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桂と薫と野薔薇の異界探検
13☆またいつか
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子供達は遊び疲れて眠ってしまった。
「楽しいお正月になってよかったわ…毎年呼べればいいんだけど……これが最後かもしれないわね…」
橘はフゥ…と悲しいため息を吐く。
「ウカ様の食べ物を食べたから霊力も上がって異界に迷い込いこんでも抜け出せ行き来きできる能力を得たよ。また会えるよ…それは将来、良き力になるよ」
威津那も束の間の孫たちと触れ合いが終わってしまうと悲しい。
眠る孫たちの額を愛おしそうに撫でる。
「明綛も彷徨うことはなくなったと思うわ…野薔薇ちゃんと縁が繋がっているもの……」
流花は微笑む。
「繋がりが出口ということか」
流花と夫婦になって愛の結晶の血縁がいることに嬉しくなる。
正直このまま黄泉に行っても悔いはないのだが……
この阿倍野屋敷に導かれたということはいずれ、威津那の代わりに陰の神として鎮座することになる…可能性があるということか……と思う。
その時に流花がそばにいてくれたら寂しくはないだろうなと…明綛には見えない未来を思う。
「ここはあの世に近く現世への入り口、異界は時を超える場所…野薔薇ちゃんに出会えた事で縁も繋がり現世に帰る事ができるわ……
だけど、時は重なるかわからないけれど…」
「時が重ならないのは分かっていた……」
明綛は悲しい顔をして苦笑した。
もし、現世に戻れたとしても野薔薇もこの世のものではなくなっている可能性もある……と思うとこのまま留まりたい気持ちになる。
いつも自分は優柔不断だと思う。
未来を思うのに、未来が怖い…
流花とあの世に逝きたいのに、生きて人生を全うしたい……
それが、神誓いを失敗した原因で罰を食らった。
決断しなくてはいけない時に迷うことは、大切な存在を守れないということなのだから……
眠る野薔薇の頬をふれると。
「現世であいまつ…ひいおじいちゃま…むにゃむにゃ」
「そうだな…お前にまた会いに行くよ…絶対」
とりあえずの目標は生きて野薔薇に会えると信じよう。
『さぁ、みんな起きて、お母さんお父さんが心配をしているわ』
『連れてきちゃってごめんねって伝えておいてくれ。』
『また、来世で会いましょう。きっとあなたを見つけてあげるから』
《……現世への扉を開けよう……》
そういって阿倍野屋敷の玄関の両開きの扉を橘と威津那で開け放つ。
玄関向こうは暗闇ではなく、優しい朝日が差し込むように光輝いて、子供達と明綛を迎え入れた。
「楽しいお正月になってよかったわ…毎年呼べればいいんだけど……これが最後かもしれないわね…」
橘はフゥ…と悲しいため息を吐く。
「ウカ様の食べ物を食べたから霊力も上がって異界に迷い込いこんでも抜け出せ行き来きできる能力を得たよ。また会えるよ…それは将来、良き力になるよ」
威津那も束の間の孫たちと触れ合いが終わってしまうと悲しい。
眠る孫たちの額を愛おしそうに撫でる。
「明綛も彷徨うことはなくなったと思うわ…野薔薇ちゃんと縁が繋がっているもの……」
流花は微笑む。
「繋がりが出口ということか」
流花と夫婦になって愛の結晶の血縁がいることに嬉しくなる。
正直このまま黄泉に行っても悔いはないのだが……
この阿倍野屋敷に導かれたということはいずれ、威津那の代わりに陰の神として鎮座することになる…可能性があるということか……と思う。
その時に流花がそばにいてくれたら寂しくはないだろうなと…明綛には見えない未来を思う。
「ここはあの世に近く現世への入り口、異界は時を超える場所…野薔薇ちゃんに出会えた事で縁も繋がり現世に帰る事ができるわ……
だけど、時は重なるかわからないけれど…」
「時が重ならないのは分かっていた……」
明綛は悲しい顔をして苦笑した。
もし、現世に戻れたとしても野薔薇もこの世のものではなくなっている可能性もある……と思うとこのまま留まりたい気持ちになる。
いつも自分は優柔不断だと思う。
未来を思うのに、未来が怖い…
流花とあの世に逝きたいのに、生きて人生を全うしたい……
それが、神誓いを失敗した原因で罰を食らった。
決断しなくてはいけない時に迷うことは、大切な存在を守れないということなのだから……
眠る野薔薇の頬をふれると。
「現世であいまつ…ひいおじいちゃま…むにゃむにゃ」
「そうだな…お前にまた会いに行くよ…絶対」
とりあえずの目標は生きて野薔薇に会えると信じよう。
『さぁ、みんな起きて、お母さんお父さんが心配をしているわ』
『連れてきちゃってごめんねって伝えておいてくれ。』
『また、来世で会いましょう。きっとあなたを見つけてあげるから』
《……現世への扉を開けよう……》
そういって阿倍野屋敷の玄関の両開きの扉を橘と威津那で開け放つ。
玄関向こうは暗闇ではなく、優しい朝日が差し込むように光輝いて、子供達と明綛を迎え入れた。
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