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運命と宿命の縁
1★秘密の陰陽寮
しおりを挟む満月を仰ぐと、あの時の出会いを思い出す。
法子様に出会った運命を……
あれから半年
変わらずに宮廷衛士の仕事をさせてもらっている。
その縁あって、ボディガードの人や宮廷警備の人にも交流ができた。
将来、祝皇陛下、皇殿下方をお守りする仕事に着きたいと思っている李流にとって、とてもプラスになる縁だ。
陛下が【縁】についてとても大事にしていらっしゃるから自分も縁を大切にしたいとも思っている。
その中で、あるひとつの噂を聞いた。
「李流君を狙ってる方かいるから気をつけて」
耳元でこそこそと言われた。
それも宮中内の奥に近い方がそう言ってくる。
(オレを狙うって……命を狙ってるって事だろうか……?)
命を狙われるような事はしたことないのだけど…
あるとすれば、法子殿下と内緒の密会をしていたことだ…
尊き方を連れ出すことは昔だったら死罪…だった。
今はそんなに厳しくないが自分その話を聞いたら、その者に死罪とは言わなくても何らかの罰を与えたいと思う程の罪だなと……思う……
法子様とのいい思い出だが、それを犯した自分に憤る…
宮中で物騒な流血沙汰な迷惑をかけない為にも暫く宮仕えを休んだ方がいいかもしれない……
宮中の職員皆、皇室を大切にし尊敬しお守りする事に命をかけているのだ…
不敬を犯したような自分は当然狙われる…
自ら宮中に迷惑かけないように、陛下おそばでお仕事をしたいという夢は悲しいが諦めたほうがいいのか……と、法子さまと出会ったような満月を仰ぎ見て悩んだ時いきなり真っ暗になった。
「つーかまーえたぞっ!」
突然目隠しされた。
李流はあまりの事にびっくりして目を覆いかぶさる手をつかみひねりあげる。
「何者だっ!?」
ひねりあげて、勢いよく地に押し倒したはずなのにその感覚は消えていた。
地面にはだれもいない…
その代わり李流の頭にバシンっと衝撃か走る。
「必殺……扇おとし!」
脳天直撃の痛さは半端なく涙が出るほどだが、自分を襲ってきた相手を覚える為に睨みつけるように彼を見る。
「はじめまして…桜庭李流君」
李流の頭を直撃した扇は、檜扇で、青のグラデーションに金色の満月がは左端に登っている。
李流を襲った男は、檜扇を口元に添えて口元を隠して瞳で微笑む。
まだ二十代後半くらいの長身に中肉中背で少し色素の薄い印象の男で狩衣を着て千年前からタイムスリップしてきた陰陽師のような姿をしていた。
「あなたは……?」
宮中には千年前と変わらぬ姿をした神官がいるとは噂で聞いていたが、一年近く宮中の内塀を見回る伝統衛士をしていて初めて会った。
でも名前は存じない。
知るものも少ないことだけは知っていた。
「我は晴房。
神職兼宮中陰陽師をしている者だ。
陰陽寮長官を任じられておる。
特別にハル様と呼ぶが良いぞ。」
「……陰陽師は芽衣治の時に廃止になったはずでは……」
陰陽師とは吉凶を占う機関。
天文や暦をみて国の吉凶を司祭と決めく宮中、皇族を守る司だった。
今は神社の神主と同化している。
「表ではな。裏では今上天皇、皇族の吉凶を占い、護衛を司る長をしておる。
そして、表では宮内庁が指示をしているが、宮中の事はすべて私が仕切っていると言っても過言ではないぞ!」
胸を張ってそういった態度は子供がえばる態度にも似ているとも思うが、しゃべり方が法子様に似ていると第一印象に思った。
皇居に住む宮様の標準語なのかな?と思うと怪訝な表情をしていた李流は法子様のことを思い出して無意識に微笑んでいた。
「なぜ、そのようなお方が、オレ……私などをご存知なのです?」
晴房は扇を口元に当ててニヤニヤとした目で李流を見つめて。
「ずっと法子様との逢い引きを手伝ってたからじゃ」
一瞬訳が分からなくてキョトンとしてしまったが、意味が分かると
「え?って、え?!」
と李流は動揺した。
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