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伝統の縁(でんとうのえにし)
まさかの縁。(番外編)
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「晴房は桜庭の婿養子になったのか!?」
元陰陽寮長だった瑠香の父の高良は興奮気味にそう言った。
瑠香は物忌み期間に晴房が結婚したことを報告したのだった。
高良はソファに気が抜けたように座ってふーっとため息を吐いた。
「運命とは縁とは面白いものだな。」
クククッと楽しくて歳ながら心が浮き立って笑いが漏れる。
そして、
「阿倍野殿………」
と呟いた。
それは、葛葉子の父ではなく母の方だと瑠香は察した。
「葛葉子の母の橘は桜庭の姫と怨霊退治や魂浄化の仕事をしていたことを話しただろ?」
「ああ、ジジ様にも聞いたことがある」
ジジ様も『阿倍野殿』と言われていて当主が名乗るものらしい…
葛葉子は巫女として宮中で、仕事をしていたので継がなかった上に謹慎処分の理由は、『阿倍野殿』が、原因だったのでタブーになっている。
ジジ様は、自分の娘を自慢するように語ってくれた。
そして、桜庭の姫と親友だった事も…
「まさかな縁だな。」
父はほくそ笑んだ。
☆
そして、数ヶ月後、
「俺っ!親友ができたんだぜっ!」
孫の薫が興奮気味に言った。
「どんな子だ?」
「桜庭李流っていうんだ!」
飲みかけた茶を吹き出した。
「あら、お父さん大丈夫?」
妻が背中をさすってくれた。
「縁とはほんとに……」
クククッと笑いがこみ上げてたまらない。
「じーさん?どうした?」
祖父の驚きが異常すぎているので首を傾げて聞く。
「お前のもう一人のばーさんと桜庭の姫の話を話してやろう…」
高良は自分の知る範囲の二人のことを聞かせた。
その話を聞いた薫はとても喜んだ!
「長く生きてると面白いことが起こるな…」
お茶で口を潤しながら呟いた。
「そうですね。橘さんが繋いでくれたような縁な気がします」
隣に座って妻はそう言った。
「かーさんも橘とは仲良しだったしな」
「うふふ。ほんっと、懐かしい」
そういって、高良に寄り添う。
橘が高良との縁も結んでくれた事も思うと幸せに感じる。
さらに、半分あやかしである孫の薫と李流が親友になり縁とは面白いと老夫婦はさらに笑いあうのだった。
「さて、久しぶりに季節殿に連絡してみるか。」
その後、祖父たちは昔を知り語る友として再開した。
元陰陽寮長だった瑠香の父の高良は興奮気味にそう言った。
瑠香は物忌み期間に晴房が結婚したことを報告したのだった。
高良はソファに気が抜けたように座ってふーっとため息を吐いた。
「運命とは縁とは面白いものだな。」
クククッと楽しくて歳ながら心が浮き立って笑いが漏れる。
そして、
「阿倍野殿………」
と呟いた。
それは、葛葉子の父ではなく母の方だと瑠香は察した。
「葛葉子の母の橘は桜庭の姫と怨霊退治や魂浄化の仕事をしていたことを話しただろ?」
「ああ、ジジ様にも聞いたことがある」
ジジ様も『阿倍野殿』と言われていて当主が名乗るものらしい…
葛葉子は巫女として宮中で、仕事をしていたので継がなかった上に謹慎処分の理由は、『阿倍野殿』が、原因だったのでタブーになっている。
ジジ様は、自分の娘を自慢するように語ってくれた。
そして、桜庭の姫と親友だった事も…
「まさかな縁だな。」
父はほくそ笑んだ。
☆
そして、数ヶ月後、
「俺っ!親友ができたんだぜっ!」
孫の薫が興奮気味に言った。
「どんな子だ?」
「桜庭李流っていうんだ!」
飲みかけた茶を吹き出した。
「あら、お父さん大丈夫?」
妻が背中をさすってくれた。
「縁とはほんとに……」
クククッと笑いがこみ上げてたまらない。
「じーさん?どうした?」
祖父の驚きが異常すぎているので首を傾げて聞く。
「お前のもう一人のばーさんと桜庭の姫の話を話してやろう…」
高良は自分の知る範囲の二人のことを聞かせた。
その話を聞いた薫はとても喜んだ!
「長く生きてると面白いことが起こるな…」
お茶で口を潤しながら呟いた。
「そうですね。橘さんが繋いでくれたような縁な気がします」
隣に座って妻はそう言った。
「かーさんも橘とは仲良しだったしな」
「うふふ。ほんっと、懐かしい」
そういって、高良に寄り添う。
橘が高良との縁も結んでくれた事も思うと幸せに感じる。
さらに、半分あやかしである孫の薫と李流が親友になり縁とは面白いと老夫婦はさらに笑いあうのだった。
「さて、久しぶりに季節殿に連絡してみるか。」
その後、祖父たちは昔を知り語る友として再開した。
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