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願いと妄想の夢違え
6☆夢見の吉凶
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「どうしたのだ?李流?」
几帳を挟んだ向かい側に陰陽寮長の晴房は李流のうなされ具合が気になって声をかけ、李流の近くによって様子を見る。
晴房は陰陽寮の仕事が忙しく桜庭の家に帰らず宮中で過ごしている。
李流も家に帰らず学校が終われば陰陽寮に泊り込みだった。
神事と暦制作が重なる秋の季節の忙しい時期だった。
年末、新年の行事にも備えねばならない。
なるべく余裕を持って準備を整えて余った時間があれば妻と産まれたばかりの子供と李流と義祖父季節で家族団欒を晴房は楽しみに仕事をがんばっている。
うなされるほどの仕事量を押し付けたかな?と晴房は内心申し訳なく思った。
「ハル様……」
李流はまだ、胸がドキドキと、恐怖の鼓動が収まらず胸元を掴む手が震えている。
明かりを付ければ李流の顔は真っ青になっていた。
「法子さまが……法子さまが助けを求める夢を見たのです……」
怖い夢は直ぐに忘れてしまいたいものだが、今見た夢の記憶を忘れないように李流は反芻する。
「法子さまの夢がオレとリンクした感じで……法子さまになった夢を見た……のです。」
夢というものは直ぐに記憶から霧散してしまうものなので晴房に記憶を覚えていて欲しくて言霊に出す。
晴房は、黙って真剣に李流の瞳を見つめて耳を傾けていてくれる事に感謝をする。
普段のほほんとしていても陰陽寮長、しっかりしていると尊敬の念がわく。
「現実と違うのは夢の世界のせいで……法子さまは皇子になっていらっしゃって、ただおひとりの皇子の法子さまを亡きものにしようと企んでいるものに命を狙われて、ご皇室の祖霊の神様にこの夢を実現させれば日和は亡びると言われました……そして、法子さまは捕まって怖くて目を覚めてしまったのです!」
李流は、ハッとしてさらに青ざめて、晴房の狩衣をガシリと掴み、
「ハル様!今すぐ、オレを夢の中に法子さまの夢の中に送れませんか!?法子様が!法子さまの危機なんです!」
そう必死に叫ぶように言って、神の化身でもある晴房の体を必死に激しくゆさぶった。
「ええぃ!落ち着けぇい!」
晴房はいつも手に持っている檜扇を李流の脳天にバシン!と思いっきり落とした。
「ぐはっ!」
一瞬気を失うほどの衝撃で、痛さを自覚するとハッキリと目が覚めてしまった。
檜扇に微かに煙が見えているのは幻だろうか?
「落ち着け、夢は時をも支配する空間だ。多少の事なら平気だ……たぶん……」
晴房も確信があまり持てないようだが、李流は冷静さを取り戻す。
所詮は夢……現実ではない……と思ってしまうことだが、それは危険な事に感じて、やはり、胸のあたりを焦がすむず痒い感覚におそわれる。
恐怖以外覚えてない……こんな怖い思いをする夢をもし法子さまが見ていらっしゃるなら助けたい……
と、とても新底思う。
「法子殿下が男宮になって何者かに襲われる夢……しかも神がそう仰ったというのだな?」
「はい……」
それだけでも不吉の予兆だと晴房は思う。
ましてはここは、宮中を守護する二柱の化身が住まう陰陽寮の場所での悪夢だ。
万が一陛下の魂が穢れに触れらたらと思うと一大事だ。
李流が夢見るのみでよしと思う。
(李流の夢見の力を強化し引き出しておいて正解だな)
晴房は李流の夢見の力を引き出しているために陛下に降りかかる悪夢も李流が観ることもある。
今回は遠くに修行なさっていらっしゃる法子殿下に直接降りかかり李流が夢見の力で危機を察ししたなとひとり納得する。
「うむ、いつも、幸せそうな夢しか見てないお前が悪夢を見るか……
それは心配だな……」
と心配そうに慰めるように今しがたぶっ叩いた頭を撫でて、夢のふと気配を感じた。
晴房は神の化身そのものであるため現世にありながら異次元の世界を辿ることも出来た。
「しかも、一方的な神との誓約のようだな。」
晴房はさらに気配を追ったが、正体をつかみづらいのか眉間に皺を寄せ、
「まだ、一方的ならいいのだが……」
と晴房はポツリと呟いた。
こういうことは、ルカの神の方が得意だ。
ハルの神は現世に起こる最悪から守り容赦なく何事も消し去る物理的な力の方が得意だった。
几帳を挟んだ向かい側に陰陽寮長の晴房は李流のうなされ具合が気になって声をかけ、李流の近くによって様子を見る。
晴房は陰陽寮の仕事が忙しく桜庭の家に帰らず宮中で過ごしている。
李流も家に帰らず学校が終われば陰陽寮に泊り込みだった。
神事と暦制作が重なる秋の季節の忙しい時期だった。
年末、新年の行事にも備えねばならない。
なるべく余裕を持って準備を整えて余った時間があれば妻と産まれたばかりの子供と李流と義祖父季節で家族団欒を晴房は楽しみに仕事をがんばっている。
うなされるほどの仕事量を押し付けたかな?と晴房は内心申し訳なく思った。
「ハル様……」
李流はまだ、胸がドキドキと、恐怖の鼓動が収まらず胸元を掴む手が震えている。
明かりを付ければ李流の顔は真っ青になっていた。
「法子さまが……法子さまが助けを求める夢を見たのです……」
怖い夢は直ぐに忘れてしまいたいものだが、今見た夢の記憶を忘れないように李流は反芻する。
「法子さまの夢がオレとリンクした感じで……法子さまになった夢を見た……のです。」
夢というものは直ぐに記憶から霧散してしまうものなので晴房に記憶を覚えていて欲しくて言霊に出す。
晴房は、黙って真剣に李流の瞳を見つめて耳を傾けていてくれる事に感謝をする。
普段のほほんとしていても陰陽寮長、しっかりしていると尊敬の念がわく。
「現実と違うのは夢の世界のせいで……法子さまは皇子になっていらっしゃって、ただおひとりの皇子の法子さまを亡きものにしようと企んでいるものに命を狙われて、ご皇室の祖霊の神様にこの夢を実現させれば日和は亡びると言われました……そして、法子さまは捕まって怖くて目を覚めてしまったのです!」
李流は、ハッとしてさらに青ざめて、晴房の狩衣をガシリと掴み、
「ハル様!今すぐ、オレを夢の中に法子さまの夢の中に送れませんか!?法子様が!法子さまの危機なんです!」
そう必死に叫ぶように言って、神の化身でもある晴房の体を必死に激しくゆさぶった。
「ええぃ!落ち着けぇい!」
晴房はいつも手に持っている檜扇を李流の脳天にバシン!と思いっきり落とした。
「ぐはっ!」
一瞬気を失うほどの衝撃で、痛さを自覚するとハッキリと目が覚めてしまった。
檜扇に微かに煙が見えているのは幻だろうか?
「落ち着け、夢は時をも支配する空間だ。多少の事なら平気だ……たぶん……」
晴房も確信があまり持てないようだが、李流は冷静さを取り戻す。
所詮は夢……現実ではない……と思ってしまうことだが、それは危険な事に感じて、やはり、胸のあたりを焦がすむず痒い感覚におそわれる。
恐怖以外覚えてない……こんな怖い思いをする夢をもし法子さまが見ていらっしゃるなら助けたい……
と、とても新底思う。
「法子殿下が男宮になって何者かに襲われる夢……しかも神がそう仰ったというのだな?」
「はい……」
それだけでも不吉の予兆だと晴房は思う。
ましてはここは、宮中を守護する二柱の化身が住まう陰陽寮の場所での悪夢だ。
万が一陛下の魂が穢れに触れらたらと思うと一大事だ。
李流が夢見るのみでよしと思う。
(李流の夢見の力を強化し引き出しておいて正解だな)
晴房は李流の夢見の力を引き出しているために陛下に降りかかる悪夢も李流が観ることもある。
今回は遠くに修行なさっていらっしゃる法子殿下に直接降りかかり李流が夢見の力で危機を察ししたなとひとり納得する。
「うむ、いつも、幸せそうな夢しか見てないお前が悪夢を見るか……
それは心配だな……」
と心配そうに慰めるように今しがたぶっ叩いた頭を撫でて、夢のふと気配を感じた。
晴房は神の化身そのものであるため現世にありながら異次元の世界を辿ることも出来た。
「しかも、一方的な神との誓約のようだな。」
晴房はさらに気配を追ったが、正体をつかみづらいのか眉間に皺を寄せ、
「まだ、一方的ならいいのだが……」
と晴房はポツリと呟いた。
こういうことは、ルカの神の方が得意だ。
ハルの神は現世に起こる最悪から守り容赦なく何事も消し去る物理的な力の方が得意だった。
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