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この部屋のアリス4
しおりを挟むそして…だんだん私の意識が
途切れた感情思考が
この危機を乗り越えるヒントを導き出す。
二人は異常にこの水とパンを狙っている
そしていまは
私自身を狙っている…
彼女たちが求めるものは願望
飲食に隠された異常な求め方…
そして私を見つめる姿…
今の私は私自身の望んだ姿…
普通のどこにでもいるかわいい女の子。
だってここは
夢の世界…
そしてこの二人も私自身…
二人の気持ちも共通して痛いほど目に見えて表れている
感じ取れてしまっている…
私は二人と対象に食に関心が全くない…
最初にここに来た時アリスのイメージの
前に食べることを拒絶した…
ここから出るということは現実へ戻る事…
現実の私がどうなっているか全く思い出せない…
それが恐怖でもあるけれど、
この危機から乗り越えるには
これしかないのだ!
テーブルに合った
パンを口に必死にほうばる。
喉にパンが詰らないようにバランス良く
水を飲み干した。
必死でもなぜか、このパンがとてもおいしく感じ
水の冷たさ柔らかさが優しく喉を潤す…
ああ…
おいしい…
スッと体に澄み渡っていく…
全て食べ終わったとき
幸せ感と満足感に意識が途切れた…
次の日
目を覚ませば
またもや
さっぱりとした部屋にいた。
真っ白の天井に白いベット
薄青い病院のカーテン…
ベットの両脇には白い服を着た先生と
涙にぬれる母が私を覗き込んでいる…
ああ…
帰ってこれた…
記憶もどうしてここにいるのかも思い出した・・
私は極度の拒食症で倒れてしまったのだ…
夢の中のミイラ程に細い腕ではないが
細い管が黄色い栄養を含んだ点滴を流し込んでいる…
テーブルの色・・・
あれはあの夢は現実と繋がった夢…
その夢を私は忘れなかった・・・
もう水を飲んで喉に手を突っ込んでは物を吐こうとはおもわない
今日与えられたご飯と飲み物はキチンと飲む事
それが出来るようになった事すら感謝
適度に食べた時の満足感と潤いを忘れない
…忘れてはいけない事…
あの夢の部屋にはもう戻りたくないけれど
心に残る不思議な夢の部屋…
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