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運命と宿命の縁
8★瑠香
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昼に奇妙な事故が起こった。
『スピード違反の車が人に突っ込んで大破。
車にはねられた男性は子供を庇い意識不明』
李流は首をかしげる。
車は木っ端微塵の如くの映像だった。
理解し難い報道だからだ。
ニュースを観た陰陽寮の職員は
一斉に 、
「ハル様が車をはじき飛ばした!」
と叫んだ。
「……李流君、一緒に来てくれ…」
副陰陽頭の瑠香さんが静かに、けれど少し焦っている様子で言った。
瑠香はサラサラとした長い黒髪を巫女のように束ね、一見女性に見えるけど男の色気漂う男性だ。
イメージは静かな夜。
皆にいつも通りに仕事をするように命令して、李流を連れて宮中を出て事故の場所を確認すると、青ざめた母と合流し、運ばれた病院に急ぐ。
瑠香は晴房はと同じく神の化身でもあり対の神を宿している。
だが、生まれながら神の依代ではないので世間を知しり常識人だ。
しかも神の力とは別に、テレパシーやお香を操る能力をもっている。
副長だけあって特殊な存在でもあった。
目に見えないものを観て感知する能力は晴房以上らしい。
病院について身内という事ですぐに晴房の元に案内された。
ただ眠っているように見える。
どこにも怪我はない。
それが異様に不吉に思えた。
「晴房さんっ……!」
寝ている晴房の手をぎゅと握り、怪我が無いことに、ほっとしながらも、どこか違う不安を感じた。
李流も母と同じ感想だ。
無事に見えてただ事ではないと感じる。
「ハルの魂が神の元に上がっている……」
瑠香は眉間にシワを寄せ呟いて、天井を見つめる。
「あと、一、二時間戻らないと完全にあがって帰ってこれなくなる……」
『あがる』とは宮中で、不浄や不吉な言霊をさけるため『死や、亡くなる』ことを『あがる』という。
李流と雪の表情は青くなる。
母は愛した男を失うということなのか…?
責任取らずに、取れずに、死ぬなんて……!
「ハル様の魂を取り戻すことは出来ないのですか?」
瑠香は目を閉じて、何かを受け取るようにうなづいて、
「法子様が手助けしてくれるそうだ……」
「法子様が?」
何故、法子様が手助けしてしてくれるのか繋がりが分からず目を丸くする。
法子様は瑠香さんとテレパシーできるのだろうか?
少し羨ましいと思った瞬間、急激な眠気が李流を襲う。
「李流君は法子様の事を願って……夢で会えるから…」
瑠香はそう告げると突然、手を李流の鼻にもっていく。
すると、高貴なお香の香りがした。
「神が好む香だよ。安心して、晴房を取り戻しにいきなさい……」
瑠香さんも晴房の一番の部下だけあってただ者ではないと思った……
瞬間、李流の存在は七色に輝く雲の上に立っていた。
『スピード違反の車が人に突っ込んで大破。
車にはねられた男性は子供を庇い意識不明』
李流は首をかしげる。
車は木っ端微塵の如くの映像だった。
理解し難い報道だからだ。
ニュースを観た陰陽寮の職員は
一斉に 、
「ハル様が車をはじき飛ばした!」
と叫んだ。
「……李流君、一緒に来てくれ…」
副陰陽頭の瑠香さんが静かに、けれど少し焦っている様子で言った。
瑠香はサラサラとした長い黒髪を巫女のように束ね、一見女性に見えるけど男の色気漂う男性だ。
イメージは静かな夜。
皆にいつも通りに仕事をするように命令して、李流を連れて宮中を出て事故の場所を確認すると、青ざめた母と合流し、運ばれた病院に急ぐ。
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だが、生まれながら神の依代ではないので世間を知しり常識人だ。
しかも神の力とは別に、テレパシーやお香を操る能力をもっている。
副長だけあって特殊な存在でもあった。
目に見えないものを観て感知する能力は晴房以上らしい。
病院について身内という事ですぐに晴房の元に案内された。
ただ眠っているように見える。
どこにも怪我はない。
それが異様に不吉に思えた。
「晴房さんっ……!」
寝ている晴房の手をぎゅと握り、怪我が無いことに、ほっとしながらも、どこか違う不安を感じた。
李流も母と同じ感想だ。
無事に見えてただ事ではないと感じる。
「ハルの魂が神の元に上がっている……」
瑠香は眉間にシワを寄せ呟いて、天井を見つめる。
「あと、一、二時間戻らないと完全にあがって帰ってこれなくなる……」
『あがる』とは宮中で、不浄や不吉な言霊をさけるため『死や、亡くなる』ことを『あがる』という。
李流と雪の表情は青くなる。
母は愛した男を失うということなのか…?
責任取らずに、取れずに、死ぬなんて……!
「ハル様の魂を取り戻すことは出来ないのですか?」
瑠香は目を閉じて、何かを受け取るようにうなづいて、
「法子様が手助けしてくれるそうだ……」
「法子様が?」
何故、法子様が手助けしてしてくれるのか繋がりが分からず目を丸くする。
法子様は瑠香さんとテレパシーできるのだろうか?
少し羨ましいと思った瞬間、急激な眠気が李流を襲う。
「李流君は法子様の事を願って……夢で会えるから…」
瑠香はそう告げると突然、手を李流の鼻にもっていく。
すると、高貴なお香の香りがした。
「神が好む香だよ。安心して、晴房を取り戻しにいきなさい……」
瑠香さんも晴房の一番の部下だけあってただ者ではないと思った……
瞬間、李流の存在は七色に輝く雲の上に立っていた。
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