくれたけれど、大人になった李流と法子の恋人としての行為をキス以上を認めず邪魔しまくった。
けれど、それも今日までのこと。
『正式には祈り姫』ではなくなる。
新たな祈り姫が正式に『秘神』として神に認められ、祈り姫が戻ってくるまで、宮中で祈りは怠れない。
次なる『祈り姫』の内親王も生まれ安泰。
住む環境が変わり、李流と共に出仕する形になる。
「これからもよろしく頼むな、花嫁どの」
遠慮無く晴房は法子の肩を叩く。
住む環境が変わるのは不安だったけれど、あまり変わらないかもしれない。
でも、今日は一生に一度の大切な記念の日。
西洋式の真っ白なドレスを着て結婚式をしたいという願いを李流は叶えてくれた。
白のタキシード姿の李流がいる。
とても、凛々しくて、西洋の王子様のようで素敵すぎる。
神前は済ませたけれど、もう一度で、結婚式したい。
神の前でのキスをしたい。
夢の中でのファーストキスの再現を。
二人の結婚式を偶然知り参加した国民にも祝福される、マスゴミも密かに来てる。
『祈り姫』としての最後の祝福をみんなに味わってもらいたい。
ブーケを投げると、李流の妹の若葉が受け取る。
その横には、桃都がいて、若葉と微笑み合う。
最大の祝福が入ったブーケをもらった二人は生涯幸せに過ごすことだろう。
神の前で誓いのキスをして、参加者全員に祝福され幸せに満たされた。
式も無事に終わり、新居にたどり着く。
やっと、これから結婚生活が始まる。
しかも、降嫁して、一般人、一国民としての人生、桜庭李流の妻としての生涯が始まるのだ。
とりあえず、服を脱ごうとしたら、李流が背中のチャックを降ろしてくれた。
「ありがとう……」
肩に手をかけてキスを背中にしたのを感じた。
「し、シャワー浴びてくるわね。」
「一緒に入りますか?」
李流はにこやかに微笑む。
「ひ、ひと、ひとりで大丈夫。」
そう惑いながら固くいい、シャワーを浴びに行く。
今日は初夜。
この五年間、よく貞操を守ったと思う。
さらに、この日まで貞操を守り祈り姫としてみんなに祝福をしたいとワガママをきき入れて、大切な初夜は今日まで流れた。
ギリギリなことは何回かあったけれど、皇室を敬愛する理性が強すぎたのが幸いしてキス以上は進めなかった。
(晴房がギリギリのところで邪魔したことも幸いしたけれどセーフということにする)
けれど、今日からは『祈り姫』ではなく、一人の女性として愛していいのだ…
李流は優しく法子をベッドに押し倒す。
肌を隠すシーツを剥いで、法子を見つめる。
法子は恥ずかしさで顔をそらす。
互いに初めてのことでドキドキが止まらない。
「法子さま……」
「さま…は禁止。」
「ほうこ……」
初めて敬称なしで呼ばれて、法子は照れる。
そんな法子が可愛くて、いつものように、おでこにキスをする。
おでこだけではなくて、法子の全てに熱いキスをする。
法子の肌は白くてきめ細かい。
その肌にキスマークがついていく。
柔らかい肌、熱をおびた吐息。
潤んだ瞳に、艶っぽい表情。
愛しさが止まらない。
法子のすべてが愛おしい。
法子も李流の愛撫に肌を寄せて背中に腕をまわし抱きしめる。
ずっとこうしたかった……
してもらいたかった……
もっと、強く強く抱きしめてほしい優しくしてほしい……
「これからも法子を一生かけて、お守りいたします。愛していきます」
「私も李流を愛してる……これからもずっと…」
「愛してます……」
お互いが愛おしく、切ないほど、狂しいほど、何度もひとつにとけあった。
★☆★
「まーた、いちゃついてんの!いいかげんにしてよ娘の前で!」
桜庭刀子は朝食が乗ったテーブルを叩き抗議する。
宮中の仕事から久しぶりに帰ってきた李流は法子と何度もキスをする。
宮廷近衛長官になった李流は家にいることが少ない。
だからこそ、帰ってくれば、いちゃつく。
そんな両親に、次女で十六歳になる李流似の娘の刀子は呆れる。
刀子のほかに、鏡子、珠子の三姉妹。
もう一人できそうな勢いだなと思いながら、学校に行く。
「車には気をつけなさいね」
玄関まで母の法子は優しく見守ってくれる。
「帰りに、雪お祖母ちゃんのところよってくー!」
雪お祖母ちゃんの家には桃都伯父さん、若葉おばさんもいて、あらたな赤ちゃんを見にいく予定だ。
季節伯父さんは剣道の指南してくれるし、向日葵叔母さんは、ハル様の後を次ぐため修行、楓叔父さんは、兄を目指して、宮廷警察の仕事をしている。
街を歩けば、祭日の日には日の丸の国旗が掲げられ、国の繁栄を願う風習が蘇りつつある。
昔は国旗をあげれなかったというから不思議に思う。
こんなに素晴らしい国を愛さない人たちがいたなんて!
みんな、皇室を愛している。
国を愛している。
刀子も皇室を愛してるし国を愛してるし、やすくにの英霊様が大好きだ。
法子と李流は、刀子を見送って、家に入ると、見つめて微笑み合い夫婦水入らず、愛し合うのだった。
お祖父様である、祝皇陛下は心から李流との結婚を喜ぶ。
「これからも幸せになるのだよ。」
法子の手をぎゅっと握り、法子も瞳に涙をためて、愛しい祖父であり祝皇陛下に祝福され感無量だ。
「幸せを分かち合う縁が君たちにはあるのだからね」
「思いが叶ってよかったわね、さすが私の孫ね」
祖母であられる皇后陛下が満面の笑顔で法子を抱きしめる。
「法子はお祖母様似なのかもな」
しみじみと祝皇陛下は言った。
「お祖父様、お祖母様…今まで、ありがとうございます。幸せを李流と共に紡いでいきます」
晴房は檜扇をひろげて、口元を隠しニコニコしている。
「まさか、ほんとに法子殿下が嫁になるとはな。」
「ほんとよね、まさか、ハルが舅になると思わなかったわ。」
晴房とは幼い頃からの付き合いで、李流どの関係を取り持ってくれたけれど、大人になった李流と法子の恋人としての行為をキス以上を認めず邪魔しまくった。
けれど、それも今日までのこと。
『正式には祈り姫』ではなくなる。
新たな祈り姫が正式に『秘神』として神に認められ、祈り姫が戻ってくるまで、宮中で祈りは怠れない。
次なる『祈り姫』の内親王も生まれ安泰。
住む環境が変わり、李流と共に出仕する形になる。
「これからもよろしく頼むな、花嫁どの」
遠慮無く晴房は法子の肩を叩く。
住む環境が変わるのは不安だったけれど、あまり変わらないかもしれない。
でも、今日は一生に一度の大切な記念の日。
西洋式の真っ白なドレスを着て結婚式をしたいという願いを李流は叶えてくれた。
白のタキシード姿の李流がいる。
とても、凛々しくて、西洋の王子様のようで素敵すぎる。
神前は済ませたけれど、もう一度で、結婚式したい。
神の前でのキスをしたい。
夢の中でのファーストキスの再現を。
二人の結婚式を偶然知り参加した国民にも祝福される、マスゴミも密かに来てる。
『祈り姫』としての最後の祝福をみんなに味わってもらいたい。
ブーケを投げると、李流の妹の若葉が受け取る。
その横には、桃都がいて、若葉と微笑み合う。
最大の祝福が入ったブーケをもらった二人は生涯幸せに過ごすことだろう。
神の前で誓いのキスをして、参加者全員に祝福され幸せに満たされた。
式も無事に終わり、新居にたどり着く。
やっと、これから結婚生活が始まる。
しかも、降嫁して、一般人、一国民としての人生、桜庭李流の妻としての生涯が始まるのだ。
とりあえず、服を脱ごうとしたら、李流が背中のチャックを降ろしてくれた。
「ありがとう……」
肩に手をかけてキスを背中にしたのを感じた。
「し、シャワー浴びてくるわね。」
「一緒に入りますか?」
李流はにこやかに微笑む。
「ひ、ひと、ひとりで大丈夫。」
そう惑いながら固くいい、シャワーを浴びに行く。
今日は初夜。
この五年間、よく貞操を守ったと思う。
さらに、この日まで貞操を守り祈り姫としてみんなに祝福をしたいとワガママをきき入れて、大切な初夜は今日まで流れた。
ギリギリなことは何回かあったけれど、皇室を敬愛する理性が強すぎたのが幸いしてキス以上は進めなかった。
(晴房がギリギリのところで邪魔したことも幸いしたけれどセーフということにする)
けれど、今日からは『祈り姫』ではなく、一人の女性として愛していいのだ…
李流は優しく法子をベッドに押し倒す。
肌を隠すシーツを剥いで、法子を見つめる。
法子は恥ずかしさで顔をそらす。
互いに初めてのことでドキドキが止まらない。
「法子さま……」
「さま…は禁止。」
「ほうこ……」
初めて敬称なしで呼ばれて、法子は照れる。
そんな法子が可愛くて、いつものように、おでこにキスをする。
おでこだけではなくて、法子の全てに熱いキスをする。
法子の肌は白くてきめ細かい。
その肌にキスマークがついていく。
柔らかい肌、熱をおびた吐息。
潤んだ瞳に、艶っぽい表情。
愛しさが止まらない。
法子のすべてが愛おしい。
法子も李流の愛撫に肌を寄せて背中に腕をまわし抱きしめる。
ずっとこうしたかった……
してもらいたかった……
もっと、強く強く抱きしめてほしい優しくしてほしい……
「これからも法子を一生かけて、お守りいたします。愛していきます」
「私も李流を愛してる……これからもずっと…」
「愛してます……」
お互いが愛おしく、切ないほど、狂しいほど、何度もひとつにとけあった。
★☆★
「まーた、いちゃついてんの!いいかげんにしてよ娘の前で!」
桜庭刀子は朝食が乗ったテーブルを叩き抗議する。
宮中の仕事から久しぶりに帰ってきた李流は法子と何度もキスをする。
宮廷近衛長官になった李流は家にいることが少ない。
だからこそ、帰ってくれば、いちゃつく。
そんな両親に、次女で十六歳になる李流似の娘の刀子は呆れる。
刀子のほかに、鏡子、珠子の三姉妹。
もう一人できそうな勢いだなと思いながら、学校に行く。
「車には気をつけなさいね」
玄関まで母の法子は優しく見守ってくれる。
「帰りに、雪お祖母ちゃんのところよってくー!」
雪お祖母ちゃんの家には桃都伯父さん、若葉おばさんもいて、あらたな赤ちゃんを見にいく予定だ。
季節伯父さんは剣道の指南してくれるし、向日葵叔母さんは、ハル様の後を次ぐため修行、楓叔父さんは、兄を目指して、宮廷警察の仕事をしている。
街を歩けば、祭日の日には日の丸の国旗が掲げられ、国の繁栄を願う風習が蘇りつつある。
昔は国旗をあげれなかったというから不思議に思う。
こんなに素晴らしい国を愛さない人たちがいたなんて!
みんな、皇室を愛している。
国を愛している。
刀子も皇室を愛してるし国を愛してるし、やすくにの英霊様が大好きだ。
法子と李流は、刀子を見送って、家に入ると、見つめて微笑み合い夫婦水入らず、愛し合うのだった。
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